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お食べ退魔録(過去作です)※月刊フェチノベで公開したものです

 一話 人参の漬物  ニンジンは嫌いだ。苦くて妙な味がして……  裏木はカレー皿に残ったニンジンを隅に移し、席を立った。 「なんだよ裏木、またニンジン残してるのかよ。ニンジン食べろよ!」  金髪メガネの同僚、木須が声をかける。 「ニンジンいらないよ」  裏木が洋食屋を出て行く瞬間だった。  バチッ!? バチッ!?  咄嗟にバックで防ぐ裏木。  腕に電気のようなものが走り、動揺する裏木。周囲には誰もいなかった。だが、何処かに隠れているのは間違いない。だが、いったい何処にいるというのだろうか? 「加藤! そこにいるんだろう!?」  こんな事をするのは上司の加藤しかないと思った。悪戯好きで、何度もサプライズと言ってイジメまがいな事を仕掛けてくるのだ。それが同僚や部下に仕掛け、そろばん二級の頭脳で、襲いかかる事からこう言われていた。そろばんの悪魔と…… 「残念ながら違います」  後ろから小さい女の子の声が聞こえた。  そして……  バチッ!? バチッ!?  強烈な電流が身体中に駆け巡り、それに絶えられずに裏木は後ろに倒れる。 なんだ……? 身体にドロドロした感触がまとわりつく感触がする。それに心なしか、股間に快感が…… 「これは!?」  目を開けると、小さな少女が裏木を見下ろしていた。緑の髪はツインテールにし、赤みを帯びた肌、白いブラウスにキャロットスカートを履いた可愛い少女。もちろん面識は全くない。  周囲を見回す。いる場所は畑のようで、泥が盛土のように形成され、巨大なニンジンのようなものが生えている。  状況が理解できない裏木であったが、その自分の身体半分が泥に埋められている事に気づいた。 「あなたを今から人ニンジンにします。気持ち良いから覚悟してくださいね~♪」 「人ニンジン? 何を言ってるんだ君は!? やっぱり君は加藤の差金か!?」 「違います。わたしはお食べ妖怪、人神(にんじん)。あなたはニンジンを残した罪として祟りを受けて貰います!」 「ニンジン? 君がニンジン?」  言われてみて裏木は気づいた。彼女の容姿は緑の髪、赤みを帯びた肌は確かにニンジンを思わせた。 「大丈夫です。人ニンジンになれば、ニンジンが大好きになりますよ~♪」 「止めてくれ! 僕はニンジンが大嫌いなんだ!」  もがくが、泥沼からは全く身体が動かなった。 「別にニンジンを無理矢理に食べさせようって言うじゃないですよ。ニンジンとなって、その気持ちを分かち合おうという試みなんですよ。例えばこんな風に……」  人神と呼ぶ少女は裏木が埋まっている手を突き込み、掻き回す動作をする。 「な、なにを!?」  泥の中に入った裏木の胸、腹を撫でさすりながら、その手が肉棒にたどり着く。 「まずは人ニンジンになる前に土に栄養を与えないといけませんからね」 「君はこんな事して恥ずかしくないのか!?」 「ニンジンを残す方がよっぽど恥ずかしいですよ。ほら、ピュッピュッしちゃえ~♪」  彼女、人神は恐ろしい事に泥の中で手コキをしているのだ……精液を促すように…… 「やめてくれ!?」  泥の滑りによって激しい快感が生まれる。 「ほら、泥の中にピュッピュッ~♪」  その人神の一言を最後に裏木の快感は絶頂に達し、射精した。  泥の中に精子と思しき白いものが浮き上がる。 「ああ……」 「ふふふ……いっぱい出してくれましたね。泥手コキはそんなに気持ち良かったですか? 変態さんですね」 「違う!?」 「何が違うんですか? ん? この硬い感触は……あらあらこんなに勃って、まだこんなに元気いっぱいじゃないですか~♪ まだいっぱい出せますね」  今度は両手を突き込むと、石鹸を泡立てるような仕草で泥と肉棒をかき混ぜていく。 「あああっ!?」 「もう限界ですか? 人ニンジンになる為の栄養ですので、泥の中にいっぱい出しちゃってくださいね~♪」  ドピュッ!? ドピュッ!?  泥の中にまた精子が浮き上がる。これが土の栄養として使われてしまうのだ。 「もう……やめてくれ」 「ほら、こんなに出ましたよ~♪」  人神が手で泥をすくい上げ、精子が混じったそれを見せびらかす。 「何でもする……ニンジンは食べる……だから解放してくれ!」 「嫌です~♪」  人神は笑顔で蹴るような勢いで股間に当てる。 「がっ!?」  泥がクッションとなって痛みはなかったが、逆に人神がゆっくりと踏み抜く感触が快感をもたらしていく。 「人間の口約束なんて聞き飽きました。人間はみんな最初はそう言うんです……だけど、誰も食べてはくれなかった!」  ぽつりと雫が落ち、上を見上げれば、雨の原因となる雲はガラス張りの屋根に覆われていた。雨などは降るはずは、なかった。では、いったい何なのか? 「君は……」  そう……人神の彼女の瞳からは、涙がこぼれ落ちていたのだ。 「大丈夫です! あなたが人ニンジンとなれば、全ては上手くいくのです!」  足によって電気あんまのような刺激が加えられる。本来ならこれだけでは絶頂はしないが、ぬるぬるの泥のせいで、快感を感じやすくなってしまっていた。 「やめて……くれ!?」 「さぁ、土にもっと栄養を出すのです!」  ドピュッ!? ドピュッ!?  泥にまた精が注がれ、白濁が浮かび上がる。 「もう……出ないよ……」 「もっと出すのです~♪」  今度は足で、泥を掻き回すような、塗りこむような仕草で刺激を与えられる。  それに耐える事ができず、裏木は何度も泥の中に精液を解き放つ事となった。 「はぁ……はぁ……あ……あ……」 【水……栄養……】 「はいはい……待ってくださいね。新しい人ニンジンさんに水をやったらすぐにあげますので……」  か細い声、それは人の声のように思えた。  裏木は声のした方へ振り向き、隣に生えている巨大なニンジンを見る。ニンジンと思しき緑の葉は、心なしか、髪のように思えた。目、鼻、口と思しきものもある。 【……水】  と、見ていたその巨大ニンジンの口が動き、なんと言葉を喋ったのだ。まるで人のように……まるで人そのものであるかのように……周囲に生えているこの巨大ニンジンはそう……これは…… 【……栄養】 【栄養……水】  周囲の巨大ニンジンは口が動き、喋り出すそれは、人なのだ。何らかの方法で、化物ニンジンに変えられた人。 「うわああああっ!?」 「あら、気づいちゃいましたか? でも、安心してください。あなたも人ニンジンさんのお仲間になるんです。怖いことなんて、なんにもないですよ~♪」  人神が裏木の頭を跨ぐようにすると、スカートをめくる。上を見上げると、剥き出しのマンコがトロトロした愛液で湿らせている。 「や、やめろ!?」  何を思ったのか、人神はマンコに指を入れ、オナニーを始めた。  くちゅっ。くちゅっ。くちゅっ。  粘つくような液の音を立てながら、指を入れ続ける。赤い肌をさらに染め上げるように…… 「それじゃあ、水をいっぱいあげますね。これで元気で立派な人ニンジンさんになってくださいね」 人神が指を抜いた瞬間だった。くぱぁという音と共に多量のスライムのような粘着物が裏木に降りかかる。 「ああああっ!?」  それは、泥から出た剥き出しの頭や肩を粘液塗れにするのは、充分であった。ネバネバした粘液が暖かく心地良い、それを口に含めば、水飴のように甘かった。  さらに人神が与えた水は、泥の中に浸透し、粘度を上げる働きがあった。泥なのにまるで、プリンに浸かっているような感触であった。 それを試すように泥の中をもがいた。もがけばもがくほど快感が増し……  ドピュッ!? ドピュッ!?  絶えられずに裏木は、泥の中に精液を放っていた。 「あら? 栄養は必要ないのにまた出しちゃったんですか? しょうがない人ニンジンさんですね」 「……なんだこれ? 身体が熱い……」  それに何だか身体の芯が、固まっていく感覚に陥っていく。 「そろそろ人ニンジンさんになる頃合ですね」  ピキッ!?  身体にそんな音がして目線を泥に浸かっていない肩に向ける。肌色だった肩が赤に変色していた。気づけば、泥から剥き出しの肌は、全て赤に変色していた。まるでニンジンのように…… 「うわあああっ!? ここから出してくれ!? 僕は人ニンジンになんかになりたくない!?」 「ふふふ……立派な人ニンジンさんの出来上がりです~♪ 収穫が楽しみですね。丸かじり、漬物なんかも良いですよね?」 「誰か! 助けてくれえええっ!?」  裏木の声がガラスの天井に響き渡った。  お食べ町。都会と田舎の中間といった町並みであるが、お食べ様と呼ばれる妖怪信仰が江戸時代から現代に至るまで根付いている。お食べ様は妖怪でありながら、豊穣と食べ物の神様であった。だが、その反面に食べ物を粗末にする者は祟られ、神隠しされると伝えられている。  昔話によれば、お食べ町は商業が盛んな大きな街で、人々も食べ物に困らないぐらい裕福に暮らしていたという。裕福な暮らしに慣れた人々は次第に食べ物を粗末に扱うようになった。それに怒ったお食べ様は百匹の妖怪を使い、人々を神隠しにした。  神隠しされ、困り果てた町人達は有能な巫女にお食べ様の退治を依頼した。有能な巫女は百匹の妖怪を封印し、お食べ様をこらしめ、二度と人を神隠しさせないと約束させた。有能な巫女は人々にお食べ様を祭る神社を建てる事を提案し、食べ物を粗末にした事を戒めたという。そしてこのお食べ神社は願えば嫌いな食べ物が無くなるという事で有名になっているのだが……  そのお食べ神社は境内を掃除している巫女、紅井よもぎこそが、お食べ様をこらしめた巫女の末裔なのである。  ほうきにつまづき、転ぶよもぎ。  ……もう一度言う。この巫女がお食べ様をこらしめ、百匹の妖怪を封印した末裔なのである。 「うるさ~い!」  かぁかぁと鳴く、カラスの大群をほうきで追っ払うよもぎ。  そこへ、一人のおばあさんが会釈する。 「珍しいですね。ここのところ、全くお客さん来てなかったんですよね」  そんな事を言って、笑顔でお茶を出すよもぎに、おばあちゃんは顔を曇らす。 「お食べ神社には退魔をしてくれる巫女がいると聞いたのですが……」 「それ私です! 昔はおじいちゃんが退魔の仕事をやっていたんだですけど、今は私がやってます」  さらに顔を曇らせ、溜息をつくおばあちゃん。 「一ヶ月前にコウタが行方不明になりました」 「まさか……まだ帰って来ていないんですか!?」  お食べ様との契約では、一ヶ月以上は人を拘束してはいけないという、江戸時代からの取り決めがあるのだ。 「いいえ、帰って来ました……変わり果てた姿で……やつれてニンジンが嫌いだったコウタが狂ったようにニンジン料理しか食べないんです!」 「それは間違いなく……お食べ妖怪の仕業ですね」 「お願いします! いつも笑顔で食事するコウタがニンジン料理を黙々と食べるだけで……もうあんなコウタの顔を見たくないんです! お食べ妖怪からコウタを救ってください!」  それは懇願だった。コウタのおばあちゃんは潤んだ瞳で、よもぎの手を掴んでくる。 「分かりました! 任せてください! このお食べ退魔師よもぎがコウタさんを必ず救ってみせます!」  お食べ小学校。そこはお食べ町の子供達が通う学び舎なのだが……教室を外の窓から覗く不審な影があった。  見ていたのは、緑の髪のツインテールに、赤い肌を持つお食べ妖怪、人神であった。  そして人神は溜息をつく。  お食べ様は残し物をする子供を攫ってこいと言っていたけれど……幼気な子供を毒牙にかけるのは、さすがにやりすぎなどではないだろうか。いや、甘いのかもしれない。残り物のニンジンの怨念で作られた身……その怨みを晴らさなければ! 【おい、小鰭(こはだ)! 今日はお前の大好きなニンジンが入った肉じゃがだぞ】  さっそくニンジンを残す子供が出てきそうだ。  人神が窓を覗くと、そこには肉じゃがのニンジンを何とか口に入れようとする少年の姿があった。 「食べれないなら残しちまえよ!」 「うるせえ! 世の中には食べれない人がいっぱいいるんだ! 震災でニンジンしか無かったらオレは迷いなくニンジンを食べる!」 ニンジンを勢いよく平らげ、苦しそうに飲む。 「食べやがったよ……何でお前はそんなガチなんだ」  この子は嫌いなニンジンなはずなのにこんなにも真面目に食べてくれる。小鰭という少年は普通の小学生とは違う何かを持っているような気がした。  見ていると、胸が熱くなるような何かを……それは妖気や霊力の類ものではなく、妖術のように魅了されてしまう何かを持っているのだ。 「貴方ね? 人をニンジン好きにするお食べ妖怪は!?」  少女の声が聞こえた刹那だった。殺気を感じ、咄嗟に避けると、通り過ぎたものが校舎に当たって爆発する。 「妖気? いや、これは霊力!? まさかお食べ退魔師!?」  何かが投げられた方向を見ると、巫女服を着た少女が一人。髪型をポニーテールにし、御幣を構える少女は、お食べ退魔師に間違いなかった。 「お食べ妖怪! 覚悟!」 「ちょっと待ってください!? わたしはまだ何もやってません! それにいくら退治の為だからといって小学校の校舎を壊すのはどうなんですか!」  校舎からはパラパラと小さな石の破片がパラパラと落ちてくる。校舎の壁は大穴が空いた状態だったが、生徒が避難を始めてる場面を見ると、どうやら生徒達は無事のようだ。 「子供達がいる校舎を……なんてことを! 許さないわ! お食べ妖怪! お食べ退魔師よもぎが神に代わってお仕置きよ!」  変な決めポーズをとるお食べ退魔師よもぎ。 「全てがあなたがやったんですよね!? しかも、決めセリフがパクリ臭いです」 「問答無用!」  御札を構えるよもぎに、人神はニンジン型スタンガン、人迅雷(にんじんらい)を構える。 「止めてください! あなたとわたしは戦う理由は無いはずです!」  バチバチと火花が散る人迅雷に怯まずに向かって来るよもぎ。 「スタンガンを持った妖怪に言われたくないわ!」  御札と人迅雷が交錯する刹那。 「やめろおおっ!?」  幼い少年の声が聞こえて怯むよもぎと人神。  駆け寄ったのは、あの小鰭という少年。 「離れてなさい! 相手はお食べ妖怪なの。貴方の出る幕じゃないわ!」 「違うんだお姉ちゃん。こいつがお食べ妖怪だっていうのは分かっているけど……もし、ニンジン嫌いなオレを好きにさせようとしてるのなら罪はない!」 「そんな事を言えるのはお食べ妖怪の実態を知らないからそんな事が言えるのよ! お食べ妖怪は人を犯す淫魔でもあるの。精気を取られたあげく、呪いをかけられてしまう」 「いんま?」  動揺する小鰭に人神が羽交い絞めにする。 「ふふふ……この子はお食べ妖怪のこの人神が預かりました! 助けたければわたしを見つけるのです!」  人神がニンジン型人迅滅光(スタングレード)を投げると、猛ダッシュで逃げ出していた。  これでしばらくは追っては来れないはずだ。しかし、問題は…… 「なんだよ!? オレを生き埋めにする気か!?」  そう言いながらも、身体を泥に埋められても小鰭は全く抵抗しなかった。なぜ? 「違います。あなたを人ニンジンにし、ニンジン好きになるのです。怖いですか? 泣き叫んでも誰も来ませんよ」 「そっか……ごめんな人神。ニンジンの事、好きになれなかった。でも、これからニンジンが大好きなれるならそれで良いぜ」  笑顔で言う小鰭に胸が熱くなるのを感じた。いったいどうしたというのだろうか? 「そ、そんな事を言っても騙されませんよ!? い、良いでしょう……あなたに水をやって人ニンジン の仲間にしてあげます!」  スカートを広げ、小鰭を跨いで自慰をしようとした人神であったが……その小鰭の濁りの無い瞳に、人神は魅了されていた。 「……おい!? パンツぐらい履けよ!?」 「あーあもう!」  何を思ったのか、人神は小鰭の両手を引っ張り、その身体を大根のように引き抜いていた。 「……どうしてだよ? オレをニンジン好きにするんじゃ……」 「あなたはニンジン嫌いとは違います。嫌いでも食べようとする……それは立派な事ではないでしょうか?」 「……人神」 「話しているところ悪いが、そいつは駄目だ……食べ物を粗末にする野郎だからな」  振り向くと、そこには一人の少女がいた。頭には獣のような耳、キャベツの葉をさらしのように巻き、腰は尻尾にぬるぬる昆布をふんどしのようにし、身体中にぬか味噌を塗りたくっている。この異様な姿をした変態少女を人神はよく知っていた。そう……この少女はお食べ妖怪、憑獣(つけもの)であった。 「どうしてですか!? 小鰭君はニンジンは嫌いですが、ちゃんと食べます」 「お前は漬物を残した事があるだろ?」 「無い! 漬物はちゃんと食べてる」  小鰭の顎を持ち上げる憑獣。 「ほう……なら、お前はうなぎと梅干があったらどうする?」 「食べ合わせが悪いから母ちゃんが残せって言ったから……」 「迷信を信じて食べ物を粗末にしたか……決まりだな」  憑獣が小鰭を抱え上げる。 「憑獣さん、ちょっと待ってください! 別にそれは小鰭君が悪い訳では……」 「こういう奴がいずれ食べ物を粗末にするんだ! 料理屋では食べ物のオマケとして目もくれずに残される……お前には私の気持ちは分からんさ」 「離せ! オレはニンジン好きになるんだ! お前とは関係ない!」  手足をばたつかせる小鰭に構わず歩き始める憑獣。 「心配するな。ついでにニンジン好きにもしてやる」  憑獣に連れて行かれる小鰭を、人神はただ、見守る事しかできなかった。  お食べ妖怪として生まれてから一年ぐらいしか経ってない人神と、生まれて二年経過した憑獣とでは、位の差がある為、逆らう事などできなかったのだ。 「小鰭君を助けたいのに……」 「その願い……叶えてあげましょうか?」  振り向くと、そこにはお食べ退魔師、よもぎの姿があった。  小鰭は巨大な樽が並ぶ工場のような施設に連れて来られていた。 「離せ!」  片手で抱え上げているのにも関わらず、憑獣の力は強く、ビクともしなかった。 「活きのいい子供だ。良い漬物になりそうだ」  小鰭の服をビリビリに引き裂くと、自ら巨大の樽の中にダイブする憑獣。 「お前は……オレを漬物にして食べる気か!?」  飛び込んだ勢いでぬか味噌が飛び散り、身体中が汚れる。 「ああ。私はお前と違って好き嫌いしないからな。まずは身体の汁をいっぱい出してやらないとな」  そう言うと、憑獣は小鰭を羽交い絞めにし、身体に付いたぬか味噌を塗りつけてくる。ネチネチと音がする度に、全身がマッサージされているような気持ち良さが伝わり、心なしかチンコが大きくなっていくような感覚がする。 「おいおい! まさかぬか味噌を塗りたくられておチンチン立っちまったのか?」 「な、なに言ってんだ!?」 「子供じゃセックスもした事ないからな。仕方ないか。まずはこいつを巻きつけてやる」  憑獣はキャベツのさらしを解き、それを小鰭の上半身に巻きつけてしまう。 「な、なにを!?」  ぬか味噌が塗られた豊満な胸が現れる。 「このぬか味噌おっぱいで、お前のチンチン汁をたっぷり絞り出してやるよ!」  ぬか味噌の床に叩き付けられるように、小鰭は仰向けに寝かされ、のしかかってくる。  ずぶずぶとぬか味噌の中に沈むが、浅いせいか身体の半分で止まる。 「……止めろ!?」  そのまま憑獣はぬか味噌おっぱいでチンコを挟み、ねちねちと塗りつけてくる。まるで歯磨き粉のチューブを絞り出すような要領で……そんな事をしても汁など出るはずなどないのに……けれど、なぜか快感のようなものがこみ上げてくる。 「我慢しなくて良いぜ。そのまま精子汁を出しちまいな」 「ああ!?」 その時、快感と共にチンコからオシッコとは違う白い汁が吹き出した。 「それがお前の精子汁だ。無くなるまで絞り出しやるよ」  憑獣の胸が精子汁で白く染まり、谷間のぬるぬる感が増していく。 「止めろ……そんな事したら干からびて死んじまうよ」 「ははは……干からびる? 漬物みたいにしなびて良い感じになるかもしれないな」  憑獣は谷間で、チンコにぬか味噌に塗りつけるのを止めてくれなかった。恐怖を感じるのに、精子汁のぬめりでさらに気持ち良くなっていく感じがする。 「死んじゃう……死んじゃうよ!?」  死の恐怖を感じるのにも関わらず、気持ち良く……ドピュッという独特な音と共にまた、精子汁を憑獣の谷間の中に我慢できずに出してしまった。 「おいおい! 死んじゃうのに出しちゃって良かったのか?」 「オレ……しなびた漬物になんかかになりたくないよ!」 「心配するな。こうして私が重石になって漬物人間になるまで面倒見てやるからな」  泣きながら言っても憑獣は止めてはくれなかった。全身を使い、ぬか味噌を塗りたくる。  そして耐えられずにドピュッドピュッと、精子汁を谷間に漏らしてしまう。 「ああ……オレの汁が……」 「ははは……汁の量が少なくなってきたな。次でそろそろ漬物のようにしなびる頃合だな」 「止めろ……オレは漬物になんかになりたくない!」 「さぁ! 次でフィニッシュだ。しなびて美味しい漬物になりな!」  その時だった。何かが壊れるような音がしたのは……  樽が壊れたのか、木片が飛び散る光景と共にお食べ退魔師よもぎと人神の姿が見えた。 「馬鹿な!? 貴様達は!?」  いつの間に救出したのか、気絶した小鰭を人神が抱えている。 「退治にしに来たわ憑獣!」  よもぎの傍にいる人神を睨む憑獣。 「裏切ったのか人神!」 「裏切ってなどいません! わたしはただ……努力してニンジン嫌いを克服しようとする子供の思いを踏みにじりたくないのです!」 「それを裏切ったというのだ人神! こうなったらまとめて漬物にしてやる!」 「無駄よ! 四魂滅採(しこんめっさい)!」  よもぎが向かって来る憑獣に御幣を向けた刹那。真っ白な光が全てを包んだ。 「どうしてだよ姉ちゃん! 人神はオレを助けてくれたんだ! それなのに浄化するなんてあんまりだ!」  神社の神殿で泣きついていくる小鰭を、よもぎは慰めるように頭を撫でる。 「しょうがないのよ小鰭。浄化しなければ呪われた人はずっとニンジン中毒から解放されないの」 「そんな……でも、人神だって嫌だろ? 浄化されて只のニンジンに戻るなんて……」  近づいてくる人神に抱きつく小鰭。 「嫌じゃありませんよ……もう満足なんです。ニンジン嫌いを克服しようと頑張っている子がいる。それでわたしの恨みは晴れました。これで普通のニンジンに戻る事ができます」 「……人神」  抱きつく小鰭に優しく引き剥がすと、人神は優しく頬にキスをした。 「四魂滅採!」  よもぎの御幣から放たれた光に包まれ、人神はニンジンに小さな姿を変え、畳にポトリと落ちる。 「人神!!」  落ちた人参を抱き、小鰭は涙を流し続けた。いつまでも……  お食べ小学校の登校途中、小鰭の目に誰かの手が覆いかぶさる。 「誰でしょう~♪」  聞き覚えのある声だが、少し気分が悪かった。その両手を弾き……振り向くとそこには…… 「人神!?」  そこには巫女服姿の人神の姿があった。 「実はあの後、よもぎさんがわたしを式神として採用してくれたんです」 「じゃあ、これからはずっと会えるんだな!?」  抱きつく小鰭に笑顔で受け止める人神。 「はい、これからもずっといられますよ」 「マジか!? これからも毎日、会いに行く」 「ああ、そうだ。小鰭さんにこれだけ聞きたかったんです」  そう言って人神は恥ずかしそうに赤い頬をさらに染める。 「何だよ?」 「ニンジンは好きですか?」  その言葉に小鰭は満面な笑みで返してこう言った。 「大好きだ!」 お食べ退魔録2(過去作)↓(FANBOXリンク) https://o-da-tyumon.fanbox.cc/posts/139897

お食べ退魔録(過去作です)※月刊フェチノベで公開したものです

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