「あっ……。」 彼女は僕に気付くと、小さく声を漏らし、みるみるうちに顔を真っ赤にして俯いた。 「え、えっと……。久し振り。」 「うん……そうだね。」 彼女は僕なんかと違って優秀だったから、名門の女子校に進んだんだ。今になって思えば、その学校は全裸登校の伝統があることで有名だった。 「あはは、やっぱり知り合いに会っちゃうとメチャクチャ恥ずかしいや……。」 そう言う彼女の横を通り過ぎる人々は、みんなギリギリまで彼女の身体に視線を突き刺していた。僕でも分かるんだから、彼女はもっと敏感にそれを感じていることだろう。 あの聡明で優しくて純粋な彼女が、不特定多数の通行人に秘部を晒して、羞恥に震えながらこの大都会を歩いている。そして、その何万人の目に触れてしまったか分からない裸体を僕の目にも晒しながら、彼女は笑顔を作って言葉を繋ごうとしている。 僕の頭にはしばらく、彼女の紡ぐ言葉が届いてこなかった。