【あらすじ】
「僕」は、陸上選手・徳田雄大(21)を洗脳し、ペットとして飼育するためにあるAI技術を使うことにした。まるでペットのように服従する雄大に、「僕」の命令は次第にエスカレートしていく……。
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「それでは、お先に失礼します!」
そう言って僕は打ち上げ会場を後にした。知り合いからたまたま呼ばれた宴会で、あんなにイイ収穫があるだなんて。
その日、お酒の席で日本代表を狙うあの陸上選手と居合わせたのだ。TVで何度も観たことのある、いま話題の徳田雄大(ゆうだい)選手。現役大学生で、年齢は21歳と言っていたかな。競技種目は100m、200mの短距離ランナーだ。
彼の顔つきは男らしく、キリッとした太い眉に、少し垂れ目で色気のあるクリッとした一重瞼。緊張していたのか少しツンツンしていた表情がまた色っぽくて、まさに僕のド直球な顔をしていた。もちろん身体は仕上がっていて、履いている短パンがピチピチになるほど筋肉は逞しく発達している。Tシャツ越しでもよくわかるほど胸板が厚く、どこから見ても好みの体格をしていた。
(そうだ、今日はこの子をターゲットにしよう!)
僕は彼の隣にこっそり座って、彼の腰回りに米粒ほどの小さなチップを貼り付けた。一般には流通していない、海外から仕入れた特殊なチップだ。なんでも、海外の研究所が最近開発したとかいうAI技術で、対象となる人物を思い通りに洗脳し、コントロールできるようになるのだそう──まるでペットを飼っているように。
僕が会場から出るとき、背中からずっと誰かの視線を感じていたけれど、それが誰であるかは当然わかっていた。
*
「あ、あの……」
予想通りだった。会場を出てしばらく歩いていると、やはり貼り付けたチップの効果が出てきたのか、背後から雄大クンの声が聞こえた。
「あ、キミか。名前は何だっけ?」
「徳田……雄大……です」
「ああ、君か。どうしてこんなところまで?」
雄大クンは俯き、困惑した表情を浮かべた。彼自身、どうしてここに居るのかわからないという表情だった。
「いや、その……」
「自分でもよく分からない? それなら僕が教えてあげるよ。よーく聞いてね」
僕は彼の元に近寄り、耳元でこう囁いた。身体にチップが付いた状態で、この言葉を耳にした人物は、たとえどんな屈強な精神を持つ人物であっても抗うことができないのだ。
『ハロー・マイ・ペット。僕だけの従順なペットになってよ』
「ペッ......? ンはッ......!?」
その言葉を発した瞬間、雄大クンの腰に付けられたチップが淡い光を放った。それと同時に、彼の顔つきが一変する。身体をビクンと震わせせて、瞳孔はぐっと広くなった。“ハロー・マイ・ペット”という言葉が頭の中でこだまして、脳のさまざまな動きを抑制していく。彼の潜在意識や思考、アイデンティティを書き換えてしまっているのだ。
雄大クンは首をだらりと垂らしながらその場で苦しそうにうずくまった。しばらくの沈黙。やがて、彼はゆっくりと立ち上がり、虚ろな目をしながら正面を向いて、まるでAIが話すかのようにこう答えた。
「ハイ。私ハアナタノペットデス……ゴ主人様」
*
雄大クンは、素性も知らない僕に対してなんの警戒感も抱くことはなく、僕を家まで連れて来てくれた。普段だったらそんなことをする青年ではない。しかし、特殊なAI技術による効果で彼は完全に自意識を手放していた。
「すいません、今日ご主人様がいらっしゃると知っていたら、掃除をしていたのですが……」
雄大クンは恥ずかしそうに口を開いた。彼の言葉にはもうAIのように機械的な響きがない。道の途中、彼の喋り方や態度、仕草が“いつも通り”になるように指示しておいたのだ。カタコトな喋り方をしている雄大クンも<支配している>という征服感があって堪らなかったけれど、素の彼らしさが出ていたほうが、何かと都合も良さそうだと思ったからだ。そして僕は、彼の男らしい太い首筋に頑丈な首輪を付けておいた。もう、ペットも同然なのだから、逃げても大丈夫なようにしておかないとね。
僕は辺りを見渡してから、例の言葉を口にした。
「それじゃあ、命令をするよ」
『ハロー・マイ・ペット。ユニフォームに着替えてよ』
雄大クンは目をぱちくりとさせて、こくりと頷いた。チップは淡い光を放っている。彼はクローゼットから試合用のユニフォームを取り出して僕の目の前で着替えを始めた。この言葉を聞いたら、どんな命令でも逆らうことができないのだ。
彼はまずはTシャツや短パンを脱ぎ、黒いボクサーパンツ一枚という格好になった。部屋に熱気がこもっているせいか、彼の服はすでに汗でびっしょりと濡れていた。彼の腹筋はやはりアスリートらしくバキバキだ。ボクサーパンツは分厚い太腿を窮屈そうに締め付けていて、肩周りは丸くてムッチリ。全身はバランス良く鍛えられた短距離ランナーらしい逞しい体躯だ。
次に、彼は陸上競技用のユニフォームに袖を通した。メッシュ素材でできたノースリーブのユニフォームで胸元にはアシックスのロゴと大学の名前が書かれている。
「……ご主人様、いかがですか?」
雄大クンは少し顔を赤くしてそう言った。深い催眠状態にあるとはいえ、<見知らぬ男の前でユニフォーム姿を見せつける>という行為にすこし違和感を覚えたのだろう。部屋の真ん中で、仁王立ちをするユニフォーム姿の青年。僕はぐるりと彼の周りを一周して、その肉体美を様々な角度から見つめ、ゆっくりと堪能した。
「あぁ、よく似合っているよ。さすがだね。それじゃあ、次いくよ?」
『ハロー・マイ・ペット。脇の臭いを嗅いでみてよ』
「……あッ……承知……しました」
雄大クンは口をぱくぱくさせて答えた。少しためらいがちな表情。彼の潜在意識には、<他人の前で自分の脇の臭いを嗅ぐ>という行為が異常なことである、という考えが僅かに残っていたのだ。それでも、ご主人様である僕の命令は絶対だ。この言葉を耳にした者は、たとえ精神力の強いアスリートであろうと命令に逆らえない。
雄大クンはゆっくりとその鍛え上がった太い両腕を上げ、両手を頭の後ろで組んだ。そして自身の脇に鼻を押し当て、クンクンと臭いを嗅ぎ始めた。薄っすらと生えた黒い脇毛が、彼の高い鼻筋にふわっと柔らかく触れた。
「……んッ、くせッ……」
彼は一瞬表情を曇らせた。20代前半特有の酸っぱい雄臭さ、自分では不快でしかないのだろう。それに、びっしょりと汗をかいているせいか、脇汗の臭いがいつもよりも強烈だったようだ。
「あれれ。まだ気持ちよくなさそうだね。もっと気持ちよくしてあげるよ。気持ちいいことは好きだろ?」
「はい......気持ちいいこと、好きです……」
雄大クンは両腕を上げたまま赤面して答えた。
「それじゃあ、今から言うことをよく聞いてね。キミは、自分の体臭をより敏感に感じ取るようになる。それで、自分の体臭にとても興奮するようになるよ。いいかい? ただ興奮するだけじゃないんだ。これまで味わったことないくらい、強烈な快楽を覚えるんだ」
僕は躊躇なく続けた。
「ほら、気持ちよくなる。気持ちいいことは好きだろ?」
『ハロー・マイ・ペット』
その瞬間、雄大クンの中で完全にタガが外れたようだった。真面目で爽やかそうな表情から一変して、鼻の下を伸ばして恍惚とした表情を浮かべる。そして彼は自身の脇により強く鼻を押し当てると、クンクンと嗅ぐ音もより激しくなり、己の体臭に強く欲情していた。雄大クンは何度も鼻孔から空気をすうすう吸って、口から深い溜息をついた。
「アー。。すっげ。。俺の臭い、堪んねぇ。。。」
「へぇ、自分の臭いにそんなに興奮してるんだ?」
雄大クンは息をさらに荒くした。もう、目の前にいる”ご主人様”のことなどお構いなしという様子で、自らの脇に鼻をこすり当て、興奮し、酔いしれていた。
「ああッ! 俺の脇の臭い! スッゲぇ、最高ッ!!!」
雄大クンはあまりにも興奮しているようだったので、僕は少しだけお仕置きをすることにした。
「ねえ、僕のことを放っておいてひどくない? そんなペットにはお仕置きが必要だ。今までの恥ずかしいこと、全部思い出させてあげるよ」
「......あ、でも安心して。脇の臭いを嗅ぐの好きだろうし、その格好のまま“フリーズ”させてあげるから」
僕は指をパチンと鳴らした。すると雄大クンは目をぱちくりとさせて部屋中を見渡す。一体何が起こっているのかわからないという様子だ。
「……んはッ!? やっと意識を取り戻せた……畜生、お前、俺に何したんだ……ッん、体が、動かね」
彼は両腕を上げて脇毛を見せつけたまま怒りに満ちた表情を浮かべた。初めて『ハロー・マイ・ペット』という言葉を聞いてから、この場所にやって来て、脇の臭いを嗅がされているところまで、彼はすべての記憶を取り戻したのだ。それは雄大クンにとって屈辱的で恥ずかしいことだった。
しかし、それは洗脳状態が解除されたということではなかった。僕が一時的に彼の記憶を返してやっているだけのことだ。その証拠に、彼は<両脇を開きながらフリーズ状態になる>という僕の命令に従い続けているのだ。
「……おいッ、お前、俺を元に戻せ……!」
「そうだね、わかったよ。それじゃあキミを、元の“ペット”に戻してあげるよ。そうだなあ、今度はもっとペットらしい方が良いね」
「おい、どういうことだ……?」
『ハロー・マイ・ペット。キミは、僕の命令に絶対的に従う“犬”だ!』
僕がその言葉を放った途端、雄大クンは目をぱちぱちとさせて両腕をゆっくりと下ろした。そしてちらっと辺りを見渡すと、そのまま四つん這いになって歩き始めた。
「ワン! ワン!」
雄大クンはまるで仔犬のように吠え始めた。つるつるとした小麦色の若い肌を僕の脚にすりすりと押し当ててきた。僕が彼の短髪頭を撫でると、彼は仔犬のようにくりっとした瞳を輝かせて嬉しそうな笑みを浮かべた。
「いい子だね、雄大クン。それじゃあ、僕の足をお掃除してよ」
「ワン!」
雄大クンは舌の先を使って僕の両足を嬉しそうにぺろぺろと舐め回した。足の裏、足の指、爪と指の間まで、雄大クンは僕の足を一生懸命舐め回してくれる。それでも、やはり足を舐めるのに慣れていないのか少し舐め方がぎこちなくてくすぐったい。僕の足は雄大クンの唾液のせいでベトベトになってしまった。
「ねえ、僕の足をベトベトにしていいって言った? ダメじゃないか!」
僕はお仕置きに雄大クンの引き締まったプリケツをぺちんと平手で叩いた。雄大クンは肩をすぼめて「クゥン……」と寂しげな声を出し、少しだけ後退する。
「もういいよ、許してあげる。その代わり、僕のおチンポしゃぶってくれる?」
僕がズボンのファスナーを下ろすと、雄大クンは嬉しそうに僕に近寄ってきた。チンポを差し出すと、唾液をたっぷり垂らしながら舌を突き出してその"ごちそう”を味わっていた。
「あー……気持ちいい。なんかでも、そろそろ犬は飽きたな……」
『ハロー・マイ・ペット。人間に戻っていいよ! あ、僕のペットであることは変わらないからね』
すると雄大クンはきょろきょろと周りを見渡して立ち上がった。
「あれ、ご主人様? 俺、何してました?」
雄大クンは頭の後ろを掻きむしった。犬になっていたことは忘れてしまったようだ。それでも催眠状態を解いたわけではないので、僕のペットという認識はまだ残っている。雄大クンはユニフォームを着たまま、口からだらりと涎を垂らしていた。
*
「おかえりー」
「ただいま戻りました、ご主人様」
一週間後、今日も僕の飼っているペット・雄大クンが家に帰ってきた。あれから彼の洗脳状態は解いていない。だから、彼はずっと僕のペットとして生活を続けていた。首輪は外している。さすがに付けたままだと色々と厄介なことになってしまうからね。
「おー、今日もシャワー浴びずに帰ってきたんだな」
「はい、ご主人様の願い通りに!」
「それじゃあ、ご褒美にいつものごちそうだ」
「ありがとうございます!」
僕がファスナーを下ろすと雄大クンは目を輝かせて膝を付いた。これが僕だけの従順な新しいペットだ。さあ、そろそろ一匹だけだと寂しいだろうし、"お友達"も増やしてやろう。僕の計画は、まだまだ始まったばかりだ。
<終>