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寄生警察(1)

【あらすじ】

新人警察官である田伏充(23)は、ある悩みを抱えていた。朝目覚めると、卑猥な下着を穿かされていたり、見知らぬ人からエロ画像が送られてくるのだ。彼は先輩である新山篤史(28)に全てを打ち明けようと決心するが……。


*****


警察官である田伏充には、誰にも言えない秘密があった。


「あれ、ここは……?俺の家か……?」


朝日とともに田伏は目を覚ました。ソファの上で横になっている。昨晩まで着ていたはずの白いタンクトップと短パンは床に脱ぎ捨てられ、下着一枚という格好になっていた。


「またか……」


田伏が記憶をなくすようになったのは、数カ月前のことだ。突然、頭痛が起こり、気がつくといつも朝になっているのだ。酔っ払っていたわけではない。もちろん、ドラッグには手を出していない。


このことを彼は誰にも打ち明けられずにいた。警察官として、頻繁に記憶を失くすというのは大問題だ。それに、正義感の強い田伏にとって、警察官は小さな頃から憧れの職業だった。クビだけは避けたいと考えていた。


「マジかよ……」


彼は鏡に映る自分の姿を見て、頭を抱え込んだ。上半身裸で、下着一枚という格好。しかし、下着は彼の私物ではなく、競泳水着のように股間を締め付けるビキニのような一着を穿いていた。股間から、自慢の巨根がしっかりと生地に浮き出ていた。


田伏はいやな予感がした。慌ててソファの横に転がるスマートフォンを拾い上げLINEを開くと、見知らぬ人物からメッセージが数件届いていた。


「昨日はありがとう」

「すっごく激しかったね」


田伏は身震いした。昨晩、何が起こったというのだろう。家に帰るまでの記憶はあった。勤務が終わり、同期と一杯だけ酒を飲んだ。遠距離恋愛中の彼女とは、Zoomを使って流行りのオンラインエッチを楽しんだ。そこまでの記憶はしっかりある。ただ、夜眠るまでの記憶が見事に消えているのだ。まるで誰かに肉体を“乗っ取られた”かのように、突然に。


彼はLINEを読み進めながら、あるメッセージに目が留まった。添付された一枚の写真。そこには、全裸でうつ伏せ姿の中年オヤジが写っていた。


田伏は思わず溜息を吐いた。しかし、このことは特に彼を驚かせない。記憶を失った翌日はいつも、見知らぬ男が「何者か」に犯されているエロ画像が送られてくるのだ。初めのうちは、あまりの気持ちわるさに目を覆ったが、何度も見掛けるうちに見慣れるようになった。


「は……?」


写真を見ていると、彼はある違和感を感じた。中年オヤジの尻には「何者か」がチンポを連結させていた。しかし、その「何者か」が着用しているのは、いつも見慣れた濃紺のユニフォームだった。しかも、中年オヤジの両腕には手錠が掛けられていた。


田伏は心から願った。やめてくれ。悪い夢だと言ってくれ。しかし、彼の願いは次のメッセージで見事に打ち破られることに。


「まさか本当に、警察官の姿で来てくれるなんて」

「今度は僕が手錠を掛けてもいいかな?」


田伏の顔は青ざめた。急いで洗面台に駆け込む。蛇口を思いきりひねり、冷水で顔をバシャバシャと洗った。鏡をもう一度覗き込み、顔のパーツを一つひとつ触って確かめた。鏡には、精悍な顔立ちの若い青年が映っていた。


「……よし、大丈夫」


彼は気を取り直し、出勤の準備をした。今夜家に帰ったら強めの睡眠薬を飲んで、深い深い眠りにつこう。そうすれば、きっともうこんなことは起こらないはずだ。彼は強い覚悟を胸に、仕事へと向かった。


「田伏、お疲れさん」


勤務を終えた田伏が更衣室で着替えていると、彼が慕う先輩の新山篤史が声を掛けた。


「新山先輩、お疲れさまです」


パトロールから帰ってきた新山のブルーのシャツは、汗でびっしょりと濡れていた。それをベンチの上に脱ぎ捨てると、鍛え抜かれた筋肉質のボディが露わになった。体育大学出身、元柔道部。警察官になった今も、日々訓練を欠かさずにいるため、逞しい肉体はしっかりと維持されていた。


「田伏、なんかあったのか?」


新山は田伏の強張った表情に気がついた。


「いや……何でもないっす」

「お前な、一人で抱え込むなよ。俺でよければ、話を聞くぞ」

「……」

「まあ一緒に帰ろうや」


新山は田伏の肩に手を置いた。二人は同じ寮に住んでいた。


「先輩、気にかけてくれて、ありがとうございます」


田伏には、新山の気遣いが心から嬉しかった。なんて頼りになる先輩なのだろうと思った。彼には本当のことを打ち明けられるかもしれない。田伏はそう思った。


私服に着替えた二人は、寮に向かって歩いていた。街を抜けると、通行人の数も次第に減っていった。打ち明けるなら、このタイミングだ。田伏は、新山の顔を見た。


「先輩、実は……」


その時だった。突然、強い頭痛が田伏を襲った。


「あっ……」


田伏は頭を抑え、その場にしゃがみ込んだ。新山が驚き、田伏に声を掛けた。


「おい、大丈夫か!?」


田伏の視界が次第に狭くなっていく。彼は今朝、LINEに届いたエロ写真が脳裏をよぎった。


「……記憶が……なくな……る」

「記憶?どういうことだ?」


田伏はついに倒れ込んだ。新山は慌てて救急車を呼ぼうと、スマートフォンを手に取る。その瞬間、田伏のカラダが大きく震えだした。


「んん……」

「田伏!?」


新山が声を掛けると、田伏はゆっくりと膝を立てた。


「……んひ。あ、すいません。大丈夫っす」


田伏はゆっくりと膝を立て、立ち上がった。新山が心配そうに田伏の顔を覗き込んだが、彼は何事もなかったように歩き始めた。特に異常はなさそうだ。新山は安堵した。ただ、一つだけおかしいところがあるとするならば、田伏の顔には“表情”というものが一切失われていた。


「あぁ、危ねえところだったな……うひっ」


そう呟くと、田伏は涎を手の甲で拭い、口元を緩ませた。二人はそのまま寮へと帰っていった。




<続く>

寄生警察(2)



Comments

いつもありがとうございます。 乗っ取る側は興奮。乗っ取られる側は恐怖。そんなアンバランスな関係が堪らないですよね。

Adam

何物かに勝手に肉体を乗っ取られ欲望のままに使われるのはエロいですね!!! とても好きです

またり


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