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エウレカセブン幕間 グロリアス・ブリリアンス・プロスティチューシュン


その日、レントンは街に降り立っていた。

毎日毎日代わり映えしない月光号の船内からは一変、確かな大地と、頰を撫でる自然な風、以前は田舎臭いと感じていたただの街並みも今では日常のいちスパイスとなっていた。

レントンとエウレカ、そしてレントンにとっては忌まわしいものではあるが、モーリス、メーテル、リンクの5人は月光号で必要とされる荷物の買い物にきていた。

といってもあくまでホランドたちの「仕事」の打ち合わせ・実行に対する厄介払いという部分が大きい。

彼らにはできるだけ血生臭い現実というものを見せたくないというホランドの小さな見栄のようなものだとタルホは軽くため息をついていた。

彼女にとってレントンもそしてエウレカも子供達も一様にガキなのだ。だからこそこそこそ隠れてやるのではなく堂々と真っ向から「今回は関わらせる気は無い」と告げればいい、というスタンスだった。


「あとは……ノートと参考書…。」

「えー!」


エウレカが買うものリストに目を通して呟くとメーテルが非難の声をあげた。

当然だろう、彼女はまだまだ勉強が嫌いな年頃だからだ。


「勉強は大事ぃ……らしいわ。」


あくまで受け売りである認識。

彼女らの明るい未来を願うホランドたちにとって、義務教育というものはできるのであればややっておいてほしいと常々思っていた。もちろん普段の活動を子供に邪魔されたく無いという時間稼ぎ的な側面もあるが。


「そーだぞっ!」


レントンが肯定する。

彼もまた義務教育中にゲッコーステイトに参加することになり休学中となっているが、勉強の大事さを伝えるという意味での肯定には聞こえなかった。

メーテルにはただレントンがエウレカにゴマをする形で賛同したようにしか見えなかったからだ。もちろんその通りではある。


「レントンだって勉強して無いじゃん。」


ここに第三者がいれば苦笑したのちに呟くだろう。

「ごもっとも。」と。

ばつが悪そうに顔を顰めるレントンは子供の戯言とわかりつつも苛立ちを隠せない。図星であることはわかっているからだ。


「ねぇママぁ、勉強できる男と、勉強ダメダメなゲロんちょ男、どっちがいい?」


明らかに自分を侮辱するような贔屓ある比較の質問にレントンは抗議する。

エウレカは質問の意図を理解できてはいないようだが、誰もが当然前者を選ぶのはわかりきっていた。

ただそんなことよりも彼女にとっては、怒られたことで逆に笑って楽しそうにはしゃぐメーテルの行動の方が気になってはいた。


「あはははっ、レントンが怒ったぁ!」


年相応に笑う彼女に毒気を抜かれるレントン。

愚痴を素直にこぼせば今度はリンクに窘められる。年齢的に見れば最年少であるリンクにさらなる痛いところを疲れたことでレントンはついカッとなって口答えをしてしまう。

「俺は大人っ!」と強く強調するものの、ここに本当の大人がいなくてよかったと内心焦るレントン。


「じゃああそこの根元に毛が生えてんのかよ!?」


爆弾発言、とまでは行かずとも、こんな衆人監修の公共の場でしかも想い人の前で直球を放り込まれては狼狽えてしまう。

実を言えばまだレントンは生えそろってはいない。

まだ産毛が少し伸び始めた程度、というレベルだ。もちろん同年代より少し(正確にはだいぶ)遅れ気味なことはレントンもわかってはいたが、行かんせんデリケートな話題をぶっかけられて慌てふためく。

しかし3歳とは思えない秀逸な引っ掛けでさらにレントンの火に油を注いだ。


「お前なぁっ!」


年下に揶揄われる、そしてコンプレックスをいじられる、そういう点からレントンは大量の荷物を持っていることすら忘れて逃げるリンクを追い回す。

もとより直情的な性格のレントンには自身のもつ買い物袋から中身が落ちていっている事実など気づきもしなかった。


エウレカは走り回るリンクとそれになかなか追いつけないレントンを見て少しだけ下らなさを感じた。

ミーシャから一通り二次性徴について説明を受けたことはあるが、いかんせん生い立ちが生い立ちだけにエウレカには基本二次性徴に見られる外見的な変化は見られなかったからだ。

女性だって脇毛も生えるし、陰毛だって生える。

ただエウレカは処理するまでもなくもとより髪の毛や睫毛以外生えてはいなかった、そして生えることもない。

だからこそ生えているのかいないのかを揶揄いに使われて憤るレントンに理解が示せなかった。

もちろんわざわざ自分の意見を表明する気などないのであたりを見回しているとエウレカは重大な失敗に気づき声を荒げた。


「メーテルっ!」


レントンとリンクも突然発せられた声に立ち止まる。

彼女が言わんとしていることはすぐにわかった。

周囲にはいつの間にかエウレカ、レントン、モーリス、リンクの4人しかおらず、メーテルと逸れたことを如実に語っていた。

エウレカは慌てて走り出す。

その顔は先程までの無表情とは打って変わって悲壮感が滲み出ていた。


「エウレカっ!」


レントンは荷物もあるし、リンクやモーリスもいるので追いかけることは難しいと判断してオロオロと周囲を見渡す。

レントンには計り知れない過去があるのであろう2人の少年は先程までの楽しい雰囲気とは打って変わって泣き出し始める。この変わり身こそ「子供」といえる部分だろう。

流石に泣き出しはしないが、それでもこの現状からレントンも泣き出したい気分だった。



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ところ変わって、メーテルは少し不安な顔つきで街を彷徨っていた。

先程までいた明るい大通りとは違って薄暗く肌寒い場所。

母親を求める声をあげようと何度も息を吸い込もうとするのだが、吐き出す前に躊躇ってしまう。叫ぶことで危険が近寄ってくるのではないかと思ってしまう。

薄暗い路地にはゴミ箱や大きな布をかぶった何か、前を向いても後ろを見ても怪しげなものしかない。

完全にはぐれたのは言うまでもない。

謝れと言われればゲロんちょにすら謝ろう、そう思えるほどにひどく寂しく、不安だった。


「まま……。」


消え入るような声に答えることができるエウレカは今ここにはいない。

唯一メーテルは泣きはしていないのが不幸中の幸いであると言えよう。

だがそんな彼女の運も尽きた。

彼女の背後には3倍以上も身長差のある、小汚い身なりをした壮年の男が立っていた。

髭は整えられておらずゴミや食べ残しが付着しており、服はボロボロで、何日も体を洗っていない異臭を放っていた。


「お嬢ちゃん、どうしたんだい?」

「ひっ」


メーテルは後ずさる。

理由はわからずとも本能が警鐘を鳴らす。目の前の男と関わるべきではないと告げる。

しかし普段は無駄に元気な足も今は動かない。

頭では逃げなければならないとわかっているのに、自分を覆い隠すような体格のある男に近寄られて腰が抜けてしまう。


「そんな覚えた顔をして……俺が何をしたってんだ。」


最初の優しげな口調から一変、睨みつける眼光がメーテルを捉える。

メーテルは朝食が胃から逆流するのではないかと思うほどに悪寒を感じていたが、同時に内股に伝う熱を感じることはなかった。

仄かに漂うアンモニア臭。

4歳の女児の粗相を笑いはしない男。

しかし、現実は非情だ。


「これは……、お仕置きが必要だ…。」



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「メーテル!どこ!?」


エウレカは街の人が驚いて彼女を見たとしても気にもとめない様子で愛娘の名前を叫ぶ。

頭の中はぐちゃぐちゃで急いで見つけなければと慌てる。

いかんせんエウレカは暗い過去を持つので、こういった不測の事態に対して強い不安感を持つ。

闇雲に探すのにも限界があることはわかっているのだが、足を止めるわけにはいかない。

肌は汗ばみ、息は上がってきて、ついに立ち止まる。

一気に疲労感が押し寄せてくる。

そもそも彼女は肉体派ではない。

何の準備もなく突然動けば、体力はどんどん消耗していく。

それでも一時の疲労なんて知るものかと、諦めず足早に歩き始めて、息を切らしながらもメーテルを探し回る。


「嬢ちゃん。」


不意に路地の前を通ったところを呼び止められる。

エウレカは無視しようとするが、男はニヤリとひと笑いして呟く。その言葉は今の彼女には効き目が抜群だ。


「メーテルって娘、探してるんだろ?」

「メーテルを知ってるの!?どこにいるの!?」


エウレカは普段は広いパーソナルスペースを圧縮し、詰め寄る。


「まぁ落ち着けよ。こっちに来い。」


男は路地に進んでいく。

エウレカは少しだけ冷静になる。息を整え、ホランドのことを考える。

彼ならばこの状況でどうするかを思案する。


導き出した答えは至極簡単だった。

チャンスは掴み取るもの、多少のリスクは飲み込んでしまうのがリフボーダーの心意気だ。

エウレカは藁にもすがる思いで男についていくことを決心した。





男の後ろをついていってしばらくすると、立ち止まる。

エウレカは身構えた。


「はっ落ち着けよ。」

「メーテルはどこ?」

「ああ、金髪の白人、うさぎのリュック背負ったガキだろ?」


エウレカは目を見開いて手を握る。

ホランドの教えに従って正解だった。

目の前の男が確実にメーテルのことを知っていることがわかったからだ。だが同時に警戒度はあがる。なぜエウレカの現状をこの男が把握しているのか。

メーテルのことは心配だが、知りすぎているのなら目の前の男を始末しなければならない。


「俺はこの街で情報屋をしてるジョン・ドゥってんだ。あんたらがどこの誰かはまだしらねぇが、この街に入った時点で新顔がきたってことはすぐに伝わる。」


意気揚々と語る男にエウレカは多少戸惑うが、なぜ相手が自分たちを知っているのかは一定の合理性ある説明をされたことで納得した。

つまりメーテルのことも把握している可能性が高いということだ。

もちろん誤情報をつかまされる可能性はあるが、それはないと言っていい。

これは経験だ。

レントンや子供達は知らないかもしれないが、血生臭いことをたくさんしてきたエウレカ含めホランドたちは情報屋の価値をしっかりと理解している。

そして彼らが嘘をつかないということもだ。

嘘をつけば、彼らの信用に関わる。結果情報屋としてはやっていけなくなる。

情報屋ができるのは、情報を扱って公開するか、公開にしないかの二択だ。

嘘を使い、儲ければ彼らも危ういというわけだ。


「貴方が何かしたの?」

「いんや?俺はただガキの今現在の居場所と状況を知っているだけだ。」


男はニヤニヤと笑ってエウレカを舐めるようにみる。

よくレントンが向けてくる視線に似ているが、それよりも何倍に強くて気持ち悪いものだった。


「無事なの?」

「ああ命に別状はない、な。」


エウレカはひとまず胸をなでおろす。


「どこにいるの?」

「さあね。」


エウレカは心の中で歯噛みする。

エウレカが本気を出せば目の前のジョンを取り押さえることは容易だろう。ジョンは明らかに舐めてかかっている。

しかし情報屋に対しての武力行為はご法度だ。

彼らのネットワークは広い。

ここでよくとも、これからゲッコーステイトに迷惑がかかることもありうる。だからこそ手は出せない。


「……いくら?」

「いいね、話が早いのは良いことだ。今回ならなおさら、ね。」


エウレカは少し苦い顔をする。

足元を見られるのは確定している上に、持ち合わせは多くない。

買い物する前ならまだしも、買い物が終了する間際での騒動。


「500。」

「なっ!」


あまりに法外な値段にたじろぐ。

今のエウレカの所持金の10倍以上だ。

誰が聞いても目を剥くような要求にエウレカは押し黙る。


「……後払いは?」

「笑わせんな。じゃあな。」


ジョンはバカにした目つきでエウレカを見るとその場を去ろうとする。

エウレカはとっさにジョンのショルダーバックに手を伸ばして引き止めた。

最初からありえない料金をふっかけられた時点で理解はしていた。SOF時代でも珍しくはなかった。ただ日があまりにも経っていたのでいつしか考えないようになっていた。

軍に所属する見目の良い年頃の女なら誰だって通る道だった。

ジョンが本当は何を要求しているのかなんて最初からわかっていたのに見ないふりをしていたのだ。

なぜだか一瞬ブラウンがかった髪を持つよく見知った少年を思い浮かべたが、すぐに思考が切り替わって消え去った。


「……これじゃ、ダメ?」


エウレカは水色と白のワンピースのボタンを外し胸元を曝け出す。



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独特の臭気が一帯に漂い、近寄りがたさを生み出していた。

大柄な男がぜぇぜぇと激しく息をして、目下の肢体を眺めていた。

赤黒く充血した手首と首。激しい抵抗をしたのであろう擦過傷。意思を感じられない惚けた眼球はぐるりと回っており顔は真っ赤に紅潮していた。

極めつけはぐしゃぐしゃになった水色のワンピースの隙間、つまり股ぐらから溢れるようにこぼれる白濁色の液体。

彼女の幼膣は職のないホームレスの男によって蹂躙された。


「お゛ぉ…ぇ……あぁ゛ぁ♡」


思い起こされる過去。

薄れゆく意識の中で、はっきりと忌々しい過去がメーテルの脳裏に思い起こされる。

「ママ」と仰ぐエウレカとの邂逅は悲惨なものだった。

幼い彼女、いや3人にとってこれは触れてはいけない、思い起こしてはいけない記憶だ。本当の母親という観念は考えてはならないと暗黙の了解を幼いながら締結した3人。

彼女に助け起こされ、しばらくしてSOFの捕虜扱いとなった3人はホランドの意向でなんとか身元を引き取ってもらうことになったのだが、あの後すぐにゲッコーステイトとして反旗を翻したわけではない。

軍という男尊女卑が色濃く残るシステムに於いて個人の性的趣向は軍上層部にとって悩みの種だろう。当然、男女問わず小児性愛は多くいる。

自重できるものもいれば、できないものもいる世の中だ。

モーリス、メーテル、リンクの3人は性欲処理として至るところで犯された。

もちろんホランドやエウレカが許すはずもないことだが、たかだか数人への隠蔽など造作もない。

エウレカやホランドに迷惑がかかると知れば彼らもまた隠蔽に協力的になる。そうしなければ生きてはいけないと本能で理解していたからだ。

女児に性的興奮を抱くもの、男児に性的興奮を抱くもの、おおよそ性器が小さすぎて満足に性交渉というものはできずとも、抑圧された生活を送る下士官たちには十分だった。


だから、決してこの陵辱がメーテルにとって珍しいものではない。久しく忘れていた感覚ではあるものの。

処女を散らしたのはいつだったかもわからない。


「はぁっ……お前が悪いんだからなっ……俺をバカにしやがって…はぁっ……。」


決して挑発するような言動はとっていない。

年相応の恐怖を示しただけだが、それは男にとって屈辱だった。

唯一メーテルにとって救いだったのは、まだ初潮すらきていないことと、体格に見合わない短小なペニスの持ち主だった、ということだろう。

その巨躯に見合ったサイズで犯されたなら重度の裂傷は避けられず、直ちに病院へ行かねばならない可能性もあった。

メーテルは下腹部から来る鈍痛とかすかに感じる雌としての多幸感によりまともな思考はできずとも、ズリズリと男から距離を取ろうと這いずる。


そんな彼女に再度怒りを感じる男ではあったが、あいにくと男のペニスに反応はない。

顔と膣内に一度ずつ、計二回射精し終えた男は倦怠感と満足感でその場を後にすることにした。

地べたにうつ伏せで転がるメーテルの背中に足を置く。

流石にこのまま全体重をかけて踏みつければ致命傷になる。女は犯すものであり、殺すものではないと理解しているからこそ、男は足を持ち上げて横腹を軽く蹴る。


「おぼっお゛!?」


ーーーぶびぃっ


少女から出たとは思えない悲鳴が一瞬響いたのを聞いて男は満足し、足早にその場を去る。

メーテルの内蔵や骨に影響が出るほどの衝撃ではなかったものの、むせてしまう程度の衝撃はあり、女性器から数度汚液が吹き出す。

痛みと吐き気でメーテルは横になりうずくまる。

幸い、一番の恐怖対象がその場からいなくなったことで怯えは薄れていく。

ただの少女であればそこまですぐに冷静さを取り戻すことはできないだろうが、セックスというカテゴリにおいての彼女は経験豊富だった。

しかし熱くぼやっとした視界と下腹部のうずきが思考を鈍らせるのもまた確か。

急いでこの場から離脱しなければ、またおかしな輩が近づいてくるとも限らない。

母親はいない、汚らしい尊厳を踏みにじる行為、場所がわからない不安、多くの不幸が彼女一点に降り注ぎ、またいちから泣き出しそうになる。


今度はちゃんと言うことを聞くから、勉強もするから、レントンにも謝るから、どうかーーー


と、後悔し始めたところで、ガサッと紙が何かに当たる音が近くでした。

不意に距離を取ろうと足に力を入れるがうまく動かない。


「お嬢ちゃん……大丈夫?」


メーテルのさらなる絶望の想像は次第に晴れていく。

男の声ではない、優しく、労るような柔和な老年女性の声。

紙の音は彼女の持つ食材をいれた袋の音だった。

心配そうにメーテルを優しく抱き起こし、ある程度状況を理解した女性はハンカチを取り出して、優しく軽く後始末をする。

メーテルは初対面の目の前の女性を信用するしかないと、そのまま眠りについてしまった。



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大通りの喧騒が遠くの方に聞こえる、薄暗い路地でエウレカはガニ股になって中腰でいた。

鼻息が勢いよく放出され、再度吸い込まれる。

エウレカの鼻腔に汗と雄のフェロモンとごみ溜の腐ったにおいの混ざりあった最低の臭気が我が物顔で闊歩する。

しかし不快な顔は一切せず、行為を続行し続ける。

ジョンと語る男の一物を咥えてまだ3分。

根本を右手で作った輪っかで固定して、馴れたふうにグラインドさせながら口で奉仕する。

たまらずジョンは声を漏らす。


「おおっふっ!」


エウレカの口淫はジョンが想像していたよりもずっと淫らで上手だった。

男の弱い部分を的確に探り、入念に責め立ててくる。

顔を引いたときはカリ首と包皮付近を舌で舐め回し、勢いよく喉奥へ亀頭を飲み込むように包み込んでいく。

完全にペニスを飲み込んだ後、舌で竿と陰嚢の付け根部分のゆるゆるな皮膚を舐め回してくる。そして竿に付着した垢や汚れをすべてこそぎ落とすかのように吸引をしつつ唇を引き締めてペニスを吐き出していく。

まるで口から男根が生えていくように。


一連の動作がスムーズに繰り返される。

ジョンは何人もの女に時折対価として体を要求することはあったが、これほどにまで長けている女は初めてだと確信する。


「おまっ…えっ!すげぇなっ!」


ついついいつもの余裕を持った口調が外れてしまう。それほどに限界間際であった。

エウレカはそんなジョンの苦言とも言える語りかけに表情変えることなく、一旦ペニスから口を離す。


ーーーちゅばっ


大量にカウパーが漏れていたのか、はたまたエウレカの痰か、鈴口とエウレカのふっくらとした唇に透明な橋がかかり、地面に垂れ落ちる。

エウレカは口淫をやめた後も、右手で優しく前後運動を絶やさない。


「これくらい、軍にいたのなら当たり前。」

「あぁ……。」


ジョンは理解を示せた。

薄暗い話は否が応でも耳に入る。軍が若くして志願した少女兵に対して何をしているかなど別段珍しい話でもない。エウレカに限った話ではないからだ。

ただのマグロ女という認識を改める。

マグロならマグロなりの楽しみ方で遊ぶに限る。


「それにしてもイラマまでやってくれるなんてサービス精神旺盛だねぇ……好き者か?」

「別に、ただ早く終わらせたいだけ。男の人はこうすると喜ぶって……。」


まるで清廉潔白な人形と会話している気分になったジョン。

だが彼女の生い立ちや薄暗そうな過去などどうでもいい。協力的なら大歓迎だ。

今まではどいつもこいつも抵抗したり、やれ条件をつけてきたりとめんどくさい女ばかりだった。

情報を無償でもらうのが当たり前とふんぞり返っている女を屈服させるのは楽しかったが、いちいち抵抗がめんどくさい。

その店目の前の雌は反応こそ薄いものの、割り切った態度で好感が持てる。


エウレカがなぜこんなにも口淫が上手いのかは、結局合理的側面から来るものだった。

必要だから覚える。という一点において彼女の右に出るものはいないだろう。

男根の前戯は重要だ。

特に望まない性交渉を強いられる事が多かった彼女にはなおさら。

多種多様な男を相手にするのなら当然衛生面が気になる。

しかし唾液に混ぜて飲み込んでしまえば大体は胃酸で溶ける、口は歯磨きもできる。

汚いままのペニスをそのまま女性器で受け入れるのは病気の可能性を格段に上げる。

軍はそういった部分は厳しかったのでさほど心配はしていなかったのだが、時には任務中に娼婦役として配属されたりなど、気をつけることに越したことはない。

口だけで満足する男も多いし、余計な性交渉を減らせるという側面もある。

一発出せれば満足という相手ならエウレカも満更でもない。

それで物事が円滑に進むのなら「口程度…まぁいいか」と思ってしまう。


エウレカは再度男を見上げながらペニスを飲み込む。


「おおふっ!」


すでに限界が近いことはわかっていた。

ラストスパートに動く。

以前相手にしたマシューと同じ肌の色を舌屈強な軍人、彼のペニスと比べればジョンのペニスなんて可愛いものだった。

長い調教の末、長さ25cm、一番太い部分外周15cmまでなら飲み込める自負はある(その後しばらく食事はできないが)。

目算16cm程度のジョンのペニスなど簡単だった。

一気に喉奥まで飲み込んで、根本を手でこすりながら、舌で尿道に皮膚の上から潰すように圧力をかける。わざと嚥下するように動かして亀頭にまで刺激を与える。

こうしてやれば、とエウレカが思考した瞬間、ガッとエウレカの両側頭部が乱暴に掴まれ引き寄せられる。


ーーーふぶぅっぶぷっ!


唇と竿から粘液混じりの空気が溢れ出る。


「ぐっだすぞっ!?」

「(さっさと……射精して…)…。」


舌で圧迫しているからわかる、尿道を伝う精液の脈動。

すぐさま喉奥で小爆発が起きる。

食道にまかれた精液は逆流して口内を埋め尽くし鼻奥に生臭さを漂わせる。

反射的にエウレカは口からペニスを吐き出す。唾液と精液と痰が絡んだ粘液が幾重にも糸を引き、射精中のペニスが外気にさらされた。


「あぁ゛あっぐっ!」


そんなエウレカに対して、ジョンは情けない喘ぎ声をこぼしながら雑に自身の性器を掴むとエウレカの顔面に残りの雄汁をかける。

彼女の透き通る白い肌に白濁液が塗布された。

ほのかに頬が赤い。

呼吸不全で赤くなっているだけだが、ジョンにとってはさらなる射精欲のトリガーとなる。

エウレカはそれすらも理解した上で、優しく、搾り取るように右手で竿を擦る。


ーーーびゅぐ……びゅっ……


最後のひと押し、というふうに何度かに分けて精液が鈴口からエウレカの額や目元を汚す。

痙攣が次第に弱まっていき、絶頂が収束する。

ジョンは最初こそただのマグロ女だと思っていたことを後悔した。

エウレカは優しくゆっくりと竿を扱くのを止めると、舌をんべっとだす。

プルプルの精液が舌で作られたお椀にまとめられていた。

ジョンに見せつけるように口に含む。

もちゃもちゃと口の中でうがいするように


ーーーぐぶちゅぐぐちゅ


一通り口内でわざと音をたてて泡立たせた後、印象づけるように飲み込む。

ジョンは見入る。

細い折れてしまいそうな首が嚥下する動きを見せる。

今まさに自分の種子が彼女の体内に飲み込まれているのだと深く理解する。

エウレカは一通り飲み込んだ後、ピンクの舌を大きくだして口内を見えるようにする。先程まであった白濁液は全くといっていいほど無く、口からは生臭い臭いを漂わせていた。

そのまま半勃ちになったペニスの亀頭に舌を再度添える。


「うっおぉっ!」


今まさに射精して敏感な部分を愛撫され、深くにも今日いち情けない声を漏らす。

鈴口に付着していたカウパーと精液を舌で舐め取り、そのまま数度ペニスを飲み込む。

これはいわゆるお掃除だ。

竿やカリ首、亀頭に付着したエウレカの唾液含め綺麗に舐め取っていく。

これはSOF時代に鍛えた儀礼であり、男性の喜ばせ方としてエウレカは記憶していることから来る行為。

彼女からしてみれば射精し終えた瞬間から無意味な行為でしかないが、緩やかな刺激はいらぬ興奮をジョンに与えていた。

そういった部分がやはり彼女の「人形っぽさ」なのだろう。


「これでいい?早くメーテルの居場所を教えて。」


口を軽く袖で拭うエウレカ。

目に敵意は含まれていないが、事務的な対応に少しイラッとするジョンだった。


「俺はお前に性処理を要求したが、まだ終わってない。」


エウレカは顔をしかめてジョンの股間を見る。

彼の一物は先程より若干大きさはないものの未だギンギンに勃起したままだ。

軍にいた頃は時間もない上にそもそも人数が多かったため一発で済ます男が大半だった。どうやら目の前の男は少数派らしい、とため息をつく。

最初の要求が通っていない以上メーテルの居場所を聞く状況に無い、と再度割り切ってエウレカは抵抗しない。


「壁に寄りかかってこっちに尻を向けろ。」

「……これ。」

「ああ。」


エウレカは拒否することもなく受け入れる。

結局はなんとなくそこに行き着くのであろうと最初からわかっていたからだ。

ずっとそうだったから。

エウレカは左足の太ももにつけてあるポーチから3cm四方の銀紙を取り出す。

ミーシャから渡されていた避妊具だ。

あって困ることはない、と生理用品以外はパンッパンに詰め込んである。その数は二桁にも及ぶ。

ジョンも流石にわかっていたのか不服の色は見せない。

素直にやらせてくれるという点でエウレカはすでに譲歩しきっていると理解しているからだ。これ以上「生でさせろ。」でなんて言う気はない。

ガキでもあるまいし、生にこだわる時とこだわらない時の分別はつけられる。後腐れない関係こそがこの雌に対する扱い方だとわかっている。


エウレカは腰を100度程度に曲げて尻をジョンの方へ突き出す。

スカートの中のショートパンツのジッパーを下ろして下着ごとずり下げる。

光るかと思うほどに白い美しい桃尻がジョンの眼前にさらされた。

スレンダーな腰付きから臀部へのライン。

ジョンは遠慮なく尻を掴む。

皮膚が引っ張られる痛みはあるものの今までの経験から考えれば良いほうだと気にしないエウレカ。

エウレカの秘裂は彼女の言動とは食い違う見た目をしていた。まるでパーツを取り替えたかのように卵肌の恥丘、陰唇がはみ出てすらいない性器は、何十、何百と犯されたとする性器とは思えないほど綺麗すぎる。

本来性交渉をし続ければ皮膚にメラニンが沈着して黒くなっていく。

しかし彼女の性器は赤子そのものだ。淡々とした経験豊富な対応とは裏腹に子供じみた性器にジョンの興奮は加速されつつあった。


ジョンはささっとゴムを装着する。

少しサイズが小さめであるために不快感があるが、知ったことかと狙いを定める。

ペニスの先端をそっとエウレカの秘所にくっつける。遠慮はない。

前戯の有無を聞くが答えは平坦な口調で語られる。


「いらない、もう濡れてるから。」


恥ずかしげもなく。

エウレカ自身も知らないことではあるが、エウレカはある種のメッセンジャーとしてここに存在している。情報を蓄える自動機械とも言えるだろう。

特に人類の性交渉という種の保存行為に肉体は積極的と言えた。

最初こそエウレカを調教しようと考えていた者たちも、躾ける前からエウレカの体は感じやすく濡れやすかった。

いかんせんそれを表に出さない彼女の鉄仮面ぶりには不満げではあったが。


「挿れるぞ……。」

「んっ……ふぅっ♡」


エウレカの口から熱のこもった吐息がこぼれた。


ーーーめりめりっみちっ


ジョンはパニックになりつつあった。

幾人もの女を抱いてきたジョンにとってこれほどにまで気持ちの良い肉壺は初めてだった。トロトロでじんわりと熱が伝わる、しっかりと引き締まった膣道は的確に竿を刺激する。

ひだの一つ一つが意思を持って動きペニスの凹凸の隅々まで包み込む。

飲み込まれて行けば行くほど腰を引きたくない感覚に囚われる。


ーーーぐぱんっとちゅっ!


エウレカの子宮口に先端が到達し、子宮を軽く潰す。

肛門がひくひくと動き、決して彼女が感じていないわけではないということを理解するジョン。彼は力が吸い取られるがごとく震える膝に活を入れ、腰をしっかりと掴み、引く。


ーーーくぷりゅりゅぷっ


「行かせない!」と言わんばかりに吸着してくる膣道はジョンのペニスを絡め取りさらなる境地へ彼を誘う。

唯一救いだったのは避妊具をつけていたことで、多少なりとも快楽が緩和されていること。男にとって種をつけられない避妊具は忌々しいものだ。絶対にリスクはないとされれば誰だって生でしたいだろう。

しかし今だけはジョンは安堵していた。

たった一往復、たった一往復で歴戦の自分の息子は陥落していただろう。生であったのであれば。


「ぐっああぁっ!(すげぇっ!こんっな!?)」


もう理性は霞がかっている。

とにかく一刻も早く、貪りたい。犯したい。味わいたい。征服したい。

ジョンは一往復だけでも達しそうであったにもかかわらずそんなものは構わないと無謀にも乱雑に腰を動かす。


ーーーにゅるるどちゅんっぱんっ!ずろろろっりゅぷおっ!


肉を打つ音が路地に響き渡る。

誰が聞いてもわかるほどに節操のない音だった。

事実、近道として使おうと近くを通った主婦は音だけで何をしているのかを把握して、少しだけ遠くから覗くと足早に去ってしまう。

普段であればどんな小さなことも情報屋として見逃さないジョンは気づきもしない。


「はっははこんないいもん持ってるなんてさぞっヤりこんでんだろっ!?」

「最近はぁっ!……全ぜ…んしてない。」

「はっならてめぇと一緒にいたガキは馬鹿だなっ!」


ジョンは達しそうなのをなんとか調整しながら情報を引き出そうと…、いやこれはジョンの趣味だ。

エウレカはレントンを馬鹿にされて憤る。


「レントンを馬鹿にしないで!」

「男ならこんなマンコほっとくなんてありえねぇ……。」

「レントンとは……こんなこと…しない。」

エウレカは少しだけ抗議の言葉を尻すぼみで終わらせてしまう。

実のところ、レントンの常日頃から送ってくる視線には気づいているのだが、特にアプローチを仕掛けてくるわけでもなく、すでに数週間。

エウレカはやはり勘違いだったのかもしれないと自信なさげであった。


「あーほら、まぁおめぇの想い人ってやつがそのガキならちょっと際どい瞬間を見せりゃ襲ってくるさ。」


突然エウレカが落ち込み始めてついつい慰めに入ってしまうジョン。

しかしジョンは自分はカウンセラーではないと思い直してエウレカの尻を強くひっぱたいた。


ーーーパァンっ!


「ふぅ゛っあっ♡」


エウレカの声がまた漏れる。

本来であればこの年頃のおなごなんてスパンキングは痛みしか感じないだろう。しかしジョンは叩いた瞬間、その弾力でわかった。

「叩かれ馴れている尻」だと。

冷静でクールな印象をもつエウレカだが、決して彼女は不感症ではない。

感覚という器官もまたメッセンジャーである彼女には重要なファクターだからだ。


彼女は痛みを感じている、しかし表情には出さない。

彼女は不快感を感じている、しかし態度には出さない。

彼女は快楽を感じている、しかし口には出さない。


レントンも未だにエウレカは感情の起伏が薄い、不思議な子として見ているがそれは間違いだ。感情も考えも想いもある。しかしそれをアウトプットする方法を知らないだけ。

まだ理解できていないだけ。


「ほぉ゛っ♡(奥……あづ…い……痛…)」


ジョンの冒涜的な責めに子宮が悲鳴を上げる。

経験豊富とはいえ体は少女。

開発されたとはいえいつだって新品のように綺麗なままの肢体。

ジョンの若干右曲がりなペニスはエウレカの記憶にない新しい部分を的確に刺激して強い信号を生み出す。気持ちいいという信号を。


ーーーぐぷちゅうっぱっ!ぬりゅろぷぷっ!


エウレカは早く終わってほしいとずっと思っている。

こんな行為はメーテルの居場所を知るためのいち手がかりにしかならないのはわかっている。しかし頼みの綱だ。

さっさと満足してほしい、そして情報を得たい。

それだけだ。

それだけなのに、思い起こされる過去の記憶。

様々な人体実験。陵辱。

フラッシュバックする脳裏とは裏腹にぼーっとしてくる。まるで薬を打たれたときのように自然と意識が酩酊していく。


「あっ……ひぐっ♡(こんな…の、馬鹿らしい……久々だから……)」


トロトロと接合部から愛液が垂れ落ち、地面に水たまりを作っていく。

ジョンは目の前の先程まで淡白だった雌犬が自分の責めでくぐもった熱のある声を漏らし震える姿に、我を忘れて背後から下腹部に手を回す。

がっしりと腰をホールドし、張りのある腹直筋を握りながらストロークの感覚を短くしていく。

陰嚢がきゅうっと持ち上がる。限界は近い。


エウレカは最初こそ壁に普通に手をついていたもののゆっくりと崩れていき、苦しそうだった。色白の肌を真っ赤にして快楽に耐える。

無表情に近いが親しいものが見れば変化は歴然だろう。


「普段はオナってんのかっ!?」

「しっ……てなぁっ……い♡」

「お前の中とろとろのグチュグチュになってんだっ!濡れやすぃ……。」

「たまった……まっ…♡」


ーーーぐぱんっぱちゅっ!ぐぷぷぷっぷばちゅっ!


腰の動きも限界いっぱいまで早くなっていく。

ジョンの頭にはもう避妊具の存在などなかった。避妊具をつけているとは思えないくらいに気持ちのよい蜜壺だからだ。

奥からどんどん溢れ出す粘液がジョンの睾丸の皮を伝って太ももまで汚しているが気付きもしない。


「がっでっ…でるぐっ…だすから……なっ!?」

「はぁっ……やくして……ふっ♡」


体が揺れるたびに2人の声がとぎれとぎれになる。

エウレカの桃尻が波打つように震え、背は弓なりに反る。


「はっ孕ませってや……るぞっ!」

「ふぅ゛孕まっなぃ……うぉ゛♡ひっ♡」

「なら孕むまっで!肚ァんなかに俺のザーメン貯めとけっぇ!」


情事に入ってから一番激しい動きでジョンは腰を振った。

2人ともすでにゴムの存在など忘れ、エウレカは数年ぶりのセックス、ジョンは史上最高のマンコのことしか頭にない。


ーーーどちゅっじゅぶぱちゅっ!にゅろりゅっぶぱっ!


勢いよくガチガチに固くなった限界まで膨張した男根でエウレカのデリケートな秘奥を穿つ。肉が引き伸ばされる鈍痛とそれを毎秒塗り替える快楽がエウレカを支配していく。

子宮口外れ、子宮頚部直前の少しスペースの空いたところで大きな射精を迎えた。


「お゛おおっお゛!!(も゛っ限界ぃっ!)」


ーーーぶびゅっびゅぐるるるっ!びゅるうびゅっびゅびゅっ!


間違いなく、間違いなく人生で最大最高の射精を迎えたジョン・ドゥ。

尿道が筋肉の律動で押し出された精液で拡張されていくのがわかる。正常な成人男性が射精できる限界を超えた量の精液がエウレカの体内で放出される。


「ほぉ゛おひっぐぃっ♡いぐっ♡ぐる゛っ♡(あぢゅっ!?熱っ!)」


ーーーぷしゅぃっぷしょぁっ!


エウレカもまたほぼ同時に絶頂を迎える。

最初の頃はこの感覚に戸惑いを隠せなかったが今ではちゃんとこの明滅するスパークのような感覚を把握はしている。決して率先してしようとは思えないが。

尿道から意思とは関係なく透明な液体が吹き出し、地面にぱたぱたと落ち汚す。

エウレカはある一定の快楽を超えるとよく潮を吹くので珍しいことではない。ただブーツが汚れるのは意図しないところだった。


つんざくような脳へのフラッシュと朦朧とする意識。

半目になり視界は天に召すように上へと上っていく。

何度も何度も体を硬直させ痙攣するエウレカと、空を仰ぎ見て腰を突き出し最後の一滴まで吐き出そうとするジョンは2分ほどそのまま快楽の余韻に浸っていた。

といってもエウレカは浸りたかったわけではないのだが。


「あ゛っ……♡お゛ぉっおっ……♡」

「はぁっあっ!はぁ……はぁ…!」


狼狽えるように、ジョンは後退する。

名器から性器を引き抜こうとしてもなかなか引き抜けない。もっとよこせと言うようにジョンを逃さない動きで膣道を蠕動させる。エウレカの意思とは裏腹に。


ーーーぐぽりゅ………ぷりゅっ♡


「んくっ……ひ♡(じん……じん……すぅ…)」


しかし流石に射精して少し経つ性器は硬さも大きさもゆっくりと戻っていくもので、すんなりとはいかないもののなんとか刺激に耐えながら引き抜くことはできた。

男根とエウレカの性器には愛液や尿道球腺液、精液が混ざりあった粘り気のある液体でコーティングされ糸を引いている。

ジョンはまとまりのない思考の中で違和感に気づく。

ゴムがない。

状況はすぐに理解できた。

激しい腰使い、締りの良い名器、サイズの合ってない避妊具といえば答えは誰でもわかる。

どうやら膣内で外れたらしい。

エウレカは未だ平静さを取り戻せずに痙攣したままだが、きゅっと閉じたまん肉の隙間からは紫色のゴムは見えない。精液が溢れ続けるのみだ。

いつ外れたのか定かではないが、役目は果たせてはいないだろう。


「はぁ……おい、大丈夫か?」


ため息を付きながら、軽くエウレカのスカートでペニスを拭いて、ズボンに収納するジョン。エウレカも少しずつ正気を取り戻して、たどたどしく足を震わせながらもまっすぐ背を伸ばして立つ。


「……め……メーテルのぃ場所はっ?」


エウレカは服の乱れを戻しつつ問う。

ショートパンツと下着を完全に脱ぎ去ると、下着でビチャビチャになった己が性器を拭いていく。ハンカチは使いたくないのだろう。

拭いている最中をじっと眺めるジョン。

ふっくらと膨らんだ淡いピンク色の括約筋が視界に入って、後ろの穴も試したくなるがぐっと堪える。

ここでさらなる凶行に出れば流石にまずいと本能で理解している。

明らかに戦闘力はエウレカのほうが上だと理解できる。

だからこそビジネスとして始まったこの行為に、やはりビジネスとして対価を誠意を持って提供するのがプロというものだろう。

これはいわば「売春」なのだから。


「お前を呼び止めた通りを北に200mほど進んだところに赤と青のストライプののぼりを掲げたリフボーダーの店がある。その店の脇にある細い道を道なりに行ったところ4番目の角を曲がればいるはずだ。」


エウレカはやけに正確な情報を教えてくれる情報屋に訝しげな視線を向けるも、今はそれにすがるしか無いと何も言わない。

むしろそれほどまで断言したということは信憑性は高いと考えた。


「その、ゴムが……。」


バツが悪そうにいうジョンに納得するエウレカ。

条件に反する形となり、負い目ができたのだろう。しかしエウレカにとってはどうでも良かった。

一通り内股の外皮側だけ軽く下着で拭き取る。

混合液でぐちゃぐちゃになった下着をエウレカは無造作に投げ捨てると、ショートパンツをそのまま履く。

未だに下腹部にたぽたぽとした違和感を感じるが、そんな不快感に文句を言っていられるほど余裕はない。ジョンと行為に及んでまだ15分程度とはいえ急がねばメーテルに危険が及びかねない。


「別にどうでもいぃ……さよなら。」


エウレカは先程までの熱のこもった表情は一切見せず、振り向くこともなくその場を足早にさる。走らないのは流石にまだ力が入らないからだろう。

勃起した陰核が荒い布目にあたって力が抜けるという部分もあるが、仕方のないことだ。

ジョンはあっけにとられてぽつんと1,2分立ちすくんだが気を取りなおして、その場を去る。

前に、地面に落ちた白い下着を取ると、ポケットに入れた。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「メーテルぅっ!」


エウレカはやっと小走りで走り回る。

生憎とジョンから「買い取った」情報の場所に行ったがメーテルはいなかった。

しかし嘘を掴まされたわけではないと瞬時に理解した。

路地の隅に、メーテルの普段から持っているうさぎのリュックがあったのだ。

エウレカはそれを回収するとあたりを探したが成果はなかった。

もう一度情報屋を頼るべきかと考える。対価などいくらでもくれてやるから、と。


しかし流石にレントンと別行動をとって30分過ぎとなっている。

メーテルも心配だがモーリスとリンクもレントンに任せるには些か不安だった。

エウレカはそうこうしてレントンたち3人のもとへ一時帰還を果たした。


「レントン!」


泣き出すモーリスとリンクにオロオロと慌てるレントン。

エウレカが駆け寄ると、モーリスとリンクがエウレカに抱きつく。きっと不安だったのだろうとエウレカは察する。


「見つかった!?」

「ううん。」


エウレカは少しだけ残念に思った。少しだけ、というのは単にはじめからあまり期待はしていなかったからだ。

モーリス、リンクに続いて今にも泣き出しそうな少女に対し、レントンができることは限られている。明るく、元気づけるように「大丈夫だよ!」と根拠のない希望を伝える。

その言葉や行動、表情に嬉しさを感じるエウレカではあるものの、役に立たないなと冷めた思考もあった。


「「ゲロんちょぉ~!」とか呼んでぇ……!?」

「!?」


明るい少女の声が通りに響いた。

聞き慣れたソプラノボイスにレントンとエウレカはあたりを見渡す。

声の元は、4人が前にいる建物の2階。


「メーテル!!」

エウレカは嬉しそうに彼女の名前を呼ぶ。

先走る感覚に駆け出すが、すぐにレントンに向き直る。

急いだように慌てて問いただす。


「こういう時!どうするの!?」


彼女にとって初めての感覚。最近はレントンにいろいろな感情を教えてもらうことの多いエウレカにとってこの感覚をどう表現するべきかを問う。


「あー……そりゃみんなに迷惑かけたんだから一発ひっぱたいて……ってええぇ!?」


レントンはついつい過去のことを思い出す。

姉の気を引くために数多くのいたずらをして迷惑をかけてきた。

そんな自分がいつも祖父に怒られたときに、仕置きとしてされるのはげんこつ。理不尽だとは思わないが、もう同じことはしないようにしようと思えるくらいにはこわいものだった。

しかしそんなレントンの回想とは裏腹にエウレカは素早く走っていく。

健脚は伊達ではなかった。

だからこそ慌てた。

それはあくまで自分が「男」だからであって、女の子に手を上げるのは、と躊躇いがありそれを伝える前に彼女が突っ走ってしまったからだ。


急いで追いかけるものの、間に合うことはなかった。





奇妙な提案でメーテルを助けてくれた老年の女性とお茶をすることになった。

レントンとしてはなるべく関わり合いになるべきではないという姿勢ではあったが、モーリスやリンクが甘えたい意向を示し、エウレカもそれに乗っかる形でお邪魔することになった。

リンクが紅茶に砂糖を入れようとするときに待ったがかかる。

女性が懐からだしたのは方位磁石。金色の金具で包まれており細かな装飾から特別な祭具だとわかる。

宗教的なものは5人にはわからないが、それでも雰囲気を感じ取り所作に魅入る。

格式ある宗教なのだろう。


レントンは一通り儀礼を終えた女性からのGOサインで砂糖の取り合いをする子どもたちを尻目に紅茶の香りを楽しむ。

紅茶の良し悪しはわからなくとも想いを馳せることはできる。そう、目の前の想い人に。


しかし普段と少しだけ様子が違うような気がしてレントンは眉を寄せた。

レントンがその疑問を口にする前に、エウレカがゆっくりと立つ。


「すみません。お手洗いをお借りしても?」

「……ええいいわよ。」


一瞬女性と目で会話するかのような態度を見せるエウレカ。

女性も理解したと言ったふうに笑顔で快諾した。

エウレカはそのまま「案内するわね。」と女性の後をついていって奥の部屋に行く。

ちょうど死角になって、子どもたち3人とレントンを残すのみとなる。





エウレカは案内された先、浴室手前の脱衣所にいた。

女性は新品のタオルを持ってくる。


「必要でしょう?」


すべてを理解しているといった態度にエウレカは感謝した。決して意図的に隠そうとしたわけではないがスムーズにことが進むのは合理的だ。

エウレカは股から溢れ出た精液が太ももを伝う感覚に不快感を感じていた。

だからお手洗いで処理しようと考えたのだ。

正直初対面の間柄の人の家ですることではないと重々承知しているが、行動に制限がかかってくるのならあまりなりふりかまってはいられない。


「ごめんなさいね。」

「……どうして貴女が謝るの?」


純粋な目で秘部を綺麗にしながらエウレカは尋ねる。


「昔はこんな街ではなかったの。でもここ最近は人々の余裕がなくなっていって。」

「そう……でも仕方のないことだって言ってた(ホランドが)」

「貴女に言うべきかはわからないけど、あの子、私が見つけた時にはひどい状態だったわ。」


エウレカは少しだけ目を見開いた。

わかってはいた。嗅ぎ馴れた雄臭さ、エウレカが回収したリュック、その場にあったメーテルから感じる同様の臭い。


「一応外見的に重い怪我はなさそうだけれど一度診てもらったほうが良いと思うわ。貴女も含めて。」

「わかった。」


エウレカは帰宅したらミーシャに相談する気でいた。

以前から「もし男性にそういった行為をされたのなら言いなさい」と指示をもらっていたためだ。どうなると早めに帰宅したほうが良いかもしれない。


「でも、強い娘ね。あの子は。……そして貴女も。」

「別に、普通よ。」


エウレカが皮肉を込めた言い方だったら女性は甘んじて受け入れていただろう。

しかし抑揚のない率直な言葉にたじろぐ。

本当に心の底から、「女は搾取されても仕方ない」と思っているような口ぶりだった。

正確には「弱いものは搾取されても仕方がない」という考えではあるのだが、根本は同じだろう。そういう厳しい世界で生き続けてきたエウレカからすれば至極当然の帰結だ。


「ふっう゛………ぁ♡」


ーーーぶりゅりゅっ………ぷっ…ぱぶっ!


エウレカが下腹部に力をいれて踏ん張る。

肛門がひくついて、エウレカは放屁しないように最新の注意をはらいながら手でも自身の臍下を押し込む。

ぴっちりと閉じられた下の口がらゆっくりと白濁の涎がどんどん溢れ出し始め、最後には紫色の異物が吐き出された。


「あら……外れちゃったのね。」

「そうみたい。でも今日は危なくない日だしこのあと薬ももらうから大丈夫。」

「そう……何にしても自分の身体なんだから労ってね。」

「うん。」


エウレカは桶に落ちたユルユルに伸び切った紫色のSサイズコンドームを見下して片付けた。





レントンは紅茶を飲み干して少しして、エウレカが遅いのが気がかりだった。

女性と2人で奥の方にってからすでに数分。

もちろん流石に女性同士だし変な邪推はないが、なにかおかしなことに巻き込まれているのかもしれないと思ってしまえば、平静さは失われていく。

レントンが何も言わずに立ち上がると、退屈そうにしていた3人のうちメーテルがジロっとレントンを睨む。


「どこいくの?」

「ちょっと……エウレカの様子を見に。」


レントンはパッとすぐに嘘が用意できずに正直に打ち明ける。しかしモーリスがレントンをバカにしたように笑う。


「トイレでしょ……なんで見に行く必要があるの?変態?」

「はぁ!?ちっげーし!」


レントンは多少図星な部分もあるので慌てふためく。


「ゲロんちょさぁ~……。」


そんなやり取りにいつもの明るさを感じさせずシリアスな顔でメーテルがつぶやく。

ただならぬ雰囲気だ。


「そういうとこガキだよね。」


レントンは4才児から発せられる異様な物言えぬ雰囲気にたじろいだ。

いつもなら「なんだと!?」と詰め寄っているところだが、メーテルからは並々ならぬ嫌悪の色が見える。普段の誂うような言葉ではない。

蔑みを感じた。


レントンは結局黙って席に戻った。





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