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ハダカじゃないとちゃんと体重測定できないだろ!(前編)

体育館には年に二度行われる体重測定のため、地区の大学レスリング部の男子300人以上が詰め込んでいた。それはレスラーにとっては自分の競う階級を決める一大イベント。ただ、今年からは不正を減らし、尚且つ作業を円滑に行うためにまったく新しいプロトコルが導入されていた。 すでに男子全員の手の甲にはマーカーで書かれた三桁の数字が刻まれていた。これは名前確認を省くための措置であった。そして男子たちはすでにパンツ一丁で番号順に座らされていた。会場に到着直後、男子たちは下着以外の脱衣を命じられ、脱いだ服と靴は持ち物と共に体育館の隅に積み上げられた。トランクスやブリーフ、ボクサーブリーフなど様々な下着姿のレスラーのタマゴたちはあぐらをかいて次なる指示を待っていた。 「あー、あー」 マイクを通してスタッフのオッサンの声が体育館に響きわたった。 「1番から30番を測定するので、こっちで順番に並んで。すぐ測定できるように下着はその場で脱いで。他の人は静かに待機しててくださーい」 呼ばれた30人の男子はすぐさま立ち上がり、言われたとおりその場でたった一枚身に着けていたパンツを下ろした。いくつもの若い肉棒がボロンと姿を現し、若く逞しい肉体の全貌が露にされた。男子たちの恥部は陰毛が完全に剃り落とされ、それぞれのイチモツの形や大きさが丸分かりだった。事前に陰毛を剃っておくことは各コーチから部員に命じられ、それも測定を円滑に行うための措置だと部員たちは説明されていた。理由はどうであれ、つるつるにされてしまった局部は男子たちを大層やらしく見せた。他人のチンコなど普段は見ることのない男子たち――陰毛の剃ってあるペニスなど彼らはAVでしか見たことが無かった。見慣れない格好の陰部がどうしても視界に入り、男子らは沸々と沸き上がる羞恥心を必死で抑え込んだ。 裸の男子たちは体重計のある体育館の中心へぞろぞろと向かった。晒された肉棒のどれもが屈強な肉体とは対照的に小ぢんまりした動作で左右に跳ねた。 レスリングは室内スポーツなだけに、たとえば野球部のように全員が日に焼けていると言うことはなかったが、中には短パンや水着の日焼け跡がくっきりと浮いている者がいて、普段晒されていない股間あたりが妙に目立っていた。意外にも男の証を隠そうとする者は一人もいなかった。それは決して裸が平気なのではなく――むしろ男子たちは居心地悪そうにそわそわしていた――少しでも恥ずかしがる素振りを見せれば脇で見ているコーチに怒られるからだった。『男なんだから、堂々としろ!』――それは事前説明でどの男子もがコーチに言われた言葉だった。 待機している男子たちは前に出た30人の後ろ姿しか見えなかったが、締まったケツの間にはぶら下がるふぐりが見え隠れした。なんとも間抜けな姿に笑いがこみ上げてきたが、自分もすぐに同じ格好を晒すと思うと、他人事ではない男子たちはおとなしく口を噤んだ。とはいえ、裸の若い男たち30人が列になっている様はなんとも異様な光景だった。 「じゃあ早速1番の君、体重計に上がって」 上がって、と言うのは不自然に聞こえたが、その体重計は普通のそれとは違った。それは大型の魚や米などを計る商業用のもので、高さがあるため一歩踏み上がらなければならなかった。周りにはまるでそこだけ底上げされた舞台のようにも見えた。 1番の男子は言われたとおり体重計に上がり、ギャラリーに背を向けて立った。彼のプリケツは会場の全員に余すことなく晒された。 「あぁ、違う違う。こっち向いてくれないと」 1番はギョッと顔だけをスタッフのオッサンに振り向かせた。 「当たり前だろ、ちゃんと不正の無いように測定しないといけないんだから。それに今回は新しく導入されたペニスチェックもあるんだ。そのためにチンチンの毛ぇ剃ってきたんだろ」 そりゃあそうだけど、なにもこんな大勢の前で……。 うなだれていられたのもつかの間、男子は係員に従うしかないのを重々承知していた。彼は意を決して体を反転させた。周りのスタッフやコーチ、そして待っている他の男子らの視線が全て1番に集中した。しかもそれは顔では無く、下半身のある一部分に注がれた。一段上がった位置に立っているため、1番の陰部はちょうど視線を合わせやすい高さにあった。 1番は一気に血が引くのを感じた。下を向くと赤ん坊のようにツルツルにされてしまった己のチンコがぶら下がっており、自分がこんなパイパンチンコを大勢に晒しているという事実がじわじわと脳を侵食した。 スタッフのオッサンはそんな男子をよそに、クリップボードにカリカリと何かを書き記していた。 「体重65.4キロ、○○級」 ほっ。ようやく終わる。早くペニスチェックとやらを終わらせてここからいなくなりたい。1番は安心しかけたが――。 「じゃあいくつか質問するけど、正直に答えるんだぞ。どんな小さいことでも嘘をついたら不正とみなされて、今年の試合に出られなくなるからな。じゃあ、まず……チンチンは皮が剥けてるみたいだけど、結構竿のほうに皮が余ってるな。それは見栄剥きか?」 突拍子もない質問に1番は一瞬思考停止してしまった。 「つまり、自然な状態では仮性包茎なのかどうか。正直に答えなさい」 一体こんなことを聞いて何になるっていうんだ。疑ったところで、どっちにしろ男子は聞かれたとおりに答えるしかなかった。 「……は、はい、普段は仮性包茎です」 「なるほど、これは見栄剥きという事で間違いないな」 「はい……」 〆 「裸じゃないとちゃんと体重測定できないだろ(後編)」に続く……→ https://teopi.fanbox.cc/posts/6839121


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