進行中のskebリクエストの進捗早読、5割ほどの描写分になります。 「セクハラ学園Z・ノクチル編〜僕の超能力がエロすぎる件について〜」 https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=19125748 のafter昨日で円香ちゃんが可哀想な目に遭っちゃう話です。 この後は乗客に色々されちゃったり、 円香のこの時の下着事情の描写を足したりして完成という予定です。 一ヶ月半程度後を目標にPixiv投稿予定となります。 ※ リク主様より、リクエストプランでのブーストをいただきました! ありがとうございます!! 10/28 7割分ほどまで加筆しております。 11/11 ブーストをもう1ヶ月分いただき序盤の展開&続きを加筆しております。9割分ほど。 12/4 完成稿に更新 ──以下、本文── 「なんか、変な夢見たな……」 自室でいつも通りの朝を迎えた円香だったが、奇妙な夢のせいで浅い眠りに終始していた。夢の中でもノクチルのメンバーと行動を共にしていたが、そこで恥ずかしいハプニングに多々遭遇するというものだった。 「しかも、何か私だけ……」 ボヤくように呟く。確かにメンバー皆、スカートめくりや、水着が破ける、瞬間着替えなど珍妙で、羞恥を煽られるような目に遭わされたのだが、円香だけが、最終的には全裸に近いような肌面積を晒すハメになっていたのだ。 「いや、露出の癖なんてあるはず無いわよ……」 腑に落ちないものを感じつつ、朝の支度を始める円香。どんなに変な夢でペースを乱されようが、日常は回り続けるのである。おかげで、遅刻寸前の時間に家を出る羽目になってしまう。それでも朝のシャワーを欠かしてはいなかった辺りが、アイドルとして、いや最低限乙女しての矜持までも失いたくは無いがためだろうか。ともかく── 駆け足をしばらく続ければ、見知った顔に追いつくことが出来た。 「おっ。おはよう、樋口。朝から精が出るねぇ。ダイエットでも始めたの?」 ──浅倉透。 円香の幼なじみであり、同じユニットのメンバーでもある。彼女は円香の姿を認めると、呑気な様子で声をかけてきた。その言葉は、相変わらず冗談なのか本気なのか、いまいち掴み所のない調子なのが常だ。 「んっ、おはよう浅倉。寝坊しただけだっての」 透のペースに振り回されないよう、円香は平静を装って答える。そして歩調を透に合わせて、自然と横並びで歩き始めた。少しだけ安心する二人だけの空気感。 しかし、それも束の間だった。 「──チンカラホイ」 そんな素っ頓狂な言葉がどこから聞こえてきた気が円香にはした。だからと言って、この穏やかな日常の何が変わるはずも無かろうもの。円香はそう、思っていたの。しかし、刹那の後、その単語が夢の中で散々自分を辱めた時に聞こえてきたものだと気付いた瞬間、円香の背筋にゾクッと冷たいものが走った。 (なにこれ、すごく嫌な感じ……) 果たして、円香の予感は的中していた。もしくは、それは感覚と言うより、実感。明らかに下半身の涼しさが、先刻までと一線を画している。 まさか、と嫌な予感に震えながらも、円香はゆっくりと視線を落としていった。そこには、いつも通りの制服のスカートがあって、そこからふともが伸びている。正に当たり前の光景。しかし心許なさと胸騒ぎが、消えない。その答え合わせを引き起こしたのは──一陣の風。 ビュウウウウッ、と突然吹き抜けた風が、円香のスカートを捲り上げたのだ。 「わーお、何それ。マニアックな健康法にでもハマってるの?」 混乱で頭がいっぱいの円香を尻目に、透は呑気な調子でそんなことを言ってくる。しかし円香には、それに反応を返す余裕などなかった。 スカートがめくれてしまい、当然その中に秘めたショーツも丸見えになってしまう。そんな羞恥シチュエーションに当然のように顔を赤くする──それだけなら、どれほど良かっただろうか。だが、現実は非常で異常だった。そこに、下着は…… (な、なんで、穿いて無いの……!?) 存在していなかった。円香は、ショーツを身につけていなかったのだ。ノーパン。風になびいたスカートの下で露出する、一糸纏わぬ生尻と股間。それが一瞬であろうが、衆目に晒されてしまったという現実は、円香の思考をフリーズさせるには十分だった。 穿き忘れなんてあるはずがない。シャワーを浴びて、上下お揃いのイエローの下着をしっかりと身につけたはずだ。 (そ、それなのに、どうして……!?) 混乱と羞恥に苛まれた円香は、スカートを押さえてしゃがみ込んだ。しかし、それで解決する状況ではない。円香がショーツを穿いていない事は、既に周知されており、周りの通学、通勤中の男達が好奇の視線を隠そうともせずに円香へと向けてきているのだ。 (見られた……ッ? これじゃ、まるで夢の続きみたくい……) もはやパニック一歩手前だ。泣き出したくなるほどの恥辱に襲われてしまう円香。 「そんな風にしてても野次馬集まっちゃうだけだし、遅刻しちゃうっしょ。ほら、私がスカートの後ろ押さえてあげるから、行こっ」 円香の状況に寄り添って、透がそっとスカートを押さえる役を買って出てくれる。まるで少女漫画の王子様のような優しさと頼もしさをたまに見せてくるこの幼馴染は、なかなかどうして、不意に円香をときめかせてくるのだ。 「もう少し先行けばコンビニあるから、そこでパンツ買おう。しかし、どうしたらパンツ穿き忘れるかねぇ。ライブの時にパンツ穿き忘れるとか勘弁してよね」 しかし、そこにデリカシーが同居しているかは、別問題である。 (パンツ、パンツ、連呼しないでよ……。恥ずかしい……) そう思いながらも、透の軽い口調に少しだけ感情が沈静化していくのを感じる円香であった。ともかく── 円香はスカートの前側を、透は後ろ側を押さえながら早足気味に道を進んでいく。こうすれば、スカートが翻り乙女の尊厳が擦り減っていく事態は避けられそうだ。この逃走劇は、下着の購入が可能な最寄りのコンビニエンスストアに辿り着けば晴れて終了、のはずだった。そこで、 「あっ。円香ちゃん、透ちゃん、おはよう。なんか慌ただしそうだね、どうしたの?」 と、曲がり角で鉢合わせたのは、小糸だった。普段通りの笑顔で、小動物的な愛想の良さを振りまいている。そんな癒しオーラで周囲を和ませる彼女だが、今の火急な状況とはそぐわなく思えてしまって、どこか気まずい居心地を覚えてしまう。そんな心情など小糸も、そして悪意を孕んだ何処かの第三者も意に介さないのは、もはやどうしよもない現実。そして── 「チンカラホイ」 また耳に届く、その不可解な単語。次の瞬間、何故か円香は小糸と横並びになっていた。反対側には透が居ること確認し、同時に両手に柔らかく温かい感触を覚える。三人並んで、仲良く手を繋いでいるのだ。それはまるで仲の良い小学生児童の通学風景のような状況で…… (いやいや、なんで手を繋いでるの……ッ!?) 円香のその疑問は当然であろう。先程までは確かにそれぞれ違う動きをしていたのだから。困惑と共に円香の視界の端に、小糸の下半身が映る。そして彼女の足首付近にあった違和感の正体を認識し、円香は絶句した。 「こ、小糸……そ、それ、パンツ……」 動揺のせいか、その事態をストレートに伝えることしか出来ない。小糸の両足首に纏わりついてる純白のその布地は、間違いなく彼女のショーツであろろう。円香の言葉と視線で、小糸も自分に起きている異常事態を把握したようで、瞳が白黒させ始めた。 「ぴっ、ぴぇっ、な、なんでっ、わわっ? パ、パンツ、ぬ、脱げて……っ??」 小糸は混乱しながら身をよじろうするが、足首の下着が枷となってバランスを崩してしまった。 「あっ、危ないーー!」 支えようと手を伸ばした円香だが、それは透と繋がっている──ご丁寧にバンドで手首同士を固定されているのに気づいたのはその瞬間であったのは、ともかく──せいで、円香の体勢も当然の如く崩れる。互いが互いを引っ張るようなベクトルが乱れ飛び、結局三人は揃って転倒する羽目になった。そして、スカート姿でそんな大胆なアクションを取れば…… ──どたんっ! と、脚をM字に大きく放り投げた状態で路面に臀部を打ってしまう円香。 「ぴっ、ぴぇっ、や、やだぁっ!」 小糸も同じように開脚しながら転んで、弱々しげに悲鳴をあげた。 「二人とも、それ、ヤバイよ。丸見え」 透は透でうまくスカートを捌いて女の子座りで路面に着地を決めていた。下着すら晒す事なく冷静に視線を円香に向けている。そう、問題は円香なのだ。 ──ぱっかま~~んっ! と、スカートの中の肌色を完全に曝け出してしまっている状態。 (なっ、な……っ。こ、こんな……) わなわなと身体が震える。羞恥心が薪を焚べたように燃え上がっていく。ノーパン状態だというのにはしたない大股開きなのだから、乙女にとって当たり前ではあるのだが。 周囲には数人ほど目撃者が立っていて、好奇の目を円香の痴態に向けている。 「イヤっ、見ないで……ッ! 」 円香の下した判断は、スカートを押さえつけること。しかし、両手の自由か利かない事を失念していて、隣の小糸と引っ張り合うような結果となる。小糸は幼い花園を晒している事態に、既に羞恥心がマックスのようで、もはや半泣きの様相だ。 「こんな可愛い娘達のアソコが丸見えなんて、ラッキーのレベルじゃねーぞ」 「ぴったり縦スジ丸見えエロ過ぎ。写メ撮れ、写メ。最高のオカズ、あざーすっ」 「この娘ら、アイドルやってる娘達じゃね? なに、露出趣味なんてのあったわけ??」 低俗な興味と性的搾取が周囲に居る男達から発せられる。まるで獲物を見つけたハイエナのように、その視線が股間を刺してくるのだ。数瞬の後に、脚を閉じるという最善策は取れたと言え、あまりにも遅すぎた。下劣な男達の網膜に、一糸纏わぬ恥丘の光景を焼き付けてしまったことだろう。小糸もショーツをしっかりと穿き直しながらも、脳天から煙を立たせていて、とてもすぐに再起できそうな精神状況ではなさそうだ。 透から気の利かないフォローを受けても、二人の羞恥の火はそう簡単には消えなかった。目的である、円香のショーツの購入に至ったのは、もはや遅刻が確定する時間を迎えてしまってからのことだった。 しばらく、円香の日常にこのような不可思議で不条理な日々が続いていた。屈辱に精神がすり減るのを円香は自覚しながら、しかしどうにも出来ない。原因も分からないまま、それでも学業とアイドル業のサイクルを必死にこなしていったのはひとえに円香の隠れた意地の顕れと言えたろうか。 だが円香を狙う悪意は、その健気さを嘲笑うように、最高の舞台に向けて準備されているのであった。円香が知る由もなければ、想像すら出来るはずもないそれは、突然訪れる。 「ふぅ」 その日、円香は目的の時間の電車に乗り込むことが出来て、安堵の息を漏らしていた。レッスン終了から駆け足でギリギリ間に合うこの電車に乗る事が出来れば、就寝まで余裕を持ったスケジュールの組み立てが可能となるのだ。タイムズマネーとは良く言ったもので、日々に追われる円香にとって、貴重な時間の捻出が出来るという達成感と満足感は、やはり多少の無理をしてでも手に入れておきたい類のそれだった。だから── (少しくらい混んでても、どうってことない……) サラリーマンの帰宅ラッシュとぶつかるのは、想定内かつ耐え忍ぶべき事態だ。 スーツ姿の勤めびとがひしめいていて着席は出来ないが、満員電車ほどでは無い。それに、最寄駅まではそれほど長くないので、立ち続けていてもあまり辛いものでは無いはずだった。円香は吊り革を掴んで、電車の中ゆらりと揺られる。そんな時── 「チンカラホイ……っ」 車内で誰かの呟くような声が聞こえた気がした。聞き覚えのある、あの珍妙な単語た。そして、次の瞬間── (……ッ!?) 円香を襲うとてつもない違和感。下半身に感じる強烈な外気。それは、ふとももの付け根まで伝わっており、まるで水着になった時のような開放感さえ覚える。慌てて視線を下げて、自分の状況を確認する円香。そこには…… 「な、なんでっ!?」 思わず声をあげてしまう。そこには、制服のスカートが存在しなかったのだ。ショーツを纏った下半身と、靴下とローファー。まるでそのファッションが正当のように、下着を覆い隠すはずの布地が円香の身体から消失しているという、摩訶不思議かつ破廉恥な事態が訪れている。急激に顔に血流が集結する感覚と、そのまま火が吹いてしまいそうな程の熱が円香に沸き上がる。困惑と狼狽。そんな中でも円香は今するべき事、出来る事を思考しようとした。しかし、それを邪魔す流ように円香の心臓がドクンと脈打つ。同時に、今までの羞恥体験がフラッシュバックしてくる。 (なんなのっ、またっ、こんな時に、なんでっ!?) 今までと異なったタイミングで襲ってくる理不尽な恥辱。夢だと思い込みたいが、手の甲を抓るという古典的な確認を取ってみても、皮膚にヒリヒリと軽い痛みが残るだけ。電車の中でショーツ姿の下半身を丸出しにしているという状況が、変えられる事のない客観的な事実として確認できるばかりである。 しかも今日身につけているショーツは、以前摩訶不思議に消えたことで緊急的に買わざる得なかった野暮ったく、安めのグレーのものだ。到底、人前で晒すような代物ではない。 (いや、そもそもひとにパンツなんて人前で見せないしッ!) 心の中で叫ぶ円香だが、ともかく── スクールバックでお尻側を、手のひらを精一杯に広げて前側を、とにかく隠すように懸命に努める。下着丸出し状態の股間を周囲の視線から遮る、ただそれのみを至上命題として円香は電車内で佇む他ない。そんな事態の中での居心地の悪さは尋常ではない。自然と内股気味にもじもじと太ももを擦るような仕草をしてしまう。が、それが余計に周囲を色めき立たせる空気を醸すことなど、当の円香はわかり得ないものだった。 (だ、誰も……気づかないで……見ないで……っ) 願いはただひとつ。自身の下半身が剥き出しにされている事実が認知されないこと。アイドルという立場の円香が、はしたない露出姿で公共の場に居る──そんなスキャンダラス過ぎる事実が公にされたら、プロダクションにも多大なる迷惑をかけてしまうことは明白である。顔を覆い隠したくとも、両手は下半身を可能な限り守るために奮闘中だ。羞恥に真っ赤に顔を染めながら、ただただ俯く。 お尻隠して、頭隠せず。そんな諺の定理に反した状況で、円香はこの空間から居なくなってしまいたいと心から思う。混み具合が中途半端な事が、また質が悪い。乗客達が少しでも周囲に目配せすれば、円香のこの露出趣味的な様子が見られてしまうのだ。 (早く……駅につ、着いてよ……っ) そんな風に時の流れを待つしかない状況。ドアが開いてしまえば、そこが目的地では無かろうが、トイレに駆け込み助けを呼べばいい。走り抜ける際に、お尻くらい目撃されてしまうのは── (それも嫌に決まってるけどッ……) 不可抗力として受け入れる他ない。恥ずかしいけれど、状況の打破が最優先である。だいじょうぶ、自分はそんな取捨選択を出来るほどにはまだ冷静だ。言い聞かせるように円香は、思考を巡らせる。やがて、電車のアナウンスが次の駅への到着を告げた。円香は安堵を覚え、わずかに顔を緩める。少し前から、ちらちら周囲から下半身に視線が向けられてしまっていたのは、この際置いておくのが心の均衡を保つには吉だろうか。 車内にかかるブレーキの感覚。完全に静止して、プシューという開放をもたらす音を告げる扉。駆け出す足に力を込めようとする、その時── 「チンカラホイ……っ」 またしてもあの素っ頓狂な単語が聞こえた。次の瞬間── プシュー……。 外界への道を開くはずのその音と共に、視界の先のドアが閉じていった。 「……っえ? な、なんで……??」 呆然とした表情を浮かべる円香。動揺を隠せるはずも無く、カタカタと小刻みに震える身体。未だに状況が把握出来ない。開くドアの向こうに飛び出そうと思ったら、ドアが閉まっていた。それ以上でもそれ以下でも無い、そんな理解し難い光景が過ぎ去ったのだ。脳が混乱する。まるで白昼夢の中に居るかのような感覚に円香は襲われる。 なんて悪趣味なもので、なんて非現実的なんだろうか。思わず逃避的な思考が円香の脳裏を過ぎるが、下半身を包み込む外気の冷たさが、これが現実なのだと再確認させられる。さらには…… (あ、あれ……? バッグが……?) スクールバッグが、無い。後ろ手に持って、お尻を隠すべき任務を担っていたものが、消失している。混乱の加速と共に、焦燥感が湧き上がる。これでは、後ろからだと、円香の臀部は丸見えだ。 (い、いや……ッ!) ブラウスを必死に引っ張り下げ、なんとか下着を隠そうとする。が、もはや周囲の乗客からは、下半身に集中的に視線が向けられていた。 (い、いやッ……!) 羞恥心が際限なく煽られて、もう頭がどうにかなりそう。 「なんで……スカート……」 「パンツ、丸見え……」 「JK痴女……?」 周りの男達が困惑と共に色めきながら、そんな単語を口にしている。顔から火が吹きそうとは、まさにこの事だろうか。 「み、見ないでェ……っ」 蚊の鳴くようなか細い声で懇願しても、誰も聞き入れてはくれない。完全に見せ物のようになってしまっており、熱視線が肌を刺すようだ。グイグイとブラウスを必死に引き下げても、お尻側を隠しては、前側のデルタが丸見えに、前に引っ張れば、ショーツに包まれたまんまるヒップをアピールする形になってしまう。どちらにしろ、周囲にあられもない痴態を晒してることに変わりは無い。 ついには、スマホを向けられて、円香の下半身をなんとかレンズに収めようと掲げてくる者もちらほら。 「いや……やだ……。見ないで、撮らないで……ッ」 円香は半泣きのような顔で、イヤイヤ、と首を振る。後退りしながら、電車のドアにぶつかってしまう。結果的にお尻側は隠せる形になり、次の駅に着いた時にすぐに逃げ出せるような格好になる。バッグを失ったことでスマホも無くなっているので、助けを呼ぶ手段を失っている事はともかく、この破廉恥撮影会からの離脱しか円香には道が無かったのだ。 「この娘、どこかで見たこと……?」 誰かのそんな呟きは、円香が一番恐れていたもの。咄嗟に、両手で顔を覆い隠す円香。 (だめ……知られちゃ……ッ) 指の隙間からは、そうして無防備になった股間を狙ってスマホが次々に向けられる様子が瞳に映る。あまりに無遠慮な恥辱的行為を看過しなければいけないジレンマ。真っ赤に染まった顔だけを必死に隠し、カメラからどうにか逃げおおせようと身体を捩りながら、頭の中では逃走とその後の事を思考しなければいけない。 そんな気が気じゃない円香を他所に、調子づいた様子でスマホカメラを突き出す男達は止まるところを知らない。ショーツの中すら見通すように、ピロン、ピロン、と繰り返される電子音。右からのそれを嫌がって体勢を変えれば、左からまたピロン。お尻を振るかのような動きにしかならず、逃げ場の無い状況で下半身が激写されるばかりだ。作り出される。そんな一方、次の駅までの時間も縮まっていることも確か。一秒でも早くこの場からの離脱をと、円香の脳はそれだけを訴える。 そして、アナウンス。 (は、早くぅ……。お願いだから……) 次の駅へ到着して電車が停車。待望のドアが開く、その瞬間── 「チンカラホイ……ッ」 またしてもあの、緊張感の欠片も無い単語が聞こえる。もはや円香にはそれが絶望を告げる言葉としか感じられなかった。目の前には、ドア。全く微動だにせず、開閉の予感すらしないドアが存在を主張している。あまつさえ、足元から伝わる振動が、電車が動いてることを示していてる。 駅に到着したという事実すら、円香の掌から溢れていった。そんな夢としか思えないような現実が、円香の精神に鞭を打つ。 チンカラホイ。チンカラホイ。チンカラホイ──ッ!! あの忌々しい単語が、円香の頭でグルグルと残響していた。連続で起こる不可思議過ぎる現象に、円香の脳のキャパは支配されていた。だから気が付くのが──遅れた。自分に施されている更なる恥辱状況に。数瞬の後、肌寒さを覚えたことで、円香はハッとし、絶句した。 (え……? 嘘……でしょ……?) 信じられない現実に、思考が追い付かない。視界を下げれば、肌色だらけ。ブラウスも、ブラジャーも、上半身には何も──いや、ご丁寧に普段円香が身につけない学校指定のリボンだけを首に巻いた状態で──身につけていないのだ。胸、乳房、バスト、おっぱい……そんな様々な呼称がある部位が、公然の場で剝き出しになってしまっている。 (いやっ! いやっ! いやぁっ!!) 全身が血の気が引いていく感覚。先ほどまでの羞恥を大きく上塗りするほどの感情が湧き上がり、円香は狼狽の限りを尽くした。叫びを心の中で留められたのは気が動転し過ぎていた故であり、ある種の幸運であったかもしれない。周囲に自分の状況を伝えなくて済んだのだから。 (なんでっ! なんでなんでなんでッ!) 何度自問しても、答えが帰ってくるはずは無い。目尻に涙を浮かべながら、公然の場で晒して良いはずもない胸元──そこを隠すという一点のみに執着し、円香は腕を振り下ろそうとする。 (振り、下ろす……?) そこで急激な違和感が円香を襲う。何故、自分の手は両方とも吊り革を掴むかのような掲げられているのか。ブラウスを健気に引っ張りながら下半身を周りの視線から防ごうとしていたのが最後の記憶だったはずなのにも関わらず、何故── 円香の思考がエラーコードを吐き出さんとしたところで、非情な現実が円香に突き付けられる。手が…… (降ろせないッ?!) 手首を固定されている感覚。動かそうとしても何かに引き留められてしまっているのだ。咄嗟に視線を上げ、その正体を捉えて── 円香は絶句した。吊り革にがっちりと両手を固定しているのは、身につけていたはずの…… (ブ、ブラジャー……な、なんで……) 女の子の乳房の最後の砦となるはずの下着が今、円香を拘束する枷となって。しかも、若干野暮ったいショーツと不揃いで、ブラジャーの方はシンプルな白色ながら生地の高級感やレースの意匠で、そのブランドの品質の高さをうかがい知れるラグジュアリーな一品だった。 (いやいや、そんな事はどうでもよくて、こっ、これ、なんで……ッ?! はっ、外れ、な、い……!?) 慌てて両手を指を手繰るが、その固定は解かれる気配もない。円香の健気な抵抗をあざ笑うかのように、吊り革と両手を繋ぎ止めるのだ。そんな風に腕を吊られている状態のため、触り込んで身体を小さく丸めるといった最低限の肌色の遮断すら不可能にされてしまっている。円香の思考に絶望の色が垣間見え始める。 (……な、なに……これ……なんで私がこんな目に遭わないといけないの……?) 困惑と当惑が心でかき混ぜられていく。そこに羞恥心が荒波のように押し寄せてきて、ただただ、全身の熱を沸騰させようとしてくる。そして、燃えあがってしまうように紅く染まる身体に注がれるのは、好奇のそれとは違う、湿っぽいいやらしい、視線。 「なになに? これ、ゲリラの露出系AV撮影かなんか……?」 「しかもモデルさん、かなり美形だし……え、マジで? 何これサイコーにエロくね?」 「だから、この娘、アイドルの樋口円香に似てるんだよなぁ……」 遠慮のない、そんな声がそこかしこから浴びせられる。不躾にスマホを向けられだすのは先刻のショーツ姿丸出し時と変わらない展開なのだが、拘束という要素が加わったことで、円香の置かれた状況は更に悪い方へと転がり落ちて行っているのは明確。 「み、見ないで……撮らないで……」 か細い声で、その二点の懇願を漏らすだけがもはや精いっぱい。壊れたラジオのように、同じ台詞を何度も唱えるも、周囲の男達からすればそんな願いなど通ずるはずも無かった。露出性癖を拗らせた変態女による演技か何かだとでも思われているのか、囃し立てられる声が増長するばかり。 「露出モノの撮影でしょ? カメラ何処でまわしてるの?」 「なんでパンツはこんな地味なやつ履いてるの? マニアックな演出だなぁ」 男達が好き勝手に言い募る。円香がセクシービデオの女優だろうという共通認識を押し付けてきて、心を抉ろうとしてくる。羞恥と屈辱にひたすら精神を苛まれながら、内股気味で身体をくねらせるくらいしか出来ない円香。そんな、円香に遂に── 「しかしちょっと童顔気味だけど、ホント美形な女優さんだよなぁ……。ねぇ、君、少しくらいならお触りしても、だいじょぶなやつ?」 そんな、欲望に従順な言葉が円香に投げかけられた。 (さ、触るって……何、言って……) 男の言葉に、円香の肌が粟立つ。円香にしっかりとお伺いをたてるように言い放ち、抱いている期待を隠さない声色で、だ。男の右手は、円香に見せつけるように、いやらしくうごめき始める。それは間違いなく、目の前にある女体の柔からさを堪能するという意思を強く持った、淫猥な動きをしていた。 電車での卑劣行為の常套である痴漢という手段を、こんな無防備な状態で行使されてはたまったものではない。円香は恐怖に震えながらも、強張る声帯から声を振り絞ろうとする。とにかく、拒絶を── もう、自分の痴態が更に大勢に見られるとか、そんか外聞は気にしていられない。貞操の危機に、円香は目を固く閉じながら、男を糾弾しようと試みる。 (──痴漢しようとしている人が居ます! 誰か、助けて!!) 心で思い描いた言葉で、そう叫ぶんだ。そんな時であった。 「チンカラホイ」 悪夢を引き起こす、呪詛のようなその単語が、円香の耳に届いてしまった。次の瞬間── 「むっ、んむっ?! んっ、んんっーーーッ!!?」 声が──出せない。喉からは、呻きとすら呼べない、くぐもった音しか発せれなく、それは口を覆う布地に吸い込まれていく。円香のパニック具合が加速度を上げる。口に得体の知れないものが押し込まれており、その上からマスクを着用しているのだと理解するまでに時間がかかる。 何故こんな状態になっているのかという疑問が脳を駆け巡るが、今まで自分の身に起きている奇怪で悪意のある現象の一端であるのは確かなのだから、考えるだけ無駄な話。とにかく最悪な事態は重なり、今円香は乗客に囲まれた電車内で、身につけているのはグレーのショーツだけで、両手を吊り革にブラジャーで固定され、声すら発する事が出来ないという状況に陥ったのだ。もう詰んでいるとしか言いようが無い。 「正確にはソックスとローファーは残してるけどね。それで、これが最後のプ、レ、ゼ、ン、ト」 誰かに後ろから耳打ちされながら、背中に何かを押し付けれる感触。その後にピロン、とスマホで撮影される音がする。そのおぞましい声の主は、円香に向かってスマホの画像を見せつけてきた。そこには── 『樋○円香そっくり女優が、強制露出痴漢ゲリラAVでデビュー! 飛び入りお触りエキストラ参加OK!!』 そんな文章が書かれた紙が背中に貼り付けられている、自分。 (嘘……ま、待って……なに、これ……ッ!) 否定したくても、首を振るくらいしか出来ない。周りの乗客はその文字を見るや否や、色めき立ってこちらとの距離を縮めてきた。皆々が表情を歪めながら、円香の身体を舐め回すような視線を向けてくる。誰も彼もその性的興奮を隠し切れていないような、そんな男達の劣情の欲に晒されて、円香の悪寒が増幅されていく。 (やだ……たす、けて……誰か……ッ!) しかし、もはやその望みは誰かに届くはずも無い。 「え? ゲリラAVの撮影とかってありなん?」 「マジでノクチルの円香ちゃんにそっくりだよな……。俺ファンだから堪んねえわ……」 「これ、どこまでやってオッケーなん? お触りだけで我慢できねーよ」 周りの男達が好き勝手に言葉を交わす。本人の許可なく一方的に性欲の対象にされてしまった事に、焦りと戦慄が押し寄せてくる。しかし、もはやリビドーに駆られた男達は止めようが無い。 (い、や……私の、からだ……勝手に、触らないで……ッ) そう言葉にすることすら出来ずに、円香はただ震えるしかなかった。ふとももを、腋を、うなじを、背中を、何人もの男達の手が這い回ってくる。まるで前菜を味わうかのような、くすぐるようなタッチで弄ぶように触られてしまい、円香は悶えるように身体を捩らせる。 「おーおー、エッチな動きしてくれるねぇ」 「ひひ、おっぱい小ぶりだけどその辺も本物の樋口円香に寄せてるのなかぁ? 感度良さそうでいいじゃん」 好き勝手にそう揶揄してくるのも気に留める余裕は、無い。そのまま痴漢達に身体を撫でられ続ける円香は不快感と共に、その最奥にあるものを引っ張り出されようとしてしまう。それは恥辱に至っている状況だからこそ、最も背けたい感覚。 (まっ、まさか……そんなわけ、な、い……) 男達の生温かい手のひらか、内股を徹底的に這いまわる。足の付け根の際どい部分を探るように撫でられて、円香はそのくすぐったさに腰が砕けそうになってしまう。その手指は調子付き、遂にはショーツから漏れ出ているハミ尻という名の恥肉を掴んできた。くにくにと弾力を楽しむかのように揉みしだかれてしまえば、円香の危機感はとめどなく加速し続けていく。そのまま尻ふさを摘み上げるような指遣いを何度かされると、ショーツはどんどんお尻の割れ目に向かって食い込んでいくのだ。 「へへっ……。痴漢物で定番だよな、こういう強制Tバックにされるシーンは」 「なっ。こうやって、ハミ尻取り出すようにしながら、パンツ引っ張ってやれば……」 ──ぐいぃぃぃっ。 男の一人が円香のショーツを言葉通り思いっきり絞りながら、引き上げてくる。 (くっ、ううっ……! こ、こんな格好させられて……っ!) 「ほーら、Tバックだ。しつこく引っ張られるとお股にパンツが擦れて気持ちいだろぉ」 「シミひとつ無い、ぷるぷるお尻可愛いねぇ~。ちゃんと写真撮ってあげるからね~」 (し、知らない人に、こんないやらしい風にされて、見られて、撮られて……。は、恥ずかしすぎて……死んじゃいそう……ッ) 事実、ショーツはぴっちりとデリケートな部分に張り付いて、圧迫感を与えてくる。男達はそんな反応も楽しみながら、後ろからは剥き出しにされた円香の臀部を、前からは下着を際どく食い込ませたキワの、鼠蹊部をなぞるように指を這わせてくる。 その性的接触は時間が経つにつれて更に大胆になっていく。ヒップへの揉み込みを激しくされれば、下着を引き絞られていることも手伝って、窄まりが覗き見してしまいそうな危うさすらあった。それをスマホで撮影しようと狙っている野次馬も居るのだから堪らない。しかし、それだけに意識を向けていれば、遂には…… ──つつつっ。 (くっ、うううんッ?!) ひとりの男の指先が、ショーツに埋まっていた円香の陰唇をなぞりあげてきた。たった一本の指だけでの、軽微な接触。しかし、秘裂の形を探るようなその指遣いがもたらした甘い痺れは、円香を確かに蝕む一撃となったのだ。無意識に腰が浮き、思わずたたらを踏みそうになる。が、相も変わらず吊り革に両手を拘束されているため、それを起点にふらつくだけだった。 「ははっ。マンすじ探り当てられちゃって、感じちゃった?」 そのまましつこく、すりすり、すりすり、とショーツ越しに撫で回してくる。その度に、ぴくっ、ぴくっ、と痙攣するように下半身が震えてしまうのだ。 (そ、そんな触られ方したら……か、身体が……勝手に……跳ねるぅ……ッ) ただでさえ不慣れで、乙女の弱点と言える箇所を優しく弄られて、円香のキャパは限界だった。そこに容赦なく集団痴漢と化した男達のねちっこい責めが迫る。ショーツ越しとは言え、女性器に手が及んだ事により、防波堤は決壊したのだ。 ──するんっ。 次に狙われたのは、乳房の中心に鎮座する、蕾。その尖りきっていない先端の周りを、指先が円を描いてくる。乳輪のキワを絶妙なタッチで何度も行き来されると、円香の意識は胸の先へと集中してしまう。しかし、痴漢達の連携は、狡猾で鮮やかだった。 (ふっ、ふあああァっ?!) 股間で蠢いていた指が、ある一点を捉えていた。クリトリス──円香の割れ目を撫で回していた男が、男が指を滑らせ、その小粒で幼い淫豆に触れたのである。敏感すぎるその部分への不意打ちに、円香は喉元を晒して、あげられない嬌声をマスクの中で響かせた。そこからは怒涛だった。痴漢達が、好き勝手に、思い思いに、円香の身体を蹂躙していく。 「くくっ。少し焦らした後に摘んだら、すぐ乳首ビンビンにしてくれるじゃん」 「お尻もぷにぷにで触り心地抜群だよ。ほら、むにーって尻たぶ拡げてあげたら……アナル見えちゃってるね、ひひっ」 「クリトリス下着越しに転がされるの好きなんだねぇ。愛液止まらなくなってるよ」 耳を通して穢してくる言葉の数々。その事実を語られる屈辱は、円香の羞恥心に火をつける。そして同時に、身体を巡る官能が増長していくのも、また目を背けられない真実として円香を苛むのである。 イヤイヤと首を振ることでしか意思表示出来ない円香だが、しかし周りの男達からすると本気の拒絶と、演技としての嗜虐への煽りの区別なんて付くはずも無いだろう。責め立ててくる指々の執拗さが増すばかりで、目尻には涙が溜まろうかとしていた。そんな光を失おうとしている瞳の奥に映る、ビデオカメラを構えた一人の男。彼の存在を気にする余裕など、今の円香には無い。 (くっ、ううんっ、あっ、やっ、乳首ピンピン弾くのイヤぁッ! アソコも、お尻も触りながらなんて、むっ、むりィッ!) まるで肉欲の拷問だ。胸の頂点で勃起しきってしまった桜色の蕾を、手遊びにようにしつこく刺激してくる。同時にショーツ越しに股間を揉み込まれ、自らの意思と関係無しに愛液を染み出させてしまう。それに加え、後ろの恥孔にまで指先が悪戯を繰り返し、円香の性感を昂らせてくるのだ。 (もっ、もう、むりぃ……) 指の動きに呼応するかのように、割れ目はひくつき、子宮が切なげに疼く。そんな淫らな反応を悟られたのか、下着の上からではあるが、無垢な秘穴の入口を何度も擦られる。そつされて蜜液をだらしなく溢れさせて、まるでねだるように腰を前後させてしまいそうになる。 「うんうん、お嬢ちゃんもだいぶ素直になってきたねぇ。クリもシコシコしてやるからなぁ」 「ケツの穴もヒクついてんじゃん。スケベすぎんだろ、コイツ。ていうか何て名前の女優なんだ? なんて呼べばいい?」 「こんだけ似てるだから、もう円香でいいんじゃないか? ほら、円香、乳首摘むのと弾くのどっちがいいんだ、円香? それとも乱暴に捻る方が好きだったか?」 肯定も反論も、口枷のせいで出来ない円香に、容赦無く続く恥辱。痴漢達は、まるで円香自身ですら理解していない性感帯を全て知っているような素振りで、何度も何度もしつこくそれらの箇所を可愛がり続けるのだ。そうされながら、下劣な言葉ばかりを投げかけられてしまえば、円香は羞恥と官能の渦に巻き込まれて、深く沈められてしまいそうになってしまう。 「ほーら、どんどんお●んこ液が漏れ出してくるねぇ。円香ちゃんは、そんなにクリちゃんシコシコが堪らないのかぁ」 「ちげーよ。円香は乳首を捏ね回されるのが気持ちいいんだよ。さっきからビンビンに勃起させて喜んでるだろ」 (違う、違うのにぃッ……!) 円香は心の中で涙ながらに、自分の反応を否定する。しかしそんな儚い拒絶も、迫り上がってきてしまう熱の奔流に押し流されてしまいそうになるのだ。それは、未知なる感覚で全身を包み込もうとする肉欲の意思。畏怖と共に抗えない程の甘美さを伴いながら、円香を堕としにかかってくるのである。そんな中でビデオを掲げた男が、静かに、しかしはっきりと通る声で、こんな言葉を投げかけてきた。 「円香ちゃん……もう……そろそろイって良いよ……」 それは痴漢を扇動するような張り紙をしてきたのと同じあの声の主。彼は、鞄から何やら器具を取り出して、周囲の男達にアピールする。 (そ、それって……) ──電動マッサージ機。小型のもので、振動による肉体の疲労を癒すためのものだ。だが、それを手にしている男が示そうとしている用途は、明らかに円香にトドメを刺そうとしてくるものだ。全身をまさぐられ、快楽を押しつけられて燻りきった女体を、強制的に解放させるための淫具。これでヴァギナを、陰核を、揺さぶられてしまえば── (あ、ああっ……そんなの、だめぇ……ッ!) ひとたまりも、無い。円香の見開いた瞳から涙が一筋、頰を伝った。だが、そんな事はお構いなしに、無機質な振動をしながらその器具は、ショーツの上から押し当てられてしまう。 「んッ?! んんんんんンンッー!!」 その衝撃に、円香は激しく身体を痙攣させた。予想を遥かに超えたその快楽の熱量に、一瞬意識を失いかけた程だ。だが、そんな反応で電マ責めは止まるはずもない。膝が完全に力が入らなくてなった事を良いことに、股座を割り開かせられ、電マと股間との密着面が増やされる。陰部をゆっくりとなぞるように上下されると、クリトリスが巻き込まれるように刺激されてしまい、絶頂感が駆け昇ってきてしまうのだ。 (ダメッ……これ、すごすぎぃ! こ、こんなの耐えれるはず、なっ、い……。も、もう……) ──イってしまう。知らないはずのアクメの予感が止まらない。その甘い疼きに、円香の全身は総毛立つようだった。 なおも乳首に執着する一人の男によって両胸の蕾は責められ続けているし、アナルもしつこく穿られている。ショーツは既にぐっしょりと濡れそぼって、電マにいやらしい蜜液を纏わりつかせ、その振動で淫猥な水音を立てていた。耳から卑猥な言葉でも辱められ続け、性感帯という性感帯を同時に責められている。逃げたいのに逃げられる訳もなく、肉体は悦楽への屈服の準備を始めてしまっている。 「蕩けたいい顔してきたねぇ、円香ちゃん。イク時はちゃんと宣言しないと駄目だよ? 」 電マで無理やり快楽を押しつけてくる男が言う。その意味を拾う余裕など、今の円香にあるはずが無い。そもそも口枷で封じられているため、声は出せないのだ。状況は何も変わらない。 割れ目に押し付けられた小刻みに震えるヘッドが官能の信号を伝えて、秘裂の奥がどんどん熱く潤んでくる。激しく擦り上げられ、クリトリスが狙われる。理性ごと意識が弾けてしまいそうだ。そして── 「イけよ、円香。チンカラホイ」 それが合図だった。 「イッ、イクうううぅぅッ?! あっ、ああっ、あんっ! イクの止まらないッ!! ダメ、こんなの、むりぃッ、やだァ、あっ、あああァァァあああッッッ!!」 その叫びを引き金に、今まで堰き止めていた堤防が決壊し、円香の秘裂から盛大に潮が噴き出した。そう、円香は叫びという発声をしていて── 何故かその敗北宣言する円香の口元からは口枷もマスクも取り払われていたのだ。よだれが垂れた唇の奥から、大きな嬌声を響かせてしまっている。顔を歪ませながら、絶大なオルガズムに身体を震わせるアイドルの姿に、周囲の男達はじゅるりと涎を啜った。その中で一人、円香を絶頂に導いた電マを握った男は、もう片方の手ではビデオカメラを構え続けている。円香の恥辱に塗れた様子を余すところなく収めようとしているのだろう。そして次なる偶像が弄ばれる瞬間への期待を滲ませている。 電マアクメの余韻に身体を震わせながらも、時折股間をいじられてしまい、また軽く潮吹きをしてしまう円香。完全に発情しきった肉体は赤く火照り、呼吸をするたびに上下する胸も汗で淫靡に濡れ光っている。しかし、円香への責め苦がこれで終わるはずも、無かった。むしろここからが始まりなのだ。それを告げる呪文は、やはり…… ──チンカラホイ。