1.
「く、ぅ……っ」
『天使のお姉さん、なんだか辛そうね』
『そんなに悶えて、どうしたのかしら』
息遣いすら感じられるほどの距離からくすくすと笑う、角も頭髪に隠れる低級淫魔の双子の声。二人の柔らかで妖しい匂いを纏った肌が火照り汗ばんだ天使の体を包み、愛欲に満ちた体温で淫らな感情を煽る。
2.
『我慢なんてよくないわ。私たちが助けになってあげる』
『声を受け入れて。身も心も私たちが導いてあげるから』
遥か上位の魔族の手で空間に仕掛けられた封印の術式がルミアの四肢と魔力の行使を封じる。魔力を巡らせても放つことができないまま、代謝に従って体はじっとりと汗を浮かべている。
抵抗のできない天使の肢体へ、双子はただ触れるばかり。手で腕で持ち上げられた乳房を、スーツを引っ張って反り返るふたなりペニスを、ただその熱を確かめるがごとく手で包んでいるだけ。天使の局部がどんな状態なのか、どれほどの興奮を得ているのか、それだけは確かにこの淫魔たちに伝わっている。
3.
『はぁ……♥ きっと気持ちよくなれるわ……れろぉ……♥』
『きっと忘れられなくなるもの♥ ぇろ、くちゅ……ふふ♥』
無防備な腋の下へ、震える耳の中へ、双子の意地悪な舌が押し当てられる。唾液をたっぷり乗せた舌の、柔らかく熱い存在感。ねっとりと這い回る感触で背筋にゾクゾクと恍惚が走る。
『ふぅ……っ♥』
『はぁ……ん♥』
「う、あぁ……っ♥」
甘い声が漏れた。捕らわれの天使が乳首を硬くしこらせ、怒張を漲らせて火照りを持て余すまで、長い時間をかけて耳元から浴びせられ続けた双子の声と吐息。耳の中で蓄積した淫らな熱が劣情を煽り、妖しい期待をかき立ててルミアの心身を蝕む。
『あらあら……お姉さん、いい反応♥』
『くすくす……弱いのね、お姉さん♥』
左右から響く嘲笑。舌での刺激だけで声をあげてしまったルミアの顔を、双子は口を歪めて覗き込んでくる。秘めたマゾヒズムを見透かした淫魔の、嬲られて悦ぶ弱者を蔑む瞳。背筋をゾクゾクと冷たいものが駆け抜けた。
4.
『気持ちよくなりましょう? イければきっと楽になれるわ』
『私たちを受け入れて? きっとイイようにシてあげるから』
「っ――は、ぁ……っ!!」
誘う声と迫る声が隠された被虐嗜好をえぐり返す。心に刻まれた快楽の残滓を呼び起こし、甘い敗北への期待を煽る言葉。ルミアの弱みを的確に嬲る責め。
『ほら、イきましょう? 身も心も声に委ねて……♥』
『負けちゃいましょう? 私たちの声に従うの……♥』
「っ……や、め……っ♥」
『イって♥』
『負けろ♥』
「ぁ――……っ」
不揃いの言葉に絶頂を命じられ、天使の腰が突き出されて小さく跳ねた。ぴゅく、と小さく白濁の溢れる音。射精と呼ぶにはあまりにも弱々しい、情けない敗北吐精。
『気持ちいいでしょ? もっとイっていいのよ』
『まだ足りないでしょ? もっと虐めてあげる』
ねっとりと、じっくりと、言葉と舌で性感帯を撫で上げられ続ける。心身の性感帯で感じる圧が、背筋を、脳髄を、白熱した快感で焼き尽くしていく。滾る獣欲が、被虐の欲求が、双子の声で引き出されていく。
5.
『私たちがお姉さんを気持ちよくしてあげる♥』
『お姉さんを私たちの声の虜にしてあげるの♥』
「う、ぁ、っ……♥」
――ぐちゅぅ、り。腋と耳の性感帯へと舌が強く押し当てられ、ぐりぐりと弱い部分を押し潰して蹂躙され――堕落と服従を迫る声に屈するように、どぷりとスーツ越しの精が溢れ出る。
『弱い淫魔に負けてする射精、癖になるでしょう?』
『私たちに支配される屈辱、大好きなんでしょう?』
スーツを濡らし表面に滴らせる程度の漏らすような射精でさえ、直接的な愛撫すらないままゆっくりと高められ続けたルミアにとっては意識が白く霞んでしまうほどの極上の快感だった。遥かに格下の淫魔に隷従を迫られる屈辱すらも、目覚めさせられたマゾヒズムを煽る糧となって燃え上がる。思考が、心が、甘く痺れる快楽に呑まれ溶けていく。
『私たちの声で天使のお姉さんを蕩けさせてあげる』
『マゾお姉さんの心を負ける悦びで満たしてあげる』
双子の言葉は聴く者の欲望を暴き、煽り、誘惑して従わせる。ルミアの弱みを、刻まれた穢れを、狡猾な淫魔たちは見逃しはしない。
舌が、吐息が、秘められた性感帯を嬲り抜いて悦楽に狂わせる。耳から、腋窩から、じわりと広がる甘い熱と痺れに体が酔い痴れていく。
『だからね、好きなだけ私たちの声に溺れてちょうだい?』
『お姉さんの心を弄んで、たっぷり虐め抜いてあげるわ?』
「っ――……!!♥」
ぐちゃり、と水音が響き、鼓膜と脳髄を揺さぶった。じんじんとした痺れが意識へ突き刺さり、背筋を通って全身を蕩けさせる。
二人の言葉が絡み合って互いに増幅され、ルミアの心を捕らえて逃がさない。嘲る声がプライドを踏み躙り、天使を弱い牝に貶める。
予感と期待と興奮で、鼓動も思考もめちゃくちゃにされていた。
声が、刺激が、立ち込める女の匂いが、柔らかで熱い女の肌が、
官能に揺れる天使の意識を支配していた。
声だけで魅了され、声に隷従させられてしまう。
抗えない。
逆らえない。
耳元に浴びせられる吐息。
『さあ、負けて♥』
『ほら、堕ちて♥』
――天使の啼き声が響いた。
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https://skeb.jp/works/94418
Skebにてご依頼いただいたものです。責め方などおまかせということで思いついてしまったものを放り込みました。
”誘惑”の声と”隷従”の声をもつ双子の淫魔に声と舌、吐息だけでとろとろに蕩かされるのがやりたかったやつです。
ご依頼ありがとうございました、大変お待たせして申し訳ない……!
tigris
2020-09-22 05:41:51 +0000 UTCtigris
2020-09-22 05:40:37 +0000 UTCめるかゔぁ
2020-09-17 15:51:44 +0000 UTCxnohigeki
2020-09-15 14:12:34 +0000 UTC