「しまっ……!」
『捕らえました。これより無力化を図ります』
”無垢”と呼ばれた従者風の装いをした長耳の女が、捕らえた天使の背後で無感情な声を発する。
女たちが振るう明らかな外法の力と、ドレインタッチ――触れた対象から魔力を奪う技を前に、ルミアは苦戦を強いられていた。
二人の女が縦横無尽に跳ね回り、その中で白い女に触れられれば力を失う。一人ずつでさえ高位天使を相手に立ち回れるだけの実力者が二人。じわじわと力を削がれた末、純白のグローブで包まれた魔手に、ついにルミアは絡め捕られてしまった。
女はまっすぐ向き合っても一回り背が高く、背後から押し付けられる爆乳はルミアのものすら凌ぐ規格外のサイズだった。頬と背中に押し付けられる乳房が、むにゅり、と柔らかくたわんでいるのが伝わってくる。
『終わりです。もう逃げられませんよ』
「ぅ、っく……!」
左の乳房と右耳を手のひらで弄ばれ、快楽と共に脱力感が襲う。胸をこね回す手つきは淫魔のごとき妖しさで、既にルミアのことを手中の獲物と見ているようだった。アモラスの手で開発されきった弱点たちは戦闘中であろうと容赦なく甘い痺れを生み出し、天使をその場に縫い留める。
スーツをずらされた肌から直に吸収が行われると、これまでの比ではない大量の魔力が瞬く間に奪われた。抵抗する力すら敵に奪われ、空白を甘い毒が埋めていく。食いしばった歯の間から熱っぽい吐息が溢れてしまう。忌むべき敵の手に愛撫され、ぴくん、と体が反応してしまう。
くすっ――無機質に話すばかりだった”無垢”が、身悶えるルミアの姿を嘲笑った。
「れろ、んむ、ちゅ……ぷぁ。ぁ、くぅんっ……♥」
『くちゅ、じゅるるっ。……気分はいかがですか?』
解放された唇からは甘い喘ぎだけが漏れてきた。乳房を乳房で押し上げられ、妖しい輝きをたたえた瞳で見下ろされながら、手指を食い込ませて尻を揉まれる。容赦なく送り込まれる快感に、ルミアの体は既に蕩けつつあった。
肌ざわりのよいグローブの感触が桃尻の上で踊れば、びりりと突き抜ける快感が下半身を支配する。反射的に逃れようと悶えるたび自ら乳房を擦り上げてしまい、先端の突起が潰されて快感が弾ける。
乳房から丹念にドレインを行われた次は、向かい合ってのキス責めと尻愛撫。主人を満足させるために仕込まれたのであろう卓越した手管は、甘美かつ妖しい刺激で瞬く間に天使の肢体を魅了してみせた。ただ抱きしめて尻を嬲られているだけ――それだけでルミアは喘がされ、蕩かされ、快楽からの逃げ場を封じられてしまっていた。
『貴女に刻まれた淫蕩の残滓、よほどのもののようですね。たったこれだけでこんなにも震えて……』
「っ、……! その、いやらしい手を、離……っ!♥」
遮るように尻を揉み込まれ、きゅんと体の芯を締め付けた切ない感覚に思わず息が詰まってしまう。反抗の言葉を紡ぐことすらままならない。快楽の鎖に繋がれたルミアの体は、既に”無垢”に従順に従わされていた。
内へ揉まれれば蕩けるような、外へ伸ばされれば浮き上がるような。指先の加減ひとつで色を変える快感に耐えることも許されず、”無垢”の手戯に成すすべなく踊らされる。
『全身どこも敏感。大変淫らなようで調教の手間が省けます。手短に済ませ、”不浄”に渡しましょう』
次の快感をねだるようにわななく桃尻の上、抑え込む両手が薄く青白い輝きを帯びた。
「うぁ、また、吸われ……んんっ……♥」
『少しは抗ってみたらどうです? 快感に酔い痴れるだけであれば、ヒトにも獣にもできるでしょう』
尻肉の形が変わるほどに無遠慮に、しかし痛みを与えない絶妙で滑らかな手つき。時折菊穴を掠めながら柔肌にグローブの感触を教え込むソフトな指使い。”無垢”の手は的確にルミアの泣き所をとらえ、欲情を煽りながら体の芯にまで響くような喜悦を送り込み続けてくる。
プライドを傷付けられた悔しさも、これ以上の弱みを見せまいと噛み締めた歯も。淑女をも堕とす指使いで容易くほどかれていく。
天使の矜持も、反抗の意思も……ルミアの中にある力という力のすべてが尻悦に呑まれ、蕩かされていく。
『……まあ、このような淫らな体ですものね』
できるはずもありませんか――”無垢”が嘲笑う。事実、アモラスの手で開発されきった体では、”無垢”の手が妖しく這い回るたびに甘く啼かされてしまうばかりだった。
尻を強く揉み込まれると同時、両手の輝きが増し、再び吸収が行われる。魔力の流れが阻害され、強引に放出させられ奪われていく。
溶かされた心の力ごと吸収されてしまったような、絶望的な喪失感と脱力感。エナジードレインと快楽――ルミアの弱点を的確に攻める魔手。跳ねのける余力は、消耗した天使には残されていなかった。
喘ぎ悶えるルミアの体から、戦う力が吸い上げられていく……。