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土装番
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機械の侵食 6話 世界へ広がる機械だけの幸せ 3/?

「ああんっ! 嘘でしょ……こんなことで、気持ちいいなんて……痛くないどころか……良すぎて……」  見た目には明らかな加害行為であり、エミリーも思わず指が皮膚を突き破る瞬間に怯むが、発生する筈の痛覚信号が、損傷による微小のエラーが快楽信号に変換され、生まれ変わったばかりの電子頭脳に突き抜けた。  過去に肉体的な快楽は感じたことはあるし、手を出してはならないものによる快感も得たことは数え切れない程あった。むしろ、それに依存していたのだから。  だが、この一瞬だけでも、快楽信号の性質はそれらとは違うと感じた。  思わず呼吸が激しくなりそうだが、もう自分には呼吸は必要ない。でも、フレーバーとして胸を浮かせて上半身を動かしたい気もする。  エミリーは、本来必要ない呼吸機能を、本能的に胸部内に即席で作成し、空気を取り込んでセックス時の気分を再現した。 「どうですか、エミリーさん。気持ちいいですか?」 「はぁ……すぅ……はぁ…………ええ、こんなの……初めてで、頭が全然落ち着かないの……お゛っ……」 「もしかしてエミリーさん、呼吸機能を作ったんですか? すごいです! 私、機械化した当初は自分の思い通りに変形するなんて慣れてなくてできなかったのに……」 「そうなの……あたしも、夢中だったから……わからないけど……」  話している間、聡美は穴を少しずつ指でなぞって拡げ、より下腹部の穴を大きくしていく。  人工皮膚の断面を触れられる感覚と、破れて損傷していく感覚が相乗し、じんわりとした快楽信号が伝わっていく。  未知の性感は、身体の方にも影響を及ぼし、乳首が少しずつ固くなり、クリトリスがひくつき、じんわりと人工愛液が分泌され始めた。   「ね、ねえ……ちょっとまって聡美……」 「ん、どうしたんですかエミリーさん」  まだ前戯の段階だが、エミリーは思わず一旦声を出して止めた。  快感が急激かつ鋭利過ぎてビックリしたのもあるが、それとは別に彼女なりの理由もあった。 「その……どうにか声を出さない方法ってないかしら……ほら、ここってスラム街だもの。こんな声出してたら、面倒なのが聞きつけて、あっ……寄ってくるから……」  このスラム街の治安の悪さは、長いこと住んでいた彼女がよくわかっている。  そんな場所で女性の喘ぎ声が聞こえれば、狂犬のような奴らが群がってくるだろう。  それを防ぎたいのもあるが、エミリーは何より、今のこの初めて味わう恍惚なひとときを邪魔されたくないという気持ちでいっぱいだった。  頬を赤らめ、幸せに満ち溢れた表情をしている憧れの人を見て、聡美は嬉しそうに答えた。 「もちろんありますよ。今の私達は機械ですから。それぞれを無線接続して、音声をスピーカーから通信内のみにすればいいんです」    エミリーはハッとしたように目を開いた。生まれ変わったばかりだからまだ意識できていないが、自分達は機械なのだと。  今までに見た機械の動作は、自分の身体でも出来るということではないのかと。  それに気づいた彼女は、聡美の手伝いも受けながら無線接続を開始する。  すると、まるで心で繋がることを本当に実現したかのような感覚に襲われた。 『これでいいのよね……えっ、すごいわ! 声を出してるはずなのに口から出てなくて、あたし達の頭の中から……』 『私もそんな感じでビックリしてましたね。じゃあ、早速続きいきますね』  傍から見れば、彼女達は口をパクパクと動かして声を一切出していない不思議な状態になっている。  お互いの声は、それぞれの内側でだけ聞こえ、まるで二人だけの空間を共有しているようにも感じられる。  これで準備が改めて出来たと、聡美は早速、エミリーの下腹部の穴をさらに拡げた。  今度は片手だけでなく、両手を使ってブチブチと左右に引き破った。 『ああ゛っ!? す、すごいきて、きてる……お゛っ! いいわ……もっと! もっといっぱいしてほし、あああっ!!』  血の一滴も流れない人工の皮が剥がれ、その下から金属骨格や駆動系が、そして何よりも、エミリーのピンク色の子宮ユニットが姿を表した。  肉々しく艶めくそれは、その下の肉筒である膣ユニットと繋がっており、先程からずっと発信されている快楽信号と連動として震えている。  背中を仰け反らせ、両胸から乳液を漏らしながら悶る彼女の姿にうっとりとしながら、聡美は優しく子宮ユニットを手で包んだ。 『エミリーさんの子宮ユニットかわいい……ほら見てくださいよエミリーさん、これがエミリーさんの女性器ユニットですよ』  聡美は右手で彼女の腰を浮かせて、破れた箇所が見えるようにしてあげた。  エミリーの視界に自分の女性器ユニットが写ると、思わずぴくんと反応した。 『これがあたしの……』  そう何か言いかけたところで、聡美はぎゅっとそれを握った。  まるで電撃が走ったかのような快楽信号が全身に伝わり、両脚がピンと伸び、思わず背筋が仰け反り両眼が見開かれた。 『あ゛っ!? あ、あ、あ、お゛っ!? な、なに、こ、これ、こんなに、機械の身体って気持ちい、あああっ!!? 気持ちよすぎて、ぶっ飛んじゃいそ、ああああっ!!?』  人工愛液の潮が噴き出し、それぞれの乳頭から乳液が垂れ、全身を震わせた。  膨大な快楽信号におかしくなりそうになりながらも、幸福な気分に包まれながらエミリーはこの未知なる体験を享受した。  バイブのように震える肉筒と子宮が、よりエミリーの感じていることをはっきりと体現する。   『ああそうです、エミリーさん……機械の身体ってこんなにも気持ちいいんですよ……! でも、もっともっと気持ちよくなれるんですから……それを今から、エミリーさんにも……』  憧れの人があられもなく乱れる姿に、自分も興奮し始めた聡美。  先程気持ちよくなったばかりなのに、もう股間が濡れて疼いて仕方がない。  だがそれよりも、今はもっとエミリーのことを気持ちよくしてあげたいと、一旦女性器ユニットから手を離して顔の方に身体を近づける。 『私達の身体はいくらでも壊す方法はあるんです。私達は様々な機能を備えていて、それに合うように変形もできますから、だから……』  乳房を潰さないように鳩尾辺りに腰を落とし、エミリーの身体を椅子にして跨るように座る。  それから右人差し指が左右に開き、その中からノズルのような金属パーツが姿を表した。  先端からは電撃が時折弾けており、まるでスタンガンのようだった。 『これを、耳の中に直接奥まで挿れるんです……』 『ま、待っ……聡美、今、とっても気持ちよくて、まるで頭の中ぐちゃぐちゃに犯されてるみたいで、すごく気持ちいいのが、あっ! 来てるの……こ、これ以上、おかしくなっちゃうかもしれな……』 『大丈夫ですよ、私もやったことありますし、何より……機械になったことの気持ちよさをわかりやすく味わえるんですから……』  今現状でさえ、人生で感じたことのないくらいに暴力的な性感を味わっているのに、これ以上のものが来たらどうなってしまうのか予測もできない。  だが、これだけは予測できる。集音ユニットの奥には電子頭脳があり、それは自分の全てを司る中枢部分。そこにダメージが行き損傷してしまったら、人間だったことがくだらないくらいの快感が襲いかかってくるだろう。  それを受け止める心の準備がまだ完全には出来ておらず、思わず待ったをかけてしまうが、そんな天にも昇るような性的快楽を得られるならと、本心では早く受けてみたいとも思考していた。  そして、静止を聞くことなく聡美の変形した人差し指が左耳に入り、奥まで貫かれた瞬間に、一気に電撃を発生させた。 『あたしの心の準備がまだ出来てな#0%0yedptntdudgo1;,:;@;’−x@!!??』  直後、耳の中で何かが弾けるような音が鳴り、二人だけの通信内に人間の耳なら一瞬で鼓膜が弾けるであろう音量のノイズが発生した。  電子頭脳に直接ダメージが生じたことで、その影響は全身へ響き渡る。  先程まで淫靡な雰囲気で爪先までピンと伸びていた両脚は、まるで駄々っ子のようにばたつき、踵で地面を何度も打ち付けていた。  女性器ユニットは、割れ目が何度もぱくぱくと開閉し、クリトリスが揺れ動きながら、出の悪いスプレーのように人工愛液の潮を噴き出した。  腰が浮き上がり痙攣しては、突然力が抜けたようにぐったりと地面に叩きつけられる。時折硬直するが、すぐにまた痙攣を再開し、非常に不安定な様子を見せた。  穴から見える子宮ユニットは、先程まではまだ落ち着きのある痙攣だったと言わんばかりに揺れ動き、呼吸しているかの如く収縮と拡大を繰り返していた。  右腕は空に向かって伸ばされているが、指が乱雑に曲がったり伸びたりを意味なく繰り返し、自らの動作で手首が折れ曲がりそうな誤作動を起こしていた。  左腕は、両脚と同様に地面を叩き、それの加減が全くできていないからか、手のひらの人工皮膚が削れて奥の機構が見え隠れしていた。  両乳から出る乳液も絶え間なく放出され、上に乗っている聡美の身体を白く塗り潰した。  そして、芸術品とも言える彼女の顔は、口端から人工唾液を垂らしながら、恍惚に染まった笑みで硬直しているが、左眼は上下左右にぐるんぐるんと落ち着きなく動き続け、右眼は人工涙液を垂らしながら、どこを見ているかもわからない視線で固まっていた。  中枢部にダメージが向かったことで、一気に誤作動が生じたエミリー。  かつての電動の玩具のような緩慢な動作をしながら、エミリーは左耳から煙を出し、動かなくなっていた口をぱくぱくと単調な動作で動かす。 『エラー、制御プログラムが正常に言語中枢がががが動作していませ、いませ、せssせせ、ねねね、これが機械のききkkkk気持ちよサ気持ちいイがもっとtooきききkkkkて、きてきteきてあたシのあたしがイクの気持ちいいのよきmmmmmmちいいいいい』  システムメッセージと電子音だらけの壊れた声が、二人の中で鳴り響く。  破損すればそれは当然のことではあるが、現在エミリーは、まさにエラーと快感の海に溺れていた。  機械的に淫らな姿を惜しげもなく晒し、己の人生が壊れた先にたどり着いた場所で、より人間性の崩れた壊れ方を愉しんでいる。  二人以外の誰かが見れば、エミリーのことを人間だと思わず、ただスラム街に棄てられた不良品のセクサロイドとでも思うだろう。  周囲に人工の体液を撒き散らし、ガタガタと震え続けるエミリーに対し、聡美は彼女の乳房に口をつけ、放出される乳液に吸い付いた。 『ああ……私と同じ……柔らかいの……エミリーさんの……やっぱりエミリーさんの壊れる姿って綺麗でえっち……いつも、エミリーさんはずっと美しい……』  同じ成分の乳液を飲み込み、エミリーという存在をより深く感じる聡美。  憧れの人と秘密を共有し、壊れた姿を一番最初に見るというプレミアムな体験が、彼女の情欲をさらに煽り立てる。  だが、ここはもっと、自分よりもエミリーに快楽信号を感じてもらいたい。そう思考しながら胸から口を離した周囲を見渡すと、聡美はお誂え向きな道具を見つけ出した。 『あは、いいもの見つけた……』  それは、折れ曲がり先端が鋭利になっている鉄パイプだった。  何に使われたのか、先端部分には血痕らしき痕があるが、今はそんなことは関係ない。聡美にはそれが性玩具に見えている。  早速それを取りに、一旦エミリーの身体から離れ、手に持ってから戻ってくると、改めて憧れの人の姿が俯瞰的に見えた。   『エミリーさん、とっても気持ちよくなってる……ふふ、後で感想聞きたいなぁ……』  焦点の合わない顔で、唇が単純動作のように上下しながらばたばた動く姿は、改めて棄てられたアンドロイドにしか見えない。  エミリーという人間を知っている者が見れば、それを本人ではなく、昔のモデルを再現したが棄てられたものだと思うだろう。  だからこそ、それがより愛おしい。  聡美は力強く鉄パイプを握り、先端をエミリーの鳩尾へ突きつける。  少しだけ先っぽが人工皮膚に当たり、小さな穴が開くと、ぴくっと気持ちよさそうな反応を見せた。 『今から……あはっ……エミリーさんにいっぱいの快楽信号を出しますからね……』  そして、人間以上の出力を使って、思いっきり鋭利な鉄パイプを突き刺した。  人工皮膚を貫き、その奥の内部機構も貫き、背中まで貫通して地面にぶつかる。 『■%&#!0■イ■kkkk■#@0107z@y8!ij:!!』  その瞬間、エミリーはまたもや海老反りの形で仰け反り、電子音の嬌声を上げてから一瞬硬直した。  フリーズしたかと思えるくらいに動かない彼女の姿に、聡美は湧き上がる情欲のままに、ぐりぐりと鍋を掻き混ぜるように鉄パイプを回し、破損した箇所の傷をさらに拡げて刺激を加えた。   『きもkkkkちいイ、もっとcomほしシ$@030、イくいイ01$0@&わ、いいnoいいわもっときも$■!0#$ちいいのきkkkkk@0$%もち』  敵対した機械生命体が抵抗しているかのような動作で、喘ぎ乱れていくエミリー。  他の誰かには聞こえない電子の嬌声が、互いの電子頭脳の中で響いた。  耳と鳩尾の穴から微量なスパークが生じ、刺激を与える度にかくんと身体が跳ねる。  そして、おまけとしてずっと性玩具のように振動している女性器ユニットをぎゅっ、と握ってあげる。 『■@^00@011■79@ymrp9@?muopv@yo@■!!? compw@ytmx1?@,"y:@.:tk:━━━━━━━━』  エミリーはもはや人間女性の声には聞こえない音を上げて、盛大に人工愛液の潮を噴き出して絶頂に達した。  と同時に、あまりにも初めての電子頭脳にはその快楽信号が膨大すぎたのか、エミリーは処理が追いつかずにフリーズしてしまった。  まるで映画のワンシーンの、朽ちゆく敵役のような姿で一時的に動かなくなったエミリー。  だがよく見れば、大きく間隔の空いた一定のタイミングで、指や目蓋がぴくっ、ぴくっ、と揺れていた。 『ふふ、エミリーさん……満足してくれたかな……』  自分が教えるといって、体感させてあげた、機械にしか味わえない快楽信号と破損の性感。  今はまだ、対話できる状態でない為聞き出すことはできないが、どれくらい気持ちよかったのか、満足してくれたかどうか、彼女はとても気になっていた。  待っていれば、いずれ自動修復によって動ける状態にまで戻るだろう。そう思いながら待っていたその時、二人がいるゴミ捨て場の外から、近づいてくる足音が聞こえてきた。  機械的な性行為に夢中になって気づかなかったが、もう隠れる時間がない程に近づいてきている。  どうしようと思考を回そうとした直後、聡美の背後から放り投げるような声が聞こえてきた。 「なんだお前ら、何やってんだ?」


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