XaiJu
ドーン
ドーン

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吸血鬼は女医に成りすまして失った力を取り戻す。【前編】


「畜生、アイツ等!餌の分際で!覚えてろよ!」


路地裏の整備されていない地面にうずくまり、肩の傷口を押さえながら俺は呻いた。


俺は一応人間と同じ姿をしているが、それを食料にして生きている『吸血鬼』とか『バンパイヤ』と呼ばれている種族だ。

今日も美味しそうな女を見つけたので、楽しみながらそいつの生気を頂こうとしたら、ソイツは『奴ら』のオトリだった。

『奴ら』……そう、退魔師と呼ばれる忌々しい『奴ら』だ!

個体としての能力はこちらが軽く上回っているが、『奴ら』は俺たちを狩る特殊能力を身に着け、集団で襲い掛かってくる。

分が悪いと判断して即座に逃げたのだが、それでもこのざまだ。


「……とはいえ、力の大半も失ってしまったな。これはどこかに潜伏して力を蓄えないと……誰だ!」


己の思考に囚われていて、無防備に接近を許してしまった相手を睨みつける。


「だ、大丈夫ですか?私は医師です。よろしければ傷口を診せてもらえませんか?」


大人しそうな印象の女が、俺の言葉に戸惑いながら、控えめに話しかけてきた。

その仕草には医者として怪我をしている相手に向き合う真摯さが感じられる。

俺は警戒を緩める。

もしも『奴ら』の仲間なら、とどめを刺しに来るはずだから。


俺は女を観察する。

飾りの無い黒縁メガネに、野暮ったい髪型。

服もベージュ系の色で揃えた大人しめな印象。

肌艶や声の質から察するに、二十代後半だろう。

どうやら運悪く、路地裏の俺を見つけてしまったようだ。


「ああ、大丈夫だ。俺にとって最高の薬が来てくれたからな」


「え?」


正直に答えたのだが、女は俺の言葉の意味を測り損ねているようだ。


(まあいいか、とりあえずコイツの生気を頂いてこの傷だけでも回復するか)


俺はそう考えて、こちらを心配そうに見つめる女を見返し、目に力を込める。


「むん!」


「うっ!」


俺の魔眼の能力が発動して女を強力な催眠状態に堕とすと、裏路地を更に奥に踏み込み、人目につかない場所まで従順になった女を連れ込む。


「よし、全部脱ぐんだ!」


「はい」


女は俺の命ずるまま、服に手を掛ける。

こんな時だが、折角の食事だ。

多少は美味しく頂きたい。

身に着けているモノを次々と脱ぎ捨てていく様を、俺はニヤニヤと笑みを浮かべながら眺める。


「ほぅ~」


やがて現れた女の裸体は期待を遥かに超えていて、俺は思わず声を挙げた。

均整のとれたカラダに程よい大きさで綺麗な乳房。

腰から脚にかけてのラインも、俺を十分悦ばすことが出来るレベルだ。


「これはもしかして……おい、髪を下ろしてメガネも取って見ろ!」


「はい」


裸の女は従順に俺の指示に従う。


「おお!こいつは凄い!」


なんとなく悪くない感じはしていたが、髪の色艶、印象的な切れ長の目を持つ美貌に驚かされる。

どこにでも居るレベルの女と思っていたら、とんでもない上玉だった。


「しかも女医だと……ふむ、これはいけるな!」


この女を餌にして回復の足しにしようと思っていたが、考えが変わった。

俺はコイツの『全て』を頂くことにした。


「へへっ、綺麗な形のオッパイだぜ!」


「あっ、ああん!」


俺が胸にしゃぶりつくと、女は気持ちよさそうに喘ぐ。


「尻や足のラインもイイ。こいつは思わぬ拾いモノだぜ」


「はぁ~ん!」


腰から脚に向けて這いずりまわされた俺の手にも、気持ちよさそうに反応する。


「くくく、では仕上げといこうか!」


「あん!あん!あん!い、いくぅ~~~!」


女の股間に差し込まれた俺の指先が、女を絶頂へと導く。

この状態の女から頂く生気が一番美味しいからだ。

俺はすかさず女と唇を重ねる。

普段の餌ならば、加減をして生気だけ抜き取るのだが、今回は違う。

お互いの口を通して、女から俺に『女を構成する全て』が流れ込み始める。


まず女の方に変化が現れる。

その顔が急激に年老いたように皺だらけになり、それは体全体に及び、萎むようにその体積も減らしていく。


少し遅れて俺の方にも変化が現れる。

まず肩の傷が一瞬で完治する。

さらに肌艶が女の様に良くなったかと思うと、髪は艶やかに伸び、顔つきも女のそれになっていく。

体付きも胸と尻が美しい膨らみを持ち始め、逆にウエストや脚が引き締まってそそる曲線を描き始める。


「くくく、これでいい」


事の推移に満足した俺の口からでた声は、先程まで目の前の女が発していたモノだった。

もはやミイラと言っていいレベルに干乾びてしまった元女から唇を離して投げ捨てた俺の姿は、自分は医者だと名乗った女と瓜二つだ。

ラフな服装をしていたのでそこまででもないが、さすがに胸と尻はきつくなっている。


「ふむ……俺の名前は……そうだ、レイコ……ううん、そうじゃないわね……私の名前は『霧島玲子』よ、ふふふ」


女の記憶を読み取り、自分が変身した女に成りきるように俺は呟く。


「素敵なカラダをありがとう。大事に使わせてもらうわ」


元・霧島玲子だった亡骸に礼を述べると、今着ている男物の服を脱ぎ捨てる。


「ふふふ、とってもイイ感じ……」


うっとりしながら今の自分のカラダを念入りに触って確かめていく。

そして満足すると、脱ぎ捨てられていた女の下着から身に着けていく。


「やっぱり地味な服ねぇ……うん、まずはもう少し見映えのイイ服を買いに行かないとね」


女の衣服を全て身に着け1つ頷いた俺は、人の流れのある通りに向かって歩き始めた。




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