XaiJu
ドーン
ドーン

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男の欲望の力に心を歪まされた意識高い系の女。


『すげぇ~美人~』『綺麗なヒトね~』


擦れ違う男女が私の歩く姿を羨望の眼差しで見つめているのを感じる。

当然だ。

元から容姿に優れていた私は、それに奢ることなく自分のカラダを磨き込んできた。

まるで宝石職人が最高の原石を磨き上げて傑作を世に出すように。

結果、通う大学での行われたミスコンでは、2年連続優勝している。


人通りの少ない場所まで来た時だった。

待ち伏せでもしていたかのように、道端のガードレールに座っていた男が立ち上がり、私の前に立ち塞がった。

そして、私を値踏みするかのように、下品な笑みを浮かべながら見つめ始めた。

普通に見つめられているのなら、こちらもしおらしく遠慮する演技もするが、これはダメだ。


「情報通りの上玉のようだな、へへっ、そそるぜ」


見た目40代くらいの男は、その顔に浮かべている笑みと同じくらい下品な言葉を投げてきた。

しかもその内容はこの男が待ち伏せしていたことを肯定している。

男は遠慮することなく近づいてくる。

ただでさえこのカラダは、目の前の男のように下品な笑みを浮かべる輩に、決して触れることを許せるような安っぽいモノではない。

ミスコンでの2度の優勝も、これから積み上げていくキャリアへの踏み台に過ぎない。


「一体何なんですか、アナタは!通報しますよ!」


私は強い口調で牽制する。

だが、男はむしろ嬉しそうにその下品な笑みを深める。


「へへっ、気の強い女は嫌いじゃねぇぜ?」


「もう!あっちに行ってよ!」


露骨に男を振り払おうとした瞬間、その視線が合ってしまう。


「むん!!!」


男の気合の声と共に、その両目が妖しく光ったように私には見えた。


「うっ!!!」


突然、私の中に大量の泥水が流れ込んでくるような感覚に捕らわれる。

それは男が私に向けて放った欲望だと直感でわかった。

これ程の欲望を男に抱かせてしまうほど魅力的であることは、本来なら女として誇れることだろう。

濁流は私の心の中にあった大切なモノを次々と押し流していく。

黒い流れが収まると静かに私の心が満たされる。

今ではそのどす黒さから、溶けたチョコレートのような甘美さを感じる。

そして理解した。

私は目の前の男……いや、この御方に、身も心も捧げて奉仕するために生まれてきた奴隷であることを!


「あぁぁぁ、ご主人様!」


この御方の所有物になれた自分が、世界で一番幸せな女であるような気がして、全身を歓喜で震わせながら声を絞り出した。


「くっくっく、では行くぞ」


「……はい!」


ご主人様の手が私の腰……というよりはお尻に回され、その柔らかさを楽しむかのように指先が食い込んできた。

一瞬だけ戸惑いを感じて返事が遅れる。


(私、まだ染まりきっていなかったのかしら?あれ、何に染まるんだろう?う~ん……とにかく、私はご主人様の奴隷なんだから、もっと弄られて楽しんでもらわないと?)


そう考え、一瞬でも戸惑ってしまった自分を反省すると同時に、ご主人様の口元が嬉しそうに歪んでいるのを見て、喜びが湧いてくる。



私はそのままご主人様に連れられて、近くに停まっていた高級車まで連れていかれた。

その車のガラスは特殊な加工がされているようで、こちらから中の様子を覗き見ることはできない。

近づくと後部座席のドアが開いた。

疑うことなく私たちは乗り込む。

中には運転席に一人、後部座席に一人、女性が座っていた。

タイプは違えど、どちらも同性の私から見ても凄い美人だ。

私は直感で2人とも『先輩』であることを理解した。


「よし、車を出せ」


「はい」


運転席の『先輩』は返事をして車を発進させた。

ご主人様は満足そうに1つ頷くと、今度は私の胸を揉み始めた。


「あ、あん!」


愛撫というよりも、まるで持ち物検査をされているように、黙々とだがしっかりとした手つきに思わず声が漏れてしまう。


「偽物でないようでなによりだ。たまにいるからな。まあ、顔だけでも十分役に立てるレベルだがな」


少し前の私なら激怒していたような発言をされるが、自分が何者であるかを理解した今では、何の問題もない。

むしろ、ご主人様の役に立てる存在であることを証明できたみたいで誇らしい。


しばらくすると目的地に到着したようで、車が停車する。

促されて降りると、そこは大きな屋敷の前だった。

玄関ではメイド服を着た女性たちが出迎えている。

その全員が私と同レベルの美貌と容姿の持ち主であり、彼女たちも『先輩』であることはすぐに理解出来た。


『お帰りなさいませ!』


メイドたちが声を合わせる。

ご主人様は満足そうに1つ頷いただけで、黙って屋敷に入っていく。


「あなたはこちらへ」


メイドの中でメガネを掛けた一人が声を掛けてきた。

私は彼女に従って屋敷の一室に通される。


「まずはこれを書いて提出してもらいます」


メイド長を名乗った彼女が手渡して来たのは、大雑把に言えば『履歴書』だった。

住所・氏名から始まり、連絡先、親の住所・職業くらいまでなら普通の履歴書だが、男性経験の数、感じやすい場所などは普通はありえない。

それでも私は不思議に思うことなく、正直に項目を埋めていく。

そして全ての項目を書き終えて間違いが無いかを確かめてから提出する。

メイド長がそれを見て、今後の私の身の振り方を決定した。

どうやら、この屋敷の一室が与えられ、そこから大学に通うことになるみたいだ。

引っ越しの手配も速やかに行われる。


今日の夜伽は私が担当することになった。

フェラが好きであるなどの事前情報を『先輩』たちから教えてもらえたが、基本的には奉仕の内容は当人に任されている。

オリジナリティを出して気に入ってもらうのもアリのようだ。


「俺の能力はな、俺の欲望を刺激するレベルの女じゃないと使えないんだよ。だからお前は自信を持っていいぞ」


夜伽の最中、私の渾身の奉仕を受けているはずなのに、平然とした様子のご主人様が教えてくれた。

まだまだ技術が足りない私を気遣ってくれたのだろう。

ここでの生活では、これからの人生に必要な性技の研修もあるので、やがては満足させられる女になることを深く誓った。


夜伽を終えると、今後の話になった。

私がキー局の女子アナになることを目指していると告げると、後押ししてくれることをご主人様は約束してくれた。

実際、女子アナの中には『先輩』が多数いるとのことで、コネの方もバッチリ確保されているらしい。

女優やモデルにも『先輩』が居るらしかった。


女子アナになった後のバックアップも万全のようだ。

金を持った男たちと交流できるように手配されることになっている。

まあ、そんな男たちとの結婚も、私にとってはステータスアップのための手段に過ぎない。

ただし、子供はちゃんと2人産んでから、すぐに離婚するように指示される。

旦那の方から離婚する原因を作らせて、慰謝料と養育費をたんまり頂くのだ。

なんなら旦那の不倫相手を『同僚』や『後輩』が務めることもあるらしい。

そこまでの話を聞いて、私は思い出したことがあった。


(そういえばメジャーリーグで活躍しているD投手と結婚していたS子も、子供2人産んですぐ離婚したよね?もしかして彼女も私の『先輩』?)


気にはなったが、世の中知らなくてイイこともあるのだ。


とにかくこれで、私の人生の順風満帆が確定した。

これからはご主人様の奴隷として充実した日々を過ごしていくだけだった。



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