いやぁ〜、観ましたよ。ベストアニメに挙げる人も結構いらっしゃるじゃないですか。僕は確か一話だけ観て、置いてたのかな〜。今回は全話通して観て、その理由が分かったような気がします。名作だと思います。
最初、子どもがわちゃわちゃしてるなぁ〜って、ライト感覚のキッズSF?みたいなことかなと思ったんです。わちゃわちゃしとるのぉ〜って。夏休みのぉ〜って。
ただ、中盤の悲しいエピソードを経て、終盤のシリアスかつ本格的な盛り上がりに突入して、ど真ん中の当たり前に締める、本当に気持ちのいい物語でした。ちょっと悲しみ成分は多いけれど、登場人物それぞれが抱えていた問題に決着をつけて、満開の桜とともに前に進み出すっていうね、いい話です。
出てくる人がみんな感じいいですから。いかんともしがたい問題はあって、それぞれ悩みや悲しみは抱えてたけれども。前に歩き出していきますからね。
SFのAR・MRの演出的なことは正直詳しくないのでよく分からんのだが、門外漢の僕から見ても、呪術?チックな演出も取り入れてて、ちょうど良くカッコいいなと思いましたよ。あと、これはちょっと『霊幻道士』だなと思いました。
作画・動画ですが、大好きです。特にキャラが走るシーンが最高。異常ですよ。ヤサコのプリーツスカートもイサコのデニムのミニスカートもいいですね。中にちゃんと骨格が入ってて、中身に尻があるなということをわからせ系の逸品でした。正直、かなりの■リですなと思いました。フェチの度合いが完全にメーター振り切ってんすよ。いや、僕がコミックL●的な目線で見てたからってだけかもしれんけど(笑)(作画と動画の秀逸さという意味の範囲内だけよ?)。男子の走りもアクションも全く同じ度合いでアニメーションはヤバかったですからね。特に大地くんは監督に愛されてるなと思いました。ダントツの愛され1位はヤサコだけど。
あと、全体的にジブリなんですよね。カジュアルなジブリ?。横顔の作画はそのものだし。いや、いい意味で、ですよ。これだけクオリティ高いアニメ作品って、最近なかなか無い気もします。このまえ『平家物語』を観て舌を巻いたけど、本当にニュートラルな、本当にちゃんとしたタイトルって最近は無くないですか? でももう2007年のタイトルなのか。『ガルパン』も神作品だけど戦車がダメって人もいるし、美少女アニメが苦手って人もいるし、『キルラキル』も神だけど、あれは破壊神だから(笑)「?」って人には徹頭徹尾「?」だからなあ。幅広い層が楽しめるって意味では、エンターテインメント度もスゴくないですか? 各方面から高い評価を受けて然るべき作品だと思います。
一話だけつついて全話まだ見てなくて、こんなめちゃくちゃ面白いん?って作品が、まだまだあるもんすね〜。
『電脳コイル』は、愛に満ちた人がいっぱい出てくるので、ほっこりさせてくれるから、それもうれしかったです。監督がキャラを愛してるし。ちょっと切ない感じもありますが、なんて言ったらいいんですかね〜? 言葉にするのが難しい!語彙力!(笑)
「すんっ」とした感じもあるんですよね。ヤサコがおとなしいというか、あまり感情表現が激しくないから、小6なのに落ち着いてるというか、かなり大人なんですよね。そこも安心して見れるというか、全編通してフラットな空気が漂ってる感じもあって。『トトロ』のサツキは妹がどっか行ったらもう本気で死ぬほど心配するじゃないですか。メイも本気で暴れるし。ヤサコはどっかおっとりしとるというか、ヤサコの妹にしても、幼児というのは不可解なものだという、一歩引いた、でも愛がある目線で描かれてますね。まあ話も登場人物のモデルも違うのか。サツキとメイは実在した姉妹がモデルだと言われてて、ヤサコと妹は逆に、サツキとメイの姉妹にどこかカブる気がしてます。
まだ観てない方で、ヤサコとイサコのキャラデザ好きって方にはぜひオススメしたい作品。まとめて通して観るほうがいいかもしれない。
ガッツリ見ごたえもあり、話も面白くて、ちょっと切ない感じもあり、でもほっこりしてますよ。
【2022.04.20 追記】
ジワる名作。ちょっと書き漏らした部分を書きます。
デンスケの犬種(笑)! いや、僕はまあまあの犬好きなので、犬や犬種にこだわってリアルに描いてる作品も大好物なんですよ。『イノセンス』とかもね。デンスケはバーチャルな存在ですが、冒頭から終劇まで、非常に重要な役割を果たします。
最初、ブルテリアか、フレンチブルドッグか、ボストンテリアかのどれかかな?と思ったんです。顔ののっぺりした感じからブルテリアかな?と思ったんですけど、終盤ヤサコがデンスケの吠え声を幻聴するシーンで、吠えてたリアルの犬が散歩中のブルテリアだったので、デンスケはブルテリアをモデルに作られたペットだと判明しました。
ブルテリアは会ったことは一度もないんですが、けっこう飼うの難しそうですよね。運動量がハンパない。闘犬としての歴史もあるらしく、犬に慣れてる人向きかの、上級者向けの犬種かなという気がします。顔立ちは個性的で、いい犬だと思います。『平成イヌ物語 バウ』で有名になったそうで、この作品はちょっと見たことないんですがどんな感じなんですかね? ピットブルなんかも。ブチ切れない限りはものすごい良い犬だっていいますもんね。
フレンチブルドッグは、一回触ったことあるんですけど、毛並みはゴワゴワしてますね(笑)。国内でも人気の犬種で、そんなかわいいか?とも思うんですが、めちゃくちゃ飼い易いらしいです。性格がやさしいんでしょうね。
ボストンテリアは、『のらくろ』ですよね。あと『ジョジョ』のイギー。なんで犬の話をしたのかというと、イギーの話をしたかったからなんです。ヤサコ姉妹は、どこかトトロのサツキとメイを彷彿とさせますが、デンスケとイギーも僕の中では少しカブるんです。出会ったばかりのポルナレフとの友情と自らの誇りのために、どんなに傷ついても最後まで戦ったイギーは、かわいさとカッコよさを併せ持っていて、全てのキャラの中でトップレベルに好き。
デンスケは序盤こそヤサコたちに助けられる存在ですが、終盤は身を呈してイサコの妹をあちらの空間から助け出し、最後はヤサコを守るために戦って力尽きます。
僕はブルテリアを優れた強い犬だと思ってるので、家族を守るために戦って死ぬことを厭わない気がするので、そのことはそれでいいと思う。あまり驚かないというか。データのペットであるデンスケが、データの世界から現実に侵食してきて現実のヤサコを害しようとしたヌルと戦った、ということだと思います。そのことについて、よく頑張った!と賞賛したいですが、僕は涙を流すようなことはありません。
チワワとかには難しいでしょうが、ある程度大きい犬になると、犬とはそういうものだし、そのようになるということだと思う。ヤサコも妹も、デンスケからたくさんのものをもらったと、いうことだと思います。
いずれにせよ、デンスケとのふれあいは作品を通して一貫したテーマになっていて、その描き方も最後まで素晴らしいと。後述するヤサコ母っていうアンチテーゼも含めて。
ちょっと犬の話は置いて、印象に残った2つのシーンの話。
首長が消滅してしまったときに、電波も泣いてしまうんだけど、文恵が一番号泣してた場面。文恵は序盤からヤサコと仲良くしてくれて助けてくれて、物語の世界に誘導してくれる案内役みたいなキャラでもあったんだけど、ちゃんと血の通った優しい心持ちの、気のいいお友達として描かれてて、いいと。声優さんの演技も個性的で良かったですよね。すごく合ってて。
で、もう一つが、イサコの治療のための空間から、最後ヤサコがイサコを取り出そうとしたシーンで、イサコの兄を演じたプログラムが、ほかならぬイサコのために、引き止めようとするミチコさんをブロックしたこと。イサコを思う兄としてのプログラムが生きていて、最後にイサコの本当の幸せのために作動したと。
デンスケの描写もだけど、実体のないキャラクター性に、登場人物も傍観者の我々も強く心を動かされるっていうのが、作品のテーマにもなってる気がします。ヤサコのお母さんはヤサコを思って、彼女のために当たり前にそのことを否定してきたりするし。でもそこが、作中でも屈指の綺麗なシーンにも見えるんですよね。そのシーンも印象に残ってます。お母さんは出番は少ないけど、作品のテーマ自体を否定してるんだけど、ちゃんと娘を愛していて、当たり前に真っ当の、ちゃんとしたことを言ってくれているっていう。複雑なシーンになってます。
おばあちゃんはすごく出番多くて、みんなにとって重要な役割でもあり、見せ場も多くて、やたら活躍してますよね(笑)
最後に、ヤサコとイサコの話。イサコがかわいそうすぎひん?って話です。
ヤサコは全部持ってますよね。妹がいて、お母さんがいて、お父さんもいて、おばあさんもいるし、なによりデンスケがいた。イサコには何にもないんですよ。兄を救うという願いだけがあって、でもそれも猫目に最悪の形で利用されていたってだけで、結局ウソだったわけで。登場時のかわいさ・かっこよさ・謎めき感と、終盤の儚い感じ・かわいそうな感じとのギャップがエグいんですよ。落差が。
最終盤、全てを失ってボロボロになったイサコを、全てを持っていたヤサコが、それでも自分の命をかけて助けに行くっていう場面ですよね。複雑なシーンだと思います。でも自分を犠牲にして人を助ける人って、やっぱり全部持ってる人なのかなっていう気もするし、人生ってそういうものなのかもしれないって気もします。いや〜結構、心理的に複雑なシーンが多いんですよ。版で押したような定型文の展開ではなくて、実在感のあるやり取り・リアルな手触りっていうんですかね、作り物っぽくない、わざとらしくない、大げさに言うと血の通ったドラマだと思います。
で、最後の会話。そりゃ一緒には行けんわなと。でも、もしかしたら友達になれるかもしれないヤサコが人生で初めて現れたことは、ヤサコが命を顧みず自分を助けてくれたことは、イサコにとってめちゃくちゃ大きいことだったとは思います。いいことだったと。ヤサコはやっぱり優しかったと。イサコは、今度はひとりでも歩いていける、ということなのだと思います。でもね、イサコもまだ中1やぞ!っていうね。
もぉ〜かわいそう感が半端ないんすよ。救いは劇中では描かれずに終わるわけだから。ヤサコという予感こそあるけど。ヤサコもまたフワッとしてるから。
ただ、最初は謎めいたライバルとして登場して、共闘する心強い仲間にもなり、物語自体のそもそもの原因でもあり、最後は悲劇のヒロイン・お姫様でもあり、物語を通して全部の役をやりおったなと(笑)。
ヤサコもだけど、イサコももしかしたら製作陣に最も愛されたキャラだったのかもですね。
噛めば噛むほど味が出る、変な言い方をすると、いろんな愛の形がある話だと思います。ベストアニメに挙げる人もいらっしゃると聞くけど、全然納得できますね。