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オイチョカブとオタク。

オイチョカブ、というゲームをご存知でしょうか?


アナログなゲームが遊ばれなくなって久しい昨今ではありますが、有名なゲームなのでやったことあるよ、という方も多いかもしれませんね。


そんなゲーム全く知らない、もしくは聞いたことくらいあるけど、ルールは知らない、という方のために少し説明させていただきますと、まずトランプの1から10までのカードを用意します(株札という専用のカードも売ってたりします)。


プレイヤーの人数は基本何人でもよく、一人の親と複数人の子に分かれ、親対子で勝敗を競います。


イメージとしては和風ブラックジャックのような感じで、親から配られる2枚ないし3枚のカードの合計値下1ケタの数が、親のそれと比べて9に近いほうが勝ち、というシンプルなゲームです。


ブラックジャックと違いは配られる1枚目のカードは全員に見えているのですが、2枚目は伏せられた状態で配られて、ベッドしたプレイヤーしか見ることができません。


3枚めも5より下、6より上、の情報しか親に与えない(カードを横向きに置いたら5より下、などと決めておく)、というルールもあったりします。  


私は子供のころにこのゲームを覚え、その当時は運だけのゲームと思っていましたが、大人になってからプレイしてみると、見えているカードを数えて次に来るカードを予想したり、微妙な数字で止めて親にプレッシャーを与えたりして、結構駆け引きのあるゲームだったんだな、と思い直したりしました。


ルール説明が長くなってしまいましたが、ここからが本題です(笑)。


このゲームにはカードの合計の下1桁の数字に、独特の符丁がついています。


0から並べますと……。


0:ブタ

1:インケツ

2:ニタコ

3:サンタ

4:シスン

5:ゴケ

6:ロッポ

7:ナキ

8:チョウベエ

9:カブ


みたいな感じです。


私は関西の人間なのでこの符丁に慣れ親しんでいますが、地方によってはまた違った符丁が使われているようです。


さて、この符丁を見て、こう思いませんか?


【こんな面倒な言い回ししなくても、ふつーに123……って言えばよくない?】


全くもってそのとおりであり、8対9で親の勝ち、とかの方が分かりやすく、初心者にも親切なはずです。


でもなぜか、こういうゲームをプレイしていた遊び人というのは昔から、こうした【仲間内しか通じない符丁】を好んで使ってきた歴史があるんですね。


そういう同類の遊び人しか分からない言い回しで、仲間意識を深めていった、という一面もあるのかもしれません。


さて、こういう人たち、どこかで見かけたことがありませんか?


そうですね、現代では【オタク】と呼ばれる人たちが、同類にしか分からない符丁を好んで使います。


TCGなんかが顕著だと思いますが、興味を持ってあるゲームのサークルなどに初心者として参加したら、慣れているプレイヤーがルールや公式にない単語を使いまくってて困惑した……という方もいるかもしれません。


こういうオタク独特の符丁使いにちょっとイラッとする一般の方々もいらっしゃると思うのですが、『まぁあいつら、遊び人だから仕方ないか』と寛大な気持ちで接していただけると嬉しいなぁ、とオタククラスタの末席を汚している私はささやかにそう思うのでありました。


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