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新入生の悩み

『皆さんは今日から朝鮮学校中等部の一員として自覚を持って行動するように。それでは帰りのHRを終わります。皆さん気をつけて下校するように。』

『ソンセンニム、アンニョウヒカセヨ!(先生さようなら)』

入学式が終わり帰りのHR。

先生の言葉の後、私たちは委員長の号令に従い帰りの挨拶をする。

バイバイ!アンニョン!

初等部からエスカレーター組の生徒達は仲良さそうに言葉を交わし帰りの途につく。

中等部から学校に入学した私は、日本国内でありながら朝鮮語が飛び交う光景に分かってはいたものの驚きは隠せない。


「はぁ~私ちゃんとやっていけるかなぁ」

周りに生徒がいないのを確認して昇降口で私はひとり呟く。

・校内では日本語の使用禁止

校則でそう決まっているため先生にでも見つかって入学早々怒られたくはないからだ。

「皆朝鮮語ペラペラで不安になっちゃうよね~」

「わっ!?」

後ろから声をかけられ思わずびっくりしてしまう。

「ちょっとそんなにビックリしないでよ。同じクラスだよねそっちも中等部から?」

そこにいたのはクラスメイト。ホームルームで自己紹介したけど名前はええと・・・

「私、落井里果!・・・ってさっきもホームルームで紹介したよね(笑)リカでいいよ。」

えへへと恥じらいながら彼女は笑う。正直助かった。

「私は平田晴香、よろしくねリカちゃん。そっちも・・・てことはリカちゃんも中等部から?」

「そ。ここに入学する為に朝鮮語教室にも通ってたけどさ~エスカレーター組の子達の話すの聞いてるとやっぱ不安になるよね。」

「皆普通に朝鮮語で話してるもんね。私なんてつい日本語使っちゃいそうで大変だよ。」

「私も同じ同じ!」

新しい学校生活、友達ができるか不安だったけどリカちゃんとは仲良くなれそう。

昇降口で靴を下足に履き替えながら日本語で話が弾む。

周りの目を気にするのを忘れている内、

『そこの2人!校内で日本語を話すのは校則違反ですわよ!』

後ろから朝鮮語で注意される。

私とリカちゃんは振り返って頭を下げる。

『ちぇ、チェソンハムニダ!(ごめんなさい!)』

そこに立っていたのは先生ではなくて委員長。

『ふふっ、とっさの事でもちゃんと朝鮮語で反応できるじゃない。』

驚く私たちを尻目に委員長は優雅に自分の下足に履き替えながら続ける

『それにあなた達の朝鮮語は試験の面接で先生方がしっかり確かめてそれが認められてこの学校に入学できたのではなくて?』

私たちに自信を持たせるようにそう語りかけてくれる委員長。

『エスカレーター組の事も心配する必要はありません。同じウリハッキョに通うクラスメイトだもの誰もあなた達を馬鹿にはしませんわ。』

『それではまた明日。馬鹿なチョッパリに絡まれないようにお気をつけて。』

そう言って委員長は帰っていった。


「委員長、キツそうに見えて結構いい人だったね(笑)」

「うん。・・・ってまた日本語で喋っちゃる!」

アハハと2人で顔を見合わせて笑いあう。

いつか私たちも先輩たちやエスカレーター組と同じ様に完全に朝鮮語で生活するようになるのだろうか。

私たちの学校生活は始まったばかりだ。

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この話が好きだったので続きを読んでみたいです!

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