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遠くに行った幼馴染

「夏休み中に高校見学とかめんどくせ~。まだ中二だぜ?」

「来年受験なんだから早くもないでしょ。大樹もちゃんと考えなよ」

終業式の帰り道、並んで歩く二人はホームルームで担任に言われた事について話していた

「行くとしたら近所の北高か。香澄も同じだろ?一緒に行こうぜ~」

並んで歩く大樹と香澄の二人は近所に住む幼馴染

幼稚園小学校、そして中二の今に至るまで同じクラスという事もあり、大樹はそう香澄に話を振った。

「ごめん。わたし北高には行かない」

「え?お前他のとこ行くの?」

高校も一緒の所に行くんだろうなぁと漠然と思い込んでいた大樹は思わず驚いた。

「わたし・・・東京の朝鮮学校に行こうと思ってる」

「は?なんでお前が朝鮮学校なんかに・・・」

「この前新体操の大会があってね、そこで朝鮮学校のコーチの人に言われたんだ。

 『チョッパリに教えられてる割にはいい動きするわね』って。

 それ聞いてわたし、もっと上手くなりたい!って思ったんだ。」

香澄の告白に大樹は何も言えなかった。

「来週からは受験対策で朝鮮語の塾に通うんだよ。

 だから夏休み中も昔みたいに一緒に遊べなくなっちゃうね・・・。」

「そうか・・・」


香澄の言葉通り夏休み中に遊ぶこともなくなり新学期に入っても語学塾と新体操クラブの掛け持ちで放課後共に下校する事も無くなっていった。

朝鮮語の勉強をしていく内に韓国文化に嵌っていく香澄は、次第に大樹と話が合わなくなっていった。

いつしかいつも一緒だった幼馴染は疎遠になり、そのまま中学卒業してしまった。


高校に進学したもののダラダラとした日々を送っていた大樹

そんな彼が最後に香澄を見たのはテレビの高校総体中継だった。



韓国国旗がモチーフであろう色彩のレオタードに身を包んだ女性選手

テレビで見るような韓国籍の芸能人のような顔つきで流暢な朝鮮語でコーチの言葉に

応える彼女には、大樹の思い出の中にある香澄の面影はもう残っていなかった。



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