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韓国人がバイトの女の子をオナホにする方法⑤

詩織は、男とともに電車で家に向かった。男は意外に大人しい。窓の外を眺める目の上の長いまつ毛についつい見入ってしまう。まるで女性のようなまつ毛だ。だが、キリッとした目尻や角度のある眉毛は男らしさを表している。矛盾しているようだが、詩織は中性的な男らしさだと思った。 平日の昼過ぎとは言え、都心間を結ぶこの線はいつもサラリーマンで混雑している。詩織と男はドアのそばに立っていたが、ちょうど詩織に背を向けるように立っているサラリーマンが、つり革につかまりながら立ったままうとうとと居眠りをするため、首を上下するたびにその頭が「ごつん、ごつん」と詩織の背中に規則的に当たった。 すると、「交代」と男は言って、詩織は手を引かれ、くるんと男と位置を変えた。今度は、男の背中にサラリーマンの頭が当たる。「大丈夫だった?」男が聞く。「あ、はい、別に……ありがとうございます」何気ない男の気遣いに、詩織は少しの間感じていなかった男性の優しさというのを親身に感じた。概して、男性は付き合ったあとより付き合う前の方が優しい、というのが詩織の持論だった。 (健太も付き合い始めのころはこんな風にしてくれたっけ)と、今は気に入らないことがあるとすぐに拗ねる健太を思い、少し寂しい気持ちになった。と同時に、思ったほどこの男は悪い人間ではないのかもしれない、とも思った。一体、女を堕胎させたというあの話も本当だろうか。男が時折見せる寂しそうな表情からは、そんな鬼畜の所業をするようには思えなかったし、何より今自分のことを気遣ってくれたその態度は、決して誰かを傷つけたりする人のものではなかった。 ************ 「着いた。ここだよ」 男の家は、駅から徒歩5分程度の綺麗な学生マンションの10階だった。「学生証を受け取るだけだから玄関で待っている」という詩織の言葉に、男は「せっかく来たんだし」と家の中に招き入れた。 「すごい、広いんですね」 男の部屋は、キッチンと寝室が別の1LDKだった。都心でこれだけの物件に住める学生はそう多くはない。韓応大学の韓国人留学生は比較的裕福な家庭で育った人が多いが、この男もそうなのだろうかと詩織は考えた。 「ちょっと待ってて。今お茶淹れるから」 「いえ、そんな気を遣わなくていいです。本当にすぐ帰るので」 「まあまあ、そんな冷たいこと言わないでさ」 促されるままソファに座り込んだ詩織は、男がお茶を淹れて帰ってくるのを待つ間、部屋の中を手持ち無沙汰に眺めた。韓国のアイドルのポスターや、男が高校生の頃に韓国で出場したと思われるバスケの大会の写真があった。そして、中でも目を引くのは壁にかけられている大きな太極旗だ。毒毒しい赤と青のコントラストが、オシャレな部屋に異質な雰囲気を醸し出している。場違いに思われるから、一層目を引くのだ。日本の家で日の丸を日常的に飾るというのはそう見られるものではない。これも愛国心の強い韓国のお国柄なのだろうか。 「お待たせ」 男が淹れてくれたお茶は香りの良い紅茶だった。 「日本では緑茶が多いかもしれないけど、韓国では紅茶を飲むことが多いんだ。韓国で有名な紅茶のブランドがいくつかあってさ、これもその一つ」 器こそ、ティーカップではなくマグカップだったが、その紅茶が良いものであることは鼻腔をくすぐる茶葉の香りからわかった。不思議と体の力が抜けていくような安らぎを与えてくれる。一口飲んでみる。先程もらったアイスで冷えた舌に、紅茶の熱さが心地よかった。詩織の舌が温かさにじんわりと溶けていく。 「もうちょい待ってて」 と、詩織と話す間もなく、男はまたどこかへ行ってしまう。学生証を取りに行ってくれたのだろうと思った詩織は再び部屋の中を眺めた。それにしても良い部屋だ。インテリアの色合いも形も、配置まで何もかもがオシャレだ。「韓国人のセンスは日本人の10年先をいっている」と言われているが、一般の韓国人ですらこのセンスを持ち合わせているとは、韓国人恐るべしと詩織は思った。 他にも、ハングルで書かれたポスターやら額縁に入れた証書のようなものが飾ってあったが、ハングルの読めない詩織には何が書かれているのかわからなかった。ただ、飾られているものからは男の物持ちの良さが透けて見え、男が、思ったよりも人間味に溢れた好青年なのではないか、という考えが詩織の頭の中に浮かんだ。 「お待たせ」 「えっ」 詩織は驚いて声を上げた。男がバスタオルを腰に巻き、濡れた体でこちら側を見て立っている。 「ちょっと!なにしてるんですか!」 詩織は思わず目を覆った指の隙間から男を見て言った。 「ごめんごめん、俺外から帰ったらまずはシャワーって決めてるんだ。汚いままで家の中にいるのが嫌だからさ。詩織ちゃんも入る?」 「いいですって!それより服を着てください!」 「ああ、服着た方が良い?」 「当たり前でしょ!」 ついつい強い口調になってしまうのは、男が裸に近づけば近づくほど、男の股間についているものを意識してしまうからだ。今、この密室であのことを考えたくない。 「詩織ちゃん、俺のデカチン見たんじゃなかったっけ?」 「何言ってるんですか!早く!」 男の口から「その言葉」が出され、詩織はたじろいでしまう。なんとか促し、ようやく男はパンツとズボンを履いたようだった。男のジーパンの前の部分が、そこだけ異常に膨らんでいる。大学では気づかなかったが、服の上からでもこんなに大きいのかと詩織は思った。 「こんな格好でごめんね」 男はジーパンに上は裸で詩織の横に座った。 「裸よりはマシですよ……」 「俺の家さ、裕福だけど、両親二人とも忙しくて、他人との距離の詰め方って結構間違えちゃうんだよね。普通に男友達と一緒に風呂入ろうって言って引かれたりもするしさ。日本人ってシャイな人が多いじゃん?なおさら難しいよな。馴れ馴れしくすると怒ってくる人もいるし。詩織ちゃんはそんな俺にも優しく接してくれて本当に良い子なんだなって思うよ」 面と向かって褒められて、詩織は赤くなってしまう。 「そ、そんなこと……別にあなたに怒る理由はありませんし」 「あ、そうだ。その『あなた』っていうのも辞めてもらおうかな。俺の名前キム・ヒョンスって言うからさ。ヒョンスって呼んでよ」 「ヒョンス……」 「そうそう、よろしくね、詩織……」 初めて呼び捨てで名前を呼ばれてドキッとしてしまう。ヒョンス。ヒョンス。ヒョンス。頭の中で反復する。(綺麗な名前……)ヒョンスに心を開きかけていることに、詩織自身はまだ気づいていなかった。


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