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ヒーリングアニマル Side Story ~梓 Side ① ~

※本作品はpixivで公開した、【ヒーリングアニマル】のサイドストリーとなります。本編をお読みいただいた事を前提にしておりますので、詳細等が省略されております。 本編を一読頂いたあと、お楽しみ頂けると幸いです。 ・・ 「お父さん、私、ヒーリングアニマルの中身をやろうかと思うんだけど」 食卓についてたお父さんに私はそう言った。 その私の発言を聞いて、お父さんとお母さんが目を丸くして固まった。 【ヒーリングアニマル】制度。 それは、政府により正式に承認された会社が運営するサービスの事。 どういった内容かというと、【アニマル】、つまり動物が家庭に派遣され、男子の相手をするというもの。 男子の相手…それは、性行為のことである。 性行為をする訳なのだから、もちろん【アニマル】と言っても、本物の動物ではない。 いわゆる【着ぐるみ】を着た女の子である。 性行為とは言うものの、本番で挿入するわけではなく、アニマルが口で、男子の性処理をするもの。 一回40分程度の滞在時間で、各家庭に訪れては帰っていく。 このサービスは、完全に国の管理下に置かれ、合法なサービスとなっている。 男子は16才から22才まで利用可能ではあるが、契約するためには、もちろんお金も必要で、審査も通らないといけない。 何故、こんな制度が国の管理下の制度なのか…。 それは、実際に、この制度が施行されてから、性犯罪が格段に減ったという統計も出ているからなのである。 そして、そのヒーリングアニマルを運営する会社【ミラージュ・カンパニー】。 その会社、何を隠そう、私のお父さんが社長として経営する会社なのである。 「【梓(あずさ)】!何を言ってるんだい!ヒーリングアニマルの仕事内容は分かっているだろう??」 私の発言に、さすがのお父さんも声を荒立てる。 「梓が言うからって、はいはいと答えらえる話じゃないわよ」 お母さんも怪訝そうな表情で、私に釘を刺した。 まあ、凄く当然の反応だ。 自分の会社のやっている内容は分かっている。 それを実の娘がやりたいと言った所で、どうぞとは言えないだろう。 娘が男性の精処理をするというのだから。 「あの着ぐるみの中身は金銭的に困った人を救済するために提供している仕事だ。梓はその対象にはならない。いくらその企業をお父さんが運営していて自由が利くとはいえ、それを実の娘が、それをやろうと言って、許可できるわけないだろう」 お父さんが先程よりも、落ち着いた声色でそう言った。 「分かってるわよ。私だって、別に好き好んで、知らない人と何かをしたい訳じゃないの」 「じゃあ、なんでアニマルの中身をやりたいなんて言うんだ??」 お父さんが、眉をしかめながら私に質問する。 「あのさ…ヒーリングアニマルって言っても、特定の人…専属ってのじゃ…だめ??」 私は少し照れながら、そう言った。 「特定の人??誰の??」 誰という所をサラっと聞いてくるあたりが、お父さんっぽいというかなんというか…。 「え…っと…さ……。み…【幹人(みきと)】の…」 「幹人くんか!?」 その名前を口にしたお父さんの顔色が明るくなった。 ちょっとした会話だが、恐ろしく大胆な発言である。 私は遠巻きだが、両親に【幹人の精処理をしたい】と言ったのと同じなのだ。 しかも、幹人は幼馴染、うちの両親と幹人の両親も仲がいい。 だから、うちの両親も幹人の事はよく知っている存在なのだ。 「ふむ…幹人くんか…。通常なら、特定の人だけという訳にはいかないが、梓だしな…。しかも、相手が幹人くんというなら例外か…。ん?それにしても、なんで梓は、ヒーリングアニマルの中身なんてやろうとするんだい??幹人くんなら、いつも会っているじゃないか??」 「そうね、あなた達、いつも仲良さそうじゃないの??私が見る限りでは、かなりの仲良しよ」 そう、仲良しなのだ。 仲良しであって、それ以上ではない。 「あのね。お父さん、お母さん。私…幹人の事が好きなの…」 「うん、知ってるよ」 「知ってるわよ」 私の言葉にあっさり答える両親。 (…くぅ…なんか…この二人のあっさり感に負けている気がする…) しかし、そんな事にはめげずに言葉を続けた。 「でも…幹人は違う。私は単なる幼馴染…。女の子として見られてもいない…。そして、幹人の周りには、私よりいっぱい魅力的な女の子がいる…。そんな中、私が幹人に相手をしてもらう方法を考えたの…。それがヒーリングアニマル」 そして、私は自分が考えた作戦を話す。 「ヒーリングアニマルなら、私という存在は消せる。それに、うちの両親と幹人のとこの両親は仲がいいから、契約の件はなんとでもなるでしょ?そうすれば、私は幹人と接する事も出来るし、可愛がってもらえるじゃない??」 「ふぅぅ~~~~…」 その話を聞いた、お父さんが大きな溜め息を付いた。 「うん…分かった。相手が幹人くんという事だし、梓の気持ちを聞いたうえで、それなら許可をしよう」 「やった!!ありがと!!お父さん」 「しかし、ヒーリングアニマルの着ぐるみは暑いぞ…。やるからには、梓だけ特別製という訳にはいかない…。大丈夫か??」 「もちろん!私が頑張れる子だって、一番知ってるのはお父さんとお母さんでしょ!!」 「ふぅ…よし、分かった。アテンドスタッフは専属の特別な人間を用意しよう」 「ありがと!!」 「それと…着ぐるみを着ている以上、接するのは梓としてじゃなく、あくまでヒーリングアニマルだ。本当に、それでいいんだな??」 お父さんが少し真面目な声色で、私にそう聞いてきた。 「うん…それでいい…。私じゃないから…いいの」 すると、お母さんがニヤニヤしながら言った。 「そっか…そっか…幹人くんとか…。ささっ…早く小柳さんと話をせねば…」 何か、悪だくみをするような雰囲気を醸し出し、お母さんは直ぐに携帯電話を取り出していた。 私の作戦も大胆なものではあるが、相手が幹人だとしても、この作戦に許可を出すうちの両親もなかなか大胆だと思った。 そして暫くの後、幹人の両親と契約が成立し、私の作戦が決行されるのだった。 そして、ヒーリングアニマルとしての初日を迎えた。 「まずは、裸でこのタイツを着てください」 そう言って、私に全身タイツを渡してきたのは、私専属のアテンドスタッフとなった【須藤(すどう)】さんだ。 須藤さんは、お父さんの会社の人で、私も前からよく知っている人なので、お父さんが私のアテンドにしてくれた。 「着替えはあちらの個室をお使い下さい。本来はそんな部屋はないのですが、梓さんだから特別なんですよ」 「あ…ありがとうございます」 「背中のファスナーは私が閉めますので、その状態になったら出てきてください」 「はい」 私は受け取った黒い全身タイツを手に、個室へと入っていった。 そして、着ていた洋服を脱ぎ、全身タイツの背中の割れ目から、体を滑り込ませていく。 まずは足から。 スルッと滑り込んでいく私の脚。 (あっ…なんか…このタイツ…気持ちがいい…) 脚を滑り込ませていくと、脚とタイツが擦れ合う。 その擦れる感触…そのスベスベとした感触が、妙に肌触りがよく気持ちがいい。 そしてその感触を肌に感じながら、私は両足を通し、そしてタイツを上半身まで引き上げる。 そして次は両手。 両手をタイツに滑り込ませると、あとは頭部のみとなった。 頭部は顔の部分だけが丸く穴が開いており、そこから顔が出るようになっていた。 そして、その頭部を自らの頭に被せていく。 (んうぅ…) 頭部を被ると、頭がタイツに包み込まれた。 今までに感じた事のない感触。 頭全体を覆われるという、不思議な感覚。 どちらかというと悪くない感覚だ…少し落ち着く用な、そんな感じがする。 (後は背中を閉めるだけか…) その状態になった私は、個室から出て須藤さんのもとに向かった。 「それでは、背中をこちらに向けて下さい」 そう言われ、私は須藤さんに背中を向けた。 「閉めます」 【ジーーーーーー】 背中のファスナーが閉められていく。 すると、閉められていくのと共に、体が少し締め付けられるような感覚が訪れた。 (んぁ…) その締め付け感。 決して苦しいような締め付けではない。 私の体を抱擁するような、心地のよい締め付け感。 そして、その締め付け感が、タイツの肌触りの良さを、更に私に感じさせてくる。 (ちょっと…気持ちがいい…かも…) そんな事を考えながら、自らの体に視線を落とす。 すると、私の胸が綺麗にトレースされている…もちろん、乳首の位置もはっきりと。 須藤さんしか見ている人はいないのだが、少し恥ずかしさを感じてしまう。 すると、須藤さんが説明を始めた。 「本当なら、アニマルの中身の管理用で、声帯変換をするチョーカーをつけてもらいますが、梓さんという事なので、管理をする必要もありませんから、それはつけません」 「そ…そうなんですか…」 「しかし、声帯変換をしない分、人間の言葉が喋れてしまいますので、喋らないように気をつけて下さいね」 「はい…」 (そっか…普通のアニマルは声帯変換されて、言葉は喋られないんだ…) 「それと、基本的には使わないようにしますが、緊急時にトイレにいけるよう、そのタイツの股の部分にはファスナーがついています」 そう言われ、私は自らの股蔵に視線を向けた。 すると、そこには確かにファスナーが存在していた。 (まあ…でも…私は結構我慢できる方だし…二時間くらいは大丈夫だな…) すると、須藤さんが着ぐるみの頭部を持ち出してきた。 「これが、梓さんが着るアニマルのマスクになります。後頭部の下の方が開いてますので、そこから頭を入れ込んでください」 そう言って、須藤さんは私にマスクを渡してきた。 改めて、そのマスクを見る。 可愛い顔をした猫のマスク。 少しアニメ風の可愛らしいデザイン。 確かに制度の名前どおり、癒されそうな顔つきである。 (よし…被ってみよう…) マスクからはファーの首元が垂れ下がっている。 そして、そのマスクの後頭部の下半分くらいが開くようになっていた。 頭を通すにはやや狭い入口のように感じる。 私はその入口に自らの頭を入れ込んでみた。 「んっ!!…」 やはり、入口がやや狭く、すんなりとは頭が入っていかない。 (よ…よいしょっ!!) 思い切ってマスクを引っ張り、一気に頭を押し込んだ。 【スポッ!】 すると、私の頭がマスクの中へと滑り込んだのである。 (は…入った…) マスクを被ると、見た目からする予想とは違い、中にあまり空間は存在しなかった。 もうほとんど、マスクの内側が私の顔にくっついているような状況である。 視界は目の部分から確保されており、思ったより良好だ。 呼吸は、口の部分が開いているのでかなり普通に出来る。 (ふ~ん…こんな感じなんだ…。ん??こんなにしっかり見えてるって事は??) そのクリアーな視界に疑問が生じた。 「須藤さん、これって、中からこんなにはっきり外が見えるって事は、外からも私の目が見えてるんですか??」 外から目が見えていては、中身が私だとバレてしまう可能性がある。 そうなってしまっては元も子もない。 「大丈夫ですよ。特殊な造りになっていて、どんなに近づいたとしても、外からは中が見えないようになっていますから」 「そ…そうですか…」 (じゃあ…バレる心配はないか…よかった…) どういう造りになっているかは知らないが、とにかくそれなら問題ない。 「では後ろを閉めます」 そう言って、須藤さんが後頭部で作業を始めた。 すると暫くして須藤さんが言った。 「オッケーです。後頭部の接着完了です」 「せ…接着!?」 「ええ、後頭部のファスナーを隠すために、同じ色ファーの部品を接着しました」 サラッと凄い事をいう須藤さん。 接着されたという事は、そう簡単に私はこのマスクを脱げなくなったという事になる。 「あっ…ご心配なく。専用の剥離剤を数滴使えば、簡単に剥がす事が出来ますので」 (ふぅ~…そういう事か…ちょっと焦っちゃった…) 「これはお客様に脱がされたりしないためと、アニマルを着ぐるみという存在から遠ざけるためです。専用の剥離剤は私しか持っておりませんので、ご安心を」 言っている理由は、とても理にかなった内容ではあるが、裏を返せば、須藤さんがその離型剤を使わない限り、私はこのマスクを取る事は出来ないという事。 つまり、ある意味で、私が【梓】に戻れるか否かは、須藤さんの手に握られているという事になる。 とはいえ、須藤さんは信頼できる人なので、そういう所は心配しなくても大丈夫だ。 「後はボディを着て頂くだけです」 そう言って差し出されたネコのボディの着ぐるみ。 造りは簡単で、背中の割れ目から手足を差し込み、体を入れるだけ。 (それじゃ…まずは足からっ…と…) 私はそのボディに両足を入れ込んで行く。 そして、両足がしっかり入った所で、体を持ち上げ、両手を中に入れ込む。 「マスクから垂れているファーの部分をボディの中に入れ込みます」 両手をいれた所で須藤さんが、首元の垂れ下がったファーを調整してくれた。 そして、そのままボディを自らの体にくっつけるように、しっかりと着込んだ。 「それでは背中のファスナーを閉めます」 【ジーーーーーーー】 背中のファスナーが閉められて行き、自らが着ぐるみの中に包み込まれて行くのを感じる。 「背中のファスナー部にもファーを接着します」 そして須藤さんが、背中のファスナー部を隠す作業に入った。 改めて、着ぐるみに身を包まれた自分を確認する。 見た目のフカフカ感の割りには、結構タイトに出来た造りである。 私の胸はもちろん、その形を現しているし、ウエストのくびれもトレースしている。 サイズ感がかなりぴったりで、股に関しては、少し抑えつけられる感があるくらいぴったりとしている。 ボディの内部に余裕と呼べる空間はあまりないのだった。 全体的に見た目よりも薄い素材で出来ているため、自分の体に触れると、どこでもしっかりと触られた感触が感じられる。 唯一厚手の部分といえば、手先と足先。 ここは、着ぐるみのネコという雰囲気のディフォルメ感のある、大きな造りになっている。 そのせいもあってか、手先で細かい事をするのは難しいだろう。 「よし…完成です」 そんな事を考えているうちに、須藤さんが作業を完了し、ドレッシングが終了した。 「出来上がった所を見てみますか??」 「はい」 すると須藤さんが大きな姿見を持ってきてくれた。 目の前に置かれた鏡、そこにはなんとも可愛らしい、ネコの獣人が映っていた。 (か…可愛い…こ…これが…私…) 自らが映っているのは分かっているのだが、あまりにも現実離れした姿に、少し信じられない自分もいた。 しかし、私が動かすのと同じ動きをする、その鏡の中のネコ。 その動きから、それが自分であると再認識させられる。 (うん…いい感じ…。ちょっと…好きになっちゃうかも…) そんな事を考えていると、須藤さんが話し掛けて来た。 「梓さん。これでドレッシングは完了です。完成したら、すぐに行動し始めます。何故かというと、もう梓さんは着ぐるみに包まれた状態です。だから、一連の流れが終わるまで、もう着ぐるみを脱ぐことは出来ません。着ている以上、どんどんと体温が上昇していきますので、着た瞬間から、急いで行動を始めないといけないのです」 「分かりました」 そう言われ、私は須藤さんの運転する専用車両に乗り込み、幹人の家へ向かうのだった。 ヒーリングアニマルの仕事内容の詳細は確認済み。 通常は、口で男性に奉仕する仕事。 そして、基本コンドームをつけての奉仕となるが、アニマルの許可があれば無しでも可。 今回に至っては、私がよければ良いという事だ。 相手が幹人なのだから、コンドームはいらないだろう。 あとは、私には声帯管理のチョーカーはついていない。 絶対に人間の言葉を喋らないように気をつけるだけだ。 これで到着すれば、私と幹人は、ご主人様とヒーリングアニマルの関係…。 本当にこれから、幹人の性器に口で奉仕する事になるのだ。 もちろん、私は口でした事など、一度もない。 上手くできるだろうか…。 そんな不安も抱きつつ、私は車に揺られていくのだった。 「到着しました。行きましょう」 須藤さんが車を止めて、そう言った。 到着した場所、それはよく見知った幼馴染の家の前だ。 そして私は須藤さんと一緒に車を降りた。 見慣れた玄関へと足を運ぶ。 何度も来た事のある場所ではあるが、それは梓としての経験。 アニマルとしては、初めて来る場所なのだ。 車の外に出ると、外気温が感じられ、一気に着ぐるみの中に体温が籠り始める。 (車のエアコンがないと…こんなに体温が籠るんだ…) 着ぐるみというものの暑さを改めて感じる。 そして、私はその着ぐるみつつまれ、梓ではないアニマルとして、今から幹人のもとへと向かうのだ。 玄関が近づくにつれ、胸の鼓動が早くなる。 そして、ついに玄関前まで到達した。 すると、須藤さんが私に指示をした。 「今から、契約の確認などをしますので、扉を開けても見えない側で待機して下さい。私が確認を終え、玄関から出たら、中に入って下さい。その後は迎えに来るまで、あず…!?じゃなかった、あなたの思うままにして結構です」 一瞬、須藤さんが私の名前を言いかけたが、ここまで来て、その名前を口にする訳にはいかない。 そして私は、その須藤さんの指示に答えた。 「にゃぁ」 須藤さんにしか聞こえないよう、小さな声でそう言った。 「では行きます」 その言葉に私は大きく首を縦に振った。 【ピンポーーーン】 ついに、インターホンは押された。 このインターホンの呼び鈴は、全ての始まりの合図。 この音が鳴った以上、もう後戻りはできない。 【ゴクりっ…】 私は唾を飲み込み、覚悟を決した。 すると、ついに扉が開かれた。 【ガチャ】 扉が開くと、そこには幹人のお母さんが立っていた。 そして…その奥には、幹人の姿が…。 「こんばんは、小柳様のお宅で間違いないでしょうか?」 「はい、間違いないです」 「私は【ヒーリングアニマル】を運営する【ミラージュ・カンパニー】という会社の・・・」 そこから須藤さんが、幹人のお母さんに、契約の内容などの話を進めて行った。 その間、私は、外の見えない所で待機している。 実際に、その説明がどのくらい掛かっているのか分からないが、緊張して待っている私には、とても長く感じる。 そして、その間も、外気温に晒され、体温が上昇してくのが感じられる。 緊張しているのもあってか、汗が体中から噴き出ているのが分かる。 【ドキドキドキ…】 心臓が鼓動する音が頭の中にこだまする。 (あぁ~…緊張するよぉ…) この待たされている時間…、何もする事がなく、色々と考えてしまう。 それが故、余計に緊張していく。 頭部の汗は全身タイツに沁み込んでいくが、額の汗は垂れ落ちながら目に入ってくる。 この外気温のままだったら、40分も到底もたないだろうと感じてしまう暑さだ。 その待ち時間がとても長く感じる。 するとついに終わりらしき言葉が聞こえた。 「それでは、契約完了です。では、40分後に迎えのものが参りますので、今後とも、よろしくお願いいたします」 そう言った須藤さんが、玄関から外へと出てきた。 そう…それが合図。 私がアニマルとして登場する合図なのだ。 (よし!行こう!!) 意を決した私は、玄関から見えるところへと飛び出した。 「にゃぁ!」 すると私姿に面食らったかのように幹人が固まって、こちらを見ている。 その瞬間に色々と考えてしまう。 (そ…そんなに…凝視されると…ちょっと恥ずかしいな…。っていうか…声…私だってバレてないよね…?アニマルとして、なんか動きが変だったりするかな…) そして、そんな思考が私の中で駆けずり回っていると、幹人のお母さんが声をかけてくれた。 「アニマルさん、よろしくお願いします。さあ、中に入って」 「にゃぁ」 そう言った幹人のお母さんは、少し含んだ笑顔を私に向けていた。 それもそのはず、幹人のお母さんは、中身が私だという事を知っているのだから…。 そして、私はお母さんに連れられ、家の中へと入っていったのだった。 「え…っと…そうか、幹人の部屋に案内すればいいのよね。こっちよ」 そう言ってお母さんが幹人の部屋へと案内してくれる。 とはいうものの、実際には何度もこの家には遊びに来ているので、幹人の部屋がどこかなど、重々承知。 しかし敢えてお母さんは、私をアニマルとして案内してくれたのだ。 【ガチャ】 「ここが幹人の部屋よ」 そう言って、お母さんが幹人の部屋の扉を開けた瞬間に幹人が私たちの前に飛び込んできた。 「母さん!ちょっと待って!!!」 私たちの前に立ちはだかった幹人は、部屋の中をキョロキョロと見回した。 そして、幹人は安堵したかのように大きなため息をついた。 「それじゃ、後は幹人とアニマルさんで、ゆっくりしてね。お母さんは下にいるから…」 そう言ったお母さんの顔はあからさまににやついていた。 (もう…幹人のお母さんったら…ノリノリなんだから…) 【ガチャ】 お母さんが出て行き、私と幹人の二人だけとなった。 部屋に入ったものの、困惑しているのか、一言も言葉を発しない幹人。 (んもう…もう少しリード出来ないかな…。ってまあ…あまりにも唐突だったし、しょうがないか…) 動きを見せない幹人に代わり、私が行動を開始した。 ベッドのほうへと向かい、ベッドの端に腰をおろした。 「にゃぁ!」 そう言いながら、自分の傍のベットの上をポンポンと叩いた。 (こっちに来て、ここに座って) すると、その意味を理解したのか、幹人が私のほうに近づいて来て、ゆっくりと横に腰をおろした。 (あ…なんか…ちょっと…緊張するな…) よくよく考えれば、普段はふざけ合いしかしてないが、好意をよせた男子と部屋の中で二人きり、しかも、隣に寄り添って座っているのだ。 横に座る事を促すなんて、とても、素顔のままでは出来ない行為だ。 アニマル様様である。 すると幹人が口を開いた。 「あのさ…うちの母さん、とにかく唐突でさ…。ヒーリングアニマルを契約するのも、今日、初めて聞いたし、俺には何の相談もなく決めてるし…。さらには今日から来るってさっき聞いて、俺もなにがなんだか分からない状態なんだよ」 「にゃあ?」 「ちょっと、落ち着いて考えさせてもらっていい??」 「にゃあ」 (それはそうだろな…家のお母さんと幹人のお母さんだけで内密に進めてたしな…) 幹人は少し考え込んだ様子で俯いている。 (…にしても、幹人…そんな唐突な状況だというのに、アニマルに優しく接してくれるあたりが…) 普通ならもう少し怒ったりしそうなものだが、そこら辺が幹人の優しい部分だろう。 すると暫く考えていた幹人が顔を上げ、再び私のほうに目線を向けた。 「にゃあ?」 (どうしたの??) 私を見ながら少し無言で考えていた幹人が、ハッとした表情をした。 「ちょっと質問していいか…?毎週、俺のところに来るのは君なの?」 「にゃあっ!!」 (もちろん!!) 幹人の質問に声を上げながら、大きく頭を縦に振る。 「そっか…だとすると名前を知りたいな…いろいろ不便だから。名前は??」 (な…名前!!…ってそんなの決めてなかったし…!それに…言葉を発するわけにはいかない…ど…どうしよ…) 「にゃ…にゃにゃにゃ…にゃぁ~」 私は頭を抱えながら、【困った】というような演技をした。 するとそれを見た幹人が言った。 「そうか!【にゃあ】しか言えないんだっけ…。それじゃ名前は分からないな…。俺がつけてもいい??」 「にゃぁっ!!」 (ナイス!!幹人!!それだ!!) 幹人の言葉に私は大きく頷き、期待の目を向けて幹人に視線を送った。 「そ…そんな雰囲気で見られても…俺はそんなにネーミングセンスはないからな…」 「にゃぁっ!!」 (いいの、いいの、幹人がつけてくれた名前なら。って…でも…権三郎とかだったら、ちょっと辛いけど…) 「そ…そうだな…猫っぽい名前か…茶色い毛の色が可愛いから…マ…【マロン】でどう?」 (か…可愛いじゃん!!) 「にゃあ!にゃあ!」 私は頭を大きく上下に頷かせ、その名前がいいとアピールした。 「その感じだと、気に入ってくれたみたいだね」 「にゃあ」 (うん…可愛い…マロン…私の名前…うんっ!!) 私のその反応に少し照れる幹人が可愛らしい。 「さてと…マロン。なんとなく状況は理解できたんだけど、こういうのは初めてだから、何をどうしていいのか分からなくてさ…」 (ま…まあ…私も初めてなんだけどね…。でも…今の私はマロン…ヒーリングアニマルのマロンだから…) 着ぐるみに包まれて自身が隠れているせいか、別の存在に成り代わっているせいか、今の私なら大胆になれる気がした。 (よしっ!!) 「にゃぁぁ…」 私は大胆にも、幹人の体に甘えるように体を寄り添わせた。 「うおっ!」 私のその行動に驚きを示す幹人。 少し初心な感じが出ていて、それもまた私の心をくすぐる。 「にゃぁ~…」 体を寄り添わせ、擦り付けるように幹人に接触する。 その行動に、少し体を強張らせる幹人。 しかし、そんな事は関係なく、私は幹人に積極的に触れていく。 そして、私は自らの頭を幹人の胸へと預けた。 (幹人…) すると、幹人の手がスッと私の頭の上へと伸びてきた。 「よしよし…」 優しく私の頭を撫でてくれる幹人。 撫でられているのは、あくまで着ぐるみのマスク。 直で撫でられているのを感じる訳ではないが、その手の感触が頭部の揺れで伝わってくる。 「にゃあぁぁ…」 (ぅ…ん…なんだか…とっても…心地いい…) ヒーリングアニマルとして…ペットとしての演技として心地がいいのではなく、実際に幹人に頭を撫でてもらう事に心地よさを感じる。 (幹人…うれしい…) 頭を撫でられているだけだというのに、この満足感。 自分が可愛がられているという実感が湧いてくる。 その心地よさにも気持ちが盛り上げられ、着ぐるみに包まれた私はどんどんと大胆になっていく。 私はそのまま、幹人の膝の上に覆いかぶされるように体を乗せた。 背中を幹人に見せている状態。 そして、私の胸が幹人の腿に押し付けられた形となった。 その状態で、頭を撫でてくれる幹人。 「よしよし…マロン…可愛いなぁ…」 「んにゃぁ!」 (か…可愛いって…そんな…て…照れる…な…) 幹人の言った【可愛い】という一言。 着ぐるみのマロンに対して言われた言葉ではあるが、私に言われているように感じ、心が踊る。 すると、幹人の片手が私の喉元に添えられ、優しく擦り始めた。 そう…猫を可愛がるような行動。 これがまた、私の心を鷲掴みにする。 「にゃぁぁぁ…」 実際に喉元を擦られることが気持ちいいというよりも、そう私を可愛がってくれているという事への嬉しさ。 すると、幹人のもう片方の手が、私の背中を擦り始めた。 (んぁぁっ…背中…背中…気持ちいい…) ファーに覆われた着ぐるみ。 その外側から擦られていても、体を擦ってくれているのがダイレクトに伝わってくる。 なんともその優しい触り方が心地よい。 そして、その触られ心地を堪能していた時だった。 「んにゃぁっ!!」 「あっ!?」 幹人の手が私の胸に触れたのだった。 触られ心地にうっとりしていて気を抜いていた所で胸を触られ、思わずその感覚に驚いてしまい、声を上げて、体をビクつかせてしまった。 (び…びっくり…した…。む…胸は…弱いから…) 触ってはいけない事は無い。 そういうサービスなのだから。 しかし、うっとりしていて、私の心の準備が出来ていなかったのだ。 すると幹人が申し訳なさそうに言った。 「ご…ごめん…偶然…当たっちゃった…ごめん…」 幹人が悪い訳ではない…私が驚いてしまっただけ。 幹人に謝らせるのは、筋違いなのだ。 (こっちこそ…ゴメン…幹人…) 「にゃぁ…」 そう思った私は、すぐに幹人の手を取った。 「え!?」 着ぐるみのモフモフした手。 掴みにくいが、私が幹人の手を取った事は、彼にも伝わる。 そして、その幹人の手を、私の胸へと誘導した。 その行動に驚きが隠せない幹人。 しかし、その行動の意味を理解し、質問をしてきた。 「い…いいの…?」 「にゃぁ」 (いいよ…触って…幹人…) 私は返事をして、頭を大きく縦に振った。 そして、少しの間、幹人は私のほうを凝視したまま止まった。 すると、すこし吹っ切れたような表情を浮かべた幹人が言った。 「じゃ…じゃぁ…遠慮なく…」 そう言った幹人の手が、優しく私の胸を揉み始めた。 「んにゃぁ…ぁ…んっ…にゃ…ぁ…」 (あんっ…あっ…きも…気持ち…いい…んあっ…んっ…) 中身の私の胸の柔らかさを確かめるかの如く、幹人の手は優しくも的確に私の胸を捉えてくる。 「にゃ…ぁん…ぁ…にゃ…ぁ…んぅ…ぁ…」 (んぅっ…だめっ…ぁん…声が…ぅ…我慢…できない…) その気持ちよさに、自然と嬌声が漏れてしまい、いわゆる猫語ではない、女の子の声が漏れてしまう。 「可愛いよ…マロン…」 「んにゃっ…ん…ぁ…ぁん…にゃ…ぁ…」 (そんなっ…可愛いとか…言わない…で…もっと…感じちゃう…んぅっ!!) この快感を与えられ、なんとか声を出さないように必死に耐えている状況に、打ち込まれた【可愛い】という言葉の弾丸。 私の胸が打ち抜かれ、快感に拍車を掛けていく。 私は身悶えをしながら、必死に声を我慢する。 「…にゃぁ…んぁっ…うぅん…」 もう既に、時々【にゃぁ】、後はほとんど私の嬌声と成り始めていた。 (んあっ…だめ…こんなの…んぅっ…我慢…出来ない…) すると、次の瞬間であった。 「んにゃぁ!」 幹人が私をベッドの方へと寝転がした。 快感に溺れている私は、力が入らず、幹人にされるがまま、ベッドの上に転がった。 すると、幹人が私の後ろから私に抱きついて来た。 いきなりこんな大胆な行動に出た幹人に少し驚きつつも、抱きつかれた事に喜びを感じてしまう。 そしてすぐさま、幹人の片手が私の胸を捉えて来た。 「にゃぁっ!!ぁん…ぁ…」 後ろから抱きつかれ、胸を揉まれる。 この抱擁感がまた、私の心を高ぶらせる。 そして、揉まれる胸は先程と同様に、私に快感をもたらす。 抱きつかれている事で、その快感は先程よりも大きなものとなって、私に訪れて来た。 (んあぁぁっ!!幹人!!んぅっ!!幹人!!) 背中から幹人の存在をはっきりと感じる。 そして、幹人とのもう片方の手が、私の腰に付近を触り、ゆっくりと下方へと降りて行った。 すると、その降りて行った手が、ついに私の陰部へと到達した。 そしてその指が、私の陰部を確認するかの如く、優しく撫でられた。 「んんぅっ!!」 (んあぁっ!!!) 陰部を撫でられ、体がビクッと大きく反応してしまう。 着ぐるみに覆われていて、直に触られた訳ではないが、陰部付近を覆っている着ぐるみはかなり薄い。 タイツ一枚とそれ程変わりは無い。 水着の上から愛撫されているいるようなものだ。 触れられれば否応なしに反応してしまう。 すると、幹人の指が、私の陰部を撫で回し始めた。 「んにゃぁ!ぁん…んあっ…ぁっ…あっ…にゃ…ぁっ…」 (んうっ…そこ…ぁん…そこ…だめ…んぁぁ…) そして、幹人の指が私のクリトリス付近を的確に捉え続ける。 そして、もう片方の手は、引き続き、私の弱い胸を揉みしだく。 上下の両方から、壮絶な快感が与えられる。 「あんっ!ぁ…にゃっ…にゃっ…ぁんっ…ぁっ…」 (ぁんっ!!ダメ…んぅっ!!これ以上…んぅっ…これ以上は…ムリ…だめ…ムリィィ!!) その上下の責めに耐えきれず、体を捩らせてその手から逃げようとする。 決して気持ちがよくない訳ではない。 むしろその逆。 快感が強すぎて、これ以上刺激されたら、私が私ではくなってしまうのではないかと思える程なのだ。 だんだんと、頭の中までその快感が占有し始める。 (んううぅぅ!!ダメェェェ!!!もう…もうムリィィィ!!来ちゃう!来ちゃう!!) しかし、幹人の手は緩むことは無かった。 身じろぎし、その手から逃れようとするも、捉えて離さない。 そして、的確にかつ、優しくも激しく私の胸と陰部を刺激してくる。 そして、その快感が私の心と体を蹂躙した。 「にゃぁっ!あんっ!やぁっ!んぁっ!にゃっにゃっにゃっ…ああぁぁぁぁっ!!」 (もうムリっ!!ムリっ!!いやぁぁ!!ムリィっ!!…イクっ…イクっ…イっちゃ…イっちゃ…イっちゃウゥゥゥゥゥゥ!!) そして私は大きな声と共に、体を大きくビクンと跳ねさせ、絶頂を迎えてしまった。 きっと、私がアニマルで、相手がなんでもないお客だったら、こうも簡単には絶頂は迎えないだろう。 しかし、現実は中身の私は、今、愛撫してくれている相手に恋心を抱いているのだから…。 好きな男性に可愛がって貰っているのから…。 そんな状況だからこそ、あっという間に私の心と体が頂点まで達してしまったのだ。 「にゃ…ぁ…ぁ…」 (み…幹人…) 一気に力が抜け、ベットに寝転がってしまう。 「はぁっ…はぁっ…はぁっ…」 絶頂を迎えた事で、一気に呼吸が乱れる。 この着ぐるみのマスク。 口元が開いているため、すごく呼吸がしにくいという訳ではないが、やはり、何も被っていないよりは、呼吸がしにくい。 (はぁ…はぁ…はぁ…く…苦しい…) そして、行動がひと段落した事で、もう一つの事に気が付く。 (はぁ…はぁ…あ…暑い…よ…ぉ…) 愛撫され、一気に火照った体。 その体温が着ぐるみの中に、閉じこもり、体中から汗が噴き出しているのが分かる。 逃げ場のない暑さが私の体中を包んでいく。 その暑さと呼吸の乱れにより、大きく肩で息をしてしまう。 暑さと苦しさで、力が入らない。 しかし、私の仕事はこれで終わりではない。 むしろ、私が絶頂を迎えてしまっているのでは、本末転倒である。 好きな人に愛撫され、絶頂を迎える。 こんな喜ばしい事はないのだが、それでは職務怠慢だ。 私は、【梓】ではない…【ヒーリングアニマル】なのだ。 ゆっくりと体を起こした私は、力なく幹人の下半身に抱きついた。 「…にゃぁ…」 私の目の前にはズボンの下に隠された、幹人の性器がある。 しかし、このアニマルの手では、そのズボンを開くことは出来ない。 私は幹人の性器の部分を指さしながら、幹人の顔を見た。 その私の様子を見て、少し困惑している様子の幹人。 (み…幹人…ズボンを降ろして…) すると、その私の心の声が聞こえたのか、幹人が意を決した表情で、自らのズボンを降ろし、性器を露出させた。 (こ…これが…幹人の…) 生で見た男性性器。 人生初の経験であり、更には好きな人の性器が目の前にある。 心臓がバクバクと鼓動する。 もちろんフェラなどした事はない。 でも、しっかりと勉強はしてきた。 状況は整った。 【ゴクリ…】 そしてその性器に引き寄せられるかのように、私は顔をマスクを近づけて行った。 顔を近づけると、幹人の性器の匂いが漂う。 (凄い匂い…でもこの匂い…嫌いじゃない…これが…幹人の匂い…) そして、マスクの口が、その性器に触れる距離まで近づいた。 (幹人…) 【パクッ】 「んうぅっ!!」 私は幹人の性器を口で咥え込んだ。 口の中に幹人の性器が入り込んでくる。 (熱い…こんなに熱いんだ…) 口の中で、幹人の温度を感じる。 それは幹人自身を感じているという事。 その熱さ…その感覚が私にとっては幸せなもの。 (幹人…幹人のもの…あぁ…) そして私は幹人の性器を咥え込んだまま、舌で性器を舐め回し始めた。 「んんぅぅ…こ…これは…」 その舌の動きに反応して、体をビクッとさせる幹人。 上手くできているだろうか…。 私は純粋に自らがしゃぶりたくて、しゃぶってしまっている。 すると体を少し強張らせている幹人が言った。 「うぅ…き…気持ちよすぎる…」 幹人は今、【気持ちいい】と口にしてくれた。 つまり、私の自己満足だけでなく、幹人も感じてくれているという事。 (うれしい…) その言葉を耳にし、私は一層、優しくも激しく、幹人の性器を舐め回した。 「あぁ…ダメだ…最高に気持ちがいい…」 その言葉を再び聞いた私は、自らの気持ちも高ぶり、次の段階へと進んだ。 舌を使い舐め回しながら、自らの頭部を前後させ始めたのだ。 「んあっ!!やばい!これは…やばい!!」 幹人がその感触に大きな反応を示す。 着ぐるみのマスクに猫の口と鼻の部分があるので、深くまで咥え込むことは出来ないが、口の中一杯に幹人の性器が入り込んでくる。 (んあぁ!!幹人!幹人!) 私は幹人の性器を堪能する。 頭を前後させる度に幹人の体に反応が見える。 「んあっ!これ…ダメだ…うぅっ…も…もう…我慢できない!!」 幹人がその快感に耐えようと必死に我慢しているようだった。 そこまで、幹人が感じてくれているというなら、私にとっては最高の喜び。 私は一心不乱に頭を前後させ、その性器を舐め回す。 (いいよ…幹人…我慢しなくて…気持ちよくなっていいよ…) そして、私の頭部の動きが最高潮を迎えていた。 【んぐっ!ダメだ!出る!出るうぅぅっ!!」 【ドピュ】 口の中に幹人の精液が飛び出して来た。 (んあぁ…幹人の…幹人が…口の中いっぱいに…あぁ…嬉しい…) 大量の精液が私の口の中を満たしていった。 【ゴクッ…】 そして、その精液をしっかりと飲み込む。 飲み込んだ後も、余すところなく幹人の精液を口にしようと、性器を舐め回す。 「んあっ…あっ…ぁ…」 射精をした後に性器を舐められる幹人が、ビクンビクンと反応する。 「んうっ…マ…マロン…も…もうダメだ…あ…ありがとう…」 そう言って私の頭部を抑える幹人。 【ズポッ】 そして幹人は私の口から性器を抜き出したのだった。 【ゴクン…】 最後に口に残った幹人の性器をしっかりと飲み込む。 「んはぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」 口が解放され、呼吸を取り戻したが、やはり息が上がっている。 口を性器に塞がれて、あんなに動いたのだ。 着ぐるみのマスクを被り、鼻からの呼吸もしにくいのだから、呼吸が乱れて当たり前だ。 (んはぁ…はぁ…く…苦しい…息が…息が…) フェラをしている最中は夢中で、そんな事は気が付きもしなかったが、かなり苦しい。 着ぐるみのマスクを被っていなければ、それなりに容易に酸素を取り込むことが出来るだろうが、やはり、マスクに制限された空気では、なかなか呼吸が落ちつかない。 暫く肩で息をしながら、呼吸が落ち着くのを待った。 そして、少し落ち着いた所で、再び幹人ののほうへ目を向けた。 すると、何故か少し落ち込んだような雰囲気の幹人がそこにいた。 真面目な幹人の事だ。 きっと、知らない人の口の中に射精した事を気に留めているのだろう。 そして、私はそんな幹人に抱きついた。 「にゃぁ…」 (いいのよ…私はヒーリングアニマル…私の口に出すことは悪いことじゃない…。それに…私は…出して欲しかった…幹人のものが欲しかったんだから…) すると、幹人がギュッと私を抱きしめ返して来てくれた。 「にゃ…」 (幹人…) 「マロン…最高に気持ちよかった…ありがとな…」 幹人がマスクの直ぐ傍で、ささやくようにそう言った。 「にゃぁっ!!!」 (うれしい!!幹人!!うれしい!!) 私は更に強く、幹人に抱きつき返した。 そして、私たちはそのまま、ベッドの上で抱きつきあったまま、時を過ごした。 その間も、幹人が私の全身を撫でてくれる。 なんとも心地よく、幸せな感触だった。 やはり、着ぐるみに包まれていると、体中が暑さに包まれる。 その上、幹人と抱きついているのだから、更に暑さは強まる。 体中から汗が噴き出していく。 しかし、この暑さも幹人を感じていれば、苦にはならない。 私は、幹人に可愛がって貰えたのだ。 梓という女性としてではなく、マロンというヒーリングアニマルとして。 しかし、それは私として出なくてもよい事。 マロンとしてであったとしても、幹人に可愛がられたという事実は変わらない。 それでいい…。 マロンとしてだから、可愛がって貰えるのだ…。 梓としてでは、決して有り得ない事だから…。 (幹人…) 【ピンポーン】 インターホンの音が鳴った。 私をお迎えに来た合図だ。 (終わりだ…) 幹人と離れたくなかったが、私はゆっくりと幹人の体から離れた。 これがヒーリングアニマルとしての流れでありルール。 時間が来れば、終わらなければならないのだ。 そして私が立ち上がり、立ち去ろうとすると幹人が言った。 「マ…マロン…あの…その…あ…ありがと…」 その言葉を発した幹人は、少し照れているように見えた。 「にゃあ!」 (こちらこそ…だよ…) 私は無理矢理取り繕ったような明るさで、幹人に向かってサムズアップした。 すると幹人が言葉を続けた。 「な…なんて言うか…可愛かった…」 「にゃっ!」 (か…可愛い!?) 改まって【可愛い】という言葉を口にされ、酷く動揺してしまう。 「いや…ホントにさ…可愛いと思っちゃったんだよ…。そ…それに…き…気持ちよかった…」 「にゃ…にゃ…にゃあぁぁ!!」 (そ…そんな…可愛いなんて…そ…それに…気持ちいい…とか…そんな…) 素直にそう言われ、ひどく照れてしまう。 私の事を言われた訳ではない、マロンに対して言われた言葉。 しかし、直球でそう言われ、照れが隠せなかった。 「ご…ごめん…お迎えが来てるから、早く行かないと…」 「にゃ…にゃぁ…」 あまりの動揺に、危うく人間の言葉が出そうになったが、なんとか心を落ち着かせた。 そして、名残惜しいが、私は玄関へと向かって行った。 玄関に向かうと、そこには須藤さんではない女性がそこにいた。 (あれ、須藤さんじゃないの…??) そしてその女性が幹人のお母さんに説明をして、私はその女性と共に、幹人の家を後にした。 車に乗り、着替えをした場所へと帰って行った。 着替えた建物に着くと須藤さんが出迎えてくれた。 どうやら、私が着ぐるみを脱ぐために、須藤さんがスタンバイしていて、別の女性が迎えに来たようだった。 「おかえりなさい」 須藤さんが再び私をヒーリングアニマルのマロンから梓へと戻してくれる。 着ぐるみのファスナーが開かれ、ボディが脱がされる。 そしてマスクのを外され、再び私は梓へと戻った。 体を包み込む全身タイツが汗でグショグショに濡れている。 しかし、この汗こそが、私が着ぐるみに包まれていた証拠…。 そして、着ぐるみのマロンとして幹人に可愛がられていたという証拠なのだ。 グショグショに濡れた全身タイツに包まれた自らの体に触れながら思い出す。 そう…今日、幹人との間に起きた幸せな出来事を…。 (幹人…) こうして、私のヒーリングアニマルの初日は終えて行った。 ・・・ 衝撃の出来事の翌日。 私は普段通り、朝、学校へと向かっていた。 すると、前方に幹人と幹人の親友の【隆志(たかし)】の後ろ姿を発見した。 昨日の出来事が頭の中に甦り、心臓の鼓動が早くなる。 (大丈夫…幹人は知らない事実…。私がいつも通りにすればいいだけ…。そう…いつも通り…いつも通り…) そう頭の中で念じながら、【いつも通り】幹人に声を掛けた。 「おはよ!幹人!隆志!」 「うぉっ!!」 幹人に挨拶すると、予想外の驚き方をした。 「あ…梓か…おはよ」 「なによ、その驚きは…。私、別に驚かすような事してないでしょ?」 「ま…まぁな…」 「あっ…隆志と二人で話をしてたって事は…さては朝からエッチな話でもしてたんでしょ!?」 「ば…ばか!俺たちがそんな話をする訳がないだろ!!」 隆志が少し動揺した雰囲気で反論する。 そう…これが【いつも通り】の接し方…。 【幼馴染】としての…。 「ふ~ん…隆志、動揺してるでしょ…怪しいな~。さては【千佳(ちか)】の事をエロい目で見てたんでしょ…」 千佳とは私の親友であり、学校でも一番と言えるほど可愛く、もてる存在だ。 「な…なんで、千佳の話になるんだよ!!」 「え!?だって…千佳、すぐ前歩いてるし」 私がそう言うと、千佳のほうに目を向け、驚いた表情をする幹人。 本当に千佳の存在に気が付いていなかったようだ。 「千佳~~!!おはよ~~~!!」 私が挨拶をすると、千佳がこちらに振り向いた。 そして、微笑みながら、こちらに手を振った。 くやしいが、その振り返った様も可愛らしい。 私が男だったら、間違いなく惚れてしまうだろう。 「あほか、梓。千佳は確かに可愛いが、俺たちの手の届く存在ではない」 「そっかな~…私としては、そんな特別な存在じゃないと思うけど…。まあ、とにかく親友が、エロい目で見られていたとなると、放ってはおけないじゃない?」 「だから~そんな話をしてたんじゃない!!」 隆志が私の言葉に反論する。 「じゃ、なんの話をしてたのよ?」 「そ…それは…その…」 「答えられないってのが、怪しいわね」 私の問いにたじろぐ隆志。 「はいはい、朝から俺たちはそんな話はしてないし、千佳の事もお前に言われて気が付いたんだ。俺たちが話していたのは…梓…」 「な…何よ…」 「お前が可愛いという話だ…」 「え!?は…な…ななな…何を言ってるの!!!」 幹人の言ったその【可愛い】と言った言葉に、あからさまな動揺をしてしまう。 その言葉が、昨日の帰りにマロンに向けて言われた言葉と重なってしまい。 その時の光景が、一気に頭の中に甦ってきてしまったのだ。 (そ…そんな…の…) 「ははっ…冗談だよ。俺たちが話してたのは、昨日の晩御飯の話だよ」 「はぁ?も…もう…幹人ったら!バーカ!!」 私は、動揺を隠しきれないまま、幹人にそう言って背を向け、千佳の方へと走って行った。 そう…これでいい…。 これが【いつも通り】なのだ。 私と幹人は、幼馴染…。 それ以上でも、それ以下でもない。 だから…私はマロンとして、幹人に可愛がってもらうのだ…。 そうマロンとして…梓ではなく…。 背中に幹人の視線を受けながら、私は振り向くことなく、千佳のほうへと向かって行った。 私だけが知る秘密…。 私だけが知っていればいい秘密…。 それを胸に抱えながら…。 ---------------------------END------------------------------------------

ヒーリングアニマル Side Story ~梓 Side ① ~

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