※文字数がオーバーしたため、前編後編に分かれています。 続いて後編もお楽しみ頂ければ幸いです。 -------------- 「お~~よしよし~可愛いなぁ~~~」 【和弥(かずや)】が、抱きかかえながら可愛がっているのは【ロコ】。 ゴールデンレトリバーでうちの愛犬である。 そして、和弥は私こと【杏沙(あずさ)】の彼氏であるにも関わらず、うちに来てからずっと、ロコを可愛がっているのだ。 「んも~ぅ…和弥ったら、ロコばっかり相手してぇ~」 (ほんっとに…ロコばっかり可愛がっちゃって…私はほぼ無視だし…) ロコに夢中で私に構ってくれない和弥に不満をぶつけた。 「だってしょうがないだろ…。こんなに可愛いんだぜ」 「可愛いよ…ロコは他の犬より、群を抜いて可愛いんだから。って…それはそれとして、来てからずっと、ロコとじゃれてるじゃない!」 和弥が犬好きなのは知っている。 それはそれとして、彼女そっちのけというのもどうかと思う。 「ん??何??嫉妬??あっ…そうかそうか…ロコも雌だしな…」 「ち…違うわよ!犬にし…嫉妬なんかしないわよ!」 見事にその通りの事を言われ、言葉で否定はしたものの、大きく動揺してしまう。 「俺が犬好きなことは知ってるだろ??それにロコも俺にベタ惚れなんだから、それに答えてあげないとな」 (ふぅ…ダメだ…この人…) 「ふあぁぁぁぁぁっ!!」 私は少し不貞腐れながら、ベッドに伸びをしながら寝転んだ。 「和弥の犬好きは知ってるし…。和弥の事、好き度合いなら私も負けてないんだけどな…。ペット特権よ、ペット特権!!ペットだから、私より優遇されるんだ!!」 (そうよ!そう!ペットってだけで、可愛がられるアドバンテージがあるんだ!!) 負け惜しみを言いながら、私はベッドの上でゴロゴロと不満を表した。 すると次の瞬間である。 和弥が意味不明な発言をした。 「じゃぁ…杏沙もペットになって、その特権を使ってみれば??」 「はぁ????」 あまりの意味不明な発言に、私の頭がついていかない。 「だから、杏沙もペットになれば、ロコより優遇されるんじゃない??」 「は…???私がペットに…???」 「そうそう」 「フフフ…フハハハ!!和弥…何言ってるの??私がペットになるって…」 話があまりにぶっ飛んでいて、軽く苦笑をしてしまった。 「そりゃ…ロコみたいになれれば、楽だろうね…。近寄るだけで可愛がってくれるし…。いつも気ままにしてればいいし…でも…」 確かに、私がロコのようにペットになれば、気ままにしているだけで可愛がってもらえる。 しかしながら、ペットになるという意味が全く持って理解出来なかった。 「よし!!!じゃあ決まり。杏沙もペットになってみよう!!」 「ちょ…ちょっと…決まりって…」 「ロコみたいになってみたいんだろ??」 「う…うん…まあ…」 話の流れが理解出来ないが、和弥のペースに押し切られ、つい肯定してしまった。 「オッケー!オッケー!今確かに、その言葉を聞いたからね」 「えっ!?」 「任せておきなって!!」 「な…何を…!?」 「フフン…」 そして、和弥がそう言ってから、その後も、その話題が出る事はなかった。 その後のある日。 和弥から、お泊りデートの誘いを受けた。 「うん!もちろん行く行く!!やった~~~!!お泊り!!」 「え!?宿泊費は和弥が出してくれるの??そんなの悪いよ…」 「ホントにいいの??」 「うん!分かった!!今週末ね!!楽しみにしてる♪」 そうして、私は週末、和弥とお泊りデートに行くことになった。 そして週末。 お泊りデートという事に胸を弾ませ、服装も気合の入った私は、和弥と二人で泊まるホテルへと向かって行った。 そして、今日泊まるホテルに到着すると、少し度肝を抜かれた。 「すご~い!!こんなホテルに泊まれるんだぁ」 そのホテルは郊外の大自然の中にポツンと存在し、その見た目も優雅なたたずまいだった。 何やら、リゾートホテルとでもいうべき雰囲気。 私は、そのホテルに泊まれるかと思うと、心を躍らせてしまう。 (ん!?でも…こんなホテル…宿泊費もかなり高いんじゃ…) 「こんなすごいホテル…和弥が宿泊代出してくれるって…ホントにいいの??」 「いいのいいの。どうしても泊まりたかったんだ、ここに」 宿泊費の心配をしてしまうも、優しくきっぱりとそういう和弥の様子に、私はすんなりと厚意を受け入れた。 「そっか…じゃあ遠慮なく。和弥とお泊りデートってだけでも嬉しいのに、こんなホテルなんて…至れり尽くせりだよ」 「そりゃあ何より…」 (うわぁ~…それにしても…こんなホテル…テンションが上がるぅ!) 「じゃあチェックインしようか」 「うん」 中に入っても、その雰囲気はかなりお洒落で、ロービーだけでも雰囲気に飲まれてしまう。 「おれが受付してくるから、杏沙はここで待ってって」 「分かった」 和弥が受付もしてきてくれるというので、私はソファーとテーブルのある待合で待つことにした。 (うわぁ~…ソファーもフカフカで座り心地がいいなぁ~) 座ったソファーの柔らかさだけでも、何か特別感を感じてしまう。 そして、和弥の受付を待っている間も、キョロキョロと周りの物に目が行ってしまう。 お洒落でデザイン性が高い建物内だが、妙に落ち着いていて重厚感がある。 少し、私たち二人のような若者が泊まるには、場違い感すら感じてしまう。 (和弥はここに泊まりたかった…って言ってたけど…。有名なのかな??ここ。っていうか、和弥もネットで調べるの好きだかから、きっと調べ倒して、ここを選んだんだろうな…) 調べたにしても、ここに目をつけて実行に移す和弥も凄い。 (まぁ…私としては、お泊りデートだけでも嬉しいんだから、こんな凄いホテルはボーナスみたいなものかなぁ…) そんな事を考えながら、和弥の受付を待っていた。 すると、ホテルのスタッフの女性が私の方に近づいてきた。 「失礼します。お連れのお客様、受付のほう、まだお時間が掛かりますので、お飲み物でもお飲みになってお待ちください」 そう言って、スタッフの女性は、私の前にコーヒーを差し出してきた。 「あっ…ありがとうございます!!」 そして出されたコーヒーを飲みながら、和弥の終わりを待つ。 この重厚感ある雰囲気。 その中で、コーヒーを口にするなんて、なんとも優雅なことだろうか…。 (あぁ…なんか…この雰囲気とコーヒーだけで、満足しちゃいそうだよ…) そんな優雅なひと時を堪能する私。 しかし、そんな優雅な空間を楽しんでいる私に突如訪れたものがあった。 (ん…あれ…なんだろ…突然…眠くなってきちゃった…) いきなり襲ってきた眠気。 瞼が急激に重くなり、目が閉じようとする。 その眠気に抗おうと、必死に目を開けようとするが、降りて来る瞼を自分で制御できなくなってきたのだ。 (だめだ…滅茶苦茶…眠い…。せっかく…こんな…雰囲気を…楽しんでるのに…起きて…られない…) 恐ろしい程の急激かつ、激しい眠気は、私の頭をガクンガクンと揺らす。 必死に起こそうとして、頭を上げようとするが、次第に体が横になり、柔らかいソファーに預け始めてしまった。 (ね…眠い…だ…だめ…も…もう…起きて…ら…れ…な…) そして私は、その急激な眠気に耐えられず、その場に横になり眠りに落ちてしまった。 ・・・ どのくらい寝てしまっただろうか…。 私はゆっくりと目を覚ました。 【わうぅ~~~…】 (んぅぅぅぅぅ!!!!あれ…そっか…私…寝ちゃって…) 私は寝転びながら大きく伸びをした。 (そうだ…ロビーで居眠りをしちゃって…起きなきゃ…) そう思った私は、横たえていた体を起き上がらせ、その場に座り込んだ。 (ん!?) 起き上がったものの、凄い違和感を覚える。 何やら、目がおかしいのだ。 体を起こし、周りをキョロキョロと見回す。 しかし、私の視界に移る景色が、何やらサングラスをしているような雰囲気に映る。 そして、見える視界も、通常の全方位ではなく、自分の前側しか見えないのだ。 【ん…?】 (何??この見え方…??まだ目ヤニとかついてるのかな??) そう思ったものの、目ヤニが付くほど長時間、居眠りをしていたわけでも無いと思う。 この不思議な目の見え方が、全く理解が出来ない。 すると一瞬ではあるが、何やらフサフサとした毛が見えた気がした。 【ん…?】 そしてその毛が見えた方向に目をむけ、頭を下に傾けた。 その先にはフサフサとした毛が見えた。 その毛を触ろうと手を伸ばす。 すると、その私が伸ばした手の所に、なにやら動物の手のような、フサフサの毛に包まれた手が伸びて来た。 (え!?どういう事!?) 驚き、もう片方の手も目の前に差し出してみた。 すると、やはり動物の手がもう一本伸びて来て、私の視界に入り込む。 そして、その両手を動かしてみると、私の思い通りに動くのだった。 つまり、それから導かれる答えは、この手が私の手だという事に他ならない。 (ど…どいう事!?) 【わんぅっ!!わんわんっ!!…わっ??】 そして、その疑問を口にしようとしたが、私の口から漏れ出た声は、私の声ではなかった。 はっきり言葉を喋ったはずなのに、聞こえ来るのは犬の鳴き声なのだ。 (え!?なに!?) 咄嗟に言葉が出ない口を両手で抑える。 【わわん…わん…】 もう一度、言葉を喋ってみるも、やはり聞こえてくるのは犬の鳴き声。 (な…なんで…言葉が…出ないの??) 毛に覆われた両手…さらには喋ろうとしても言葉にならない声。 全くもって、現在の私の置かれた状況に理解がついていかない。 すると、私の後ろから、聞きなれた声が聞こえて来た。 「おはよ…杏沙。やっと起きたね」 その声の方に振り向くと、そこには薄っすらと微笑みを浮かべた和弥が座っていた。 【わわん!!!わんっ!わわんぅぅ!!】 (か…和弥!?何…何なのこの状況は!!) 和弥にこの意味の分からない状況を聞こうとするものの、言葉が喋れず、犬の鳴き声しか出てこない。 言葉が喋れず、私の訴えが和弥に届かないと思ったのだが、そんな私の疑問を見透かすかのように、和弥が言った。 「分かった、分かった。まずは、今の自分の姿を見るといいよ」 そう言った和弥は立ち上がり、壁の扉に手を掛けた。 【ガラガラ…】 和弥がその扉を開くと、そこには壁に設置された大きな鏡が現れた。 すると、そこに映っていたのは、このホテルの室内。 そして、一匹の犬の着ぐるみがそのホテルの室内にいるのだった。 (え…嘘…これ…か…鏡だよね…?) そして、私が右手をスッと動かすと、そこに映った犬の着ぐるみが、左手を動かした。 そこにあるのは鏡…。 私が右手を動かせば、鏡の中の私は左手を動かす。 つまり、目の前に映り込んだ犬の着ぐるみは【私】ということなのだ。 (え…じゃあ…これ…私って…こと…なの…) 事実を目の当たりにされ、呆然と鏡を眺めてしまった。 【わ…わん…わ…んぅ…わんっ!!】 (うそ!うそでしょ!そんな!) 私は両手で自らの頭を触る。 すると、私の頭の周りには確かに、何かが頭を覆っている感覚がある。 つまり、私の頭を覆っているのは、鏡に映った着ぐるみの犬のマスクという事。 そして、鏡に映る犬の着ぐるみもやはり、私の行動と同じ様に、自らの頭を両手で触っている。 という事は、やはり、そこに映っている犬の着ぐるみは私で間違いない。 つまり、私は今、目の前に映り込んだ、着ぐるみの犬の中に閉じ込められているという事なのだ。 「理解できたかな??ここは【ペットと泊まれるホテル】なんだよ」 その事実を認識し、愕然としていると、和弥がそう言った。 【わ…わんっ!??】 (ぺ…ペットと泊まれる??) 「それでね、杏沙がペットになりたいって言うから、この特別なホテルを予約して、杏沙の願いを叶えてあげたのさ」 【わ…わんぅ…】 (そ…そんな…じゃあ…私が…ペットだっていうの…??) そして私は、改めて自らの体に目を向ける。 すると、私の体は完全にこの犬の着ぐるみに包まれているようだった。 (うそ…そんな…私…こんな意味で言った訳じゃ…) 【わ…わんっ!!わうぅぅぅぅ!!!】 (い…いやぁぁ!!こんなのいやぁぁぁ!!!) 私は大声を上げながら、なんとかこの着ぐるみを脱ごうと、必死に両手で頭部のマスクを剥がそうとする。 しかし、両手は着ぐるみの前足に包まれており、犬の手の形になった着ぐるみでは、まともにマスクを掴むことすら出来ない。 マスクすら掴めないのだから、ましてやどこかにあるだろうファスナーなど、到底掴むことは出来ないだろう。 しかし、私は何とか脱ごうと必死に藻掻いた。 【わんっ!!!わんぅぅぅぅ!!!】 (いやぁ!!脱がして!!脱がしてよぉぉぉ!!) そして、暫く必死に犬の着ぐるみを脱ごうと抗ったが、一向に脱げる気配がない。 どこをどういじろうが、引っ張ろうが、全く脱げる糸口が見つからない。 マスクに至っては、恐ろしい程に私の頭部にフィットし、マスクを動かしたままに私の頭部も動いてしまう。 (うぅ…だ…ダメだ…これ…絶対に…自分では脱げない…) 自分で脱ぐことが出来ないと悟った私は、一旦落ち着きを取り戻した。 そして、少し落ち着きを取り戻した所で、自らにある違和感に気が付く。 (な…なに…なんか…お尻に…なんか違和感がある…。それに…なんか…お腹の中に…) 経験のしたことのないお尻の違和感。 そして、お腹というか下腹部にも、なにか別の違和感を覚えた。 とにかく、何にしても和弥に脱がしてもらうしかない。 私は和弥の方へ向き直し、和弥へと詰め寄って行った。 動こうとした事で気が付いたが、私の足は膝で折り畳まれて、犬の着ぐるみに入れられているらしい。 和弥のもとに詰め寄るのにも、四つん這いの状態で進むしかない。 動くたびにお尻とお腹の違和感が主張する。 そして、和弥のもとに辿り着いた私は、言葉にならない鳴き声で、和弥に抗議した。 【わわんっ!!わんぅぅ…わぅぅぅ!!】 (ちょっと!!和弥!!ふざけてないで、これ、脱がしてよ!!) するとそんな私の様子を見た和弥が、呆れたとでもいうような表情を浮かべた。 「何を言ってるんだい??杏沙の願いを叶えてあげたんだよ…俺は」 【わんっう!!わんわんわん!!!】 (ふざけないで!!こんなの私は願ってないわよ!!) 犬の鳴き声で吠えながら、前足で和弥を叩くような仕草をした。 「しょうがないな…飼い主のいう事を聞けないなら…」 すると、和弥がそう言いながら、小さなタブレットを手にした。 (!?な…何!?それ??) タブレットを手にした和弥は、にやりと笑みを浮かべ、そのタブレットに指を当てた。 【ピッ】 【わんんんんんぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!】 (んあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!) 和弥がそのタブレットに触れた瞬間である。 私の体内から、今までに味わった事のない刺激が訪れたのだった。 その刺激は、私の陰部の中から来ている。 先程から感じていた下腹部の違和感…それは陰部から感じていたのだ。 そこに挿し込まれているのは、恐らくバイブやローターの類のものだろう。 しかし、この陰部の内から与えられる刺激…それはバイブやローターがただ動いているというレベルのものではなかった。 そう、中を掻きまわしながら、中で不思議な痛みのようなものすら与えて来ているのだ。 その耐えられない刺激に、私は体を仰け反らせ、カーペットの上に転がり込んだ。 そして、そのままカーペットのうえでのたうち回る。 【わんぅぅぅぅぅぅぅぅ!!わんぅっ!!うぅぅぅぅ!!!】 (あうぅぅぅっ!!なにぃ!?なにっ…これぇぇぇぇぇ!!!いやぁぁぁぁ!!やめてぇぇぇ!!) 私は両手で陰部を抑えながら、必死にその刺激に耐える。 その刺激を何とかしようとするが、それはあからさまに体の内部から来ているものであり、外からどうする事も出来ないのだった。 両手が人間の手ならば、どうにかなりそうなものだが、犬の着ぐるみの手ではどうしようもない。 更には、私は着ぐるみに包まれているのだから、体の内部からの刺激は、どうしようもないのだ。 (いやぁぁぁ!!お願いっ!!止めてぇェェ!!!これムリィィィ!!!) 【うんぅぅぅぅぅぅ!!!わんっ…わぅぅぅぅぅぅ!!】 私はカーペットの上をひたすら転がりながら、その刺激に必死に耐える。 しかし、その刺激は耐えがたいものであり、直ぐに私の心を窮地へと追いやる。 すぐにでも絶頂を迎えてしまいそうな程の刺激。 しかし、この刺激は普通ではない。 もし絶頂を迎えてしまって、その後もこんな刺激を与え続けられたら、とても耐えられるもののではない。 (これ!止めてぇェェェェ!!いやぁぁぁ!!頭が…頭がおかしくなるぅぅぅぅ!!!) その刺激がもう少しで私を絶頂へと導こうとしていた。 しかし、絶頂を迎えれば、その後には地獄がくるのは確実。 とはいうものの、襲い来る快楽の波は止められない。 【わぅっ!!わんんっ!!わんんっ!!わぅぅぅぅぅぅ!!!】 (もういやぁぁぁぁぁ!!!やめてぇっ!!お願いっ!!もう…もうムリィィィィィィィィ!!!) もう限界だと思ったその時だった。 ピタッとその刺激が止んだ。 【わっ…んぅ…】 (んぁっ…ぅ…) 刺激が止まり、のたうち回っていた体が動きを止めた。 体を動かすのも止めるのも、既に自分の意思ではなくなっていた。 (はぁ…はぁ…はぁ…とま…とまった…はぁ…はぁ…はぁ…) 体から力が抜けきり、その場に崩れ落ちながら、呼吸を乱していた。 すると、和弥がそんな私の傍に近づき見下ろす。 「分かったかな??いう事を聞かないペットには【お仕置き】をしなきゃいけないんだ」 【わ…わんっ!!わんぅぅ!!!】 (お…お仕置き!そ…そんなの…!!) 和弥のその言葉に反論しようと声を上げたが、その瞬間、和弥が再びタブレットに指を掛けた。 その瞬間、先程の刺激が頭を過り、反論しようとする私を止めた。 【わ…わん…うぅ…】 (わ…わかった…あれは…あれは…ムリ…) お仕置きが再び訪れるのを恐れ、私は反論を諦めた。 そして、抵抗が出来ない事を悟り、その場に座り込んだ。 「よし…いい子だ。物分かりが良くて、よろしい…」 そう言いながら、私の頭部を撫でる和弥。 もう私には抵抗することは出来ない…和弥にされるがままなのである。 すると、和弥は立ち上がり、話を始めた。 「明日の昼まで、このホテルに滞在する事が出来る。そして、それまでは俺が飼い主で、杏沙は俺のペットだ。充分にペットライフを満喫してくれよ」 【わんぅぅ…】 (私は…ペット…) 「もう分かってると思うけど、言葉は喋れない。そして、このホテルに宿泊している他の客も全て、ペットを同伴している。その全てのお客が、ペットはペットとして接し、決して人間として見る事はないらしい。だから、杏沙もペットになり切っちゃえばいいんだよ」 確かに言葉は奪われている。 両足は拘束され、全身も着ぐるみに包まれている。 もう既に状態としては【人間】ではない。 今の和弥の発言からするに、私はペットとして過ごす他、道は無いという事だ。 「後、色々な杏沙の情報が、俺の持ってるタブレットに表示されるから、安心して。【脱水】なんて表示があって、それが表示されたら、水を飲ませなければいけないとかね。あ…他にも、【排尿】【排便】も表示されるらしいよ」 (え!?は…排尿!?) 和弥が今、とんでもない一言を言い放った。 (う…嘘…そ…それじゃ…おしっこしたくなったら…和弥に分かっちゃうって事!?) 自らの体の状態が、和弥に晒されていると思うと、恐ろしく恥ずかしく感じる。 「さて…せっかくだからホテルを満喫しなきゃ。外に庭園があるらしいから、散歩に行こうか…杏沙…。ん!?…そうだ、名前も変えないとな…。じゃあ、名前を【アサ】にしようか。アサ!!じゃあ、散歩に行くよ」 私の驚愕など他所に、淡々と話を進めていく和弥。 しかし、その和弥の指示に私は逆らえないのだ。 【わ…わうぅ…】 (い…行くしか…ない…) そして私は首輪にリードをつけられ、部屋の外へと連れ出された。 首輪にリードを付けられた事で、一層、ペット感が強まる。 そう…私はリードに繋がれた犬…和弥のペットなのだと…。 そして、部屋を出た私たちは、エレベーターへと向かって行った。 私の体制は四つん這い状態。 手は伸ばせているが、足は折り畳まれ、膝で歩いている。 この進み方、予想以上にきつい。 少し進んだだけで、かなり息が上がってきた。 (はぁ…はぁ…はぁ…この体勢…かなりきついよぉ…) しかし私はペットである以上、四足歩行で無くてはならない。 この状態で進むしかないのだった。 不思議と床についている膝は痛くはない。 痛みより何より、この歩き方で進むことのきつさが一番であった。 そして、足を動かす度に、お尻の違和感が主張する。 恐らく歩くたびに揺れる尻尾…それが私の肛門に挿し込まれているのだろう。 その違和感もまた、私の歩みを阻害する一つであった。 普段のように、二足歩行で行けば直ぐのはずのエレベーターまでの距離が、恐ろしく長く感じる。 そして、かなりの時間をかけ、同フロアのエレベーター前へと辿りついた。 【はぁ…はぁ…はぁ…】 (はぁ…はぁ…きつい…これだけの…距離なのに…きついよ…ぉ…) 激しく上下する肩。 幸いにも、着ぐるみのマスクの呼吸口がそれ程狭くはないので、窒息する事はなさそうだ。 しかし、普通の人間のように、なにも被っていない状況に比べれば、もちろんマスク内で空気も籠り、呼吸はしにくい。 「じゃあ、エレベーターに乗るね」 エレベーターが到着したらしく、私は和弥にリードを引かれ、エレベーターへと乗り込んでいった。 そして、エレベーターで一階へと降りていく。 一階に到着し、エレベーターのドアが開き、私は再び歩く事を強要される。 そして、エレベーターから出た所で、和弥がキョロキョロと辺りを見回した。 「えっと…庭園は?…っと…」 暫く辺りを見回していた和弥が行先を見つけたようだった。 「あっ!?あっちか!いくよ、アサ」 そして、再びリードが引かれ、私は進み始めた。 (す…進まなきゃ…) 私は必死に手足を動かし、和弥について行くのだった。 そしてようやく庭園に到着した。 【ウィィィン…】 庭園へ続く自動扉が開き出ていくと、和弥が感嘆の声を上げた。 「うわっ!凄いな…。こんな綺麗な庭園が…」 そこに広がっているのは、小さな池を囲むように作られた森のような草原のような風景。 どこかヨーロッパの森を感じさせるような、優雅な雰囲気。 かなりの敷地面積があるらしく、そこそこ広い空間であった。 遠巻きに、池の畔の椅子に座っているお客も見えた。 もちろんそのお客の足元には、私と同じような【犬】が一匹、連れ添っている。 「さて、俺たちも池の傍まで行ってみようか…」 そう言って、私たちは池の水際まで進んでいった。 「うわっ…水…綺麗…」 その池の水は透き通るような透明感で、この庭園の清潔感を醸し出す。 「綺麗な池だね…アサ。ちょっと向こうの森のほうまで行ってみよう」 和弥はそう言って再びリードを引く。 正直なところ、ここまで進んで来ただけで、体のきつさと呼吸の乱れで、その池の綺麗さに気を回す余裕すらなかった。 そして、和弥の言う森の方へと向かっている最中、私に来てはならないものが訪れた。 それは【尿意】である。 (うぅ…やばい…ちょっと…おしっこしたくなってきた…) そう感じたものの、まだ和弥は気が付いていない。 という事は、あのタブレットに表示されていないか、もしくは、表示されていても和弥が気が付いていないかのどちらかである。 (ぅ…で…でも…まだ…我慢できる…) 私はその尿意を必死に抑えながら、手足を動かし、和弥について行った。 しかし、尿意というものは、なかなか収まるものではない。 膝を曲げた状態という、不思議な状況で進むことで、変な刺激が加わり、徐々に尿意を進めていく。 相変わらず乱れる呼吸…。 それは四足歩行でのきつさからもあるが、尿意を我慢しているという所からもきていた。 【はぁっ…はぁっ…はぁっ…】 (きつい…きつい…それに…おしっこが…うぅ…) そんな状況に耐えながら必死に進む。 そして、ようやく木々の生えた辺りへと到着した。 【わ…わんぅ…ぅぅ…】 (うぅ…だめ…も…漏れそう…) ようやく目的地についたのではないかという安堵もあり、一気に尿意の方に意識が向かった。 すると、ついに私の様子の変化に気が付いた和弥が言った。 「ん?アサ、どうしたんだい??疲れちゃったのかい??」 【わ…わんぅ…】 (んあっ…だめ…気が付かれちゃう…) 出来るかぎりばれないように振舞っているつもりだが、尿意を我慢しているので、モジモジと腰を動かしてしまう。 「ん!?」 すると、ついに和弥がタブレットのほうに目を向けた。 (や…やばい…) そのタブレットの画面を確認した和弥が私の方に目線を向け、笑うような表情を浮かべた。 「そっか、そっか、アサはおしっこしたいんだね!」 (ば…ばれた!!!) 私の体の状況は掌握されている。 確実に私の尿意はばれているのだが、本能的にそれを隠そうと、下半身に力を入れてしまった。 「分かった、分かった。我慢は良くないよ。じゃあ…しよっか」 (うぅ…だめだ…完全にばれてるよぉ…。トイレに…トイレに行かせて…) すると和弥からの指示が来た。 「よし、じゃあ、アサ。立ったまま動かないでね」 (立ったまま…動かない!?なんで…??) そうは思ったものの、私は和弥には逆らえない。 しょうがなく、私は四足で地面にたったまま、その動きを止めた。 すると、和弥が私の視界から消える。 どうやら後ろのほうに行ったらしいが、動かないように言われた私にそれを確認する事は出来ない。 (んっ!?) 何か一瞬ではあるが、股の付近を触られた気がした。 しかしそれは、ほんの少しの感触で、本当に触られたのか分からない程度のものだった。 (早く…トイレに行かせてよぉ…) すると、そんな私の懇願とは裏腹に和弥が驚愕の一言を言い放った。 「よし、アサ。もういいよ、おしっこして」 (え!?な…何!?ど…どういう…事!?) 突然、おしっこをしていいと言われ、激しい動揺に見舞われる。 (え!?何??おしっこを…していいって…え!?なに??) 私は恐る恐る、自らの首を下へ向け、先程消え去った和弥の方向、つまり、私の下半身の方へと視線を向けた。 (え!?…こ…このシート…ペット用の…トイレシート!?) 犬を飼っている私にとって、見慣れたそのアイテム。 使用用途は重々理解している。 ペットがこのシートの上におしっこをすると、吸収してくれるシート。 そのシートが今、私の後ろ脚の下に敷かれているのだ。 (そ…そんな…じゃ…じゃぁ…このシートに…おしっこをしろって…こと…) 四つん這いの体勢で後ろ足の下に敷かれたペットシート。 つまり、この態勢のまま、ここでおしっこをしろという事なのだ。 それは、和弥の目の前でおしっこをするという事に他ならない。 【わうぅぅ…うぅぅ…うぅぅ…】 (そ…そんな…いやぁぁ…恥ずかしい…恥ずかしすぎる…出来ないよぉ…) 首を横に振り、和弥の目の前でおしっこをするなんて出来ないという意思表示をする。 【わぅぅ…わ!?わぅっ!?】 (いやぁぁ…ん!?…ちょ…ちょっと待って…え!?…このまま…おしっこが出来るって事は…も…もしかして…私のアソコって…外に出てるって…こと!?) ここに来て気がついてしまった。 確かに陰部付近がスースーするとは思っていたが、四足で歩く事に必死で、体を丸めて、そこを確認することはしなかった。 しかし現状を考えると、そのまま着ぐるみの中身である私の尿が、下に敷いてあるペットシートに辿り着くという事は、つまりそこに何も障壁は無いという事。 この着ぐるみを着せられた時から、私の陰部は晒されていたという事なのだ。 (いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!そんなぁぁ!!そんなぁぁぁぁぁ!!) 陰部を晒していたという事実…その事実は変えられない。 その変えられない事実よりも、これから襲い来る、人前での放尿という恥辱的行為のほうが、はるかに問題だ。 晒していた陰部は体勢によっては見えないだろう。 しかし、放尿に関しては、どこからどう見ても放尿なのだ。 しかも、和弥がご丁寧に用意してくれた場での放尿。 その視線から逃れる事は出来ない。 【わぅぅぅ…うぅぅうっ…わぅぅ…】 (いやぁぁ…出来ないよぉ…うぅ…でも…おしっこ…漏れちゃうぅ…むりぃぃぃ…) 膀胱に溜まったおしっこは、そろそろ限界を迎えようとしていた。 しかし、和弥の目の前で放尿する訳にはいかない。 それでも、私は必死に我慢し、なんとかトイレに連れて行ってもらえるのを期待した。 「アサ…おしっこを溜めるのはよくないよ…。きちんとしないと。それに、変なところでお漏らししてしまったら、マナー違反になっちゃうよ」 【わぅぅぅ…】 (そ…そうだよぉ…だから…お願いだから…トイレに行かせて…漏れちゃうぅ…) 「しょうがないな…俺が少し手助けをしてあげよう…」 すると、そんな私の懇願とは裏腹に、和弥が突然、私の背中側から抱きついてきた。 (え!?何??) 驚いた次の瞬間であった。 なんと、和弥が私の下腹部を押して膀胱に刺激を与えてきたのだった。 【わうっ!!わぅぅぅっ!!わぅぅぅっ!!】 (いやぁぁ!!でちゃうぅっ!!でちゃうぅっ!!そんな押されたら!!でちゃぅぅっ!!) 必死に我慢するが、もう既に限界だった所に与えられる刺激。 とてもその刺激に耐えられるはずもなかった。 そして、和弥はその刺激を一層、強めて来たのだ。 和弥がその刺激を増して、私の下腹部を押し込んだ瞬間である。 【わぅぅぅっ!!わぅぅぅぅっ!!】 (んあぁっ!!ダメっ!!あぅっ!!でちゃ…でちゃうぅぅぅぅぅぅぅ!!!) 【チョロ…】 私の我慢の限界を迎えた。 ダムが崩壊し、おしっこがついに漏れ始めてしまったのだ。 するとそれを確認した和弥が更に膀胱に刺激を与え始めてきた。 (んあぁぁっ!!おしちゃっ!おしちゃっ!いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!) 何とかおしっこが出ないように抵抗するも、一度崩壊したダムは、元に戻る事は無い。 あとは一気に崩れ去るだけだった。 【わうぅぅぅぅぅ…】 【ジョロジョロジョロ…】 (んあぁぁぁぁぁぁぁ…いやぁぁぁぁぁぁ…見ないでぇぇぇぇ…) ついに大量のおしっこが私の陰部から流れ出て、ペットシートへと向かって行った。 そのおしっこは止まる事は無い。 私はトイレでもないこの場所で、しかも和弥の目の前で、おしっこをしてしまったのだ。 一度出始めたおしっこは止められない。 【わ…うぅ…わ…うぅ…】 (いやぁぁぁぁぁ…おしっこ…おしっこ…でちゃったぁぁ…) その出ていくおしっこと共に、何かが崩れ去っていく。 そう…私の頭の中の何かが…。 私は頭をガクンと落とし項垂れた。 そして、勢いよく流れ出ていたおしっこも止まり、最後の一滴を絞りだしたのだった。 すると、和弥の声が聞こえた。 「よし、よくできました」 【わんぅっ!!】 (んうっ!!!) 突然、触れた陰部の感触に体と声が反応してしまう。 どうやら、和弥がティッシュペーパーで私の陰部を拭いてくれたようだ。 他人に陰部を拭かれるなど、物心ついてから一度もなかった。 なので、その感触に不思議な感覚を感じてしまい、つい体ビクンと反応してしまう。 「よしよし、いいこいいこ、よくできました」 そう言って和弥は、私の頭を撫でくれた。 「じゃあ、片付けをするから、ちょっと待っててね」 そして和弥がそれを片付けている間も、私はその場を動くことが出来なかった。 (あぁ…私…私…和弥の目の前で…おしっこ…しちゃった…。なんて…なんて事を…いや…いや…いやぁぁぁ!!恥ずかしい…恥ずかし過ぎる!!いやぁぁぁぁぁ!!!) その場に固まりながら、恐ろしい程の羞恥心に苛まれる。 彼氏とはいえ、おしっこを目の前でするなんて、なんて恥ずかしい事なのだろう。 まずもって、他人の前でおしっこをするなんて、そんな状況があるはずもない。 もう終わってしまった事だが、恥ずかしさしか残らない。 私は犬の着ぐるみを着せられ、あたかも獣の如く、排尿をした…。 もう既に、犬なのかもしれない…。 犬でなければ、こんな恥ずかしい所業を出来るはずは無い…。 そんな思いすら浮かび上がってきた。 すると片付けを終えた和弥が戻ってきた。 「よし、じゃあアサもよく出来たし、あっちの木陰の方へ行ってみよう」 そして、私はその羞恥心を抱えながら、再び和弥に連れられ足を進めるのだった。