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アンドロイド潜入捜査 Side Story ~ 結菜 Side ~ 【前編】

※本作は【アンドロイド潜入捜査】のサイドストーリーとして書かれています。 ですので、本編をご覧になった事が前提での表現となっておりますので、ご了承下さい。 ・・・ 「【茂峰(しげみね)】社長…どうか…どうか…考え直して頂けませんか…?」 私の目の前には、ロイドノーツ社の社長である茂峰さんが座っている。 「考え直せと言われても、君のお父様の会社が我が社に与えた損失はかなりでかいのだよ…。そこを理解しているかい?【城ケ崎(じょうがさき)】くん…いや…それでは、君のお父様と同じ呼び名になってしまう。【結菜(ゆな)】くんのほうがいいかな?」 私の父が経営する、【ミストリアカンパニー】は、ロイドノーツに部品を供給するグループ会社である。 そして、ある時、ミストリアカンパニーが納めた部品に不具合が発生した。 不具合といっても、実際にはミストリアカンパニーが全面的に悪い訳ではない。 納めた部品の合わせ側になる部品との相性の問題だったのだ。 しかし、合わせ側になる部品をつくる会社が、裏で動き、全ての責任をミストリアカンパニーに擦り付けたのだ。 そして、その責任から、ミストリアカンパニーはロイドノーツ社から取引停止を宣告された。 その事実に憔悴しきった父を見兼ねて、私が直接、社長の茂峰さんに直訴しに来ていたのだった。 実は父と茂峰さんは、古くからの付き合いで、私自身も茂峰さんと面識がある。 そんな、茂峰さんがミストリアカンパニーと簡単に縁を切るというのも、少し信じ難い所もあったのだ。 「父の会社が、ロイドノーツにご迷惑をかけた事は知っています。しかし、あれは相手方の会社の陰謀で、ミストリアカンパニーは悪くないはずでは…」 「もちろん、それは承知しているよ。しかし、会社というのはそう簡単ではない。表向きの話というのもあるんだよ」 「そんな…。でも…お願いします!!もう一度考え直して頂けませんか!!父は…父の会社を助けてください!」 私はなんとなく茂峰さんのいう【表向き】という話も理解できた。 恐らく会社の内外での体裁や評判という所だろう。 それを言われてしまうと、私にどうこう出来るところではない。 だとすると、今の私に出来るのは、必死に頭を下げ、懇願することくらいだろう。 「う~ん…」 「お願いします!!私が…私が出来る事ならなんでもします!!ですから…」 そして私がくらいついて頭を下げたその時だった。 「ん!?そうだ…」 茂峰さんが困り果てた表情から、何かを思いついた表情に変わった。 「結菜くん…君は【何でも】と言ったね…」 「はいっ!私に出来る事であればなんでも!」 「その言葉に二言は無いね?」 「もちろんです!それで…それで…父の会社が助かるなら…」 「分かった…。その決意を尊重しよう。結菜くんにチャンスをあげよう」 「ほ…本当ですか!?」 「ああ…。しかしこれはあくまで【チャンス】にしか過ぎない。そのチャンスをものに出来れば、流れを変える事が出来る可能性は高い」 「あ…ありがとうございます!」 「私が【考えを変える】のではなく、君自身が【流れを変える】んだ」 「え…?ど…どういう事ですか…?」 「今度、【アストラルマテリア】の社長と会食があってね。その際に君も同席してもらい、社長に気に入ってもらうんだ。そうすれば、私の会社や、君のお父さんの会社を貶めた会社の人間たちも文句は言えまい」 「そ…そんな…事…私に…」 「まあ…方法はこちらで用意する。あとは君の決意と、当日の君次第という事だ」 「わ…分かりました。必ずやり遂げて見せます…」 「それじゃあ…日時はまた連絡する。その際に契約書にもサインをしてもらうよ」 「はい…ありがとうございます!」 すると、茂峰さんが先程までの固い表情を緩めた。 「それにしても、私の所に直接、こんなお願いしにくるとはね…。結菜くんでなければ、私に合う事すら出来ないよ…普通は」 「すいません…でも…なんとかしたくて…」 「まあいい…それも城ケ崎くんの今までの貢献によるものだからね。がんばりたまえ」 「はい」 そうして、私は父の会社を助けるべく、茂峰さんとの約束を取り交わした。 ・・・ そして、約束の日時を迎えた。 私は再び茂峰さんの元に訪れていた。 「結菜くん…決意に変わりはないかね?」 「はい!もちろんです」 「それじゃあこの契約書にサインをしてくれたまえ」 そう言って茂峰さんは私の前に、契約書を差し出した。 そこには、様々な文章が書かれている。 これから起こる事が自らの意思でやるものである事や、どういった事でも受け入れる事など様々な内容だった。 しかし、必死で父の会社をなんとかしようとする私にとって、どんな内容であっても受け入れるしかないのだった。 そして、私はその契約書にサインをした。 「よし…。それじゃあ、明日行われるパーティーと、その事前準備としての今日の流れを話そう」 「はい」 「明日、あるホテルでパーティーが開かれる。そのパーティーは社交の場でありながら、我がロイドノーツの新作アンドロイドのお披露目でもある」 (ロイドノーツの新作アンドロイド…) 「そして、そこで結菜くんには、パーティーの給仕をお願いしたい」 「はい…」 (パーティーの給仕??そんな簡単な事なの…?) もっと大変な内容を聞かされると思い、覚悟していた分、少し拍子抜けする。 「パーティーの給仕を…アンドロイドとしてやってもらうんだ」 「えっ!?な…どういう…??」 茂峰さんの言葉が全く理解できない。 「会場の給仕は新作のアンドロイドが行う。そして、結菜くんにはそのアンドロイドの一体になってもらうという事だ」 「えっ…で…でも…私は生身の人間ですし…」 「もちろん、君を改造手術するとかではない。分かりやすく言うなら、アンドロイドの着ぐるみを着て貰うという事」 「き…着ぐるみ…!?」 「見た目は、本物の新作アンドロイドと全く変わらない。そして新作アンドロイドは極めて人間に近い動きをする。つまり、結菜くんがへまをしない限り、そうそうばれる事はないだろう」 「は…はい…」 「これからアンドロイドの着ぐるみを着用してもらい、明日に備える。今日のうちに会場での行動に慣れておくように。分かったかな??」 「は…はい…分かりました」 つまり、私はアンドロイドとして他人にばれない様に、接客をすればよいという事。 しかし、そんな事をする理由が分からない。 ロイドノーツの新作アンドロイドが、それだけ高性能でその仕事がこなせるというのに、わざわざ、ばれたら問題になるような事を、あえてする必要がないのだ。 「し…しかし…茂峰さん…。なぜそんな事をするのですか…?ロイドノーツの新作で、充分に仕事はこなせるのでは??」 私は思い切って、疑問をぶつけてみた。 「フフ…それはおいおい話をしよう…。とにかく、今からアンドロイドになってもらうよ」 「は…はい…」 茂峰さんの本位は分からないままではあるが、今の私に拒否権はない。 言われた事をこなさなければ、目的は達成できないのだから。 「それじゃあ、作業は係の者達にお願いするから、私は暫く席を外すよ。それじゃ後はよろしく」 【パチン】 そう言って茂峰さんが指をパチンと鳴らせた。 【ガチャ】 すると扉が開き、そこから二名の女性が入ってきた。 「承知いたしました、社長。後は私たちで…」 その女性たちに目くばせをした茂峰さんは、そのまま部屋から出て行った。 すると、二人の女性が私の方へと歩み寄ってきた。 「城ケ崎様、これから私たちが着替えのお世話をさせて頂きます」 「は…はい…よろしくお願いします…」 私はどこか冷たさの感じる二人の女性に頭を下げた。 「それでは、まずは着ている服を脱ぎ、全裸になってください」 「ぜ…全裸…ですか!?」 「はい。そうでないと衣装がきれませんので」 「わ…分かりました…」 全裸と聞き驚きを隠せない私とは裏腹に、全く表情も変えずにそう言い切る女性たち。 その雰囲気から、素直に言う事を聞くしかないというのを分からされる。 私は言われた通りに着ていた服を全部脱ぎ、ブラジャーやショーツも脱ぎ去った。 そして、その衣服を畳んで揃え、その場に立ち上がった。 (うぅ…は…恥ずかしい…) 同性とは言え、裸の状態を二人の女性に傍観されるのは、やはり恥ずかしいものだ。 なんとなく、陰部と乳首は手で隠してしまう。 「それでは、まず、このタイツを着用してください」 そうして差し出されたのは、シルバーの全身タイツであった。 背中にファスナーがあり、そこから体を通していくようだ。 (は…早く…着よう…) 全身タイツを着た姿は想像できたが、とにかく裸よりは恥ずかしくないだろうと思い、直ぐにそのタイツを着用した。 足を通し、タイツを引き上げ腕を通す。 そして、頭部の部分に頭を通した。 すると顔の部分だけは丸く穴が開いており、私の顔だけが露出された。 「背中を閉めさせて頂きます」 【ジーーーーー】 背中のファスナーを閉められると、全身がキュっと締め付けられる感覚があった。 (こ…このタイツ…かなりフィットするな…) 少し厚めの生地の割りに、かなりの伸縮性があり、私の体にピッタリと張り付いて来る。 それだけフィットしているが故、見事に私のボディラインをトレースする。 タイツを着ているのに、何やら体を曝け出している感があり、少し恥ずかしさを感じた。 「それでは、外骨格を取り付けて行きます。まずは足から」 足には靴のようなものを履かされ、その後順にパーツが取り付けられていった。 【チュイーン】 何かドライバーではない、謎の工具でパーツが付けられて行く。 恐らく、特殊な道具でないと、外すことが出来ない装着方法なのだろう。 外骨格は脹脛、腿、腰、と部分部分に取り付けられていった。 幸いにも関節部には外骨格がないため、動きを阻害することはなさそうだ。 手袋を嵌めさせられ、胸部、二の腕、腕が取り付けられる。 そして首の部分がつけられ、残すは頭部のみとなった。 「それでは、マスクを取り付けます」 そう言って差し出されたのは、無機質な表情のマスクだった。 そのマスクは前後に二つに割れ、私の頭へと被せられた。 【カポッ】 前後のマスクがくっ付けられ、私の頭部がすっぽりと覆われた。 (うん…視界はいい…呼吸も…問題ない…) 被せられたマスク内に余裕は無く、私の頭部にかなりフィットしている。 そして、マスクを被せられた割に、視界がいい。 どういう仕組みかは分からないが、アンドロイドの目の部分から私の視界は確保されていて、はっきりと外の様子が分かる。 呼吸に関しては、鼻の穴、そして口の部分にも切れ目があるため、それ程苦しくもない。 試しに顎を動かしてみた。 (あっ…開いた…) 顎を開き、口を開けてみると、マスクの口も開いた。 マスクが柔らかい素材で出来ており、私の顎の動きに追従してくるようだ。 すると、女性たちが私にウィッグをとりつけ、頭部の処理が完了した。 「それでは、陰部の処理に入ります。腰のボタンを長押しして下さい」 (い…陰部の処理…!?な…何を…??) 女性たちの言葉に動揺は隠せなかったが、とにかく言われた通りの行動を取る。 【ピッ】 腰のボタンを長押ししてみた。 すると次の瞬間であった。 【カシャ】 「え!?う…うそ!?」 私の股間部、腰を覆う外骨格が開いたのだった。 陰部の部分だけが窓を開いた状態となる。 予想外の事に驚きを隠せなかったが、そんな私の驚きも流されるほどに作業は進んでいく。 「それでは股を開いて下さい」 「は…はい…」 言われた通り股を開くと、女性たちが私の股蔵の所にしゃがみ込んだ。 するとその女性たちの手が伸びて来て、私の陰部付近のタイツを触った。 「んぅっ!!」 突然のその感触に声が漏れてしまった。 そのまま作業が進められる。 【べりべりべり】 (え!?) なんと陰部付近のタイツが部分的に剥がされたのだった。 そんな構造になっているとは全く予想していなかった。 そして、そこが剥がされたという事は、中身の私の陰部が露呈したという事。 タイツは全裸で着ているのだから、そういう事になる。 (うぅ…は…恥ずかしい…よぉ…) 裸を見られるよりも、部分的にそこを露出しているというのが、妙に恥ずかしい。 「こちらもカモフラージュのため、処理させて頂きます」 そうして、私の陰毛は綺麗に処理され、更には、銀色の塗料のようなもので、私の陰部は着色された。 何故か念入りに、やや内部まで着色される。 (んぅぅ…そんな…中まで…あんっ…うぅ…) 陰部を弄られ、声が漏れてしまいそうになるが、必死に堪える。 そして入念に陰部が着色され、作業が完了した。 「陰部の処理は完了です」 そう言われ視線を落とすと、そこには銀色に塗られた私の陰部があった。 その銀色に塗られた陰部、光沢感のある銀色が、まるで金属のような雰囲気を醸し出し、自らの陰部と思えない感じであった。 すると女性が私に言った。 「再び腰のボタンを長押ししてください」 「は…はい…」 言われるままに腰のボタンを再び長押しする。 【ピッ】 【カシャッ】 すると、陰部の外骨格が閉まり、私の陰部は隠され、再び元の姿へと戻った。 いや…戻ったのはその外見だけである。 先程とは違う…。 さっきまでは外骨格の下にタイツがあり、私の陰部はそのタイツに覆われていたが、今はそのタイツがない。 つまり、見た目は同じだが、外骨格の下には、私の陰部がそのまま露呈されているのだ。 (うぅ…なんか…さっきより…股がスースーするよぉ…) 先程までのフィットしたタイツがなくなり、陰部が解放されているような感覚に陥る。 「城ケ崎様、この機能により、アンドロイドを着たまま、排尿が可能となります。排尿に関しましては、後ほど装置のご案内をさせて頂きます」 (そ…そうか…外骨格を開ければ、私のアソコは曝け出されるんだから、おしっこも出来るんだ…) 「という事で、これで衣装の準備は完了となります。これからは、アンドロイドとしての明日の仕事の説明と、言葉使い等を覚えて頂きます」 「わ…分かりました…」 そして、完全にアンドロイドの着ぐるみに包まれた私は、その女性たちから、明日の仕事の説明を受ける事となった。 着替えをした場所から移動をする。 女性たちに連れられて移動した先は、明日のパーティー会場であった。 そして、そこで仕事の説明を受け、ドリンクの場所や、食べ物の場所等の説明を受けて行った。 暫くそんな説明を受けていると、ある事に気が付いた。 (ふぅぅ…。これ…結構…暑いな…) タイツ一枚の衣装に外骨格がついただけなので、それほど暑いとは思っていなかったが、時間が経つにつれ、そのタイツがかなり熱を籠らせるのを感じ始めた。 通気性の無いタイツではあったが、どうやら水分も通さないらしい。 体から噴き出始めた汗がタイツ内に留まるのを感じる。 (す…凄い…汗…) この汗がタイツ内をつたい、足から沁みだしてくるのではないかと感じる。 しかし、どういう構造なのか、その気配は見受けられない。 私から噴き出した汗は、私とタイツの間に溜まっていっているということだろうか…。 「城ケ崎様、それでは場所の説明は終わりです。あとは言葉使いの練習をお願いします」 「は…はい…はぁ…はぁ…」 暑さから少し呼吸が荒くなり、喋った後に息が漏れてしまう。 「城ケ崎様、あなたは今、アンドロイドなのですから、はぁはぁといった呼吸音を出すのはおかしな事です。我慢してください」 すぐに呼吸が荒れた事を指摘された。 「は…はい…」 (そ…そうか…呼吸音は…でないように我慢しないと…) 私は少し苦しさもあったが、言われた通りに我慢する事にした。 そして、その後、一人称や二人称、どんな言葉を使うかをレクチャーされた。 「これにて、練習は完了です。最後に補給と排尿の説明をさせて頂きますので、こちらへ」 「は…はい…」 そうして、私はパーティー会場のすぐ横にある一室に連れていかれた。 「え!?ここは!?」 その部屋に入ると、私の目に飛び込んできたのは、私と同じ姿のアンドロイド達であった。 そして、そのアンドロイド達は何かの装置に接続されていた。 「ここはアンドロイド達の定期補給室です。城ケ崎様の識別番号は【AK-1】となっておりますので、その番号の書かれた装置をお使いください」 「は…はい…」 そして私は恐る恐る、AK-1と書かれた補給装置の所へと行った。 「このAK-1用の補給装置は、もちろん他の個体の物とは別物になります。他の補給装置は、本当に動力に必要なエネルギーを補給しております。しかし、あなた様は中身は人間。つまり全く別の装置となるわけです」 「わ…分かりました…」 「それではこちらの足のマークがある部分に立って下さい」 「はい」 私は言われた通り、装置を背にして、足のマークのある場所に直立した。 すると、その装置が起動し始めたのである。 【機体ナンバー:AK-1を確認。補給および処置を始めます】 【ウィィィン…カシャ】 その音声が装置から流れたと思うと、装置の方から棒が伸びて来て、私の背中側の腰にそれが接続された。 (ん…?これ…腰が動かない…) どうやら私はその棒によって、腰を固定されたようだ。 すると、次はアームが動き出し、私の口元に透明なホースを運んできた。 そして口の位置を認識したアームが、私のマスクの口の所にホースを差し込んできたのだ。 ホースがマスクの口を貫通し、私の生の口の中へと到達する。 【補給を開始します】 すると、そのホースの先から液体が流れ出始めた。 (あっ…やばい…飲まないと溢れちゃう…) 【ゴクッ…ゴクッ…ゴクッ…】 自動で供給される液体を勢いよく飲んでいく。 自動に出てくるが故に、早く飲まないと口から溢れてしまう。 さらに言うなら、しっかりと飲まないと呼吸が阻害されるのだ。 私は与えられた水分をしっかりと飲み干した。 【それでは、次の処理に移ります】 その音声が流れると、別のアームが現れ、先がラッパのようになっているホースを運んできた。 そして、そのアームはゆっくりと私の陰部の方に向かって行った。 すると次の瞬間である。 【カシャ】 (え!?ひ…開いた!?) 腰のボタンを押していないのに、私の陰部を覆う外骨格が開いたのである。 そこが開いたという事は、私の陰部が露呈されたという事。 (うぅ…は…恥ずかしい…) 恥ずかしさのあまり、つい足をモジモジと動かしてしまう。 しかし腰が固定されているため、その場から移動することは出来ない。 すると係の女性から私に指摘が入る。 「あまり、動かないで下さい。処理の妨げになりますので」 「は…はい…」 銀色に塗られているとは言え、陰部を曝け出しているのには変わりはない。 それを他人に見られていると思うと恥ずかしい。 しかし、世話役の女性たちは、まるでそんな空気を感じさせないほど、冷静な態度で私に視線を向けている。 その彼女たちの冷静さが、恥ずかしがる私を否定している気がしてつらい。 そうこうしているうちに、ラッパ付きのホースが私の陰部へと近づいて来た。 そしてそのまま、私の陰部を覆うようにそのラッパが当てがわれた。 【ブゥゥゥゥン】 するとそのホースが吸引を始めたのである。 吸引と同時に、私の皮膚に張り付くラッパ。 陰部に掃除機をかけられているような形となる。 すると係の女性が言った。 「どうぞ、排尿をしてください」 「え!?」 彼女は排尿と言った…つまり、この状況で、わたしにおしっこをしろというのだ。 他人に見られる中、こんな掃除機に吸われたような状態で、おしっこをしろと…。 (そんな…こんな状況で…おしっこなんて…) 物凄くしたいという訳ではないが、ここまでの時間、全くしてきていないので、溜まってもいる。 しかし、こんな人に見られている前で、そんな簡単に出来る訳はない。 (うぅ…そんな…見られてる前じゃ…) そんな私を見ていた係の女性が口を開いた。 「とりあえず今回出すために、刺激を与えましょう」 「え!?」 女性がそう言った次の瞬間であった。 【シュウゥゥゥゥ!!】 ホースのラッパ内に生暖かい水が、噴射されたのである。 (うんぅぅぅぅぅぅぅっ!!) そしてその水流が、適格に私のクリトリス部分を捉えて来た。 けっして漏れそうという訳ではないが、その刺激により、少し緩みが生じる。 (んぅぅぅぅ…これ…んあっ…出ちゃう…うぅっ…) 【おしっこ】というフレーズを意識させられていたため、無意識のうちに、この刺激とおしっこを頭の中で結び付けてしまう。 その刺激により、尿意が一気に引き上げられ、更に与え続けられる刺激により、【我慢】という行為を皆無にさせられた。 (んぁっ…出る…出ちゃウゥゥゥ…) 【ジョロジョロジョロ…】 私のおしっこが出始めた途端に、止まる水流。 その結果、私が排出する様を、女性たちにしっかりと目視されたのだった。 (んあぁ…いや…ぁ…は…恥ずかしい…) 大量ではないが、人前でおしっこをしてしまった。 恐ろしいほどの羞恥心が私を襲う。 (うぅ…人前で…おしっこ…なんて…) そうして、最後の一滴を絞りだすと、再び先程の水流が私の陰部に襲いかかった。 【シュゥゥゥゥゥ】 (んぁっ!!) この水流、本来の目的は、このための物であろう。 おしっこをした後、陰部を洗い流すための、ウォシュレットのようなもの。 そして一通り、水洗が終わると、生暖かい風が吹き付けられ、陰部を乾燥させれた。 その処理が終わると、アームは離れて行き、再び私の陰部の外骨格の扉が閉じられた。 (んぅ…お…終わった…の…) 「これが、AK-1のエネルギー補給と排泄処理の方法になります。今後は排泄したい時に、ここに来れば排泄可能です。あと…大きいほうの排泄の場合は私たちが処理しますので、その際はお申し付け下さい」 【ガチャ】 すると腰の留め具が外れた。 「これにて、全ての準備と練習は完了です。本日は、この部屋の横にある個室で過ごして頂きます。この後、社長がお話があるそうなので、私たちの役目はここで終了となります」 「あ…ありがとうございました」 「それでは、そちらの部屋にて社長をお待ちください」 「はい」 そうして、係の女性たちは私のもとから去って行った。 そして、私は言われた通り、隣の個室へと入って行った。 【ガチャ】 扉を開けると、それ程広くはない部屋の中に、ベッドがポツンと一つだけ設置されていた。 私はその部屋の中に入って行き、ベッドの上に腰かけた。 部屋の中は空調がしっかり効いていて、先ほどまで感じていた着ぐるみの暑さが和らぐ。 そして改めて、自らの手足をに目を向ける。 そこには先程、補給部屋にいたアンドロイド達と全く同じ手足が目に映った。 (わ…私…本当にあのアンドロイドと同じなんだ…) 怒涛のようにここまで来たので、いまいちその実感が湧かなかったが、落ち着いてみると、自分がアンドロイドになっているというのを実感した。 (いろいろ教えられたけど…明日…しっかり出来るかな…) そんな不安に駆られつつ、自らの体を触り、自分に取り付けられた外骨格を確認していった。 その外骨格がどうやって接合されているか分からない。 ネジなどもなく、精巧に私の体に装着されている。 (これ…本当に取れるんだよね…。もしとれなかったら…私…一生このまま…。!?そ…そんな事はないはず!明日の仕事をしっかりやれれば…) 一人でいると様々なことが頭の中に過ってしまう。 【ガチャ】 すると、入口の扉が開いた。 「準備は出来たようだね、結菜くん」 「茂峰さん…」 部屋に入ってきたのは茂峰さんだった。 そう言えば、先程の女性が【社長から話がある】と言っていた。 私は直ぐにその場に立ち上がった。 「結菜くんに明日の事を説明しよう。明日、この前言った通り、アストラルマテリアの社長、秋平氏との会食がある。最初は結菜くんは会場で給仕の仕事をしていて欲しい。そして機を見て、私たちの会食部屋に呼ぶから、そこが君の勝負の場だ」 茂峰さんのいう通り、私の今回の目的は秋平氏になんとか気にいって貰う事。 つまり、その会食部屋での私の行動次第で結果が出る。 「そして、もう一つ教えておかないといけない事がある。どうやら私と秋平さんの間で不正な取引が行われるというガセネタが流されていてね。それを嗅ぎまわっている奴らをおびき出そうという話があってね…」 「え!?」 「先手を打って、我が社のアンドロイドの外骨格を、わざと横流ししたんだよ。そしてどうやら、それを使って、会場に潜入するらしい」 「そ…それを使って…って?」 「そう、つまり、結菜くん…今の君と同じようにだ…」 「私と同じ…」 「そう、生きた人間が外骨格を着て、アンドロイドに成りすまして潜入しようという事。それを追い詰めるために、君にも手伝って欲しいんだ」 「わ…分かりました…。で…どうすれば…??」 「その侵入者の個体識別番号はAK-2になるように仕向ける。そして、AK-1とAK-2を私たちの会食部屋に呼び寄せる。恐らく、侵入者は君の事を本物のアンドロイドだと思っているだろうからね…君の行動を真似しようとするさ」 「はい…」 「後は、私が一言いったら、結菜くんにやって欲しい事は一つだけだ」 「な…何を…」 「私が【プログラムA】といったら、私の性器を口で奉仕して欲しい」 「え!?…く…口で…奉仕!?」 私は茂峰さんのその一言に動揺が隠せなかった。 人生で今まで、男性の性器など咥えた事などない。 私にとっては、とんでもなく恥ずかしく、かつ、未知の領域であったのだ。 「もちろん強制はしない。私はその言葉を発する。しかし、君がやるかやらないかは、君の意思に委ねよう」 「そ…そんな…」 「それが出来れば、侵入者へのお膳立ては完了だ」 「は…はい…」 「まあ、時間はたっぷりある。一晩寝てゆっくり考えたまえ。それでは、私は退散させてもらうよ。…あっ…あと、君の着ているタイツだが、高性能な作りになっていてね…。汗はゆっくりと外に発散させられる仕組みになっている。それに、クリーニング機能がついているから、数日着続けても、君の体が不衛生になる事はない。安心して明日を迎えるといい。それじゃぁ…」 【ガチャ】 そう言って、茂峰さんは部屋から出て行ってしまった。 (く…口で…奉仕…) 未経験だが、メディアからの情報で、おおよその事は把握している。 抵抗はあるものの、チャンスを与えられた身なのだから、腹をくくってやるしかない。 私はそっと、自らのマスクの口に指を添えた。 指を押し込むと、柔らかいマスクの口が開き、指が私の口内へと入ってきた。 【チュパッ…】 自らの指を舐め、やるしかないという決心を固めるのだった。 そして、その夜、私はその部屋で一人で眠りについた。 明日起こる様々な出来事を想像しながら…。 ・・・ そしてパーティーの当日を迎えた。 当たり前の事だが、夜のパーティーまで、私はずっとアンドロイドの着ぐるみを着続けている。 栄養素のあるドリンクを口にするものの、固形物の食事は与えられない。 しかし、夜のパーティーに対する緊張感で、それほどお腹も空かなかった。 そして、水分補給と排尿だけをして、時間を過ごして行った。 「さて、パーティの始まる時間です」 着替えを世話してくれた女性達が現れ、私に出動するよう命じた。 そして私はアンドロイドとして、パーティー会場へと出ていったのである。 (うわぁ…いっぱい人がいるな…) パーティー会場に入ると多くのお客がいて、立食形式の飲食をしている。 私は、そこに出歩く、他のアンドロイドと共に、給仕の仕事につくのだった。 他のアンドロイドと違う事は、中身が人間だという事。 しかし、それがばれない様に振舞わなければならない。 私は、教えれた行動をしっかりと守り、給仕の仕事に徹した。 お客から頼まれた飲み物の提供。 減った食事の補充。 様々な仕事をこなしていった。 今の所、私を偽物だと感づいている人はいないように感じられた。 パーティー会場の中は、やや空調が暑く、着ぐるみ内の温度が上昇する。 しかし、そんなことで泣き言はいっていられないので、ばれない様に必死に振舞う。 暫くそんな事を続けていると、世話係の女性が私の傍へとやってきて耳打ちした。 「AK-1、補給部屋で補給をしてください。対象がそこで接触してきます」 (た…対象が接触!?って事は、侵入者が来るってこと!?) 作戦がついに開始されるという事が伝わり、一気に緊張感が走る。 「承知いたしました」 そう答えた私は補給部屋と向かった。 部屋に入り、私はAK-1の補給ブースへと足を向けた。 そして所定の位置にたつと、腰の固定具が現れ、私の腰を固定した。 そして、これまで通り、水分補給と排尿の処理が始まる。 ふと横に目を向けると、そこにはAK-2がもう補給体勢に入り、補給を行っていた。 【ザザザッ】 人の足音が聞こえた。 (来た!?) 直感的にそれが、侵入者だという事が感じ取れる。 しかし、今、私は補給中のアンドロイド…補給中は動きを止める。 つまり、首を動かして侵入者の方を見る事は出来ないのだ。 聞こえてくる音と気配で、様子を伺うしかない。 すると、侵入者たちは何かの作業を始めた。 「よし、このナンバー【AK-2】という個体にする。篠崎、任せた!」 「了解です」 (あっ…本当にAK-2を選んだ…) どうやら侵入者たちは、入れ替わりの個体にAK-2を選んだようだ。 茂峰さんがそう仕向けたらしいが、どうやって仕向けたのかは分からない。 とにかく、台本通り、AK-2に成り代わるらしい。 暫くして、侵入者の会話から、AK-2のハッキングに成功した事が分かった。 「よし、三井。これでお前はAK-2というアンドロイドだ。後はお前に任せる…頼んだぞ」 【は…はい…】 (三井…私と同じように、アンドロイドの着ぐるみに包まれた中身の女の人って事か…) そして、侵入者は着ぐるみのAK-2を残し、本物のAK-2を連れて、その場を去って行った。 暫くの間、AK-2に動きはないようだ。 そして、そのAK-2の中身の女の人に観察される中、水分補給と排尿を済ませた。 まさか、目の前のAK-1というアンドロイドの中に人間が入っていて、目の前で排尿をしているとは思わないだろう。 外からでは私が尿を出している様子は見えない様になっている。 しかしながら、妙な羞恥心が芽生える。 (うぅ…恥ずかしい…けど…ばれない様にしないと…) そして、私の補給が終わり、腰の固定具が外れた。 【ガチャ】 そして私は、アンドロイドとして、会場の給仕に向かうべく行動を開始した。 すると、後ろからAK-2が私に付いてくる。 (どうやら、私の行動を観察するみたいね…) そして、パーティー会場に戻った私は、AK-2に見抜かれないよう、アンドロイドとして振舞った。 暫く私を観察していたAK-2は、私の元を離れ、会場を散策し始めた。 私は自らの仕事をこなしながら、AK-2の様子を伺い続ける。 ある意味、どこかに消えてしまわないように、私が監視しているという事でもある。 そして、暫くの間、何も事が起こらず時が過ぎて行った。

アンドロイド潜入捜査 Side Story ~ 結菜 Side ~ 【前編】

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