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猪熊夜離
猪熊夜離

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【試し読み】任務に失敗した女スパイの末路は…(ドロシー/プリ○セス・プ○ンシパル)

Skeb依頼より。全体2万7000文字。ここでは約7000文字を公開。


原作:プリンセス・プリンシパル

キャラ:ドロシー

シチュ:あるときアンジェ&ドロシー(二人同時が無理ならドロシー)に竿役に暗殺任務がくだるが失敗し囚われ犯される

竿役とのセックスでのあまりの気持ちよさに身体は完堕ち

その後開放されるが味方組織には手を回されており逆らえず何度も呼び出され犯される

最後は秘密を暴かれ手の打ちようのない状況におとされ完全降伏

竿役は20歳くらいの若い文武両道イケメン。

本文


 ドロシーが身を捩ると後ろ手に拘束された手錠が耳障りな金属音を奏でた。両手首に嵌められた鉄の輪は緩む気配さえない。無駄な抵抗を試みていると長手袋の下で手首が痛んだ。


「あまり無駄なことはしないほうがいい。せっかくの綺麗な肌に傷がつくだけだ」


 正面に立った男が見下ろしてくる。美男子という言葉がピッタリくる男だった。金髪碧眼にドロシーを大きく上回る長身、剣術とレスリングで鍛えた身体は一見して取っ組み合いでは分が悪いと分かる。


 だからこそ油断した隙を狙って銃殺したかったのだが失敗した。


(くそっ! ドジっちまった。まさか狙いがバレてたなんて)


 ドロシーが任務失敗の悔しさで顔を歪めると、彼は勝ち誇った表情を作る。芝居の登場人物のように作り物めいた表情なのに、もともとの美貌が現実離れしているため不自然に感じない。


 だが美しいのはあくまで外見だけの話。彼は間違いなく悪魔のような人間だ。


 かつては一つの国だったアルビオン王国とアルビオン共和国。数年前に起きた革命の結果によって国は二つに分断され、両国の間には越えられない壁ができた。


 ドロシーは王国の生まれだったが父親の暴力に耐えかねて家出した日に革命が起き、以後は共和国でスパイになる訓練を受けながら過ごした。スパイになれば潜入任務で王国に戻れるからだ。身寄りのない幼い子供が一人で生きていくためには選択肢がなかったとも言える。


 スパイとなったドロシーは王国の名門学校クイーンズ・メイフェア校に生徒として潜入した。二十歳にして女子高生を名乗ることに抵抗がないわけではない。しかし潜入任務の|偽装身分《カバー》で名門校に通う女子高生というのは、なかなか適しているのだ。


「俺のことはどこまで聞いてきた」


 男の質問にドロシーは黙秘する。


「あまり安っぽい脅しは口にしたくないんだが、強情を張ると身のためにならんぞ。どうせ最後は吐きたくなるんだ。早く楽になったほうがいい」


 そう語る男の顔には嗜虐心が透けて見えた。きっとこれまでも多くのスパイに同じことを言ってきたのだろう。


 男の名前はアンガス・ユリシーズ伯爵。王国の名門貴族家の当主で元軍人。父親の急逝に伴い軍は除隊して爵位を継いだ。銃声とは縁遠い場所に引っ込んだ、お貴族様……というのは表向きの話。


 軍を辞めたあと彼は諜報部に異動した。任務は王国内に入り込んだ共和国のスパイを炙り出し、捕まえ、拷問して逆に情報を吐かせること。


 アンガスが猟犬に雇われてから既に共和国のスパイは二十人近く見つかっている。


(こいつはヤバいやつだ)


 経験からくる直感がドロシーに確信させる。彼のような危険な人物を相手にしていると自覚すると、恐怖心を抑えるため意識的に感情を麻痺させなければやっていられない。心を殺す。訓練では散々やってきた。


 そんなドロシーの反応を楽しむようにアンガスは続けた。


「そうだな、まずは名前を教えてもらおうか」


「……答えるつもりはない」


「ならば質問を変えよう。君は処女か?」


 口を開かないドロシーにアンガスは畳み掛ける。


「黙るつもりなら当ててやろう。夜会で男に胸を押しつけ、二人きりになりたいとハニートラップを仕掛けてくる女が処女とは普通なら考えにくいが、部屋に入ったとき君は僅かに身を固くした。さり気なく手首を掴んで脈も計ってみたが少しばかり速くなってたぞ」


 相手をするつもりはない。ドロシーは心を凍らせたまま男の言葉をやり過ごそうとする。


「試しにベッドに押し倒してみたときの焦りっぷりも、とても経験豊富な女には見えなかった。まるで実年齢よりずっと幼い少女のよう。見た目は色っぽいのに中身は初心なんだな。処女だからか?」


 疑問の形で発しながらも男は既に確信を持っている様子だ。


 アンガスの言うとおりドロシーは経験がない。養成所では女の武器に必要だからと男の楽しませ方は一通り教えてもらった。手でする方法、口でする方法、ドロシーのように胸元が豊かな女は男のモノを挟んで扱く方法。


 しかし世の中には処女であることにこだわりを持つ男も多い――特に手慣れていそうな見た目で経験がない女を贔屓する男も多いため、そういったターゲットへの要員としてドロシーは処女のまま王国に派遣された。


「当たったろ?」


 男が答え合わせを求める。


 それでも無言を貫いた。


「だんまりかい? この状況ではあまり賢い判断じゃないかもしれないよ」


 そう言って微笑むアンガス一歩こちらへ近づいてくる。明らかに加害の意識を持った男の接近。ドロシーは一歩後ろへ下がった。


「逃げることはない。君にとっても悪い体験じゃないはずだ。こう言うとあれだが俺は慣れてるからね。女の子が初めてを経験するには最適な相手だと思うよ」


 また近づいてくる。


 また下がる。


 数歩それを繰り返すと背中が壁に当たった。


 ここは夜会の主催者が用意したプレイルーム。破廉恥なパーティで出会った男と女が一晩だけの愛を語らう場所。だから必要な物はシャワーとベッドだけ。それなりの広さしかない。


 これ以上逃げ場がなくなったドロシーに彼がゆっくりと近づいてくる。そして耳元に顔を寄せてきた。


 耳たぶを舐めるような距離で囁かれる。


「大丈夫、最初はみんな不安になるけどすぐに良くなる」


「くっ!」


 生暖かい息が耳に吹きかかる。ぞわぞわする感覚に身を竦めたドロシーは歯を食い縛った。


 これから自分の身に起こるであろう事態を想像して鳥肌が立つ。ここで処女を失ったあと、彼が一回で解放してもらえるとは思えない。尋問という大義名分を得た男が捕まえた女スパイにどんなことをするか、ドロシーは養成所で聞かされてきた。


「特にあなたは綺麗だし発育もいいから、スパイとバレたら大変な目に遭うわよ」


 危機意識を持たせるためだろうか、教官はドロシーを名指しして言った。もしそうなったら辱めを受ける前に自分で始末をつける覚悟だった。だが、いざその時が訪れると躊躇してしまう。


(スパイになった時点で死ぬ覚悟はできてたつもりだったけど、まだ私は生きることに未練があるらしい)


 己の生への執着を自覚した次の瞬間、ドロシーの身体が浮き上がった。アンガスが彼女の身体を横抱きに抱き上げたのだ。いわゆるお姫様抱っこで軽々と持ち上げられる。


「――ちょっ」


「暴れるな。さすがに危ないぞ」


 ドロシーは男好きする豊満なスタイルが自慢の女だ。決してお子様体系ではない。それでもアンガスは羽毛でも運ぶように力強い足取りで真っ直ぐに部屋を横切る。


 そのまま部屋の中央にある大きなベッドまで運ばれていく。ベッドに降ろされると抵抗する間もなく彼がのし掛かってきた。


 アンガスはベッドに両手足をつき、ドロシーに体重を浴びせかけないようにしてくれているが、それでも男の身体の重さや熱気、女とは違うゴツゴツした感触が伝わってくる。


 入室した直後も彼にベッドへ押し倒され、そのまま抱かれそうになった。そのときはシャワーを浴びてからじゃないと嫌だと言い、先に彼を浴室へ送り込んだ。あとから自分も行くから鍵は開けておいてくれと言い添えて。


 ドロシーは銃を持って無防備な彼のもとへ向かった。


 だがアンガスは最初からドロシーの殺気に気づいていて、わざと誘い込んだのだ。銃片手にシャワー室へ飛び込むと、横から伸びてきた大きな手に腕を掴まれ捻じり上げられた。


 あっと言う間に肘を極められた。格闘術の訓練も受けたドロシーには、その状態から関節技を抜ける方法がないこと、無理に脱出しようとすれば肘の靱帯が損傷することまで瞬時に分かってしまう。


 降参したドロシーは彼に手錠を嵌められ現在に至る。


「さっきは誰かさんがシャワー室に乱入してきたおかげで浴び損なった」


「今から浴びてきてもいいんだぜ」


「遠慮させてもらうよ。こんなに綺麗な身体を前にして我慢も限界だ。そろそろ君の味見をしたいんだが構わないだろ?」


 アンガスは、ねっとりとした視線をドロシーの身体に向けた。いくら貴公子然とした見た目でも中身は性欲旺盛な二十代前半の男。加えてコントロールの資料でも『文武両道の天才だが唯一の弱点は無類の女好きで、見た目が整ってる女なら労働者階級でも貴族でも関係なく寝室に連れ込むこと』と書かれるくらい、アンガスは色事に目のない男だった。


 彼の視線を受けてドロシーは反射的に身がすくむ。


 自分を見る目に肉食獣が持つ捕食の欲求が込められている気がした。今まで経験したことのない種類の恐怖を覚え顔を横に背けた。


「そんなに怖がるな。君は俺の言う通りにしていればいい」


 そう言うと彼はジャケットを脱ぎ始めた。続いてシャツを脱いで上半身裸になる。鍛え抜かれた筋肉が露わになり、男臭いとも違う柑橘類のような匂いが香ってくる。


 アンガスの動きからドロシーは目が離せないでいた。


 悔しいことに見惚れてしまったのだ。男の裸体に。引き締まった肉体に視線が釘付けになってしまう。


(私ってばなにやってんだ)


 敵であるはずの男、それもこれから自分を犯そうとしている男に目を奪われるなどあってはならない、そんな時間あるなら脱出するため暴れねばならないのに、彼の洗練された所作に見惚れてしまう。どうすれば自分の性的魅力を最大限に演出できるか知っている男の動きだった。


「本当に初心なんだな。そんな反応をされると楽しくなってくる」


「黙れ! とっとと服着て出てけ!」


「そう邪険にするなって。可愛い顔が台無しだぞ」


 アンガスはドロシーの頬に口づけをした。ちゅっと軽く唇が触れるだけのキス。それだけで頬が紅潮するのを自覚した。


「やめろっ」


 慌てて顔を背けようとするも、いつの間にか後頭部に手を回され動きを封じられていた。頬どころか瞼にまで唇を押し当てられる。熱い息が肌を撫でるたびゾクゾクした感覚が全身を駆け巡る。


「んっ……ふっ……」


「敏感だな。そんな反応されたら興奮を抑えられないじゃないか」


 彼の吐息で睫毛が震えた。間近に迫った男の顔を直視できなくてドロシーは目を閉じる。


 暗闇の中で唇を塞がれる。侵入してくる舌の感触。別な舌に絡め取られる舌と唾液の音。ぴちゃぴちゃという淫らな水音に鼓膜を揺さぶられた。


 口移しで注ぎ込まれる唾液の味を覚えてしまうほど長い接吻が続く。息苦しささえ感じ始め、抵抗しようにも手足に上手く力が入らない。


「ふぁ……んんっ……」


 頭がボーッとする。まるでお酒を飲んだときのように思考が鈍っていくのが分かった。きっとこの濃厚なディープキスのせいだろう。


(キスってこんな気持ちいいものなんだ……)


 知りたくなかった事実を実感させられる。このまま続けば自分がどうなるのか、想像できてしまったからこそ怖かった。必死に頭を振って逃れようとするが、しつこく追いかけてくる彼の唇に捉えられたまま、舌を吸われてしまう。口腔内に溢れる唾液に溺れそうだ。


 彼が唇を離した僅かな隙にドロシーも息継ぎしようとする。しかしアンガスはすぐさま唇を押しつけてきて、再び舌を絡め取られた。


(こいつの肺活量どうなってんだよ。こんなの繰り返されたら……)


 次第に何も考えられなくなる。思考を放棄して本能に身を任せたくなる。


「ふああぁ……」


 自分でもびっくりするくらい甘ったるい声が漏れた。


 こんなの私の声じゃないと否定したい。だが意思に反して漏れる声が止まらない。


 返したくもない淫らな反応を返してしまう。


「まだキスだけなのに、いくらなんでも感じすぎだろ。共和国のスパイはこんなことも教えてもらえないのか」


「うるさい! 誰が感じてるか!」


 お前が上手すぎるからだろうとは言えない。


「はいはい分かったよ」


「頭を撫でんな!」


「おっとすまない」


 まるで子供をあやすような彼の手つき。つい怒鳴ってしまったドロシーだったが、彼に触れられると背中を悪寒とは違う電流が走り抜けた。


「じっくり馴らして初めてでも忘れられないくらい気持ちよくさせてやる。最高に幸せで自分から俺に協力したくなるくらいな」


「うるせー! そんなことあるか。さっきからふざけた御託ばかり並べやがって」


「そうあってほしいね。あっさり堕ちたのではつまらない」


 そしてまたキスが再開された。今度はゆっくり時間をかけて、互いの唇の形を確かめ合うように優しく触れ合うだけの口付けを繰り返す。


 恋人同士が戯れるようなキス。最初は反発していたドロシーだったが、優しい口付けに次第に翻弄されていった。身体が熱く火照る。頭部で発生した熱がお腹の下あたりに熱が溜まっていくような感覚を覚える。


 そこになにがあるか自覚すると彼女の困惑も大きくなる。


(こんなやつにされて濡れるはずないのに……)


 ショーツの奥で秘裂は既に潤っていた。割れ目から溢れてくる体液でクロッチが張り付くのが分かる。それは紛れもなく性的興奮を示していた。自分は感じている――それを自覚すると同時に羞恥心が込み上げてきた。


 思わず股を閉じようと太ももを擦り合わせるも、間にアンガスの身体を挟まれていてうまくいかない。むしろ擦り合わせたことにより、彼の身体を股間に強く押し付ける結果になっただけだった。


(まずい、早く離れないと!)


 これ以上この男に好き勝手させるわけにはいかないと思った瞬間、唇が離れた。解放されたのだ、と思うより先に男の舌が首筋に這わされた。


「ひゃん!」


 予想だにしなかった刺激に驚きの声が漏れた。首筋を舐め上げられる感覚に鳥肌が立つ。


「やっ……やめろ」


 咄嗟に手で押し退けようとしたが背後で手錠が鳴るばかり。


 アンガスは唇をどんどん下へと滑らせていく。首筋、鎖骨、肩先ときて胸元に到達した。ドロシーは彼を誘惑するため大きく胸元が開いたドレスを着てきた。そこに顔を埋められ汗の匂いを嗅がれる。谷間を流れる風を感じると恥ずかしさで死にそうになった。


「やだっ、やめろ」


「嫌なのか?」


「当たり前だろっ、変態」


 言葉で拒絶してもこの状況から抜け出す手立てはない。自由を奪われて抵抗できず一方的に弄ばれる屈辱的な状況に歯噛みする。


「そうか、俺は君の匂い好きだけどな」


「バカだろ!」


「もっとよく嗅がせてくれ」


 そう言うと、男はドロシーの背中に手を回し、ドレスのファスナーを下ろしていく。器用に片手でフックを外し背中が大きく開かれた。締め付けを失ったドレスはいとも容易く剥ぎ取られる。


「やっぱり綺麗な身体してるな」


「ジロジロ見るなっ」


「そう言われてもな、見ない方が失礼だろ」


「あっ」


 剥き出しの背中を撫で回される。手のひらで直接肌に触れられただけで感じてしまう自分の身体が恨めしかった。男に素肌を触られて喜んでいるような反応を示す自分が許せない。それなのに与えられる快感に抗えない。悔しくて涙が出そうになる。


 それでもせめて声は漏らすまいと唇を噛み締めていると、彼の手が前に回って双球を持ち上げた。


 膨らみをそっと撫でられる感触に思わず声が漏れる。


「んんっ……!」


 ドロシーはオナニーで胸を使って感じたことがない。乳首を弄れば性感は得られるが、乳房はただの脂肪の塊にしか思えなかった。だからこそ、こんなものに夢中になり、大事な警備の役目を疎かにする男たちが馬鹿馬鹿しくて仕方なかった。


 ――だというのに。


 自分で触ってみたときはなにも感じなかった部位なのに、他人に触られると未知の快感が生まれた。


(こいつに触られるとぜんぜん違う!)


 認めたくない事実だった。だが否定しようにも身体は正直だ。男に乳房を弄ばれ嫌悪感より気持ち良さのほうが勝っている。その証拠に下腹部の奥深くで名付けがたい寂寥感が生まれ、とぐろを巻いている。


 じくじくと治りかけの傷口が疼くように、無視しようとしてもできない感覚がドロシーを苦しめていた。


(こんなの知らないっ……なんでっ……どうしてっ)


 自分の肉体の変化についていけない。混乱していると突然胸に鋭い痛みが走った。


 視線を下ろすと山の頂で実った果実の先端が抓られている。痛い、と抗議しようとした次の瞬間には反対側の突起が咥えられていた。


 敏感な突起を左右同時に刺激され、身体がビクンッと跳ねた。電流のような衝撃が走る。その反応をアンガスは見逃さない。


 痛みを覚えるくらい抓られたところから一転して、今度は優しく丁寧に、壊れ物を扱うように転がされる。反対側でも舌で舐めたり吸ったり甘噛みされたりした。


 緩急をつけた愛撫に自然と声が出てしまう。


「ふぁっ、んっ、あぁっ」


「可愛い声を出すじゃないか」


「ちがっ、んっ、あんっ」


「違わないだろ」


「ふぁっ?」


 乳首を舐られながら反対側の手は乳房を大きく揉んでくる。乳首でしか感じないと思っていたのに彼が触れる部分は、厚い脂肪層を貫通して神経に直接作用する。


 乳房を鷲掴みにされたまま、反対側の乳首を根本から掘り起こすように舌先で転がされると堪らない快感に襲われた。


「もうビンビンだな」


「うるさい、こんなはずじゃ……ひっ、だ、めぇっ、あああぁっ」


「もっと感じろ。感じやすい女は好きだ」


「あんたに好かれても嬉しくなんかないッ」


 悪態を吐きつつも肉体は彼に靡き始めていた。胸を揉まれて感じるなんて信じられないが、自分の身体に起きてる反応は否定できない。それがとても悔しい。その口惜しさから憎まれ口を叩いてしまう。


 こんな女の反応は過去にも経験済みなのだろう。アンガスは意に介さず行為を続ける。


 彼の唇は胸の頂点から鎖骨に上り、再び胸元へ落ちてくるが今度はサイドに流れた。ちゅっちゅっと可愛らしい音を立てて肌が啄まれる。優しいリップ音なのに与えられる刺激は針を刺されたように強い。


「んふっ……」


 くすぐったさとむず痒さにドロシーの口から熱い吐息が漏れた。


「このあたりが感じるタイプか」


 言うなり彼は横乳の部分を指でタッピングするように叩く。軽い振動を与えながら乳房の際を撫でていく。


「ひゃっ、んっ……ッ」


 触れられている部分に弱い電流が流れた気がした。


 彼が触れているのは胸のほんの表面部分だけだと言うのに、それだけで身体の力が抜けてしまう。


 自分でもしたことがない触れられ方をして心がざわめいた。これはまずいという本能的な恐怖が快感よりも先にきた。耐えなければ。一度流されたら踏みとどまれなくなるやつだ。


 しかし経験豊富な男は僅かな隙も見逃してくれない。


 そこが弱点かと言うように喉奥をクックッと鳴らすと、もっといい声を聞かせろとばかり執拗に乳房と腋の境目を撫でてくる。


「あっ……そこ、だめぇっ……そこばっかり、しつこいんだよ!」


 たまらず甘い声を漏らしてしまう。まるで発情した猫みたいな鳴き声が自分のものだと認識した瞬間、羞恥心で全身が燃え上がったかのように熱くなった。それを誤魔化すため直後に強がってみせるが、虚勢は張るだけ却って弱味を強調してしまう。


 見えないラインをなぞるようにアンガスの指先は官能が生まれる場所を往復する。


 なぜ自分が感じているかも分からないまま、ドロシーは両手足がびくびくと震え、腰がくねってしまうことを抑えられなかった。


↓続き↓

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