「う~ん骨に異常はないし捻挫もしてないみたいね。衝撃で一時的に痛みが出てるだけじゃないかしら。念のため軟膏だけ塗っておきましょう」
彩南高校の保健室。養護教諭の御門涼子が男子生徒の手首を診て言った。
胸元が大きく開いたトップス、少し動いただけで下着が見えてしまいそうなタイトミニに白衣を羽織っただけという出で立ちは、性の匂いをむんむんに漂わせている。
そのうえ涼子は美人でスタイルも良かった。スリーサイズは上から九十五、五十八、九十一。悩ましいプロポーションに気さくで優しい性格。男子の中には童貞を卒業するなら御門先生で、御門先生に優しく奪ってもらいたいと夢見る生徒が多い。
そんな彼女に治療を受けている生徒は結城梨斗。一見すると平凡な高校生男子だが、彩南高校に縁ある人間なら誰もが彼のことを知っている。宇宙の法則が乱れるレベルでラッキースケベを起こす、うらやまけしからん人物だと。
彼のラッキースケベは人知も物理法則も無視する。女の子を巻き込んで(巻き込まれて)転べば、なぜか瞬きするよりも早く女の子の服が脱げ、彼はおっぱいや股間に顔を埋めている。
女の子が上の体勢で転んだときにはパンツが脱げ、生まんこで顔面騎乗されたこともある。
リトのラッキースケベは日常茶飯事。見ない日はない頻度で繰り返される。普通これだけセクハラめいた行為があれば女子から嫌われそうなものだ。しかし、リトは本人の性格的なものもあって、彩南高校でも特に目立つ美少女たちに好意を寄せられている。
まったくもってうらやまけしからんハーレム体質である。
それでいてリト本人は女難の相がと困った顔をするのだから余計にたちが悪い。女っ気皆無なモブ男子たちは贅沢を言うなら俺と代われと血の涙を流した。
保健室を訪ねた原因も転びそうになった古手川唯を助けようとして、一緒に倒れたときに手をついて手首を痛めたからである。ちなみに今回起きたラッキースケベは、倒れまいとして手を伸ばした唯にベルトを掴まれ、制服のズボンごとパンツを引き下ろされるというもの。当然それだけでは終わらず、唯の口にリトのちんぽがジャストインしてしまった。
普段からハレンチなことは許さないと風紀を取り締まる唯。黒髪ロングの美少女に咥えられたのだ。フェラチオと言うほど濃厚な接触ではなかったが、それでも同級生の口に自分のちんぽが入ってる姿は見た目の暴力。そのうえ唯の口腔粘膜の気持ちよさもあってリトは半勃起してしまった。
そのことを誰が責められよう。むしろ半勃起で済んだのはリトの自制心とラッキースケベ慣れした体質あったればこそではないか。
これが性欲と性体験への憧れに支配された他の男子であれば、瞬時に唯の頭部を両手でつかみ抑えつけ、フルボッキした肉棒を彼女の口内に擦りつけながら腰を振りたくったかもしれない。
逃げようとする少女の抵抗を楽しみ、ちんぽを押し出そうとぐいぐい押しつけてくる舌の動きが逆効果なことも知らない無知な少女の口に、たっぷりと生臭い白濁液をお見舞いしてやったかもしれないのだ。
唯にとっても相手がリトであることは幸いだった。
一連の出来事をリトは涼子に話した。なぜ怪我したのかと聞かれ話さねばならなかった。気恥ずかしさと唯の名誉のため咥えられた部分は端折ったが、それでもラッキースケベ由来の怪我と聞き涼子は口元に笑みを浮かべた。
「相変わらずのハレンチスパイラルね。やっぱり解消するためには異性と一線を越えて|性衝動《リビドー》を放出するしかないんじゃないかしら」
「いや、それは、ちょっと……」
ハレンチスパイラルとは以前、リトのラッキースケベ体質を調べた涼子が造った言葉だ。幼い頃から妹・蜜柑の面倒を見てきたリトは、女の子に対しては優しく誠実であらねばという気持ちが人一倍強い。その一方でデビルーク星の王女ララ・サタリン・デビルークとの接触以降、彼は女子との関わりが急増してスキンシップの機会も増えた。
美少女たちとの刺激的な毎日に健康な男子であるリトの生殖本能は多大なストレスを受けた。通常であれば何らかの形で発散するのだが、リトは生来の誠実な性格が仇となって自分にブレーキを掛け続けた。その結果、内なる性衝動はグツグツと煮込まれ、肉体がリトの意思とは無関係に女子の体に反応するようになった。
肉体的接触をトリガーとしてラッキースケベ体質が発動すると、体は無意識に女体を求め転倒時にあり得ない体勢や脱衣を誘発する。そのたびにリトは反省し、再び性衝動を抑え込もうとする。解消されなかったリビドーが積もり積もり、次はさらに過激な事象を引き起こすインフレが起きた。
終わりが見えないハレンチスパイラルを断ち切れる可能性として涼子は、女の子と一線を越えて溜まりに溜まった性衝動を吐き出す行為――要はセックスやそれに準ずる行いを示唆した。
「医師としては興味深いわね。結城くんの体質が本当に性行為で解消されるのか」
「勘弁してくださいよ。そんなこと頼めるわけないじゃないですか」
「あら? あなたの周りに居る女の子たちなら喜んで協力してくれると思うわよ。あわよくばそのまま既成事実化しようと狙ってくると思うけど」
リトは中学時代からの想い人・西連寺春菜の他にララやララの妹たち、元々はリトを殺すため地球にやって来た金色の闇など十人以上の少女と恋愛フラグを立てている。その日常は優柔不断でありながらも誠実なリトの人柄と奇跡のバランス感覚で維持されている。
その状況で誰か特定の人物に性行為のお願いという石を投げ込めば、波紋はどこまで広がっていくか分からない。
「誰かに頼むのが嫌ならいっそのこと全員にお願いしたら。ハーレム王になればいいじゃない」
「そう簡単にはいかないですって」
ヤッちゃえばいいんじゃね? と言われて同調できる性格であれば、最初からハレンチスパイラルなど引き起こしてない。
「みんなに頼めないなら私としてみる?」
「な……なにを言ってるんですか」
涼子の提案にリトが分かりやすく慌てふためく。
女の子との接触を繰り返しても初心さが抜けない彼を涼子は可愛く思いつつ、掴んでいた手を自分の胸元に誘導する。
豊満な胸の谷間で彼の手を挟み込む。ふにっと柔らかく形を変えた胸乳の感触にリトが息を呑んだ。彼の周りにはスタイル抜群の少女が多い。保健室へ来るきっかけになった唯からしてバストサイズは八十八センチだ。しかし彼女たちと比較しても涼子の巨乳は群を抜いている。
「私なら後腐れない医療行為だし、結城くんとならオーケーよ」涼子は乳房を左右から手のひらで中央に寄せ、挟み込んだリトの手をぱふぱふした。「それに私なら経験あるから気持ちよくしてあげられるわよ。初体験にはうってつけの相手ね。私で練習すれば、いつか彼女たちの誰かとするとき、男らしくリードしてあげられるようになるわ」
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