SEXが苦痛になったのは学校に想い人が出来てからだった。 子どもの頃から大きい事で虐められはしたものの、明るく振舞えばいずれは打ち解け、いなすことができた。 そして、成就する可能性は極めて薄いとは言え、恋だってできた。 「私は、私の忍耐で生き抜くことができたんじゃないか?庇って貰わなくとも…」 この人がいる限り、私は幸せになれない。 この人さえいなければ私は…。 そんな薄情なことを最近は考えてしまう。 全てのサイズが違い過ぎて、普通の男の性器では「侵入」しているかどうかも知覚できない。 何も感じない。 しかし、脚立に上がって自分にへばりつく様に腰をふるこの男を見ていると吐き気がした。 抱かれたいのはあの人…。 けれども、誰と付き合ったとて、「普通のSEX」は不可能だ。 やっぱり脚立がいるだろう。 彼女が寝られるベッドはない。 好きな男の胸に抱かれて眠ることもできない。 これからも自分の為に壊れてしまったこの男と運命共同体であり続けるのが分相応かもしれない。 光の見いだせない人生に、思わず「一思いに閉じてしまおうか」と何度思ったか知れない。 けれども、「巨大な特注の棺に入る自分」を人々はどう思うだろう? 想像すると恥ずかし過ぎて、とても踏み切れなかった。(〆)