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団地妻響子②

・彼女とのマッチングはあっけない程にスムーズだった。 お互いの写真を交換することもなく、彼女が提示した時間、場所で待ち合わせることになった。 そう、いつもの時間、いつもの安居酒屋で待ち合わせだ。 夫から得られる情報と、これまで彼女を尾行することで収集できた情報を掛け合わせ、会話をコントロールし一気に「特別な男」として彼女に選ばれるつもりでいた。 が、正直に言えば彼女との会話は盛り上がりに欠けた。 相手の好きなテレビドラマ、昔していたスポーツ、地元の話題など、あらゆるテーマを振ってみたのだが、会話が続かない。 スマホの向こうから思いつめたような陰鬱な空気が伝わって来る様だ。 それでも俺は一向に構わない。 職業倫理を捨てクライアントの妻をモノにすると決めてからは、俺の頭は彼女の肉体の事だけを考えていた。 待ち合わせのその日まで、提出用として撮っておいた彼女の写真を見てオナニーしまくった。 仕事は全く手に付かなかった。 ・待ち合わせの日がやってくると、まるで少年時代の初恋の様に俺の胸は高鳴っていた。 恋愛経験は人並みにあるつもりだ。 それでも、こんな感覚は久しく味わったことがない。 最初の印象は大事だ。 押し入れから少しよれたスーツを出し、袖を通す。 今日は「仕事帰りのサラリーマン」だ。 気取り過ぎず、それでいて最低限の身だしなみには気を配り…。 それ位が親近感が湧く。 この間に彼女の情報も洗い出し、会話に使えそうなものを何度も頭の中で整理した。 今日は「次に繋げる一手」を打てれば上々。 「功を急ぐな」は女性を口説くセオリーだ。 ここまでしても、実を結ばなければ仕方がない。 きっぱり諦めて真面目な探偵に戻ろうじゃないか。 待ち合わせの安居酒屋の前で待っていると、角を曲がって彼女が現れた。 でかい!全てがでかい! これまで幾度も彼女を監視して来た身だが、眼前に現れるとこれ程の迫力があるのか。標準的な女性の背丈に肉がタップリと詰まった柔らかい壁…。 この威圧感、写真交換もせずにいきなり現れたら逃げ出す男もいるかもしれない。 しかし俺は歓喜した。素晴らしい!彼女と少しでも長く過ごしたい。 この恐るべき肉体を持った女と一秒でも長く同じ空間に存在したい。 俺の熱い視線を浴びて、彼女も待ち合わせの人物が俺と確信したのだろう。 少し火照った顔でハンカチで額の辺りをポンポンとさわりながら上目遣いで声を掛けて来た。 「コウイチさん(仮名)、でよろしいかしら?」 流石は熟女、落ち着いた艶っぽい声をしている。 「えぇ、京香さん(仮名)ですね?」 彼女は照れ臭そうに小さく頷いた。 「優しそうな方で良かった…」 「不躾なお願いなんですけど、…手を見せてくださらない?」 手か…手フェチ?手相に関心が?どちらも情報にはなかった。 しかし、出会ってそうそう手を触れあえるのは好感触に違いない。 断る理由など微塵もない。 「はは、構いませんよ。これでいいのかな?」 彼女の前に手を差し出す。 「分厚い手ね…逞しい手…」 両手で俺の右腕を掴み、自分の方に手繰り寄せる彼女。 ん、強い。腕がしっかりロックされている。 もしやジョイントフェチ(関節技フェチ)か…!? ズブ、ズブズブ… いや、ジョイントフェチよりも驚きの結果が待っていた。 彼女は自分の胸に俺の腕を宛がい、乳揉みを強制したのだ。 「お乳、お嫌いじゃないといいんですけどッ!!」 羞恥心の為か全力で俺の腕をロックしている為か、はたまた両方か…彼女の顔は紅潮し語気も強くなる。うっすら涙声の様にも聴き取れる。 完全に面食らってしまった。 喜ぶより先に驚きが勝った。 このデートは俺がイニシアティブを握るつもりでいたというのに。 注…調子に乗って書きすぎてしまいまいした。 次回からはもっとコンパクトにいきますw

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