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江戸山乱理
江戸山乱理

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幻皃退行矯正施設「桃栗学園」で不良尐女は躾け直される<①律孑の受入れ教育>


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◆タイトル

幼児退行矯正施設「桃栗学園」で不良少女は躾け直される<①律子の受入れ教育>


◆あらすじ

不良少女律子は躾け直しのため、矯正施設「桃栗学園」に収容された。身柄を引き渡されると、まずは全裸にされ、廊下を歩かされ、浴室で股間を含め、全身を懇切丁寧に洗われた。陰部と両脇の剃毛処理を受け、幼児と同じ体にされた。可愛らしいワンピースの制服を着せられ、体も服装も園児と同様の状態に堕ちると、律子の精神も自然に退行して、「桃栗学園」にふさわしい園児が出来上がった。約1万4千字。


◆登場人物

律子……不良少女。中三

園長……桃栗学園の責任者

高木郁美……律子の世話係


◆目次

1、躾け直し施設、「桃栗学園」 2、新入りの律子 3、ジャージを脱いで全裸に 4、高木先生の発達検査 5、全裸で廊下を歩く 6、浴室でお股を洗ってもらう 7,四つん這いとお尻 8、剃毛処理 9、ツルツルのお股 10、園児になった律子

********************



1、躾け直し施設、「桃栗学園」

 桃栗学園は某県の辺鄙な場所にあった。建物の外壁は白い漆喰で塗られ、赤い屋根との対比が鮮明だった。敷地の周囲には柵がグルリと巡らされていて、もし知らない人が見たら、小学校か幼稚園だと思うだろう。

 しかし、桃栗学園はそんなありきたりの施設ではなかった。罪を犯した不良少女たちが収容される矯正施設だった。

 ただし、そこでは、矯正と言っても、普通の少年院のような処遇をするのではなく、一種独特な教育方針が実施されていた。それは、十代中頃から二十代前半の少女達を幼稚園児と同様か、あるいはそれ以下として扱い、心身共に躾け直すという方式だった。

 犯罪を行う少女の心理分析として、実年齢よりも精神の発達に遅滞があり、それによって社会や学校に適応できなくなり、道を踏み外すという要因が考えられた。それを是正するために、未熟な少女たちに相応の躾けを与えるという措置が必要だったのだ。


2、新入りの律子

 今日は桃栗学園に新しい受刑者がやってきた。その少女は水野律子という名前で、年齢は中学三年生だった。律子は遊び感覚で万引きをして、何度も警察に捕まったが、それでも懲りずにまた繰り返したので、ついにこの矯正施設送りになったのだった。

 学園の中庭に警察のワゴン車が止まった。ドアが開くと、まず婦警が降りてきた。それに続いて、灰色のジャージ姿の小柄な律子が降りてきた。その後ろからは、もう一人婦警が降りてきた。二人目の婦警は紐の一端を握っていて、それが少女の華奢な体にまで伸びて、腰回りをグルリと巻いていた。その惨めな姿は、誰が見ても、犬の散歩を連想したことだろう。

「前へ歩きなさい」

「はい」

 先頭の婦警の権高い口調に、律子は不満気な顔で前に進んだ。律子は紐で繋がれていたし、両手を手錠で拘束されていたので、どこかぎこちない歩き方だった。

 律子は建物内に入ってすぐの一室に導かれた。施設側の女性が対応に出てきた。それは若い女性だったので、律子は単なる受付係かと思ったが、婦警からは「エンチョウ先生」と呼ばれていた。

(エンチョウって、園長ってこと?こんな若そうな女性がそんなえらい立場なの?)

 と律子は心の中で意外に思った。

 年長の婦警が机を挟んで、何かの書類に記入し始めた。机の反対側には園長であるらしい女性が座っていた。律子は部屋の様子などをよく観察したかったが、キョロキョロしたりしたら、横で紐を握っている婦警に叱られるのを知っていたので、真っ直ぐ前を向いて、目だけを動かしていた。

「では、これで、身柄引き渡しとなります」

「ご苦労様」

 婦警と園長が同時に立ち上がった。

「水野律子」

 と隣の婦警が改まった調子で言った。

「はい」

「今日から、あなたの身柄はこの桃栗学園に収容されます。きちんと反省して刑期を務めて、まっとうな真人間になりなさい」

「はい」

 律子に許されているのは「はい」と言って服従することだけだったので、この場でもそう言った。

 腰の縄も解かれ、手錠もはずされ、その点において、律子はちょっと自由を取り戻した気分だった。しかし、今の自分はこの施設の中で囚われの身である。これまでは婦警の命令に従っていたが、これからは目の前の園長の命令に従うのだ。大げさにいえば、生殺与奪の権を握られているのだと思うと、律子の緊張は高まった。

 そんな律子の心配をよそに、二人の婦警は園長にあいさつをして、そうそうに部屋から出て行ってしまった。意地悪でブスな婦警たちだったが、それでも律子は、

(ああ、行ってしまったか)

 と自分が置き去りにされたような心細さを覚えた。律子と園長は部屋の中で二人きりになった。律子は気を付けをして、園長から下されるであろう命令を待った。

「律子ちゃんね」

「はい」

 律子はここに来る前の鑑別所では、苗字を呼び捨てで呼ばれていたので、下の名前を、しかもちゃん付で呼ばれて驚いた。

「私はこの桃栗学園の園長よ。園長先生と呼んでくれたらいいわ」

「はい、……園長先生」

 園長は椅子から立って、律子の正面にまで近付いた。いきなり右腕を伸ばして、その手を律子のあごの下に触れた。そして、顔を上げさせて、律子の顔を見据えた。背丈は律子の方が低かった。

「怯えてるようね。怖い?」

「いいえ」

「律子ちゃんて、なかなかきれいな顔をしているわね」

「……」

 律子は、園長が一受刑者にそのような親し気な軽口を叩くことに、また驚いた。

「律子ちゃん、今からあなたはこの桃栗学園の園児よ。そのつもりでいなさい」

「はい」

 律子は園児という言葉に少し引っかかったが、ともかく殊勝気にそう返事をした。

(この園長先生という人をどのように理解すればいいのだろう……)

「怖がらなくていいのよ。やさしく躾けてあげるからね。もちろん、あなたが良い子にしてればの話だけどね。うふふ」

 一見すると、園長のその笑みは親し気だった。しかし、その仮面の下には恐ろしい本性が隠されているような気もして、律子は、

(一応は、警戒しておこう)

 と用心した。


3、ジャージを脱いで全裸に

 園長は律子の全身を眺めて、

「それ、脱ごうか」

 とつぶやくように言った。

「あ、この服ですか」

 律子は鑑別所で支給されたジャージの上下を身にまとっていた。それは安っぽくペラペラの生地で、毛玉などもできていて、ダサいことこの上なかった。

(この桃栗学園にも当然、規定の服装ってあるんだよな。ここではどんな服を着せられるんだろう?)

 もっとも、こういう施設でおしゃれな制服が採用されているなどとは、律子はつゆとも期待していなかった。ただ、これから毎日着るであろう服がどんなデザインなのかは非常に気になった。

 しかし、園長は律子を眺めているだけで、着替えの制服を取り出す素振りを見せなかった。

(……ん?)

 と律子は怪訝な表情を浮かべた。それに答えるように、園長は、

「着替えは後で用意してあげるから、今は脱ぎなさい」

 と言った。それは奇妙な要求だったが、こういう場所ではシャバの常識は通用しないと律子はよく知っていたので、

「はい」

 と簡単に言って、脱ぐ動作を始めた。

(とりあえず、裸になれってことか……)

 律子はジャージの上着とズボンと脱いで、そばの机の上に畳んで置いた。人前で服を脱がされる程度は、鑑別所では日常茶飯事だったが、初対面の園長に下着姿を見られるのは、やはり恥ずかしかった。

 その下着というのはブラジャーもパンツも肌色で、やたらとサイズが大きく、しかも、決して清潔な状態とは言えなかった。三日程同じパンツを穿かされていたので、お股の所は染みだらけになっていたはずだった。

「脱ぎました」

 と律子は気を付けの姿勢を取って、次の指示を待った。早く着替えを用意して欲しいと思った。

「律子ちゃん」

「はい」

「もしかして、あなた、下着姿になるのを恥ずかしがっているんじゃないかしら?」

「は、はい。少し……」

「なに、恥ずかしがっているのよ。下着姿が恥ずかしいなんて考え方はあなたにはまだ早いわよ。そういう生意気な気持ちは捨てなさい」

「はい……、すいませんでした……」

 律子は、やはりここは監獄の中であり、自分は囚人という身分なのだという思いを新たにした。

「下着も脱ぎなさい」

「えっ」

「聞こえたわよね?」

 と園長はちょっと怖い声色を使った。

「……はい」

 と律子はその要求を受入れた。命令に従うことだけが囚人である律子に許されている唯一の選択肢だった。

 律子は震える手でブラジャーをはずした。二つの発達途上の乳房が晒された。それは小振りながらも、乳首がツンと瑞々しく張っていた。

(パンツも脱がなきゃダメですか?)

 と律子は園長にすがるような上目遣いをした。園長は「当然よ」という表情のままだった。やむなく、律子はパンツに手をかけた。

 今の律子が身に着けている布地はその小さなパンツだけであり、それを脱げば全裸になってしまう。そう思えば、ダサいパンツとはいえ、掛け替えのないような物に思えた。しかし、

(私は囚人なんだから、裸になるのを恥ずかしがるべきじゃないんだ)

 と律子は自分に言い聞かせて、パンツをズルリと下ろした。やはり、パンツの内側は染みだらけだった。また、律子は可愛い顔に似合わず、股間にはつややかに黒光りする陰毛が豊かに茂っていた。

(ああ……、初対面の園長先生の前でパンツ、脱いじゃった。恥ずかしい)

 律子は色んな意味で叫びたい程の羞恥を覚えた。

「よし、脱いだわね。休め」

 園長は号令した。号令に従う習慣は鑑別所で刷り込まれていたので、律子の体は反射的に休めの体勢になった。全裸のまま、両手を背中で組んで、足を少し広げた。


4、高木先生の発達検査

 その時、背後で扉がノックされた。

「入って」

「失礼します」

 一人の女性が入ってきた。

 園長は白の襟付きシャツに黒ズボンという服装だったが、その女性はカジュアルな服装で、エプロンなどをかけていた。年齢は園長よりも一回り若く、きれいな人だった。

(えっ。誰、この人?職員?)

 律子は全裸での休めの姿勢のまま、内心ビクンとした。しかし、その女性は律子が全裸にされているのを見ても、全然動じた様子はなかった。少女が裸にされている光景など、珍しくないのだろう。

「もう脱がしたんですね」

 と女性は律子の方をチラリと見て、園長に言った。その口振りからは、女性は園長の部下のようだった。

「ええ。今日の新入りの子、可愛いでしょ」

「そうですね。ええと、名前は……」

「名前は水野律子。十五歳よ」

「なるほど、律子ちゃんか」

 と女性は言って、律子の方へ歩み寄った。

「……」

 と律子は黙って目をパチパチさせた。女性に裸体の胸から股間まで全てを見据えられて、悶えるようなきまりの悪さだった。

「律子ちゃん。黙ってないで自己紹介しなさい。この女性はね、ここで働く先生の一人で、高木郁美さんとおっしゃるのよ。あなたの毎日のお世話をしてくれる先生よ。ちゃんと、ごあいさつしなさい」

「は、はい。私、水野律子です」

「よろしくね」

 と高木先生はやけに親し気だった。律子はこれからの生活をちょっと楽観できるのではないかと思った。

「じゃあ、後は頼むわね」

「はい。お疲れ様です」

 園長はそう言って、部屋から出て行った。律子の身柄はこの高木先生という人物に委ねられた。

「律子ちゃん」

「はい」

「私は、少し書類の記入をするから、しばらくは、そのまま立っていなさい」

「はい」

 律子はしばらくの間、部屋の中で立たされていた。高木先生のペンの音だけが聞こえた。

 常識的に考えれば、こういう普通の事務所の中で、少女が全裸で休めの姿勢で立っているのは、かなり異様な光景だった。しかし、律子本人は逮捕されて以来の経験から、そのような状況に半ば慣れていた。ただ、難を言えば、やはり少し肌寒く、できるならな早く何か服をまといたかった。

「体を調べるわね」

 と高木先生はバインダーとペンを持って、立ち上がった。そして、律子の周囲をグルグル回って、肌の状態を観察した。

(あざやケガの跡やホクロなどがないかを調べているんだな)

 と律子は見当がついた。刑事施設においては、そういう身体的特徴は人物特定に利用されるのだ。

「バンザイして」

 高木先生は律子の脇の下を調べた。そこには長期間、処理していない茂みがあった。

「両手をグルグルまわして」

「はい」

「次は足の屈伸をして」

 律子は全裸で軽い運動能力のテストをやらされた。指示されるがままに、手足を伸ばしたり縮めたり、体を前屈したり、背筋を反らしたり、開脚などをした。それ自体、些細な行為ではあるが、全裸の状態でするというは、どうしても屈辱感がないではなかった。しかし、やはり、律子にはそれを拒否する選択肢はないのだった。

「よし、異常なしね」

(ようやく終りか)

 と律子は少し息が切れていた。

「次は発達検査よ」

(まだあるのか。で、なんだ、発達検査って?)

 高木先生は律子の腕やお腹をさすったり揉んだりし始めた。そんなことは鑑別所でもされたことはなかったので、律子はとまどった。

 さらに高木先生は律子の乳房を触り始めた。

(……っ)

 相手は同性であり、必要な検査とはいえ、そんなことをされるのはやはり恥ずかしく、律子は頬を赤めた。高木先生は律子の乳房の大きさや弾力をたっぷりと確かめると、最後に左右の乳首をキュッとつまんだ。

「はぁっ」

 と律子ははしたなくも声を上げてしまった。それは意味があるのか、単なるイタズラかは、律子は何とも判断しかねた。

「標準か、少し奥手のようね」

 それが高木先生の下した評価だった。律子の心の中で、(まあ、そんなもんか)と同意した。

(……待てよ。じゃあ、お股も触られるのか?)

 と律子は気付いた。そして、そうされる覚悟をした。鑑別所でされたように、股間の細かい所まで見られて、さらに、自慰の経験の有無まで質問されるという屈辱的な目に遭うのではないかと危惧した。

(もし、オナニーしているか訊かれたら、どう答えよう。正直に、「してます」って答えた方がいいかな)

 と律子が悩んでいると、やはり、高木先生は下腹部を触り始めた。しかし、外見から確認しただけで、陰毛の茂みをサッとなでただけだった。律子はホッとした。しかし、不思議と、胸の中ではどこか物足りなさを感じていた。

「よし。ここでの発達検査はお終いよ。特に異常はなしだね」

「ありがとうございました」

 律子は一息ついた。不覚にも、「ここでの」という一言を聞き漏らした。律子はこの後すぐ、この桃栗学園という矯正施設の厳しさを思い知ることとなった。


5、全裸で廊下を歩く

「ちょっと、待ってて。すぐ戻るから」

 と高木先生は言って、作成した書類と律子が脱いだジャージと下着を持って、部屋の外へ出て行った。

(私一人を残して行くとか、不用心だな)

 と律子は思ったが、全裸で外へ飛び出るわけには行かなかったし、どうせ窓には鍵がかかっているのだろう。

 やがて、高木先生は戻ってきた。手ぶらだった。

(あれ?何も持って来てないの?)

 と律子は首をひねった。自分の着替えを持ってきてくれるのだとばかり思っていたので、期待を裏切られた気分だった。

「じゃあ、行きましょう」

(行く?どこへ?このままで?私、何か着たいんだけど)

 と律子は混乱しっぱなしだった。

「そのまま、裸んぼのままで行くのよ」

 と高木先生は律子の内心を見透かしたように言った。

「あの、どこへ行くんですか?」

「浴室よ。体をきれいにしてあげる」

(浴室……。どうせ裸になるから、全裸のまま連れて行こうってことか)

 と律子はそう考えて、それなら一理あるかもと自分を納得させた。

「右に曲がりなさい。浴室は廊下を突き当たって左よ。さあ、行きなさい」

 全裸の律子はドキドキする気持ちを抑え、部屋から一歩踏み出した。背後には少し距離を置いて、高木先生が律子を追い立てるように続いた。律子は文字通り一糸まとわぬ全裸で廊下を歩かされた。スリッパぐらい穿かせてほしいと思ったが、それも叶わず、廊下の床を素足でペタペタ歩いた。

(やっぱり、ここは収容施設だから、外にいる時のような人権感覚なんて、捨てないといけないな)

 幸いと言うべきか、廊下は無人だった。他の収容者たちもどこかの部屋にいるはずだったが、話し声も物音も聞こえなかった。

(……この窓、鍵はかかっているのかな)

 律子が見る限り、外に面した窓はごく普通の構造のようであり、その気になれば、簡単に脱走できそうな気がした。もっとも、今の全裸の状態で屋外に出るわけにはいなかったが。

 全裸で歩いているせいか、ほんの二、三十メートルの廊下がひどく長いように感じられた。過度な恥ずかしさのせいで、胴がゾクゾク震えて、体の奥がキュンとなった。不覚にも股間が少し濡れたような気がした。

(うっ。どうしよう。ちょっと濡れたかも)

 律子は全裸で歩かされている状況に、変に興奮してしまった自分に困惑した。

「律子ちゃん、歩く時はもっと背筋をピシッと伸ばしなさい」

 と高木先生の平手が律子の裸のお尻に飛んだ。

「ひっ。……は、はい」

 別段、痛くはなかったが、驚きはした。この施設ではこういうふうに叩かれることが当たり前なのだと理解した。

「裸んぼで出歩くぐらいで、恥ずかしがらなくていいじゃない」

(恥ずかしいに決まっているよ……)

「こっちよ」

 と高木先生は言って、律子の手を取って、左へ誘導した。二人はそのまま手を繋いだまま廊下を歩いた。

(なんで手を繋ぐのよ……。別に私、逃げたりしないよ)

 しかし、高木先生はそういう意味で手を繋いだのではなく、単なる親密さから出た行為らしかった。やさしく手を握る力加減でそう思えた。

(どういうこと?)

 律子は最近誰かと手をつなぐ経験自体、ほとんどなかった。ふと、自分を幼稚園の保母さんにどこかに連れていかれる園児に重ね合わせた。

(高木先生は私を幼稚園児扱いしてるってこと?)

 どうやら、そのようだった。そう考えれば、当然のように裸にされたのも、お尻を叩かれたのも、手をつながれたのも理解できた。律子は自分がそのような扱いを受けていると気付いたものの、それについて憤るべきか、受け入れるべきか判断に迷って、変にくすぐったい気持ちでいた。


6、浴室でお股を洗ってもらう

 浴室は建物の一番奥だった。

「ここが浴室よ。さあ、入りなさい」

 と高木先生は律子を先に入らせた。敷居を跨ぐと、そこは脱衣所だった。律子はすでに裸なので、その空間は素通りした。

 浴室の中に入ると、目の前には空の浴槽があった。それは普通の家庭の物の二倍程あって、数人は一緒につかれそうだった。律子はその浴槽のそばで突っ立って、

(今後は、私は他の収容者の少女達と一緒に、この浴槽につかることになるのか……)

 と思った。それはちょっとばかり楽しいかもと楽観的に思った。

 高木先生は洗面器にお湯を張って、スポンジに擦り付け始めた。

(それぐらい、自分でするけどね……)

 と律子は思ったが、出しゃばらないよう、黙っていた。

「そこに座りなさい」

 と高木先生は律子をプラスチックの椅子に座らせた。そして、そのスポンジで律子の体を擦り始めた

(何から何までしてくれるんだな)

 と律子はゴシゴシされながら、うれしくもあり、また悪い気もした。

 他人に体を洗ってもらったことなど、幼少期を除いては、初めての体験だった。律子は自分が小さな子供に戻されたような錯覚を覚えた。さっき、律子は考えたように、

(やはり高木先生は私を小さい子供扱いしている……)

 という思いを強めて、妙に胸がドキドキした。ただ、その直後、自分の下腹部をチラリと見て、

(お股にこんなに毛がボーボーに生えていて、小さい子のはずがないよね……)

 と現実に引き戻された。

 律子がそんなことを思っている間も、高木先生は律子の体中を洗って、全身を泡塗れにした。しかし、まだ洗っていない状態の場所があった。それは股間だった。三日振りのお風呂なので、やはり、そこもきれいにしたかった。

「椅子から降りて、膝をついて」

 と高木先生は言った。律子はそうしながら、

(もしかして……)

 と思って、ゴクリと唾を飲み込んだ。高木先生は律子の横について、セッケンをつけた右手を律子の太ももの間に差し入れた。律子の推理の通り、高木先生はお股まで洗ってくれるつもりらしかった。

「あ、あのっ……」

「ここも洗って上げるから、じっとしてなさい」

「……」

 律子はただただ、とまどうばかりだった。

 高木先生は何らちゅうちょすることなく律子の股間に触れて、腕を前後に大きく動かして、会陰部の辺り全体を力強く擦った。

「おおうっ」

 と律子はうめかざるを得なかった。

 高木先生の指先は、律子の恥丘を覆う陰毛をワシャワシャと揉みほぐし、その下部の割れ目の縦筋に沿って、指の腹で溝をこそぐように往復させた。さらに腕を伸ばし、律子の体の真下の肛門付近でグリグリと円を描いて、その中心を貫かんばかりの手付きで洗った。律子の股の間からは、セッケンのクチュクチュという音が高らかに鳴った。

「ふああ……」

 と律子はひどく大げさに悶えた。他人に股間全体をゴシゴシと擦られて、くすぐったさと恥ずかしさで、背筋がゾクゾクした。それは気持ち良いような、悪いような、何とも形容しがたい感触だった。親切はありがたいが、申し訳なさもあった。また、股間が愛液で濡れているのがバレたのではないかという危惧もあった。

「こんなもんでいいかしらね」

 と高木先生は最後に、律子の割れ目の奥をグリグリと擦ってから、一旦、手の動きを止めた。

(ようやく、終わったか)

 律子はハァハァと息を切らしていた。律子自身が何をしたわけでもないが、胸がドキドキして、ひどく疲れた気分だった。


7,四つん這いとお尻

「次はお尻を洗ってあげるわ」

 と高木先生は泡だらけの手のままで言った。

(えっ、お尻を?)

 と律子は驚いた。さらに、高木先生は、

「四つん這いになりなさい」

 と言った。

(四つん這いに!?)

 律子は耳を疑った。しかし、高木先生は律子のお尻をピシャピシャ叩いて、早くそうするように促したので、

(しょうがない)

 と思って、浴室のタイルの上に手の平をつけた。

「もっとお尻を上げなさい」

「はい。これぐらいでしょうか」

「で、膝を開きなさい」

「……」

 と律子は無言でそうした。背後の高木先生からは、律子の肛門から割れ目までがよく見えていることだろう。

「よし、いいわよ」

 と高木先生の手が律子のお尻を撫で始めた。

 しゃがんで股間を洗ってもらうのは、物心ついて以来されていないが、幼少期はされただろう。しかし、四つん這いにされてお尻を洗ってもらうという扱いは、完全に初めての体験だった。

(この矯正施設に入る子は皆こんな扱いを受けているのだろうか。新入りが受ける儀式みたいなもんなのだろうか。それとも、高木先生が個人的に私に目をつけて、しているだけなのだろうか)

 律子は固いタイルの上についている膝の痛みに耐えながら、そんなことを考えていた。しかし、高木先生が律子のお尻を撫でる手付きを激しくするにつれ、そのむず痒い感触で、何も考えられなくなった。

(ふわぁ……、お尻を撫でられるのって、こんなに気持ちいいんだ……)

 と律子は不覚にもウットリとなって、顔を見られていないのをいいこと、口を半開きにして、ポカンと間の抜けた表情になった。

 高木先生は斜め後ろにしゃがんでいたが、律子のお尻を洗う手付きは実に楽しそうだった。振り返って直接、見たわけではないが、両方のお尻を縦横無尽にキュッキュッと撫でられる感覚からは、そのように判断できたのだった。

「どうかしら、こんなふうにお尻を洗ってもらって?」

「はい。とっても気持ちいいです」

「あら、良かったわ」

 高木先生の手付きは、撫でるというよりも、揉むという表現の方が近かった。その心地良い刺激に、律子の肛門は独りでにヒクヒクと動いた。その反応は間近で見ている高木先生には丸見えだった。

「お尻の穴がヒクヒクしてるね。くすぐったいでしょうけど、我慢してね」

 と高木先生は嫌がることなく、そこをツンツンとつついた。

「……んっ」

 律子は敏感に反応して、割れ目に愛液をジトリと分泌させた。律子はこの二、三日、自慰をしておらず、その若い肉体は少しの刺激にも自然に反応した。

(あっ。多分、濡れた……。バレちゃう……)

律子はバレないでほしかったが、それは叶わぬ願いだった。案の定、高木先生はすぐにその変化に気付いて、

「律子ちゃん、気持ち良くなっちゃったのかな?」

 とからかうように言った。

(ううっ……)

 と律子は四つん這いのまま、恥ずかしさに顔をタイルの上に伏せた。

「この可愛い割れ目ちゃんは、もう一度、洗い直しが必要ね」

 と高木先生はそこをツンと突いた。

「んっ」

 また、割れ目を擦られた。敏感になっている律子はすぐに恍惚となった。四つん這いになっている手足の力が抜けて、上半身がくずれて、胸とあごがタイルについた。辛うじて、お尻だけを突き上げる姿勢を維持した。律子は、

(うわ、うわぁ)

 と喜んでいるのか、嫌がっているのか、自分でもよく分からない声を上げ続けた。


8、剃毛処理

 高木先生は律子の下半身にザブザブとお湯をかけた。そして、「洗い終わったよ」という合図のように、お尻をペチペチと叩いた。律子は少し冷静さを取り戻して、

「あの、高木先生。なんで、ここまで親切にしてくれるんですか?」

 と訊いた。それは変に感じてしまった照れ隠しの意味もあった。

「あら、だって、当然でしょ。だって、あなたは園児なんだから。園児なら可愛がって、お世話してあげなきゃダメでしょ?」

「園児……。私がですか?」

「この施設は桃栗学園っていう名称でしょ?学園に所属している子だから、ここに収容される子は皆、園児なのよ」

「はあ」

 律子は、(あまりよく分からない理屈だな)と思ったが、あいづちだけは打っておいた。

「名前だけじゃないよ。心身共にそうなるのよ」

「はあ」

「今から律子ちゃんも園児なるのよ。まずはこのお風呂場で、体から園児になりましょうね。心はこれからたっぷり躾けて、園児にしてあげる」

(このお風呂場で、体から園児になる……。一体どういうことだ?)

 律子はいよいよ、訳が分からなくなった。律子は振り返って、高木先生に面と向かって、その意味を問いただしたかった。しかし、四つん這いから直っていいという許可がまだ下りていなかったので、律儀に両手はタイルの上につけたまま、高木先生の次のさらなる説明を待った。

 少し間を置いて、高木先生は、

「こんなもの、必要ないよね」

 と言って、四つん這いの律子の足の間に腕を伸ばして、そこで濡れそぼっている陰毛をつまんで、グイッと引っ張った。

「……」

 律子は(もしかして……)と、ある一つの予見を持ったが、すぐに、(まさかそんなことはあるまい)と思った。

「剃毛をするわよ」

 と高木先生は静かに言った。

(テイモウ?)

 と律子はとっさには意味が分からなかったが、すぐに剃毛だと理解して、ハッとした。高木先生はエプロンのポケットから、折りたたみのカミソリを取り出した。

「律子ちゃん。ひっくり返りなさい」

「えっと……」

「仰向けに寝転びなさい」

「はい」

 律子は素直にそうした。背中がタイルについて冷たく感じた。高木先生の手に握られているカミソリに視線を奪われた。

「じゃあ、足を広げて」

「……はい」

 律子はさすがに一瞬、とまどったが、言われた通り、仰向けで寝たまま足を広げた。

「もっと、こうしなさい」

 と高木先生は律子の両膝を立たせて、ガバリと開脚させ、局部を大きく丸出しにさせた。そうさせておいて、高木先生は再びセッケンを泡立て始めた。

(……)

 律子は寝ながら、高木先生の一挙一動を眺めていた。やがて、高木先生は顔を上げて、

「始めましょうか」

 と言った。カミソリが律子の股間に近付いた。律子はビクッと震えたが、身動きしては危険だというぐらいの分別は持っていたので、両手の拳を固めて覚悟を決めた。

「ジッとしてなさい」

 高木先生は律子の恥丘に指を立てて皮膚を伸ばして、カミソリを当てた。律子は息を止めた。


9、ツルツルのお股

 カミソリはスッと動いた。その跡には一筋の肌色の部分が残った。律子の股間の陰毛は別に剛毛でもないので、抵抗もなくサクサクと剃られていった。高木先生の手の動きは実に慣れた様子だった。これまでも、何人もの少女の陰毛を剃り落してきたのだろう。

(ううっ……、私のお毛々が……)

 と律子は嘆きとも悲しみともつかないうめきを胸の中で唱えているうちに、恥丘は茂みを失って、ツルツルの剥き出しになった。そんな状態は実に三年振りぐらいだろう。

 陰毛を生やすということは、大人になることの証拠である。今、律子はそれを喪失して、自立心を失ったような気になった。そして、それこそが、この桃栗学園が収容者に陰毛を生やすのを許さない理由だろう。

 高木先生の持つカミソリはさらに下の方へ進んだ。剃りやすいように、律子の太ももをほとんど百八十度ぐらいまで開かせて、両膝を抑えて、下半身はコの字に形にさせた。大陰唇の表面を指先でしっかり抑えて、その複雑な凹凸部分の全体へカミソリの刃を這わせた。

(ああ、剃られている……)

 律子は仰向けで、自分ではその辺りがどうされているかは見えず、不安は大きかった。しかし、くすぐったい感触もひどく、笑いそうになるのに耐えるので必死だった。

「さあ、終わったわよ。きれいになったよ」

 わずか一分程でその作業の終りが告げられた。もう律子の股間は無毛のツルツルであり、幼女のそれと同じ状態になっているのだろう。もちろん、恥ずかしさはあったが、この桃栗学園の園児になるのなら、そのような体になることは当然だという気持ちもあった。

(でも、私のそこ、どうなってるんだろう)

 と律子は少しでも早く自分の目で確認したくて、上半身を起こそうとしたが、

「まだよ」

 と高木先生に止められた。

「え」

「次は脇の下を剃るわよ」

「……はい」

 園児と同じ体になるというなら、そこの毛も除去するのは当然だった。

「両手を真っ直ぐ上げなさい」

「こうですか?」

「うん、いいよ」

「……」

 律子は仰向けのままで両手を上げて、ちょうどバンザイをする格好になった。両足はコの字に開いたままだったので、その姿は水泳の真似事でもしているかのように無様だった。しかし、今さら恥ずかしがること自体が滑稽だろう。

 高木先生は律子の右の脇毛を剃り落した。左右の脇二ヶ所の処理は、股間程には手間がかからなかった。その後、高木先生は脇と股間に洗面器で何杯ものお湯をかけて洗い流してくれた。

「立っていいよ」

 と高木先生は言った。律子はヨロヨロと立ち上がって、すっかりきれいになった股間を見下ろした。そこには、あるべき茂みがなくなっていた。手で触るとキュッキュッと滑って、変な感じだった。

 律子は股間と脇の陰毛を全て失って、それだけの些細な変化なのに、大げさにいえば、生まれ変わったかのように感じた。桃栗学園の園児に一歩近付いたようだった。

「きれいになったね。これなら、誰に見せても平気だね」

 と高木先生は言った。律子はその通りだと思った。


10、園児になった律子

 律子はさっぱりした気分で浴室から出た。脱衣所で高木先生は律子の濡れた体をタオルで拭き始めた。

「両手を広げて」

「うん」

 と律子はうなずいた。もう陰毛を剃り落されて、園児同然の体に堕とされたせいで、そのような幼い子供のような扱いを受けても、屈辱とも感じず、むしろ当然だというように思えた。

 また、律子は高木先生に親愛の情を覚えていた。陰毛を剃られるという、過度に懇ろな行為をされて、もう他人ではないという思いをもったのだった。

「じゃあ、行きましょう。ほら、お手々をつないで」

 と高木先生は律子の手を握って、廊下へ連れ出した。

 律子はまた全裸で廊下を歩かされたが、行きしなとは違って、あまり恥ずかしいとは感じなかった。おそらく、それも剃毛の効果なのだろう。

(裸んぼで歩くの、意外に、平気だな……)

 とその心理変化に自分でも驚いたぐらいだった。

 高木先生は律子を連れて、ある一室の扉の所まで来て、そこで立ち止まった。その木製の扉をガチャリと開いて、

「入りなさい」

 と言った。律子は全裸のまま、敷居を跨いで中に入った。

 そこは大きな部屋で、鉄パイプのベッドが十数台もズラリと並んでいた。

(おっ。ここは、寝室か……)

 律子は物珍しく辺りを見渡した。

「ここがあなたのベッドよ」

 と高木先生は入口に一番近いベッドを指した。

「はい」

「この戸棚にあなたのものが入っているわ」

 ベッド一台につき、戸棚も一台設置されていた。つまり、そのベッドと戸棚が個々人に割り振られた空間ということらしかった。律子は、

(なんか、寄宿舎みたい)

 といつしかシャバで見た、学園物の洋画の一場面を思い出した。

 ベッドの上には白い箱が置いてあった。高木先生は、その中から、畳んであった布地を広げて、

「これが学園の制服よ」

 と言って、律子に見せた。それは薄いピンク色のワンピースだった。そのワンピースは丸襟で、胸元には赤いリボンがついていて、前は三つのボタンが閉じられていた。

(これを着るのか)

 律子はこの施設では、ジャージか何かの作業着のような服を着せられると思っていたので、そのような、いかにも制服のようなデザインの服があることに驚きを隠せなかった。

(結構、可愛いじゃないか。でも、ちょっと可愛すぎるかも。なんか……)

 小学校の女子の制服みたいだと思った。いや、幼稚園の制服というべきか。しかし、律子は自分の陰毛を剃られた姿を改めて思い出した。そんな体にされてしまっては、もう幼稚園児みたいな制服がちょうどお似合いだと思った。

 律子はそのワンピースを手に取った。よく観察すると、生地はくたびれていた。新品ではなく、当然、使い回しをしているのだろう。また、一目見ただけでも、スカート部分の丈はかなり短いことが分かった。そのような問題点はあったが、施設に収容され、全裸にされている今の自分が、そんな些細なことに文句を言えるはずはなかった。

「どうかしら、この制服は?」

「可愛いと思います」

「じゃあ、着なさい。いつまでも裸んぼだと、寒いでしょ」

「はい。でも、あの……、下着はあるんですか?」

「下着ね。そうだったわね。忘れてたわ。もちろん、あるわよ。これよ。うふふ」

 と高木先生は変な言い回しをして、冗談っぽく笑った。

(なんだよ、その言い方は……)

「まず、これね」

 と高木先生は白色のノースリーブのタンクトップを律子に手渡した。それは新品のようで、特に問題はないようだった。しかし、手に取って見ると、律子は一つのことに気付いた。その前の右下の所に、五センチぐらいの名札が縫い付けられていて、すでに「水野律子」の氏名が黒ペンで記入済みだった。

(自分の服には、こんなふうに名前を書かされるのか)

 と律子はまた自分が幼稚園児扱いされているという思いを強めた。

 律子は下穿きも必要だということに気付いて、

「……あの、パンツは?」

 と訊いた。しかし、高木先生は、

「パンツを穿くのね」

 などと、意味不明の反問をした。

「えっ。穿、穿きます、そりゃ……」

「穿くのね」

 と高木先生はくどく二回も訊いた。律子はその意図が理解できず、困惑した。

「は、穿きます……」

「パンツはこれよ」

 と高木先生は箱から、四角く畳まれている小さな布を取り出して、律子に渡した。律子がそれを広げると、白色のごく普通のパンツだった。真ん中に赤のリボンがついていて、インゴムの厚めの綿布で、いかにも幼い女の子向けというような可愛いらしいパンツだった。

 さらに、律子が「もしかして」と予想していた通り、パンツの右脇にも名札が縫い付けられていて、記名もされていた。

(名前入りのパンツを穿くなんて、幼稚園以来だよ)

 と律子はそれをしげしげと見詰めながら、感慨深く思った。しかし、すでに全裸で廊下を歩かされたり、お股を洗ってもらったりされるなど、園児以下の扱いを甘受している以上、今さらそれに異を唱えるわけにはいかなかった。

 律子は支給された下着を身に着けて、ワンピースを頭からかぶった。やはり、スカートの裾はかなり短く、膝上二十センチ以上はあって、ちょっとの身動きで白いパンツがチラリとのぞきそうだった。

(えっ、これでいいの……?)

 と律子は思ったが、高木先生はニコニコしていたので、それでいいということなのだろう。

 さらに、ゴムのバレーシューズ、長めの靴下を履かされた。靴下はしっかり、膝下まで伸ばすよう言いつけらた。律子のその姿はまさしく園児だった。少し背が高いので、ちょっとチグハグだったが、一言でいえば、園児という形容がピッタリだった。

「この名札をつけてあげる」

 と高木先生は律子のワンピースの胸に黄色の名札を安全ピンで留めた。桃栗学園の園児としての律子の姿が完成した。

「わぁ」

 と律子は妙にときめきを覚えた。

「さあ、教室に行きましょう。皆が律子ちゃんを待ってるわよ」

 と高木先生は律子の手を取った。律子は幼児のようなあどけない表情でコクンとうなずいた。これから桃栗学園でどのような生活を送るのかを思うと、律子の胸は期待と不安でいっぱいだった。

(完)



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