『おねしょと神頼み』(4)
Added 2024-05-23 11:23:52 +0000 UTC九章 立場の再逆転(54ー59) 54 優月と咲良は仲の良い姉妹ではあったが、裸を見せるということになると、やはり、お互いに若干の遠慮心を持っていた。 しかし、咲良は、お風呂場で姉にあんな風に体を洗ってもらって以来、多少裸を見せるぐらいなら、全然平気になっていた。それは、恥じらいが無くなったからというよりは、「自分はまだ姉にお世話を受ける立場なのだ」ということを体で理解したためだろう。 お風呂場だけではなく、部屋の中でも、咲良は優月に求められれば、素直にパジャマのズボンを下ろして、パンツも脱いで、素肌の股間を晒すのを厭わなかった。もっとも、優月の方にも、少し調子に乗りすぎた所があって、 「おねしょする赤ちゃんみたいな子には、誰かが面倒を見てあげないとね。お姉ちゃんがあなたのママになってお世話してあげる」 などと言って、毎夜、優月が咲良におねしょパンツを穿かせた。 「アンヨを開きなさい」 咲良は幼児語で咲良にしゃべりかけた。 「うん。お姉ちゃん」 「咲良はいい子ね」 などと睦言を交わして、寝る前には、優月がママ役になり、咲良が赤ちゃん役になって、姉妹二人きりで、ままごとのような一幕が展開されたのだった。咲良の方も、それを嫌がるのではなく、ちょっと照れつつも、うれしそうに微笑みながら、優月のお姉ちゃんらしい行為を受け入れていた。それを見て、優月も幸せな気持ちになった。 (いつまでも、こんな風に二人の仲が続けばいいなぁ) と優月は隣で寝ている咲良の頭を撫でながら思った。 しかし、それは長続きしなかった。咲良のおねしょの頻度は、ゆっくりだが確実に減っていき、いつまにか、週に一回もしないということも珍しくないという状態になった。一方の優月の方は、したりしなかったりだが、小さいおねしょも数えれば、平均で週に一、二回は失敗していた。 (なんか、最近、私の方が咲良よりも頻繁におねしょしてる気がする……。もしかして、回数は逆転したかも?) 優月は自分のおねしょは手早く自分で始末していたので、その辺りの事情は、咲良はまだ気付いていないようだった。しかし、同じ部屋で寝起きしている妹に、その秘密がいつまでもバレないはずはなかった。 55 ある日の明け方、優月はおねしょパンツを濡らして目覚めた。 (あ、おねしょだ……) もはや慣れっこになっていたので、特に驚いたりはしなかった。やれやれと思いながら、音を立てないように布団から抜け出し、寝静まった家で、一人お風呂場でコッソリとおねしょパンツを濯ぎ始めた。 そのように優月が洗面器でパチャパチャやっていると、突然、お風呂場の扉がガラッと開いた。 「わっ、誰?」 優月は思わず叫んだ。 「お姉ちゃん?いるの?」 「な、なんだ、咲良か……。ビックリした……」 「お姉ちゃん、お風呂場にいたんだ。えーと、もしかして、おねしょした?」 咲良は洗面器の中のおねしょパンツと優月の裸体を交互に見ながら訊いた。 「うん……」 優月は、今のこの状況ではゴマかしようがないので、素直にうなずいた。 「ふーん。最近、珍しいね。私、おしっこしたくなって目が覚めたら、お姉ちゃんの布団がもぬけの殻だったから、それで、もしかしてって思ったの」 「咲良もおねしょしたの?」 「いや、おねしょせず、ちゃんと起きられたよ。これ、濡れてないよ」 咲良そう言いながら、自分のおねしょパンツをポンポンと叩いた。それは乾いた音を立てた。 「ま、まあ、私だって、たまにはするよ……」 優月は本当は週一、二回はおねしょしているというのに、咲良には図々しくもそんな虚勢を張った。 しかし、咲良も、そんな言葉を真に受けるほどのお人好しではないので、優月のおねしょの現場を見つけてからというものは、 (お姉ちゃん、もしかして、おねしょを何回もコッソリ始末してるんじゃないの?) とちょっと疑い始めたようだった その日以降は、咲良は、優月よりも早く目覚めた時には、横で寝ている優月の布団の中に腕を伸ばして、おねしょパンツの状態を確かめるという習慣を持つようになった。咲良は、優月がまだかなりの頻度でおねしょしているという事実をすぐに発見した。 たったそれだけのことだが、咲良は現金なもので、姉に対する態度が急に尊大になりだした。毎夜していたママゴトのような遊戯も、 「私、お姉ちゃんに穿かせもらうの、もう恥ずかしいから、自分でおねしょパンツ穿く」 と言って、いやがるようになった。優月はそう言われて、ちょっと寂しい思いをしたが、無理強いはできなかった。それどころか、優月は、姉としての立場がぐらついているという危機感さえ抱き始めた。 56 ある朝、咲良は目覚めると、すぐに自分がおねしょしたと気付いた。 (あ、濡れてる……。でも、結構久しぶりにしたな。多分、今月になって初めてだ) 咲良は横の布団を見ると、優月はスヤスヤと寝息を立てていた。 (今日は、お姉ちゃん、どうかな。おねしょしたかな?) 咲良は半ばそのことを期待しながら、優月の掛け布団の下に手を差し入れた。まだ寝ている優月の下腹の辺りを触ると、ほのかに温かかった。さらに股間を探ると、随分と大きなおねしょをしたらしく、中の当て布はグッショリと濡れているようだった。 (お姉ちゃんもしてる……。とういうことは、今日は二人同時ってことか。珍しいな) 咲良はその偶然がなんだかうれしく感じられて、 「お姉ちゃん、お姉ちゃん」 と変にはしゃいだ声を出して、寝ている優月の肩を揺すった。 「んん……」 「お姉ちゃん、おねしょしたよ」 「えっ。咲良がしたの?」 優月は寝ぼけ眼をこすりながら訊いた。 「お姉ちゃんがしたのよ」 「あ、本当だ。濡れてる……」 優月は身を起こして、自分でも確かめてつぶやくと、顔を曇らせた。咲良はそんな優月を励ますように、 「今朝はお姉ちゃんだけじゃないよ。私もしたの。ほら」 と言って、膝立ちになって、パジャマのズボンを下ろすと、濡れたおねしょパンツを自ら見せた。 「あ、そうなの。触っていい?」 「いいよ、触ってみて」 「どれどれ」 姉妹で同時におねしょするというのは、なかなか珍しいことだったので、他愛の無いことだが、二人はその偶然の一致を喜んだ。二人は膝立ちで向かい合って、パジャマのズボンを下ろして、お互いのおねしょパンツを触って、その濡れ具合の比べっこをした。 「お姉ちゃん、どう?分かる?」 「ホントだ、濡れてるね」 「でも、お姉ちゃんの方がいっぱいしてるよ。当て布はお尻の方まで濡れてる」 「咲良も同じぐらいしてるでしょ」 「私はちょっぴりだよ。こんなグッショリにはなってないよ」 咲良は優月のおねしょパンツのお尻の部分を指先で叩いた。そこは、たっぷりのおしっこで濡れそぼっている証拠に、ボタボタと重たい音が響いた。 おねしょの比べっこで、旗色の悪くなった優月は、 「朝からこんな下らないことしててもあれだから、私、もう洗いに行くよ」 と話題を打ち切って、立ち上がり、パジャマの上下を脱ぎ捨て、おねしょパンツだけの姿になった。 「あ、私も」 咲良も慌ててパジャマを脱いで、優月の後を追ってきた。結局、二人は一緒にお風呂場へ向かった。 57 「どちらが先に入る?咲良が先?」 脱衣所で、二人はおねしょパンツ一枚の姿で、しばらく顔を見合わせた。 「うーんと……。そうだ、お姉ちゃん、一緒に入ろうよ」 「一緒に?お風呂場、狭くないかな」 「大丈夫だよ」 咲良はそう言って、さっそくおねしょパンツを外して、真っ裸になった。 「うーん、じゃあ、そうしようか……」 優月も同じように、おねしょパンツを外した。やはり優月の方がたくさんもらしていたようで、当て布は全体的にグッショリ濡れていた。咲良はそれをのぞき込むように見て、 「ほらね、お姉ちゃんの方がいっぱいおねしょしてる」 と言って、ニヤリとした。 「もう、そんなの見ないでよ。サッサと入って」 優月はそれを背中に隠して、お風呂場に足を踏み入れた。 「二人で一緒にお風呂入るのって、久しぶりだね」 咲良はそう言いながら、シャワーヘッドを手に取ろうとした。しかし、優月は、 「まずは、こっちを洗ってしまおう」 と言って、二人分の当て布を洗面器につけて洗い始めた。二人は一つの洗面器を挟むようにしゃがんで、一緒にその中へ手を突っ込んで、ジャブジャブとやり始めた。 こうなってしまえば、どちらが大きなおねしょをしたかなどは、もう分からなくなった。優月がそんなことを考えていると、咲良は不意に、ふふっと笑みをもらした。 「咲良、何がおかしいの?」 「だって、この洗面器のお湯って、私たち二人のおしっこが混じり合ってるんだよね。お姉ちゃん、私のおしっこが手について、平気?」 「もう、下らないこと言ってないで、洗いなさい」 洗面器のお湯を三回ほど交換して、おねしょパンツと当て布の濯ぎ洗いは済んだ。優月は二人分をギュッと搾って、お風呂場の外に置いて、 「よし、これは終り。後は体を洗うだけだね」 と言った。 「うん」 「じゃあ、咲良、後ろを向いて。この前した時みたいに、お股を洗ってあげるから」 優月はセッケンを両手で泡立てながら、命じるように言った。しかし、咲良は不敵なニヤニヤ笑いを浮かべながら、向かい合ったまま、突っ立ていた。 「お姉ちゃんがまた私の体を洗ってくれるの?」 「うん、洗ってあげるよ。だから、しゃがみなさい」 「私がお姉ちゃんにしてあげるよ」 その咲良の言葉に、優月は一瞬、自分の耳を疑った。 (咲良が私を洗うだって……?) 58 咲良は自分もセッケンを揉んで、両手を泡だらけにした。そして、一歩踏み出すと、右手を伸ばし、その指先を優月の内ももにピトッと触れた。 「ひやっ。何するのよ、咲良」 「だから、私も洗ってあげるって」 「私はいいよ」 「だって、お姉ちゃんもおねしょしたでしょ。だから洗わないと」 「私は自分でするからいいよ」 優月は怯んで、一歩後ずさった。 「してあげるって」 咲良はズンズン進んで距離を詰めてきた。 狭いお風呂場なので、逃げ場はなく、すぐに優月は壁際まで追い詰められた。再び咲良の手が優月の股間に伸びて、前に触れた。 「わわっ」 「お姉ちゃん、洗ってあげるね」 咲良はセッケンのついた手で、その辺りを無遠慮にまさぐったので、優月はくすぐったさに身をよじった。 「お姉ちゃんって、くすぐったがりなんだね」 咲良は調子に乗って、さらに手の動きを速めてきた。 「咲良、するなら、もうちょっとやさしくしてよ」 「だって、お姉ちゃん、私にした時は、これぐらいの力だったでしょ?」 「そうだったかな……」 「そうだよ。ねえ、お姉ちゃん、しゃがんでくれない?このままだとやりにくいよ。こんな風にして」 咲良はそう言って、お風呂場の床に両膝をつけた。優月もそれに釣られるように、膝立ちの姿勢になった。間髪入れず、その両太ももの間に、咲良の泡まみれの手が差し入れられた。 「んん……」 「ふふっ、くすぐったい?一緒に洗い合おうよ」 咲良は優月の手首をとって、自らの股間に導き入れた。優月としても、ここまでされれば、行きがかり上、相手の言いなりにならざるを得なかった。 二人は両膝立ちで向かい合って、お互いの股間に手を差し入れて、クチュクチュとセッケンの音を鳴らしながら、相手の体を撫でまわした。触っている場所が場所なので、優月は遠慮気味にしていたが、咲良は子供らしく、全く手加減なしにその手を往復させた。 「お尻も洗ってあげる」 咲良は右手を優月の股間に前から差し入れたまま、左手をグルリと背中側に回して、優月のお尻の丸みを撫で始めて、その辺り一帯を泡だらけにした。 59 優月はしばらくの間、前と後ろから、スベスベと気持ち良いような悪いような刺激を堪能していたが、そのうち、咲良の左手は徐々に優月のお尻の丘から谷間に移動し、やがて谷沿いに下り出した。優月の背筋にゾクゾクとした感触が走って、それと同時に、咲良への対抗心がムラムラと湧いてきた。 「じゃあ、私もするからね」 優月はそう言って、自分がされているように、咲良の背中側へ腕を伸ばした。そこに触ると、咲良のお尻は手の平の中に収まる程に小振りで、また驚くほど柔らかく、いつまでも撫でていたいと思った。 「お姉ちゃん、私のお尻をそんなにギュッてしないでよ」 「だって、咲良のお尻、柔らかくて、気持ちいいんだもの」 「ふふっ。それはお姉ちゃんのお尻だって同じだよ」 姉妹はお互いのお尻を褒めて揉み合っていると、自然に二人の姿勢は抱擁しているように接近して、お互いの胴体は胸がピタリとくっ付いた。咲良は、 「こうしたら、楽ちん」 と言って、自分のあごを優月の肩に乗せた。優月もその真似をして、眼前の咲良の華奢な肩の上に自分のあごを軽く乗せた。 不意に二人は同時に振り向いたので、頬っぺた同士が触れあった。お互いの息吹きを感じながら、両者は笑顔を交わした。 「お姉ちゃん」 咲良は優月のお尻やら背中やらを撫で回しながら、優月の耳たぶに息を吹き込むように、甘い声でしゃべりかけた。 「何?」 優月もウットリとした声で訊き返した。 「今度からはね、どっちかがおねしょしたら、した方は洗ってもらうってことにしようよ。いい?」 「うん。いいよ」 「約束ね」 「分かった」 優月はこの場の雰囲気に流されて、気安くそんな約束をしたが、自分だけがおねしょして、妹の咲良に体を洗ってもらうという屈辱的な状況は、遠からず実現するだろうと確信した。しかし、 (まあ、その時はその時で、なんとか対応を考えればいいか) と思って、それ程深刻には取らなかった。 十章 妹の無遠慮な手付き(60ー66) 60 先日、お風呂で仲良く体の洗いっこをして以来、優月と咲良の関係には微妙な変化が生じていた。お互いに個人的な場所を弄り合った結果、元々希薄だった姉妹としての上下関係をあまり意識しなくなり、親密な友達のような間柄に変化した。おねしょする頻度は、依然として優月の方が多いという事情も、そこに寄与していた。 なお、その点をより正確に言うと、おねしょの回数は優月の方が多いというよりも、咲良はほぼおねしょを卒業したという状態だった。 そのような状況の中で、朝方、二人は目覚めると、まずお互いの体をまさぐって、おねしょの有無を確かめるという習慣ができていた。優月は、おねしょした時は、大抵の場合、自然と早めに目覚めることができた。一方の咲良は寝坊助さんで、なかなか優月のおねしょの現場を抑えられなかった。 この朝も、優月は、 (あっ、おねしょした) と気付いて、ハッと目が覚めた。部屋の中はまだ薄暗く、咲良は隣の布団でスヤスヤと寝ていた。優月はそれを尻目に、さっさとお風呂場に行った。 その後、すぐに咲良も目覚めた。隣の布団に優月がいないと気付くと、 (もしかして、これは……) と状況を理解して、お風呂場へ向かった。 しかし、咲良が脱衣所に顔をのぞかせた時には、すでに優月は体を洗い終わっていて、お風呂場から出て、脱衣所で裸体を拭いていた。 「お姉ちゃん、おねしょしたんだよね?」 咲良はまだ眠そうな腫れぼったい目をして訊いた。その声は少し残念そうだった。 「うん。ちょっとね……」 「お姉ちゃん、約束は?」 「約束って、あれだよね。おねしょしたら、した方がしてない方に洗ってもらうって約束のことだよね?」 「そう。その約束」 「でも、だって、咲良、あなた、まだ寝てたんだもの」 やはり優月は、本音として、妹から一方的にそんな扱いを受けるという状況は避けたかった。 「……まあ、そうか。じゃあ、今、拭くの手伝ってあげるよ」 咲良は不満そうに言いつつ、タオルを手に取って、優月の濡れた体を拭き始めた。 (これぐらいなら、やってもらってもいいか……) 優月はおねしょしたという負い目があるので、無下に拒絶できず、咲良のされるがままに任せた。咲良は優月の背中やお腹だけでなく、体の隅から隅まで丁寧に拭いてくれた。熱心に拭いてくれるのはいいが、両太ももの間の微妙な場所まで、ゴシゴシとやや荒っぽい手付きでされたので、優月は耐え難くなってきた。 「ねえ、咲良。そこら辺は、私、自分で拭くからいいよ」 優月はそう言って、咲良からタオルを取り返そうとした。しかし、咲良はそれを遮って、 「いいから、いいから。私が全部やってあげる」 と言って、なかなかのお世話振りだった。 (もしも、今朝のおねしょがもっと早く見つかっていたら、お風呂場で咲良に体を洗ってもらうってことになっていたはず……。その時は、咲良からどんな目にあわされることになっていたんだろう……) 優月はそれを思うと、少々空恐ろしく感じた。 61 その三日後、優月がおねしょしたのと、咲良がたまたま早起きしたのが偶然重なって、ついに優月は咲良におねしょの現場を押さえられてしまった。 「お姉ちゃん、お姉ちゃん。おねしょパンツ濡れてるよ」 咲良はうれしそうな声を上げて、優月の肩を揺すった。目を覚ました優月は、 (あっ、しまった。どうしよう……) と思いつつも、ついにかと、あきらめの気持ちも大きかった。咲良はニヤニヤ笑いを浮かべながら、 「お姉ちゃん、分かってるよね?あの約束」 と訊いた。優月も、こういう状況になってしまえば、もうジタバタせず、潔く覚悟を決めた。 「うん、分かってるよ……」 「じゃあ、行こうか」 咲良は逃がさないよと言わんばかりに、優月の手をしっかりと握って、一緒にお風呂場へ連れ立った。優月は素直に咲良の後ろをついて歩きながら、胸の鼓動がドキドキと高鳴るのを感じた。 「はい、バンザイして」 咲良は姉に向かって、そんなぞんざいな口を利きながら、背伸びして優月のパジャマを頭から引き抜いた。そして、ズボンも脱がせて、おねしょパンツだけの姿になった優月をお風呂場へ入れた。 「これも外すよ」 咲良は優月の返事も待たず、おねしょパンツも剥ぎとった。 (うう、私だけスッポンポンになっちゃった……) 全裸にされた優月は、身を縮めるようにして立っていた。 咲良はその濡れたおねしょパンツを手の平に乗せて、中の当て布がおしっこでグッショリと黄色く染まっているの確認してから、洗面器にボチャンとつけた。それを見ながら突っ立っていた優月に、咲良は、 「じゃあ、洗おうか。しゃがんで」 と言った。 「……うん」 優月は前回の咲良と同じように、横向きになってしゃがんだ。 「私はこうしてっと」 咲良は自分のパジャマのズボンの裾を膝上まで巻き上げて、両膝をついてしゃがんだ。 (自分は服を着たままで、真っ裸の私を洗うつもりなのね……) 優月は今の二人の立場や姿の対比を思って、複雑な心境になった。ママにだけはこんな姿を見られたくないと思った。咲良も同じ思いでいるようで、 「ふふっ。妹の私がお姉ちゃんを裸んぼにして、体を洗ってあげるのって、なんだか変な気分だな」 意図的な悪意は無いのだろうが、さらに咲良は優月の羞恥を煽るようなことを言った。 「お姉ちゃん、今、どんな気分?」 「……」 「ねえ、なんとか言ってよ」 「もう、こんなの恥ずかしいに決まってるでしょ」 「ふふ、そうだよね」 「下らないことを言ってないで、早く洗ってよ」 「はいはい。わかりましたよ」 咲良はセッケンを取って、両手でこすって、クチュクチュと念入りに泡立てた。 (いよいよか……) 優月はゴクリと生唾を飲み込んだ。 「じゃあ、するよ」 咲良はその泡塗れの手を優月の内ももにピトッと触れた。優月は唇をグッと固く結んだ。咲良の手は太ももから股間にかけて、キュッキュッと前後左右に動いた。 「ふぁ……」 優月は咲良に敏感な場所を無神経にゴシゴシ擦られて、その何とも言えない感触に、思わず声をもらしてしまった。咲良は、 (どう?) というように、優月の顔をのぞき込んだ。 「もうちょっとやさしくして……」 「えっと、こんな感じでいい?」 「うん……」 優月はそう言ったものの、あまり変化があったようには思えなかった。 62 優月は無心の境地になって、相手のされるがままになっていたが、ふと尿意を覚えた。 (あ、おしっこしたくなっちゃった……。お風呂でおしっこする癖、なんとかしないとな……) と一人密かに後悔しながら、洗ってもらうくすぐったさに加えて、尿意にも耐えていた。 しかし、何も知らない咲良は、不意に優月の股間の敏感な箇所をシュッと擦ったので、優月の体はビクンとなった。その一瞬、お腹の力が緩んで、おしっこがジョバッと噴き出て、股間を洗っていて咲良の手にビシャっとかかった。 「わあっ」 優月はおしっこをもらしたことと、それを咲良の手にかけてしまったことの二つに、我ながら驚いて、反射的に大声で叫んでしまった。とっさに優月はお腹にグッと力を入れて、何とかおしっこはすぐに止められた。 「え?」 咲良はビシャビシャになった自分の左手と、優月の股間とを見比べていたが、まさかおしっこをかけられたとは思いもよらなかったようだった。 「ご、ごめん。咲良……」 「これ、おしっこ?」 咲良はようやく理解した。 「ちょっとだけ出ちゃった……」 「お姉ちゃん、おしっこ、我慢してたの?」 咲良は左手を鼻先に近付けて、匂いをかいで、それがおしっこだと確かめた。 「……うん」 「もう、じゃあ、そう言ってよね。ビックリするじゃない」 「ごめん……」 優月はひたすら謝るしかなかった。 「お姉ちゃん、どうする?お手洗いに行く?」 「いや、我慢できる」 「ホントだね。もう手にかけないでよ」 「ホント、ごめん」 「もう、いいよ。そんな謝らなくて」 「ねえ、咲良、怒った?」 「怒ってないよ」 咲良は素っ気なく言って、優月の股間を洗うのを続行した。しかし、優月には、気のせいかも知れないが、その手付きはさっきよりも力強い感じがした。 (本当は怒ってるんじゃないの?) 優月は心配になっていると、またおしっこはチョビッともれて、咲良の手にかかった。 「ああん、また出ちゃったよぅ」 「わわっ。また?。じゃあ、もう、お姉ちゃん、ここでしちゃってよ」 咲良はそう言ったが、すでにおしっこは優月の両太ももの間からジャーと勢い良く噴き出ていた。 (ううっ、おしっこが止まらない。どうしよう……) 優月はそう思いつつも、その放出の気持ち良さに、ハァと溜息をもらした。咲良は咲良で、 「おねしょした後でも、こんなにいっぱいおしっこ出るんだね」 と驚いたような、呆れたような顔をしていた。 63 近頃、二人の間柄はますます親密になった。それに伴って、お互いの気持ちも以心伝心で通じてしまうようで、おねしょを隠そうとしても、大抵の場合で相手に見つかった。 ある日の深夜、優月はおねしょをして目覚めた。まだ部屋は真っ暗で、辺りはシーンとしていた。 これまでの経験上、おねしょは明け方にしている場合が多いようで、今回のように夜中に濡らして起きるのは珍しかった。 優月は布団の下で、ゴソゴソとおねしょパンツを探ってみると、それほど大きなおねしょではないようだった。夢心地の中で、どうしようかとしばらく考えていたが、まだ眠かったので、 (まだ夜中だし、このまま寝直すか) と、再び目をつぶって、ウトウトし始めた。 しかし、微かな衣擦れの音で、咲良を目覚めさせてしまったようで、 「お姉ちゃん、どうかした?」 と頭を枕から持ち上げて訊いた。 「えっ。どうもしてないよ……」 「ホントに?」 咲良はさっきからこちらの様子をうかがっていたらしく、怪しいと思って、手を伸ばして、優月の体を触った。 「あっ、咲良、やめて」 「やっぱ、おねしょしてるじゃん」 「……」 「お風呂場に洗いに行く?でも、まだ、こんな時間だからね……」 「まあ、大丈夫だよ」 「でも、濡れたままじゃ気持ち悪いでしょ。当て布だけでも替えてあげるよ」 咲良は優月の返事も待たず、一方的に決めて、そそくさと起き上がって、暗い中、タンスの引き出しを開け、替えの当て布を取り出した。 「お姉ちゃんの当て布、これだよね」 「咲良、私は別にいいんだけどね……」 「替えてあげるって」 咲良は自分の中では、すでにそうすると決めているらしかった。優月はもう何を言っても無駄だと悟って、あきらめたように、 「じゃあ、してもらおうかな……」 とつぶやいた。 咲良は無言でガバリと優月の布団をめくった。優月はたじろいで上半身を起こそうとしたが、咲良は「そのまま寝ていて」というように、優月の胸を押さえて、 「敷き布団は濡れてないよね?」 と訊いた。 「うん……」 優月は寝ながらも、目だけをキョトキョトさせていると、咲良はその足元にかかんで、パジャマのズボンの裾を握りしめた。 「脱がすよ」 「う、うん」 「お尻を持ちあげて」 優月は腰を浮かせると、咲良はズボンを引っぱって、サッと両足から脱がせた。あっという間に、優月の下半身はおねしょパンツだけになった。 咲良はそのズボンを脇に置くと、優月の横にしゃがんで、おねしょパンツの股の部分を触った。 「結構濡れてるじゃない」 「そうかな……」 咲良は、優月にそれを確認させる暇も与えず、おねしょパンツの前当てのマジックテープをつまんだ。それを引き剥すと、バリバリとけたたましい音が部屋に響いた。 64 「お姉ちゃん、もっと足を開いて」 「こう?」 「もっと」 「これぐらい?」 「うーん、もうちょっと開いて」 咲良はそう言いながら、自分の両膝を優月の両足の間に割り込ませるように座った。そして、優月の太ももをつかんで持ち上げて、左右にググッと押し開いた。そこが直角になるぐらいまで十分に開脚させてから、おねしょパンツの前当てをカパッと開いた。 (うっ) 優月は心の中で叫んだが、開かれたのはおねしょパンツだけで、股間はまだ当て布で覆われていた。しかし、次の瞬間、肌に貼りついていた当て布もペロリと剥された。 「あっ」 今度は優月はつい声を上げてしまった。おしっこで濡れていた股間は外気に触れて、ヒヤリと感じた。暗い部屋の中とはいえ、咲良の眼前に素肌の股間をあられもなく晒して、その恥ずかしさに優月は両手でシーツをギュッと鷲掴みにした。 「お姉ちゃん、もう一回、お尻を持ち上げて」 咲良はおねしょパンツから濡れた当て布だけを引き抜いて、クルクルと丸くたたむと、 「これはお風呂場で水につけておくから、そのままで待ってて」 と言い残して、咲良は部屋から出て行った。 優月はその足音が遠ざかっていくのを聞きながら、言われた通り、下半身真っ裸で、一人暗闇の中で大の字になって寝ていた。自分でもこの状況がひどく滑稽で、さらには淫靡なようにも感じられて、剥き出しの下半身の奥が変に熱くなってきた。優月はその辺りを手でギュッと押さえたい衝動に駆られたが、今この場所でするのは自重した。 やがて、また足音がして、咲良が部屋に戻ってきた。 咲良は片手を空中に漂わせていた。優月はそれを見て、咲良が天井の照明の吊り紐を手探りで見つけようとしているのだと分かって、 「あっ、ダメ、照明はつけないで」 と懇願するように言った。しかし、咲良は、 「だって、照明を点けないと何も見えないでしょ」 と言って、紐をカチンと引っぱった。 部屋はパッと明るくなって、下半身を丸出しにした優月の姿が蛍光灯の明かりの中に照らし出された。 「んっ、まぶしい」 優月は顔を隠すように両腕で覆った。まぶしいのは事実だったが、それよりも、こんな見っともない姿態を晒されて、咲良にどんな顔を見せていいのか分からなかったということの方が大きかった。 65 咲良は優月の恥じらいに気付いているのか、いないのか、それに頓着する様子は全く見せず、 「当て布を替える前に、この辺、拭いてあげるね」 と言って、優月の両足の間に膝をついて、少し閉じかけていた両足をぞんざいにガバッと開かせて、その辺りを濡れタオルでゴシゴシと擦った。優月は声を出すまいと耐えていたが、「ふっ、ふっ」という吐息がもれるのは止められなかった。 「もっと、こうして。お尻の方も拭いてあげるから」 咲良はそう言って、優月の両足を折り曲げて、優月自身にその両膝を抱えさせた。優月はそんな窮屈な姿勢を取らされながら、 (なんか、赤ちゃんのおむつ替えみたい) と思った。それを表情から読み取ったのか、あるいは偶然同じことを考えていたのか、咲良も、 「なんか、お姉ちゃん、大きな赤ちゃんみたいだね。ふふふ」 と言った。 優月は咲良にそんな軽口を叩かれ笑われても、怒りは覚えなかった。むしろ、優月の心の中では、いつの間にか、恥ずかしくてイヤだという気持ちは消えていて、その代わり、咲良の親切心に感謝したいという喜々とした気持ちで満たされていた。優月はそれを言葉にして伝えたくなった。 「ねえ、咲良」 「何?お姉ちゃん」 「こんなに親切にしてくれて、ありがとう」 その言葉は口先だけのお世辞ではなく、本心から出たものだった。その誠意は咲良にも伝わったらしく、 「いいのよ」 と言って、ニコッとした。それを見て、優月もうれしくなって微笑み返した。 (私、咲良が妹でよかった) と心底から思った。しかし、そこまで言うのはさすがに照れくさくて、口には出せなかった。 優月は咲良の顔を見て、咲良もその微笑の下では、「私も、優月お姉ちゃんがお姉ちゃんでホントによかった」と思っているはずだと、固く信じた。 咲良は、優月への愛情の証であるかのように、新しい当て布をたっぷりと敷いてくれた。おねしょパンツの前当てを留めると、中はモコモコになった。優月はその心地良い圧迫感を味わいながら、ぐっすりと気持ちよく眠った。 66 翌朝、優月は目を覚ますと、まずはおねしょパンツを探った。幸い濡れていなかった。 洗面所で咲恵と顔を会わせると、二人はいつものように朝のあいさつを交わした。優月は昨晩のことで一言ぐらい茶化されるだろうと身構えていたが、咲良は何も言わなかった。 (気を使ってくれてるのかな?) 最初、優月はそう思った。しかし、咲良の仕草や表情に不自然な所は無かったので、逆にそれが不審だった。ふと、もしかして、昨晩の出来事は夢だったのではないかと考えたが、すぐに、まさかそんなはずはないと自分で打ち消した。 後でこっそりお風呂場に行き、洗面器の中をのぞいてみると、その中は空っぽだった。 (あれ?水につけてあるはずの当て布がない……。じゃあ、ホントにあれは夢だったのかな?) 優月のその疑念は深まった。しかし、かと言って、咲良に「昨晩、私、おねしょして、あなたに替えてもらったよね?」などとは訊けなかった。もし、本当に夢だったのなら、「お姉ちゃん、何寝ぼけたこと言ってんのよ」と思いっきりバカにされるだろう。 その後、優月が全く予想していないことが起こった。 同じ日の夕方、咲良のいない所で、ママは優月に低い声で話しかけた。 「昨日、咲良がおねしょしたみたいね」 「えっ」 優月は思わず叫んでしまった。 「あら、知らないの?」 「うーんと、そうね、多分したと思う」 優月はママに調子を合わせて、とっさにそんな出まかせを言ってしまった。 (ママは、咲良がおねしょしたって勘違いしてる……。本当のことを教えた方がいいよな) そう思いつつも、結局は言いそびれた。咲良に自分のおねしょを押し付けたようで、優月は悪い気がした。 しばらく、そのことを思い悩んでいると、優月の頭の中にハッとある考えが思い浮かんだ。 (咲良は、わざと私の身代わりになってくれたんじゃないだろうか……?) しかし、今さら咲良に問いただすわけにもいかず、もはや真相を知るすべは失われていた。