一人の牧師と四人の少年たちが村で唯一の教会を管理している。 普通なら、村八分にされるような出身のガキも混じっているが、今の若い牧師や神様と言う者への信仰は厚く。 実際に、迫害されているところは見なかった。 本当に、迫害を行っていない。 そんな村ならやっていけるかもしれない。 そう思いながら、一か八か、知られてはいけない秘密の罪を手に教会へと赴いた。 聖女像の傍らの小さな懺悔室へと足を踏み入れる。 待機していたらしい誰かの気配がする。 「あの、よろしいでしょうか?」 カタッ 座りなおしたのか体勢を直す音を聞きながら、返事を待つ。 「どうぞ。」 牧師かと思っていたのだが、少年のうちの誰からしい。誰かは。 懺悔室への入室をか細い声で許可をしてくれる。 正直、そんな少女のように声変わりもせぬ、世間もしらぬ少年へ、懺悔したところで、何の意味があるのかと言う気持ちもあった。 だが、自分の手にある罪を流す力を持つ者がいる村ならば、弱みにもなるが。 同じように脛の傷を持った者として、遠慮なく暮らせるそういった思いから、正直に、ぽつりぽつりと。 村に来るまでに、弟たちのための出稼ぎのその先で行った悪徳について脚色することなく語り始めた。 まず自分は人を殺した。 その言葉に、くっと呼吸が止まる感覚が伝わる。 それはそうか、当たり前の反応だ。 けれど、大切なカードの全てはきらずとも、もう少し他のカードでも様子を見て村の象徴の反応を知らなければいけない。 次に、人を騙してきた事を詫びる。 「そ、それは、いい事です。自らのっ、つ、罪を……認める事は。困難な事、にもかかわらずあなたは若き身でありながら。自身の罪悪と向きあっているのです。」 少年のその言葉は、聖職者の常套句ではあるが。 切羽詰まったその口ぶりは、少なからず、真剣に聞いて、言葉を吟味し、怯えながらも、誠実に答えてくれているように感じる。 ああ、少年に慰められるなんて情けがない、弱みになるカードを切るなんて、もっともっと情けがない。 そう、頭では思っていたはずなのに。 その少年の優しさにつけいるように。 気づけば朗々と語る物語でも語るように言葉を紡いでいた。 自分の不運で不幸な出会いと人生についての物語。 ソレに対して、少年は何かを否定するでもなく。 ただ静かに聞いてくれている。 「ワルイな、本当は……懺悔なんてするつもりはないんだ。そうしなきゃ俺は生きてこられなかった。」 正直な言葉が思わず漏れる。 その言葉にかぶせるように少年は先ほどより熱の篭った声で応える。 「その不都合な真実を口に出来る。あなたは強い人です。この先ナニがあろうとも貴方を神はみすてはしないはずです。」 感極まったような、そのくちぶりに迂闊にも胸元がジンと疼く。 「・・・・・・そうだといいな。ありがとう。」 許しがあるか。 けれど、お人好しがいる村は息苦しい。 利用しやすい小悪党なんていなかった。 自分の人を見る目なんて、やはりアテにならないのだなと、青年は教会をあとに、宿へと戻った。 誠実な青年がいなかったように、彼が許しを問うた神も、神に仕える存在もいなかったとも知らずに。 男が来る事は、前もって宿屋の主人から牧師に連絡が入って知られていた。 値踏みの懺悔をするために来る事を知った牧師は。ある火遊びを思いつく。 一人の少年を選ぶと、懺悔室に一緒に押し込み、自らのブツを舐めるように命令した。 何年も何年も、他の見習いの代わりに犯された白髪の少年は。 コクリと生唾を飲み込み。 いつものように、救いを求める神へ、祈るような表情を浮かべると。跪き。 そっと、少しだけ硬度を持ち下着を押し上げているソレを布越しに食む。 ざらりとする綿の布越しに舐めると。 汗や尿の混じるような甘酸っぱいようななんともいえないヒトのニオイがする。 ああ、頭がくらくらしそうだ。 そんな事を思いながらも、粗相が無いよう、ペロペロと布の上から、次は唇で下着をずらし、取り出した、お辞儀状態のちんぽの頭へと口付けをし。 鈴口へと舌先をグリッと押し当てる。 先端をグリグリとほじるように舌先で愛撫し、唾液のローションでドロドロにしながら。段々と反り立つソレを指を沿え、舌を這わせ、頭をストロークするように前後に動かしながら奉仕をする。 「すみません。」 「!?」 ひゅっと変な呼吸でむせそうになるのを耐え切ったが。 体勢を崩し。物音が立ってしまう。 居留守を使えない状況になった少年は、眼前の牧師のニヤニヤと笑う表情を読み。 諦め、彼の方へと尻を突き出し。 祈りのポーズをとりながら。 懺悔室の向こう側の誰かへと向き会う。 最初から切り出された話は想定外の重いジャブだった。 命を弄ぶ人間が増えるかもしれない不安。 その重い事実に興味深そうにしながらも、自身の尻肉をわしづかみに押し広げ穴に、ちょうど竿の裏筋が擦れるよう、ゆっくりとピストンをはじめる牧師。 体液や肌が打ち合う音を慣らすような間抜けはせず。確実に焦れる角度でゆっくりと動かされる竿に膝が震え、唇を何度も嚙み。 目の前の男の納得する言葉と、背後の牧師の納得する態度を模索する。 見つかるわけがないじゃないか。 ツライ、苦しい、欲しい欲しい欲しい欲しい。 何年も開発された肉体は誰かへの献身以上に快楽を貪欲に貪り。 現実から逃げる事を選ぼうとする。 目の前の男に誠実であれと思っているのに、自らの尻は上下へと揺れ。竿が間違って入る事を期待までしている。 最低だ。自己嫌悪の中涙を浮かべ。 自らの絶望を吐き出した男へ、自分が言われたいその言葉を与えた。 「その不都合な真実を口に出来る。あなたは強い人です。この先ナニがあろうとも貴方を神はみすてはしないはずです。」 少年にとって神が死んだ日から、自らを汚した日からずっと言い聞かせている言葉。 男が出ると同時に。 腹の中に熱いマグマでも注がれたような感覚が走る。 「随分上手になったな。」 牧師の残酷な笑みに、応える気力もなく。 唇を嚙みうつむいて、ため息を付く。 掃除をしておけそう言われ。自らの欲を吐き出した牧師を見送り。 罪で罪を洗い、結果だれも救われなくなったただの噂を閉じ込める穴となった懺悔室を見つめる。 そこに真実などはない。 あの青年はきっと村の人間に利用され、何もかも失う側の人間だ。 本当の悪人は、自分が賢いと思いながら試すことはせず。 あくまで傍観者でいるのだから。彼は使われる側。 それだけが真実だ。 緩やかな絶望の中、奈落に落ちる羊の身をただただ哀れむ。