慧のテオへのリベンジマッチ———勝利した慧はまさかのテオを押し倒す。自分の心を変え、反逆者から姫勇者への転身。
———まあ、いいんじゃねえ?なんか吹っ切れたみてーだし。次は俺がリベンジしてやるぜ!
試合後、改めて爽やかに宣言するテオであったが。
(水瀬慧…!反逆者の癖にテオを犯すだなんて…!許せない…!)
その裏で、『反逆者』から進化した『姫勇者』水瀬慧に対し憎悪の炎を燃やす男がいた。
レディィィィスッ!エェェンドッ!ジェントルメェェェェェェンッ!
1週間後。FN第1メインリング。
「水瀬慧…!」
俺、水瀬慧の前で憎悪の炎をメラメラと燃やす男。———文字通り炎のような長い赤い髪をポニーテールにまとめ、獣のようにしなやかな、だがしっかりと引き締まった体。そして何より、怒りで燃え上がる真っ赤な瞳。
「よくも、よくもテオをやったな!許さない!」
ラルフ=エヴァンス。テオと同じく、海外からFNにやってきた選手。そして、テオと『仲がいい』とされている選手…
「…初めまして、って雰囲気じゃなさそうだね、ラルフ」
「当り前だ!反逆者の癖に…どうして、どうしてテオの時だけ!」
「………」
俺はぎゅっと拳を握りしめた。———色々と思うことがあった。今までは、快を助けるためにカッコよく、胸を張れる兄であろうと反逆者のその汚名も被っていたのも事実だ。…だけど。
(…もっと、もっと俺は考えなきゃいけなかった。俺自身がどうすべきなのか。何が快を助けるのに一番の目的だったのか…!)
こうして、新たな二つ名『姫勇者』を背負った俺。これからの俺は、FNのルールにもある程度従う。そんな道を選んだ。…けど、ラルフはそんなこと知るはずもない。だから、今日のラルフの怒りは、今まで俺が反逆者をやってきてしまったことへのいわば、ツケだ。
「絶対に!絶対に許さないッ!お前をこのリングに沈めてやる、水瀬慧ッ!」
高らかに宣言、そしてグローブをびっ!とつきつけるラルフ。———俺は静かに息を吐いた。
「…ごめん」
「何を!」
「けど!俺も生半可な覚悟で反逆者をやめたわけじゃない!」
「何を言っている!貴様、反逆者だろう!」
…公式から、まだ俺が反逆者から姫勇者になったという発表はない。だから、ラルフの怒りもわからないわけじゃない…が!俺はぐっとラルフを睨みつける!そして!
「来い、ラルフ!俺の覚悟…見せてやる!」
俺は高らかに宣言をするとレフェリーが俺達を引きはがす。そして———
カーンッ!
ゴング!
高らかな鐘の音と共に、観客たちの盛り上がりが一層、沸き上がったその瞬間!
———タンッ!
ラルフがリングを蹴る!———俺はぐっとガードを固めた。
(さすが…早い…!)
俺はガードを固めながら、動くラルフを目で追う。———左、右。まるでかく乱するように動き、
(…そこか!シッ!)
俺がラルフの動きを読むかのように、左フックを放った、その瞬間!
「甘いッ!」
ドスドスゥゥッ!
「———ぐっ…!」
俺の左フックをダッキングで避けたラルフのボディーへのワンツー!———威力こそ、そこまでではないが、圧倒的なスピードで避けてからの的確な2連撃!
「このっ!」
俺はすぐさま反撃、打ち返しのジャブを放つも———
「ふん、遅い!」
タンッ!
ラルフはすぐさま反転、俺のパンチをあざ笑うかのようにバックステップで避けると再びキュッキュとリングを鳴らした。そして!
「ふっ!シッ!」
ドスッ!ドスドスッ!
「ぐっ…!」
隙を穿つようにボディ!
「このっ!ちょこまかと…!」
俺はすぐさまパンチを打ち返すも、ラルフの速さは俺の予測以上。俺のパンチが届くころにはラルフはあっという間にバックステップ、距離を取り———
「シィッ!」
バシィッ! ドスゥゥゥッ!
「ぐっ…!」
ラルフの速さについていけない俺のボディをラルフのパンチが何度も襲い掛かる!
「どうした、水瀬慧!」
「くっ…!速すぎる…!」
圧倒的なスピードでかく乱するラルフのハイギア。軽い、とはいえ何度も殴られた俺の腹筋は徐々に、徐々に熱く悶え、呼吸は苦しくなっていく。
「ふん!このままいたぶり倒してやる!」
(長期戦は厳しい…!このままじゃ…!)
ラルフの戦い方は、立花さんの高速のインファイトに似ている。リングを高速で駆け回り、相手をかく乱、揺さぶり、ラッシュを打ち込むのが立花さんの高速のインファイト。それに対し、ラルフはラッシュを加えるのではなくチクチクとボディーを中心に隙を穿ち、スタミナ切れの相手を一気に刈り取るいわばヒットアンドアウェイ。———が!
「俺だって…!伊達にここで長い間、戦っていない!」
タンッ!
俺は足を動かす。———ラルフのような戦い方は、迎え撃とうとすればするほど相手のペースに引きずり込まれる。ならこちらから攻める!
「そこだッ!」
ダンッ!
こちらからもステップ!俺は足を使い、前に出るとラルフはとっさにバックステップ!
(よし…!)
俺は散発的にジャブを放ち、ラルフをロープへと追い詰める!そして———
「シッ!」
「…ちっ!」
タンッ!
ラルフがバックステップ、瞬間!
くんっ
「ッ!」
その背中がロープに当たった———その時!
「もらったッ!」
ダンッ!
俺は拳を握りしめる!そして!
「まずは…足を止めるッ!シィッ!」
ボディーアッパー!ラルフの鳩尾目がけ、ダブルボディーの一発目を放とうとした、瞬間!
「———ふ」
ラルフの口角が少しだけ上がる!そして!
「見え見え…なんだよ!シィッ!」
「ッ!」
バッシィィィィィィィィィッ!
「ぐ…はっ…!?」
カウンター!ラルフの赤いグローブが一閃、近づいた俺の顔面を打ち貫くと———
「まだまだ…喰らえッ!」
タンッ!ドスドスドスドスゥゥゥゥゥゥゥッ!
「———ッ!」
ラルフのイグニションバースト!ボディーフックの連打が俺の脇腹に何度も叩き込まれると!
「———終わりだ、水瀬慧ッ!」
ドッボオオオオォォォォッ!
———そのまま、ボディーアッパー!ラルフの渾身の力を込めた一撃が俺の腹を綺麗に突き上げた!
「ぐあっ…!?」
息が詰まる。それと同時、腹筋がみしり、と嫌な悲鳴を上げる。同時、何かがこみ上げてくる衝動と同時、俺の膝はガクリと折れ———
ドタァァァァンッ!
「うぐっ…!」
Down!
俺はリングマットに這いつくばると、レフェリーの大きな声、そして観客たちの歓声が沸き上がった。
「どうだ、水瀬慧ッ!」
俺に向け、ビシッと拳を突き付けるラルフ。
「く…ぅ…!」
1,2と進んでいくカウント。———俺は痛む腹を押さえながら、必死に呼吸を整えた。
(…正直、効いた…!あのタイミングのカウンターからのボディーへの集中攻撃…!)
俺は体を起こしながら膝を立てる。———が。
「がはっ!げほっ!」
俺は顔をしかめる。———ラルフのボディーを集中で狙い、イグニションバーストで一気に腹筋崩壊、そして、そこに叩き込むボディーアッパー。
(く…そ…!)
しっかりと、ラルフの手のひらで踊らされた俺はカウント8。ファイティングポーズをとる。
「…ふん、死にぞこないが」
ラルフは鋭く俺を睨みつけた。
(…参ったな…結構、ダメージが来てる…!)
はあはあと息を荒げる。———ラルフのあのスピード、あれを打ち破らなければ俺に勝利はないだろう。そして、激しく打たれた腹筋もそろそろ限界。
(次で何とかしなくちゃ…けど…どうする…!?)
俺は…
―――――――――――――――――――――
【ifルート】
・カウンターを狙う!
―――――――――――――――――――――
タンッタンッと子気味良くステップを踏むラルフ。
(…どうする…速すぎて追いつくことはできない…!)
「ふっ!」
ドスドスゥッ!
「ぐっ…!」
「ふん!どうした、水瀬慧!この程度か!」
ラルフの手は止まらない。そして、俺の体も限界———と、その時だった。
「まだだ!まだ…!テオに手をかけたお前だけは、絶対にッ!」
———俺はあることに気づく。そして、
「このぉッ!」
ドスゥゥゥゥッ!
「がっ!?」
ラルフの渾身のボディー!壊れかけた俺の腹筋が悲鳴を上げた、その時だった!
「ぐっ…がはっ…!」
「どうだ、水瀬慧!俺の、俺の怒りを…!」
「…ふふ」
「っ!?何がおかしい…!」
「さあて?」
「貴様ッ!」
ラルフの怒りがさらに燃え上がる!そして!
「許さんッ!喰らえッ!」
ラルフは『足を止め』その場でインファイト!俺の顔面を渾身で殴ろうとした———その瞬間!
「っと!」
がばぁっ!
「っ!?」
クリンチ!俺はとっさにラルフの体に抱き着き———
「こ、この!離せ!」
「へへっ…!」
俺はぐっと、ラルフを抱きしめ、体重をかけてやる!そして!
「このっ…いい加減…!」
ラルフの目がさらに怒りに燃え、俺を引きはがそうとした———その時!
「ふっ!」
ドスゥゥゥッ!
「ぐはっ!?」
俺はラルフの脇腹にボディー!
「こうやって捕まえたら…避けられないだろ!」
「く、卑怯…な…!」
「舐めんなッ!」
慧はぐっとクリンチを剥がす!そして!
ダンッ!
俺は大きく踏み込む!ラルフも慌てて、バックステップで距離を取ろうとするも———!
「ぐっ…?!」
「逃げられると…思うな、ラルフッ!シィッ!」
ドスゥゥゥゥゥッ!
「がはあっ!?」
逃げ遅れたラルフにボディー!俺はそれを叩き込む!
「ぐっ…!」
ラルフの顔が歪む!そして、ラルフが俺のダブルボディーを警戒し、ガードを下げた———瞬間!
「もらった!シィッ!」
バッキィィィィィィッ!
「———なッ!?」
そのまま、十字を切るようなフック!———俺の一撃がラルフのこめかみを貫いた。姫勇者、その二つ名を得てから編み出した新しいフィニッシュブロー、ブラッディクロス。
「う…く…?!」
ラルフは俺の必殺の一撃を受けるとそのままぐらりと崩れた。
「…はあ…はあ…!どうだ、ラルフ!…パワーなら…負けない…!」
「く…そ…!水瀬慧…!」
そして!
「ぐ…う…っ!」
ドタァァァンッ!
ラルフはもがきながらもその体が倒れ、リングに大の字に沈んだ。
「…俺の…勝ちだ、ラルフ…!」
俺はふらふらとしながらも、大きく腕を上げる。それは、反逆者ではない、姫勇者としての俺の新たな一歩を示した証でもあった。
10!KnockOut!
カンカンカンカーンッ!
大逆転、ともいえる勝利。反逆者名を返上した俺はラルフの頭をぐっと持ち上げ、膝立ちにさせた。
「ぐっ…!」
「………」
「反逆者…が…!」
「…そうだな。俺は反逆者だ。でも、前に進む。…姫勇者、として」
俺はトランクスを降ろす。同時、試合後の熱が集まり、胸がどきどきと高鳴ると———
「……ラルフ!しゃぶれ…よ…!」
「…ッ!」
俺はラルフにそう、にらみつけると、ラルフの髪の毛を掴み———!
じゅぶううううっ!
「んんんっ!?」
ラルフに、俺のそれを咥えさせる!
「んっ…んんっ…!」
「く…!」
———ずっとやられてばかりだった。自分から、だなんてまだ慣れない。けど…!
(俺は…!)
俺は歯を食いしばりながら、すぐにイってしまいそうになるラルフの奉仕に耐える。ラルフは、敗者として舌を動かしながらも俺を必死に睨みつける。…が、その時。
じゅるっ…れろれろ…ちゅっ…!
(ん…)
俺はラルフの股間を見つめる。———必死で俺を睨みつけながらも、敗者として奉仕をしているラルフ自身は気づいてないようだが、ラルフ自身のチンポも勃起しているようで。
(…まさか、ラルフも…俺と同じ…?)
俺は無意識に、ラルフの紙を掴む手に力を入れると———
じゅぶううううっ!
「んんんっ!?」
ラルフの喉奥に、俺のチンポを思いきり突っ込んだ!
「…くうっ!」
生温かい、舌が絡み口全体で絞めつけられる快感。俺は再度、歯を食いしばりイきそうになるのを我慢すると———
「ん…ぐっ…!」
びゅくびゅくっ…びゅくっ…!
(や…っぱり…!)
俺はラルフが苦悶の表情を浮かべながらも、そのチンポの先から先走りの液を垂らしていることに気づいた!———そう、ラルフも俺と同じ、いわゆる「ヤられて興奮する」ってやつ!
「…ふふ」
俺は、イくのをそっとこらえながら。…にいっと笑みを浮かべた。
「ッ!何を…笑っていやがる、水瀬慧…!」
「いや?…偉そうに吠えてくるラルフも、俺と同じなんだなあって?」
「なに!?」
「…これだっつの」
ぐりぃっ!
「あうっ!?」
俺は足をそっと動かすとラルフのチンポを蹴り飛ばすと、ラルフは小さな悲鳴を上げた。
「オラオラ、どうしたラルフ?恥ずかしくないのお?反逆者にかみついて、負けて、しゃぶらされて。それで勃起しちゃってさあ?」
「う…ぐ…!」
ラルフの声がだんだんと艶っぽさを帯びていく。
「気持ちいいんだろ、ラルフ」
「ぐ…う…!だれ…が…!」
「…そう言うこと言うんだ?なら…俺も本気出さないとね!」
俺はそう言うと、ラルフの口からチンポを引き抜いた。そして、ラルフをドンッ!と突き倒すと、その両足を掴み上げ———!
ぴたっ!
「ッ?!」
「…へへっ!」
俺は、ラルフのそこに、屹立したチンポを当てた!
「言っただろ?今の俺は、反逆者じゃなくて姫勇者の二つ名だって。だから———!」
「あ…あ…!」
———ラルフの声が上ずる。そして、その顔がさらに真っ赤に染まる。そして———!
「さあ、ラルフ」
「———ッ!」
「覚悟しな…!テオと同じように…お前も犯してやるよ!」
ずりゅうううううううっ!
慧は腰を一閃!ラルフの中へと挿入、その中に喰らいつくと———!
「うあっ!?」
「え、あ…やべ…イ…く……うっ!?」
どびゅるううううううっ!
どぷうぅぅぅぅぅぅぅっ!
挿入しただけでイってしまった慧。そして、同じく挿入されてしまっただけで達してしまったラルフ。二人は腰が抜けるほどの快感を全身に感じると———
「あ…は…!?」
「や…やば…!」
ラルフは、あまりの快感に思わず意識を飛ばしてしまったようで。
「はあ…はあ…。…はあ…タチ…って、すごいな。腰、抜けそうだった…」
俺は、そんなラルフを見ながら———
じゅぼんっ
そっと、ラルフの中からチンポを引き抜くと。…ふう、と安堵のため息をつくのであった。
「…俺は…新しい道を行く。ラルフ、リベンジするなら来い…!いつでも、受けて立つ…!」
そして、俺はふと。辺りを見つめた。
『す、すげえ!なんだ、なんだこれ!?』
『あの反逆者が…!?どういうこったよ!』
(…皆、俺の変化に驚いている。当然…だよな。今までずっと、反逆者としてブーイングばっかりの試合だったし…でも。これからは…!)
俺はぐっと拳を握りしめる。そして、リングに倒れ伏すラルフを見つめると。…そっと、リングを去るのであった…。
…そして。
「おかえり、慧」
「よう!やったじぇねえか!」
「慧せんぱーい!流石っス!」
「お疲れ、慧」
「…皆」
控室に戻った俺を待ってくれていたのは、翔、竜、翼。…そして、立花さん。今回、俺が反逆者をやめ、姫勇者…へと踏み切るきっかけになった皆。…今までずっと、俺を支えてくれていたかけがえのない親友たちだ。
「…皆、俺、新しい道、踏み出せたよ」
「見てたぜ!っつか、テオの時もそうしていたじゃんかよ」
「そーっすそーっす!慧先輩も進化っスね!」
「…進化、か。新しい道を歩めてるかな」
「ばっちりだったぜ、慧!…これからも頑張れよ!」
「ああ。慧、これからも支えるよ」
皆の顔を見て、俺はほろりと心の中が震えるのを感じる。…俺はぐっと拳を握りしめ。…カバンの中から一枚の紙を取り出した。それは、あの時。上層部、畔柳社長が俺に寄こした通達所だった。
———慧君!君の活躍は大変喜ばしい!そして、Curse Breaker!での活躍、テオ君との試合の約束も鑑みて…そろそろ、快君を君のもとに返すことを約束しよう!
(…どこまで信じられるか、わからない。でも、わずかな希望。俺は…これからは、姫勇者として…戦い抜く…!快、もうすぐ…もうすぐだ…!待っててくれ…!)
【END】