【予告】
地下格闘技場、FN。そこの選手の一人、反逆者「水瀬慧」。赤茶色の長い髪に青い目を持ち、ぱっと見女性にも見える顔立ち———そんな真面目で大人しそうな慧ににつけられた反逆、という目立つ二つ名。そんな彼を目につけている選手は多い。
「よお。あんたと手合わせできるの、楽しみにしてたぜえ?」
黒いグローブと逆立てたような黒髪を持つこの選手、テオ=ジェラルドもその一人。海外から日本のFNにやってきたテオは、慧の試合とその二つ名に興味を持ち、反逆者の彼を指名。「良きライバル」になりうる———そう考えたテオは今日という日を楽しみにしていた。
「テオ=ジェラルド…!」
「ふん、パワー自慢のようだな、慧?…だが、負けねえぜ?」
自分よりも少しばかり背が高く、鍛え上げられた肉体を晒すテオ。…だが、慧はぐっと拳を握った。リングの上に立った以上、負けるつもりはない。自分にも押し切れるだけのパワーがあるはずだ。———そう、二人は互いに一撃を叩き込むパワーに自信があるもの同士。『勝つのは俺だ』そう、互いをにらみ合いながら、拳を握りしめ———
カーンッ!
ゴング!
ダンッ!
二人は同時に踏み込むと———!
『シィッ!』
ほぼ同時!二人はストレートを放つと———!
バキィィィィィィッ!
互いのパンチはほぼ同時に互いの顔面を貫く!
「くう…ッ!」
「はっ!いいパンチじゃねえか!」
二人はすぐさま体制を整える!そして!
「受けなッ」
ドスゥゥゥッ!
「ぐっ!?」
テオのボディーブローが慧の腹を突き上げ———
「…まだまだぁッ!」
バキィィィィッ!
「うぐっ!?」
慧のフックがテオの頬を殴り飛ばす!———二人とも得意のインファイト!足を止めての殴り合い!
「…はっ!いいねえ、燃えるねえ!」
テオはそのパンチをも楽しむかのように、顔に痣をつけつつ笑みを浮かべると———
「オラァッ!」
バキィィィィッ!
「がはっ!?」
アッパー!慧の顎を打ち上げ。
「負け…るかッ!」
ドスゥゥゥゥゥッ!
「うぶっ!?」
慧もまた、にいっと笑みを浮かべながらのレバーフック!テオの脇腹を思いきり貫いてやると———!
「さあ、来いッ!」
普段温厚な慧らしからぬ挑発!
「はっ!やっぱそうこなくちゃなあ!」
テオはそれに乗ると、意気揚々と拳を握りしめ———
「シィッ!」
バキィィィィィィッ!
「…へへっ!まだまだぁっ!」
ドムゥゥゥゥッ!
「がっ!?やる…じゃねぇかッ!」
バキィィィィッ!
「ぐはっ!?」
開幕から離れることのないインファイト!二人は互いにノーガードで殴り合い、痣をつけ、そして———!
「行くぞ…テオ!」
「来い!慧ッ!」
『うおおおおおおおおおおっ!』
ほぼ同時!二人は互いの腹を目掛けてボディーアッパーを放った———その瞬間!
ガスゥゥゥゥッ!
「ッ!?」
「ちっ!」
互いの拳と拳がぶつかり合う!そしてッ!
「う…あああああっ!」
「おおおおおおおおっ!」
二人は互いの力を込め、雄叫びを上げ!———二人の腕がビキビキと震えあがった、その瞬間!
「おおおおおおおおおおっ!」
バシィッ!
「ッ!」
真っ向からの力勝負に負け、拳を飛ばされたのは———慧!そのガードを吹き飛ばされ、無防備な体を晒す!
「しまっ…!」
「へっ!」
もちろん、テオはその隙を逃すはずがなく———!
「喰らいやがれ!俺の必殺の一撃をなあっ!おおおおおおおっ!」
ドッボオオオオオォォォォォッ!
テオの強烈なボディーアッパーが慧の腹を突き刺し!その体がふわり、と浮くと———!
「があああああっ!?」
ドッサアァァァァァァッ!
Down!慧は腹を抱えながらリングの上でのたうち回り———!
「へっ!楽しかったが…俺の方が一枚上手だったな、慧?」
テオはにいっと笑みを浮かべながら、ぐっと力こぶを作ると。
「パワーなら負けやしねえ!特に!テメエにはなあ、慧!はっははははははっ!」
10カウントダウン。テオの一撃に狩られ、動けない慧にテオは高笑いを浴びせるのであった…。
「ってことで?」
「くっ…」
「そーだなあ…今日はしゃぶってもらおうか?…オラ、大人しく言うこと聞きな」
「ぐ…!?…んんっ!」
———テオの大きなそれが慧の口へと突っ込まれた。
「っと、流石。めっちゃ気持ちいいじゃん?バックも名器なら口も名器ってか。…うっ!?」
「く…くそ…!」
「はっ!睨んだって怖くねーっての。…パワーじゃ俺には勝てねえって理解しろよ」
「………!」
慧はビクン、と震えた。…FNに来て以来、ずっと思っていたこと。そう、慧の戦い方はパワーを活かしたそれ。でも、テオを始め、多くの選手はケイよりも圧倒的なパワーを持っている。———真正面からぶつかる、パワーのぶつかり合い。…でも。
(…それじゃ…もう…勝てない…)
———慧の心がぐらついた、その時だった。
「っと、口が休んでるぜ、もっと舌動かせよ。…まさか、ここまでしておいてヤりたくねえ、とか言わねえよなあ?」
ぐりぃっ!
「んぐっ!?」
「ははっ!気づいてるぜ?…お前、リングの上でヤりたくないって言ってるわりには咥えながら勃起してるってなあ?」
「……!」
テオの足が、慧のそれに触れる。…瞬間!
「オラ…こっちもフィニッシュだ…俺と一緒にイっちまいな…ってなあ!」
じゅぶっ!じゅるるるっ!じゅううっ!
「ん…んんんんんっ!?」
「くうっ!?うっ…やべ…吸い取られる……あ…うおっ!?」
どびゅるううううううっ!
———テオは慧の口の中にぶっぱなし。
「ん…ん…!…ん……」
慧の喉が音を立てる。瞬間———
「ううっ…!」
どさぁぁぁぁっ!
慧は力尽きるように、リングに倒れこむと。
「く…そ……おおおおおおっ!」
珍しく、慧はかんしゃくを起こすように大きな声を上げた。…が。
「…はあ…はあ…ははっ!やっべー、お前、やっぱエロいわ」
「テオ…!」
「オラ、トロッとした目でこっち見るんじゃねーよ、反逆者」
「…ぅ…」
「オラ、見ろよ。観客のどいつもこいつも、反逆者が討ち取られるのを楽しみにしてやがる。…お楽しみはまだまだだ。大人しく、俺の餌食になってもらうぜ、ライバルよ」
テオはそう言うと、慧の体へと手を伸ばした。
「俺にパワーで勝てると思うなよ、慧!」
「ッ!」
「パワーでの真っ向勝負なら絶対に負けねえ!お前は…俺には…勝てねえんだよ、慧!」
「あ…あああああ…っ!?うあっ!」
秘部に走る引き裂かれるような痛み。悔しさ。…そして、ほんの少し奥からじわじわと湧き上がってくるような快感。
(勝てない…勝てないのか…!?俺じゃ…テオ…には…!?)
はっきりとしたテオからの宣言。今まで、パワーでの真正面からのインファイトを得意としていた慧は、正面から自らのボクシングを打ち砕かれた。…慧は改めて自覚する。今のままの自分では、これから勝つことはできない。そして、胸を張って、快を助けることもできない、と。だからこそ、だからこそ。
(俺…は…!)
慧はテオのそれを一身に受けながら、必死に、歯を食いしばり。…そっと、涙をこぼすのであった…。
【続く】
☆イラスト:あねみあさん、430さん