結局。先輩である虎太郎、悠馬にフィニッシングホールドを学ぶも、いまいち自分に合うそれが見つからず悶々とするハーリー。…だが、試合の時はやってくる。
「よお、ハーリー」
「豹さん!?」
「悪いなあ、急遽代役頼まれてな?かつての先輩が今日のお前の相手や。…今日は台本もなしや。お前がどれだけ強くなったか、見させてもらうでえ?」
盛り上がるリングでニヤリと笑みを浮かべる、かつてのヒールな先輩。
「く…そ!負けられるか…!」
ハーリーはその先輩に気圧されながら気合を入れると———
カーンッ!
ゴング!
「っし!行くぞ!」
ハーリーは気合一番!声を張り上げると———
「うおおおおおおおっ!」
ラリアット!腕を伸ばし突撃してくるハーリーを———
「おおっと。ハーリー、あかんでえ?」
ひょいっと。豹はハーリーのラリアットを避けながらその腕を掴み———
「ラリアットっつーんはな…」
ぶおっ!
「うわっ!?」
そのまま、ハーリーをロープへと投げ飛ばす!そして———
「こうやって…ロープの反動を使って打つもんやでえ!オラァッ!」
バキィィィィィッ!
「ぐはっ!?」
ラリアット返し!豹はハーリーの喉元に綺麗にラリアットを当て、ドタンッ!とハーリーがリングへ倒れると。
「オラ、どうしたどうした」
げしげしっ!
「ぐっ…!」
豹はハーリーをちょんちょんと足蹴にする。———ハーリーはすぐさま立ち上がると。
「こ…のおおおおおおっ!」
ガシィッ!
「お」
ロックアップ!互いに手を組み合わせ、押し合い———
「ふっ…!舐めんな…っ!」
ハーリーは力で豹に勝るのか、徐々に、徐々に豹を押し返す!
「ほー…やるやん?」
だが、豹は余裕を崩さず———やがて、ガシィッ!とハーリーに押し切られ、バランスを崩すと!
「もらったぁっ!」
ガシィッ!
ハーリーは豹を真正面から掴み、そして!
「うおおおおおおおおおおっ!」
そのまま、ハーリーは豹を持ち上げると後ろへ体を反らし———!
「くら…えええぇぇぇぇぇぇっ!」
ダガァァァァンッ!
ノーザンライト・スープレックス!
「ぐっ…?!」
豹をリングマットへ叩きつけると、豹の悲鳴が漏れる!———が。
「く…ぅ…!」
慣れない技を出したせいか、どこか捻り過ぎたのか、ハーリーは苦悶の表情を浮かべると———
「ははっ!まだまだやな、ハーリー!」
ダンッ!
豹はリングマットから一気に立ち上がり———
「オラっ!」
「ッ!」
タックル!ハーリーをドサァッ!と押し倒し、マウントポジションを取ると———豹はにいっと笑みを浮かべた!そして!
「技はもっと磨きいや。自爆してたら…見せられるもんも見せられへんで!」
豹は体を前に、馬乗りになったハーリーの首の後ろへと手を伸ばすと———!
「ふっ!」
グギイィィィィィィイッ!
「がっ…!?」
トライアングルチョーク!まるで蛇のように絡みついた豹の腕がハーリーの気道を絞めにかかる!
「ぐっ…あがっ…?!」
「ははっ!暴れても無駄や。もがけばもがくほど…きつくなってくでえ!」
グギィィィィィィィィィッ!
「———ッ!?っ!」
首を絞められ、呼吸を攻められ。…ハーリーの口からだんだんと漏れる声も少なくなっていく。———そして。
「ぐ…ぅ…!」
やがて、ハーリーはだんだんと力を失い、抵抗が少なくなり———くたっと、その気を失うと。
「ははっ!必死やなあ、ハーリー?けど…これが実力やで!」
豹はハーリーをトライアングルチョークから解放!そして、その場で立ち上がり、ダンッ!と、華麗なムーンサルトを見せると———!
「さあ、これで終いや、ハーリー!」
ダァァァァァァンッ!
「———ぐ…ぁ…!」
ムーンサルトプレス!宙返りをしながらハーリーにダイブ、その両肩をきっちりと抑え込む!そして!
『1!2!…3!』
カンカンカンカーンッ!
ゴング!ハーリーは豹に弄ばれるようにフォール!
「はっ、まだまだやな、ハーリー。もっと技を磨くんやな?」
「ちく…しょ…」
ハーリーはいいように豹に弄ばれると、意識を失いながら。…その目をゆっくりと閉じるであった。
(もっと…もっと技を磨く…フィニッシングホールド…俺は…何を得意にしたらいいんだ…?)