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ミケ空
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【翔VS愛音】本当の王子さま


「…なんだ、信二か。どうした」

「聞いたんっすけど!一輝さんって沙月翔をライバル視してるって聞いたっす!」

「…一応な。中坊のころにタイマンで負けて以来、な。いつかは決着をつける」

「っス!ならこのオレに任せてください!」

「は?」

「あんな騎士野郎!一輝さんの手を下すまでもねえっすよ!見ててください!オレらであいつらにわからせてやりますよ!うおおおおおおっ!」




 それから数日後。

「あっひゃ…♪」

 ドスウゥゥゥゥゥゥッ!


「あがっ!?そ…そん…な…!?」

 ドサァァァァァァッ!

「あっひゃひゃひゃひゃひゃwwwお前挑発乗りすぎwwwなに瞬間湯沸かし器なのwww」

「う…う…」

「…動けねえっしょwオレのグラスブレイカーぶっこまれて動ける奴はそう相違ないんだぜえ♪あっひゃひゃひゃwww」

 トレーニングルーム、リングの上。必殺のレバーブロー「グラスブレイカー」をもろに受け、全身ボロボロでリングに沈んだのは水瀬慧。そして、そんな慧を下した男は草森愛音。

「…っひゅー!さすが愛音!オレのダチ!へへへへっ!」

「あの反逆者をこうもまで手玉に取るとは…ひひっ!」

「ちっ!オレが仕留めようと思ったが…まあいい!よおし!これで騎士の野郎をおびき寄せて皆で囲んでやろうぜえ!」

「へへっ!数の暴力には勝てねえってなあ?」

「あっひゃwww輪姦輪姦ッ!チンポが疼くぜえあっひゃひゃひゃwww」

「ひひっ!なんなら、ダメ押しの一手…!」

 騒ぎ立てるブラブラ団。小川信二、今田晃樹、吉崎圭太。———この日、水瀬慧はブラブラ団+草森愛音の手に落ちた。…それが、始まりだった。





「…おかしいな。慧、連絡が取れない…今日は一緒にトレーニングしようって来てたんだが…結局来なかったな。何かあったのか?」

 FN。一人トレーニングを終えた翔はスマホを見ながら首をかしげる。…と。

「…ん?」

 沙月翔はふと、ポストに入っ手紙を手に取った。…FNには選手一人一人にポストがある。大体は上層部からの連絡事項や確認書類が入っていたりするそれなのだが———

「…見たこともない便せんだな。えっと…?」


 テメエの大事な奴は預かった。助けたくば今夜21時、第3ビルの第4トレーニングルームに来な!


「なっ!?」

 そこには、挑発的な文章と———

「慧…ッ!」

 リングで大の字に伸びる慧。全身ボコボコに打たれ、痛みでもがく姿———

 ぐしゃっ!

 ———翔は写真を握り潰した。時刻は20時30分。約束の時刻まであと30分。

「待ってろ、慧…ッ!」

 夜のFN翔は駆け上がるように慧の捕らえられているトレーニングルームへと走り出すのであった…。





「ぎゃははははは!そろそろだなあ!」

 21時。信二は第3ビル第4トレーニングルームでは、事の張本人。ブラブラ団のヘッドの小川信二が笑い声をあげていた。

「へへっ!愛音が慧を捕まえる!そんで、騎士のあいつが乗り込んで来たら晃樹の作戦で一発KOだ!」

「ひひっ!出入口は一つ…まずは扉を開けた瞬間に不意打ちの一発…!それから囲めば…!」

「ぎゃはははは!不意打ちすれば一発に決まってるぜ!一輝さんの手を煩わせるまでもねえ!オレらでぶっとばしてやろーぜ!」

 ———盛り上がるブラブラ団。そんな中。

「あっひゃwww盛り上がってんねえ♪他人の力でとらえたお姫様な・の・に♪」

 草森愛音はリングの上で一人、ロープにもたれながらその姿を見下ろしていた。愛音はもともと、ボクシングにはそんなに積極的ではなかった。モテるためにボクシングをし、ハメるために筋肉をつける。…そんな脳みそピンクな草森愛音。だが、その戦い方はメンタルに弱点を抱える慧には特攻であり———実力差、ランク差もあるにもかかわらず、愛音はほぼ無傷で慧を仕留めるに至った。…だが。

「あっひゃw…そんなにあの騎士様がうまくいくかねえ?」

 愛音はブラブラ団の生温い作戦をニヤニヤしながら、観戦するにとどめた。———そんな愛音の真の狙いはただ一つ。ブラブラ団が騎士である翔を削ったところで自分が倒し、そんな騎士野郎を押し倒すことだけだ。

「ま、いいように踊ってもらおうかなー、あっひゃwwwボコれたら輪姦には参加すっけどーwww」




 その頃。

(……やはり、か)

 第3ビル第4トレーニングルーム付近。…翔は扉の近くで聞き耳を立てる。

(…律儀にも手紙にはブラブラ団の名前付き。どうあがいても罠なのはわかりきっている。…だからこそ、だ。正面から叩き潰してやる)

 ———コンコン

 翔はトレーニングルームの扉をノックする。

「…あ?誰だ?」

「ひひっ!騎士野郎に決まってんだろ!ノックするとは、馬鹿な奴…!」

「そういうことか、任せておけよ、へへっ!扉明けた瞬間、オレがワンパン決めてやらぁッ!」

 …中から聞こえる丸聞こえの声。足音———おそらく、圭太のものが扉の前まで近づいたのを確認すると、翔は目をすうっと細め———!

 バァンッ!

 扉を足で蹴り開け———そのまま、バックステップを踏んだ!

「うおらあああああああっ!…ってうおっ!?」

「…やはりか」

 中から殴りかかりながら飛び出てきたのは圭太!…翔が思ったよりも後方にいることで、拳を振り抜きすぎバランスを崩した圭太はふらりと足をもたつかせると———

「———シィッ!」

 ドスゥゥゥゥゥゥッ!

「うぐおっ!?」

 圭太のその腹に強烈なボディーブローを叩き込む!———筋肉にこだわりがあり、しっかりと鍛えている圭太の腹が翔のボディーブローで悲鳴を上げると。

「ぐ…が…!?」

「な、なんだぁっ!?」

 圭太は翔のパンチ一発でがくり、と崩れ落ち、信二と晃樹が狼狽した———瞬間!

「そこかッ!」

 翔はそのままダッシュ!一瞬で信二に接近!

「うおっ!?騎士野郎、テ、テメ…!」

「…シィッ!」

 バスバスウゥゥゥゥゥゥッ!

「うがっ…!?」

 ワンツー!翔の拳が信二の鼻っ柱を叩き折るように拳がめり込み———

 ドサァァァァッ!

「ぐっ!テメ…!」

 ダウンした信二がギラリ、と目を見開いたその瞬間!

「舐めるなッ!」

 ダアアァァンッ!

 翔は信二の顔面、その横を思い切り踏み抜く!そして!

「———ッ!」

「ひっ!?」

 翔の眼力、威圧!その迫力に、信二が思わず小さな悲鳴を上げると———

 ドスゥゥゥッ!

「うごあああああああっ!?」

 翔は再び足を振り上げ、信二の腹を踏み抜いた!…信二は悶絶、そのまま腹を押さえてうずくまると———

「…次はお前だ」

「ひぇっ!?」

 翔の鋭い目が晃樹を射抜く!———が、その時!

「ひ…ひひひひひっ!馬鹿め!こんなこともあろうかと…皆、来いッ!」

 晃樹が一喝、声を張り上げると———

「へへへへっ…!こいつが騎士か…!」

「囲め囲め!信二たちがやられた今、報酬は俺等で独占だぜ!」

 トレーニングルームの物陰から現れる不良たち!———その数、ざっと10人強。…翔は何も言わず、ぐっとファイティングポーズをとった。

「ひひひひひっ!こんなこともあろうかと、圭太のツテでダチを集めておいたんだよ!」

「…そうか」

「ひひっ!なにがそうか、だ馬鹿な奴!状況がわかんねーのかよ!ざっと1対10!いくらテメーが凄腕でも…!」

「うるさい」

「なっ…!?」

「来るならさっさと来い。お前ら全員KOさせて慧を助ける。それだけだ」

「て…てめっ!ふざけんなよ!皆、かかれ…!」

 ———瞬間!

 ダンッ!

「へっ…!?」

「無駄口を叩くな———シィッ!」

 バッキイイィィィィッ!

「ぐおへあっ!?」

 翔は鋭くステップ!端にいる一人の顎にアッパーを決めると———

「う、うおっ!?はええ!?」

「びびんな!かこめりゃ行ける!やっちまえ!」

「…人数で勝てると思うな!」

 タンッ!タンタンッ!タンッ!

「シィッ!」

 バスウウゥゥゥゥッ!

「うごばっ!?」

 さらに鋭くステップ!翔は相手の急所を的確につき、ワンパンで相手を沈めると———!

「ふっ!シッ!…はっ!」

 バスゥゥゥッ!バキィィィッ!ドムゥゥゥゥッ!

『ぐへあああああああっ!?』

 不良たちは囲む、どころかあっさりと各個撃破される。その姿はまさに無双そのもの。鋭く、確実に急所にパンチを決めていく翔にうろたえる晃樹。———そんな姿を見ながら。

「…あっひゃwいいようにやられてやんの」

 愛音はふう、とため息をついた。———上から冷静に動きを見ていればわかる。翔のしていることはたった2つの単純なこと。1つは不意を打つ。そして、もう1つは極力1対1の状況を維持し、囲まれないこと。

「…隅にいるやつから順番に。動きも無駄なくスピーディ。…こりゃ、リングの上の方が勝ち目あるかな?あっひゃw」

 愛音はそういうと、リングの隅に目をやった。そして!

「———あとはお前だけだ、晃樹」

 ダンッ!

「ひっ…ひひっ…!?」

「慧に手を出したこと…!後悔するんだなッ!」

 バッキィィィィィィィッ!

「うげええええええええっ!?」

 ———最後の一人、今田晃樹の顔面にストレートがめり込み吹っ飛ぶと。

 ドサァァァァァッ!

「あ…あぎゃ…がっ…!」

「…ふう」

 翔はため息一つつき———リングの上の愛音を睨みつけ。

 ぱちぱちぱちぱち…!

「あっひゃwwwさすが騎士!つえーつえー!」

 …リングの上の愛音はにいっと笑みを浮かべながら拍手をした。

「くだらん戯言に付き合う気はない。慧はどこにいる」

「あっひゃwww焦んな焦んなってwww…オラ、お前のだーいすきな慧ちゃんはここですよーっとwwwあひゃひゃひゃひゃwww」

 愛音はそう言うと、リングの隅で倒れていた慧の髪をグイっとつかみ上げ———!

「ッ!慧!」

「しょ…う…ごめ…」

「あっひゃwww」

「貴様ッ!慧を放せ!」

 ダンッ!とリングに上がると、愛音はにいっと笑みを浮かべた!

「あっひゃwwwこえーこえーwww…そんなに返してほしくばさあ?オレとリングの上でボクシングしよーぜ、騎士野郎♪」

「…なに?」

「あっひゃwwwオレさー、ボクシングにはちいっと自信があってさー!ま、ランクは中級中位だけど、この通り、反逆者のお姫様もボコれちゃうくらいには自信があってーwww」

「あうっ!」

 愛音はそう言うと、乱暴に慧の髪を引っ張り上げる。

「貴様ッ!」

「おっと。嫌ならいーんだぜえ?もし嫌だって言うんならオレはお姫様を盾にするだけだしぃ?」

「………」

「あっひゃwww姫思いの騎士様なら―wwwどうすればいいか…わかるっしょ?」

「…いいだろう」

 翔は一言、そう言うと背負っていたカバンから愛用の黒いボクシンググローブを取り出した。そして、上着を脱ぎ、試合の恰好をすると———

「あっひゃwww」

 愛音はファイティングポーズをとった。———そして。

「来い。慧に手を出させたこと、後悔させてやる!」

 翔が言った、その瞬間!

「あっひゃwwwそういうのは…オレに勝ってから行ってみろいっての!」

 ダンッ!

 愛音が駆けだす!———翔はファイティングポーズを取りながら冷静に愛音を見つめる。

(…目線、拳の速さ、表情———)

 翔の脳が愛音の動きを素早く分析する。そして———

「あっひゃぁッ♪」

(———ここだッ!)

 翔の脳内が愛音の動きを完全に見切ると———

「———シィッ!」

 ストレート!カウンターの一撃!翔の黒いグローブがうなりを上げると———!

「あっひゃ!?」

 バシィィッ!

 愛音の顔面に翔のグローブがめり込む!…が!

(当たりが浅い!)

 翔はすかさずバックステップ!距離を取ると———

「あっひゃwwwいってwwwオレのイケメンフェイスがwww」

「………」

「あ?どしたん、騎士野郎wwwオレの強さにびびった?www」

 翔はごくん、とつばを飲み込んだ。

(…カウンターのタイミングはばっちりだった。となると、ヒットする直前に体を反らして勢いを殺した…ということか。こいつ…見た目のわりには油断できないな…!)

「…ああ、油断はしない方がよさそうだ」

 ———翔はファイティングポーズを取り直す。そして!

「あっひゃwwwならさあ?…もっとマジでいっちゃうよ?あっひゃwww」

 愛音もファイティングポーズを取りなおし———二人はにらみ合うと。

「———シィッ!」

 タンッ!バスバスッ!

 攻めたのは翔!軽いステップからのジャブの連打で愛音をけん制!

「あっひゃ…!」

 愛音はそのジャブをガード!そして———!

「シィッ!」

 翔のストレート!

 バスゥッ!

 愛音はそれを防ぎ、重いパンチに思わず一歩、退くと———

「ふっ!」

 ダンッ!

 翔は前に出る!———が!

「あっひゃ!」

 愛音はまたもやバックステップ、距離を取り———翔もまた、追わずに呼吸を整えると、ぐっとファイティングポーズをとった。

(…これは…!やっかいだな…!)

 グローブを構えながら、翔はじっと愛音を見つめる。

(FNの選手は喧嘩上がりが多い成果突撃してくるやつが多い…が、こいつは違う。きちっとボクシングのテクニックを元にしたアウトボクシングを展開してやがる…)

「…あっひゃwどうしたあ、騎士野郎?」

(…アウトボクサー。カウンターもありうる。どう攻めるか…)

 翔は…


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【ifルート】

・フェイントを狙う!

kaminagisora.fanbox.cc
https://kaminagisora.fanbox.cc/posts/9634515


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(…いや)

 翔は考えを改める。———そもそも迷う必要などなかった。相手がアウトボクサー。

(…FNでは少なかろうと…そんな相手は今までジムでも嫌というほどやってきた!)

 翔はぐっと拳を握りしめる!

「あっひゃひゃひゃ!…オラオラ、こねーんなら…こっちからいくぜぃッ!」

 タンッ!

 愛音が身軽にステップを踏む!そして!

「シッ!」

 バスバスバスッ!

 距離を測るようなジャブの連打!翔はそれをブロックしながら、わざと足を止め———

「あっひゃwwwもーらい!おりゃぁっ!」

 タンッ!ドッムゥゥゥッ!

「———ぐッ!?」

 接近してきた愛音のボディーアッパーをもらい、翔が苦悶の声を上げると———! 

「く…ぅ…っ!」

 ふと、翔のガードが緩む!———その瞬間!

「あっひゃ!もらったぜい、オラァッ!」

 愛音のストレート!鋭い一撃が翔のガードの隙間にねじ込むように伸びてきた、その瞬間!

「———もらったッ!」

 バッキィィィィィィィィィィィィィッ!

 ———愛音のパンチよりもはるかに速い、翔のカウンターストレートが愛音の顔面を貫いた。

「あ…ひゃ…!?」

「どうだ?俺にボディーを入れた感覚は。…最高だろ?」

 ———瞬間!

 ダンッ!

「シィッ!」

 ドッボオオオオオォォォォッ!

「あぐへっ!?」

 踏み込んだ翔の一撃!レバーブローが愛音の腹へと突き刺さると———!

「ごふっ…が…は…!げほっ…!?」

 愛音は体をくの字に曲げると、ぐらり、とその体が折れた。そして、信じられない、というような表情をしながら、その体が崩れ落ちると———!

 ドサァァァァァァッ!

「ぐ…へぇ…」

 愛音はそのまま倒れ、ぐるぐると目を回した。

「…ふん。上からねじ伏せればいいだけだったな」




 翔はふう、と息をつき———全ての相手が、翔一人によって倒されたことを確認すると。

「…慧!」

 リングの端で倒れている慧に駆け寄った。

「…ぅ……翔…」

「ごめん、慧。…遅くなった」

「…う…翔…しょ…う…!」

「…大丈夫。俺は大丈夫だから。泣かないで。———さ、帰ろう」

 翔はそう言いながらグローブを外し———慧を背負うと。

「行こう、慧」

「…ん」

 ゆっくりと。不良どもで死屍累々なトレーニングルームを出て行くのであった…。




 時刻は21時30分。辺りはすっかりと暗い。…そんなFNの廊下を慧を背負った翔は歩いていく。

「慧、大丈夫か?」

「うん…」

 誰もいない、薄暗い廊下。———慧は翔に背負われながらその背中をぎゅっと、抱きしめた。

「…なんだか、懐かしい」

「え?」

「…昔さ、よく、こうやって翔に負ぶってもらってた」

「…小学生か?」

「うん…俺が泣かされて、翔はいつも助けてくれて…泣いて騒ぐ俺をおぶってくれた」

「…そんなこともあったな」

「…いつまで経っても、変わらないよね。翔はいつも助けてくれる…のに…」

「慧…」

「ご…め……うっ…」

 背中で慧が震える。…不甲斐なさに泣いているのだろう。

「いいんだよ。…人間、一人じゃできないことも多い。だから、俺は慧を助けるんだ」

「…ん…」

「一人で何でもできる、だなんて幻想だよ。俺もできないところはいっぱいある。その度に慧に助けてもらってる」

「…俺が…翔の役に…?」

「ああ。だから…こういう時はありがとう、でいいんだよ」

「そ…っか。…ありがとう、か…」

 …翔の背中。慧の顔が当たる感触が伝わる。

「…ありがとう、翔」

「どういたしまして」

「…なんだか」

「ん?」

「…翔はなんだか、王子さまみたいだね」

 慧は顔を隠すように、さらに翔をぎゅっと抱きしめ———

「………しょ…う…」

「…どうした?」

「…あり…が……」

 やがて、ゆっくり、ゆっくりと。眠りに落ちて行ったようだった。———翔はほっと、心をなでおろした。

「…無事でよかった。大丈夫。俺は慧を守るから…何があっても…。俺の大事な、守るべきお姫様は…慧だけだよ」


【GOODEND 本当の王子さま】


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