カーンッ!
ゴング!
「来い、もやし野郎。さっさと潰してやる」
「もやしだとぉ!?テメーみてーに無駄なもんがついてねぇだけなんだよ!」
凜はかちん!と言い返すも…!
「一発でKOしてやる!さあ、大人しくしなぁッ!」
「だから、オレの話も聞けって…うおっ!?」
ぶんっ!と宇野の白いグローブの右ストレートが放たれ、凜はそれを回避する!
「にゃろ…!」
凜はタンッ!とステップ!そして、
「シッ!」
バスバスッ!バスッ!
「っ!」
宇野の顔面にジャブ!3発の連打を浴びせると———
(…と?ひょっとしてこいつは…!)
凛はにいっと笑みを浮かべながら、タンッ!とバックステップを踏んだ!
「ぬぅんっ!」
宇野はそんな凛にダンッ!と真正面から踏み込むと再び豪快な右ストレート!
「———ふっ!」
凜は身軽に素早く!その右ストレートをダッキングで避けると———!
「シッ!」
バスバスバスゥッ!
「むうっ!?」
宇野の顔面に再びジャブを浴びせ、バックステップで距離を取った!
(やっぱり!あのババァの言うとおりだ!こいつ…パワー自慢のまっすぐ行ってぶっ飛ばす戦いしかできねえんだ!)
———凜はにいっと笑みを浮かべると。
「オラオラ、どうした!空手有段者って話だろ?この腑抜け野郎ッ!」
くいくいっと挑発!
「ぬぅぅぅぅぅ!おらっ!おらぁぁっ!」
宇野は、顔を真っ赤にするとダンッ!と前に踏み込みパンチを繰り出した!
「へっへー!ノーローマ!…当たると思ってんじゃねえぞッ!シィッ!」
バスゥゥッ!
「———ッ!?」
凜のカウンターストレートが宇野の顔面に突き刺さる!宇野はふらり、とすると———!
「オーラオラオラオラオラッ!」
バスゥッ!バスバスッ!バッシィィィィィッ!
「ぶふっ!ぶはぁっ!?」
ラッシュ!凜の赤いグローブが宇野の顔面を容赦なく叩いた!そして!
「オラよッ…トドメだッ!」
バッキィィィィィィ!
「ぶへああああぁぁぁぁっ!」
凛の右フックが宇野の顔面を刈り取るように貫く!
「へっ!」
確かな手ごたえ。凛はにいっと笑みを浮かべると———
「…ふん。威力の無いパンチだな!」
「ッ!?」
「突き、というものを教えてやろう!」
ドスゥゥゥゥッ!
「———ッ!」
宇野のボディーアッパーが凛の腹に突き刺さった!
「ふん、決まったな」
———が!
「へへっ!舐めんなよ…!」
「なっ!?」
凜はにいっと笑みを浮かべる!宇野のボディーアッパーを、体を反らすことで威力を殺したのだ!そして!
「オラオラオラオラオラァッ!」
凛のラッシュ!
「ぐぼおっ!ごぼおっ!!げぼぉっ!がはぁぁっっ!!」
赤いグローブが宇野の顔面!腹を容赦なく突き上げると———
「シィッ!」
ドッムウゥゥゥゥゥゥッ!
「っっ!?ぐぼおおおおっっっ!!あ…がァ…!」
「オラオラ、どうした、空手柔道有段者!体がくの字になってんぜ!?突きってもんをおしえてくれんじゃねーのか!?…シィッ!」
バッシィィィィィィィィッ!
「ぐほあァッ!?」
凛のアッパーが宇野の顎を突き上げた!…宇野のその口からマウスピースが跳ね上がり、その体がぐらりと倒れると———
ドタァァァァンッ!
『Down!』
「っしゃあッ!見たかッ!」
凜は大きくガッツポーズを取りながらコーナーへと戻った。
(…へへ!あのババァの言うとおりだ。こいつ、大した事ねえ!空手の有段者かなんか知らねーけど、戦い方もワンパターン!けど!オレとこいつは違う!こいつよりも上だってこと!見せつけてやるぜ!)
カウント7。立ち上がった宇野に凛はバンバンと胸前でグローブを叩きつけると。
「来いよ!正面からやり合ってやるぜ!」
凜はファイティングポーズを取り挑発!ぐっと足を踏みしめ、ステップを封印!あえて、力押しが得意な宇野のフィールドに自ら立つ構えを取ると!
「馬鹿が!俺のパワーでKOしてやるぜ!」
真正面!宇野はファイティングポーズを固め、凛の真正面に立つと———!
「この距離ならば俺のパンチは避けられまい!うおおおおおおっ!」
左フック!鋭いパンチが凛のこめかみに迫るも!
「おっせえ!」
ダッキング!凜は膝を軽く曲げ、髪の毛一本の差で白いグローブを避ける!そして!
「オラオラぁッ!」
ドスドスゥゥッ!
「ぶはぁっ!?」
そのままワンツー!宇野の腹にパンチを叩き込む!
「ちくしょう!早ぇ…が!」
だが、宇野は足を踏ん張らせ、引かずにそのまま右アッパー!
「当てれば勝てる…!喰らえッ!」
宇野の白いグローブが下から、リンに迫ると———!
「ふん!」
バスゥッ!
エルボーブロック!凜はそのアッパーすらも受け流した!
「へへっ!パンチ力が自慢なようだが…あんたじゃオレには勝てねえぜえ!」
バッキィィィィィィィィィッッ!
「ぐへあああああっ!」
凛の鋭い右フックが宇野のテンプルを貫いた!
「…あっ…が…」
鋭いテンプルにふらつく宇野!———瞬間!
「ふん!ボディーが…がら空きだぜ!」
ドッボオオオオオォォォォッ!
凜のボディーアッパーが宇野の腹へとめり込むと———
「なっ!?ぐぼおぉっっ!がはああっっ!!」
宇野は体をくの字に曲げ———ついに、その膝がガクンと折れた!
『Down!』
二度目のダウン!———宇野は信じられない、というような表情で必死に呼吸を整えようとすると。
「はっはー!敵じゃねえぜ!オレは!テメエと違って空っぽじゃねーんだよ!」
「な…に…!?」
「ふん!伝説になるための踏み台!そいつになってもらうぜ、宇野!さあ、立ちやがれ!」
———凜はあえて宇野を挑発。くいくいっとグローブを向けると!
「ふざけんじゃねえ…!誰が…空っぽだ!」
宇野は腹を押さえながら立ち上がりファイティングポーズ!
「俺は!空手有段者だ!貴様みたいなもやし野郎ッ!一発でも当たれば…!」
「その一発が当たんねーから…勝てねーんだよ、テメエはっ!」
バスバスッ!バスゥゥゥゥッ!
「ぐうっ!?まだだ!まだ俺は…負けて…!」
「まだわっかんねーのかよ!そんなにわかんねーなら…!徹底的にやってやらぁッ!」
バスゥゥゥッ!バシィィッ!バキィィィッ!
「うぐおおおおおおおっ!」
凛はさらに腰の入ったパンチをラッシュで浴びせる!宇野は、2度のダウンでガードもままならないようで、凛のパンチを受けるごとに顔が腫れていく!そして!
「このまま…終わらせてやるぜ、宇野!うおおおおおっ!」
バッキィィィィィィィィィッ!
———凛のアッパーが宇野の顎を直撃!
「ぐはああああっ!?」
宇野の口から再び、マウスピースが飛び上がり———それが宙を舞った。
「へっ!これでわかっただろ?…オレはお前よりもつええ!空手やってるテメエよりも、な!」
「ば…かな…!?」
…倒れ行く宇野。
(…どんだけ空手やってよーが。どんだけパワーに自信があろうが。自己満足で終わってちゃ意味がねえんだよ。ここも一緒。FNも一緒。相手と客に見せてナンボってもんだろ)
凛はその姿を見届け———宇野が後ろから、崩れ落ちようとした、その時!
ダンッ!
「ッ?!」
「理解できるか…ッ!認められるか…ッ!」
宇野が足を踏ん張らせ、ギリギリで回避を免れる!
「な…テメ!」
「俺はッ!空手有段者ッ!貴様如き素人に負けるはずが…ッ!ねええええええっ!」
瞬間!
「うおおおおおおおおおっ!」
ダンッ!
「しまっ…!」
ドッボオオオオオォォォォォォッ!
宇野の突き上げるようなボディーアッパーが凛の腹を突き上げる!
「———くあっ!?」
凜はその拳をもろに受け、くんっ!とロープを背負うと———
「ははははははっ!ざけんなざけんなざけんな!俺はッ!俺はアァァァァァァッ!」
「ッ!」
「空手の有段者ッ!貴様らよりもずっと!強い存在だァァァァァァッ!」
ダンッ!
宇野は大きく踏み込んでの右ストレートが放たれる!———瞬間!
「ち…!舐めんなァッ!」
バッシィィィィィィィィッ!
「…あがっ…!?」
凜のカウンターの右ストレートが宇野の顔面を潰す!宇野はぐらり、と体をふらつかせると———
「調子に…!乗んな、この、雑魚野郎がぁっ!」
ダンッ!ドッボオオオオオォォォォッ!
凜の踏み込んでのボディーアッパー!———フィニッシュブローが宇野の腹を貫いた!
「ぐっはあああぁぁぁぁぁぁっ!?」
宇野の体が、まるで格ゲーのフィニッシュのように吹っ飛んだ!そして!
ドッタァァァァアンッ!
「げはあっ!」
———TKO。3度のダウンにより、宇野はついに動かなくなると。
カンカンカンカーンッ!
ゴング!鐘の音が鳴り響き、レフェリーが凛のその腕を大きく上げた。
「Winner!is!リィィィィンッ!」
わぁぁぁぁぁぁぁっ!
———歓声が凜を包み込む。凜はふう、とため息を一つつくと、未だリングマットに沈み、目を回す宇野に一言、呟いたのだった。
「なめんなよ…!オレは伝説を残す…!そうだ!オレは勇者になるんだよ!テメエみてーな自己満野郎に負けるかっての!」
「…あーら、凛が勝ったのね。ま、宇野相手に良く盛り上げてくれたって感じね。全く、宇野も実力ある癖に見せる戦いしないんだから。…でもま、約束だものね。次はとびっきりのスターをぶつけてあげるわ。ふふ…勝てるかしら、凛君?」
【続く】
ミケ空
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