ハーリーは、今でこそ悠馬たちを始めとする「B&Hジム」のメンツではあるが、実はもともとはS&Dジムのメンバーだ。紆余曲折あり、ジム移籍をした…だからこそ。
「う…うげ…今日の試合、乱入者がいるって聞いたけど豹先輩…?」
「よ、ハーリー。久しぶりやなあ?…あのひよっこがどこまでやれるようなったか、見させてもらうで?」
「あ、あの…その…」
「あーあー、面倒なことは言わんでええ。お前はジムを抜けた。俺はそんなお前にすこーしだけ、思うことがある。それだけでええやん?」
「めっちゃ恨んでるー!?」
ハーリーは指をボキボキと慣らしながら笑顔で睨みつける豹に思わずノリツッコミを入れる。元先輩、だなんてやりにくいったらありゃしない。けど、リングの魚絵に上がった以上は敵同士!
「や、やるしかない!」
ハーリーは気合を入れると深呼吸!
カーンッ!
試合が始まった!
☆ターン1
ゴングが鳴り、試合開始!ハーリー、豹とも距離を取りつつ相手の出方を伺うと———
「ふっ!」
ダンッ!
仕掛けたのは豹!豹はガシッ!とハーリーの体を掴むと———
「さあ、小手調べや!受けてみい!」
ハーリーの体をぐっとロープへ吹き飛ばす!
「くっ!」
ハーリーはロープに跳ね返され、豹の元へと戻らされると———
「シッ!」
ドスゥゥゥゥゥゥッ!
迎え撃つ豹は体を低くすると、ハーリーの腹目がけてエルボーを叩き込んだ!
「…ぐっ!」
ハーリーは腹筋に肘を叩きつけられ、少しだけ呻くも———
「効くかッ!」
すぐさま、ダンッ!と距離を取ってふう、と息を吐いた。
「…ほお、やるやんけ。昔なら腹抱えて痛いと泣いとったのになあ?」
「俺だって成長してるんです!ってか!まだまだ!」
ハーリーはすぐさま反転、豹との距離を詰めると———
「シッ!」
バシィィィィッ!
延髄切り!———豹はそれは喰らえない、と言わんばかりにそれをブロックすると、
「隙ありッ!」
ガシィッ!
「ッ!」
ハーリーはすぐさま豹をクラッチ!そして、そのまま持ち上げると———!
「うおおおおおおおおおおっ!」
バッキィィィィィィィィィィッ!
ブレーンバスター!ハーリーは背中から!豹をリングへと叩きつけた!
「ぐっ…!」
「どうだ!」
「やるやん…け…ハーリー…!」
さすがにダメージがあったのか。豹はふらふらとしながら立ち上がる。
「観念しろ!ヒールレスラーにベビーレスラーは負けない!」
「…はっ!その言い方。…虫唾が走るわ!」
「っ!?」
豹の気が変わる。闘志から殺意にも似たような気合に、ハーリーは思わず息を呑むと———
「あのチビ馬に染まりおって。…ちいと身に程をわからせたる!」
ダンッ!
「ッ!」
豹が駆ける!ハーリーは思わず、ガードを固めると———
「甘いっ!」
ガシィッ!
豹はハーリーをクラッチ!そのまま、力づくでコーナーへとハーリーを投げ飛ばす!
ガスッ!
「ぐっ…!」
コーナーにぶつかった衝撃にハーリーは思わず息を詰まらせる。慌てて振り向いた、その瞬間!
「オラ、前向けや!」
ガスゥゥゥッ!
「ごはあっ!?」
豹のケンカキックがまるで釘のようにハーリーの腹へと突き刺さり、その体をコーナーへと押し止める!そして!
「豹せんぱーい♪」
「クリスか。…あれを出せ」
「りょっかーい♪」
セコンドから聞こえる後輩の声、それと同時、豹に投げ渡されたのは———
「なるほど、メリケンサックか。…悪かないな」
メリケンサック、とは聞こえのいい。まるでRPGの武器に出てくるような爪がついたメリケンサック!
「ぐっ…!?」
ハーリーは思わず息を呑む。それと同時、観客がわあっと盛り上がったその瞬間!
「ダボが…!」
バキィィィィィィッ!
「んがああああああああっ!?」
ハーリーの顔面を豹の凶器が殴りつける!ハーリーは額からぶしゅっと出血、思わずそのダメージにくらくらとすると———
「はっ!あいつの真似をしくさったのがテメエの敗因だ」
豹はメリケンサックを投げ捨てる!そして!
「死に晒せ!」
豹は右手を大きく広げ、まるでボディーブローのようにダンッ!と踏み込み———その手を!ハーリーのショートタイツへと放つと!
ガッキィィィィィィィィィィィッ!
「っがあああああああああああああっ!?」
急所ブロー!豹の手がハーリーの股間を鷲掴みにし、ギリギリと握りしめる!
「あぐっ!がっ!あっ!あああああああああっ!」
「ははっ!いい叫び声やなあ?どれだけ鍛えても男のここは鍛えられへん…身に染みるほどわかるやろ!」
豹はひとしきり強く揉みしだいた右手を勢いよく外す!———ハーリーは股間を押さえながら悶絶、そのままドタンッ!とリングに倒れこむと———
「ふっ!」
タンッ!と、豹はコーナーに軽やかに上がる!そして!
「ちっと早いが…処刑の時間や!」
ダンッ!
豹はコーナーから回転を加えながらハーリー目がけて飛び降りる!そして!
どっがあああぁぁぁぁぁぁぁっ!
「ぐはああああああっ!?」
スカイツイスタープレス!豹は飛び技を決めながらハーリーの体にダイブ!———そのまま、ハーリーの片足を取ると、肩エビ固めでハーリーの両肩をマットにつけた!
「1!2!」
即座にレフェリーのカウントはいる!———ハーリーはぐっと、力を入れ抵抗を試みるも———
「ぐ…うっ……!だめ…だ…」
豹の連続攻撃のダメージが全身を襲うのか、力入らず。———ハーリーはかくん、と力を失うと。
「…3!」
カンカンカンカーンッ!
豹はフォールを決め、あくまでもクールに立ち上がると———倒れたまま、起き上がることもできないハーリーの体をぐっと踏みつけた。
「ふん、まだまだやな、ハーリー」
「う…うう……」
「ベビー名乗るならもっと強くなるんやな。じゃなきゃ…テメエを喰いつくしてしまうぞっと」
【END】