天祥市。
天祥学園を中心とした、そこそこに栄えた場所。水瀬慧、沙月翔、天河翼に立花将。そして、FN…様々な人と場所が織りなす場所でもある。…そんな、天祥市のとある山奥にはある建物があった。それが———
「…慧、すごいな、これ」
「はい!すごいでしょ、立花さん!竜が教えてくれたんですけど…誰も使っている人もいない廃ジムみたいで。ここ、使えないかなあって」
「ふうん…この山にこんな建物があるだなんて、全然知らなかった」
「まさに知る人ぞ知るって感じですよね。竜も『ケンカで負けてふらふらしてたら山に迷い込んで見つけた』って言ってましたもん」
「…あいつらしいな。ええっと…看板はあるけど…なんだ、かすれてよめないな」
「多分…鷹…かなあ?レフェリーの広瀬さん…」
「いやいや、広瀬先輩がジム持っているだなんて聞いたことないぞ?」
「ですよねえ…中はこんな感じです」
「へえ、ちょっと狭いけど、リングがあって、サンドバッグ…」
「でもそれ以外のトレーニングのグッズはないですね…」
「こっちは更衣室、2部屋あるな」
「男性更衣室と女性更衣室っぽいですねえ」
「シャワールームもあるな!へえ、少ない人数なら十分じゃないか」
「はい、お風呂があれば完璧です!」
「流石に風呂はな…で、こっちは事務室っぽいな。…めぼしいものは何もない、か」
「はい、いろいろ探してみたんですけど、何もなくて。水も電気も通じてないから夜になると結構怖いんですよ。山で暗いし…」
「さらに、そもそもの持ち主がわからない、か」
「もし万が一、持ち主が帰って気たら俺ら一発アウトですよねー…そのリスクは排除したくて。立花さんなら何か、いい案ないかなあって」
「うーん…」
「…やっぱり、難しいです?」
「いや…ちょっと知り合いに相談してみる。———何とかなったら連絡するよ」
立花が一体何をしたのか。その時の慧はよくわからなかったが『なんやかんや』があって、慧達は廃ジム「鷹」を合法的に手に入れることになった。———FNは慧が狙われることも多く、落ち着いて練習したいときにはここもよいだろう、と気分はまさに秘密基地。もともと知っていた竜、そんな竜に教えてもらった慧。慧の親友の翔に後輩の翼、そして、そんな慧が頼った立花。…さらにはもう一人、この「鷹」を使うメンバーがいた。それが…
【続く】