人類を一歩先へ進めるために開発された新人類ウイルス
前回《リボーナー》に種付けされた人間のメスは、精子に含まれた高濃度のウイルスによって、「子を産むだけのクリーチャー」になると述べた。
今回はそのクリーチャーの研究結果がまとまったため、ここに記載する。
そこらじゅうに卵を産み付けることから、《エッグスポナー》と名付ける。例に漏れず自我や理性はすでに失われている。
ウイルス入りの精子が子宮に干渉し、下半身が肥大していく。肥大した下半身は性器の塊である。
女性器は弱点であるため、基本的には白い皮膚の下に収納しており、産卵の時に外部に露出する。先端から半透明の産卵管を、ボウガンのように飛ばし壁に着弾させると、特殊な粘膜を張り巣のようなものを作り、その中に大量の卵を産卵する。
《エッグスポナー》からは強烈なフェロモンが絶え間なく出ており、雄である《リボーナー》を常に呼び寄せている。フェロモンを察知した《リボーナー》は、《エッグスポナー》の女性器にペニスを挿入し子供を作るのだ。女性器は複数あるため、複数の《リボーナー》が《エッグスポナー》の下半身に群がって腰を振っている光景をよく見かける。
《エッグスポナー》はいわゆる腹足であり、ナメクジのようにゆっくりと這って移動する。他のクリーチャーと違い攻撃的ではなく、捕食は、地面に転がっている死体などに覆いかぶさり、腹足の底に付いている口から摂取する。攻撃的ではないものの、腹足から分泌される粘液は強力な酸性であり、《エッグスポナー》が通った後のぬれた地面は、触らないことをオススメする。
動くのが得意ではない《エッグスポナー》のために、《リボーナー》が人間の死体を持ってきて献上する光景もたまに見られる。また、《リボーナー》は《エッグスポナー》を守るようにして外敵と戦う。さながら家族である。《エッグスポナー》を見かけたら、辺りに《リボーナー》が潜んでいることを警戒しよう。
産み付けられた卵は1m弱程度の大きさである。24~72時間ほどで孵化し、中から《幼体》が生まれる。人間でいう成人女性ほどの大きさがあるが、生物的には幼体のようである。
頭全体が口になっており、捕食はそこから行う。また、きちんと二足で歩行し、遠目に見たシルエットでは人間と見分けがつかない。運動能力も人間とさほど差はないようである。ある程度栄養素を補給出来たら、変態する。
女性のような体つきであるが雌雄同体(?)であり、変態先は環境等様々な要因で分岐する。(もしくは、見た目でわからないだけで、内部で性別が設定されているか)
雄の場合はサナギの過程を経て《リボーナー》へ。雌の場合はサナギにならず《エッグスポナー》へ。こうして種を存続させていく。
どうやら、我々が開発したウイルスは、全く新しい生態系を生み出すことに成功したようである。
しかし、まだ完全ではない。ひき続き我々は、より生物として完成された“新人類”を生み出さねばならない。
yutom
2023-04-09 15:14:06 +0000 UTC荼毘
2022-05-24 04:07:37 +0000 UTCtomoya19941966
2022-04-20 03:17:54 +0000 UTC