バイクについて
Added 2021-11-12 13:00:00 +0000 UTC主にここに来ている人はろずのイラストを見てくれている人だと思う。
なのでろずの趣味なんて興味ないしどうでもいいと思っているだろう。
そう、興味ない事に時間を費やす事は人生において最も愚かな行為である。
それが分かっている一流スーパーエリートの読者の方はこんなコラムなんか読まずに、今すぐブラウザの戻るボタンを押して、月額600円で手に入れられる、HHD身分証明書の購入を行おう。
そうでないスーパーエリートの方は、暇つぶしに本コラムを読み進めてはどうだろうか。
バイクについて読者の方はどんなイメージを持っているだろうか。
うるさい、ヤンキー、迷惑、すり抜け…これを読んでくれている品質方正な読者の皆様なら多分あまり良いイメージは持っていない事と思う。実際、昔のろずもバイクはなんとなくアウトローな感じがして嫌いだった。
また、車も別に好きじゃなかった。もちろん友達などの車に乗ることはあったが、全部同じ形に見えた。車好きな友達の車に乗せてもらった時は、乗車位置がものすごい低くて、乗り込みにくかった事だけは覚えている。
しかし、ろずは田舎の出身なので、年齢を重ねるとほぼ強制的に車の免許を取ることになる。その常識の通り、車の免許を取りに行ったが、これが難しい。まず、車というものが自分の位置に対して左右対称でないうえ、車幅というものが存在し、バックは操作が反転するしでもう大混乱だった。教官の人に「車の操作、何も知らないんだね」と言われてだから教わりに来てるんじゃろがいッ!!!と思いながら無事免許を取得した。試験は縁石に乗り上げて一回落ちた。
そして満身創痍でもう車には乗らないと決心したろずが実家に帰ってみると、父親が原付を買っていた。ジョルノ(ジョジョ第五部の主人公ではない。ちなみに、ジャイロというバイクも存在する。もし知らないという人がいたら画像検索をしてみてほしい。都市住まいなら一度は見かけた事がある原付のハズだ)という本田技研(バイク業界では世界トップシェア、スーパーカブもこの会社が作ってる)の作ったバイクだ。見た目はまぁ、有名どころで言うとゆるキャンの志摩リンが乗っているバイクを想像してほしい。だいたい同じだ。(バイク好きの人がこれを見ていたら、ジョルノとビーノじゃ全然ちゃうやろがいッ!!と突っ込みを入れたくなるだろうが、許して欲しい。)志摩リンの乗るバイクはビーノという名前でこちらはヤマハ製。(バイクは大抵メーカーごとに似た車輛が出ている。)
なんと、原付は車の免許を持っていれば、公道で乗ってもいいという日本の法律があるのだ。正直ありえないと思った。だって、一度も原付に乗ったことのない人間が、公道(毎日乗る人から主婦からおじいさんまでいる混沌とした場所)に踏み入るのだ。もし車道で立ち往生しようものなら、その場全員から大バッシング(しかも明らかに自分が悪い)を受けることになる。大迷惑極まりなく、めちゃめちゃ恥ずかしい最悪の状態に陥る可能性があると思ったからだ。
父親が、乗ってみれば?というので、まぁ…免許もあるし…と何の気なしに乗ってみる事にした。まず、キー差し込んで回し、電源を入れる。そして、ブレーキを掛けながらイグニッションボタンを押す。すると原付が、キュルキュルキュル…と鳴いてエンジンに点火しようと頑張ってくれる。特に、古い原付だとなかなか点火してくれない。(父親が買ったその原付はなんとヤフオクで3万円というのだから驚きだ。もちろんオンボロのボロボロバイクである。しかし、本田技研は丈夫なバイクを作る事で有名だ。)
そんな時はキックスタートを使うんだ。と父親。
原付の後輪付近にレバーのようなものがある。これがキックスターターだ。古い原付だとパーツが老朽化して点火用のイグニッションが上手く動かないことがある。そんなときに、手動で点火を行う機構、それがキックスターターだ。内部構造はよく知らないが、踏み込むたびに、原付がウウ~ン…ウウ~ン…とうなるので、チェーンソーを始動する時に引っ張るあの紐みたいな感じだと思う。しかしそれでも全然点火の気配がない。もう原付に乗るのも面倒になってきた。
しかし、何度も踏み込むたび、なんだか踏み込んだ時に妙な手ごたえがある箇所があるのに気が付いた。その感覚がする場所にめがけて何度も何度もレバーを勢いよく踏み込む。成人してからしばらく経ったが、こんなに体の全力を出すのは久しぶりだった。すると、ドゥルッ…ドゥルルルルルルルルルル…と、エンジンがひとりでにうなり始めた。点火が成功し、原付は自分自身で連続的に爆発を起こし、回転をし続ける状態、いわゆるアイドリング状態となった。
その時感じた初めての感想は、「うるさい」だった。
バイクというのはアイドリングしているだけで非常にうるさい。普段の日常生活では聞いた事がないほど、大きい音を鳴らしながら走る乗り物なのだ。車があれだけ無音で滑るように走るのに対して、原付やバイクはむしろ音を楽しむなんて言われ方すらする。あまりにうるさくって、すぐにキーを戻して、電源を落とした。正直もういいか…となっていた。
しかしまぁ…点火できたのは嬉しかったし、もう一回動かしてみるか…今度はうるさいのに備える準備もできてるし…と思い、再度点火を試みた。今度は慣れのおかげか、スムーズに点火できた。またあのうるさい音が鳴り響いたが、心の準備のおかげで少しまともになった。そして、ついに乗車だ!とヘルメットをかぶると、それまでうるさくて仕方なかった原付の音が一気に和らいだ。ああ、なるほど…バイクに乗っている人はこのくらいで聞こえているから、あんなにうるさい音を鳴らしながら走るのもできるんだな…と納得した。
その原付はオートマチック(AT)車輛だったので、右手のスロットルを回すだけで前に走り出すことができる。そして自転車と同じようにブレーキを引けば止まるよ。という2点だけ父親から教わり、え!?それだけ?(ここではそんな簡単なの!?というニュアンスではなく、それだけしか教えてくれないの!?敷地を出たら田舎とはいえどすぐ公道なんだよ!?という気持ち)と思って、もっと…あるでしょう!わからないけど、と父親に聞いたが、走り出してみた方が分かるって。と言われ、家の近くを走り回ることになった。
アイドリングした原付に乗って、歩道付近からスロットルをゆっくり回す。すると、スロットルに合わせてバイクがうなり出し、ろずの身体を載せているのに、すごい力でいとも簡単に前に進み始めた。うわっ!と思って、必死に足を出して原付を止めようとした。スロットルを戻していたので、すぐ止まることはできたが、こんか小さな車体が自分の身体を動かすほどの力を持っているなんて…と感動よりも恐怖を覚えた。ちなみにろずは一般的な人間と比べると割と体重が重めであり、あまり外部の力で何かに動かされるという経験がなかった。それも相まって、これは恐ろしい乗り物だということを覚えて、進んだ地点から原付を降り、手で押してスタート地点に戻った。
「すごい力すぎる。こんなものは自分には制御しきれない。」と父親に伝えたが、慣れだよ、と一蹴され、ありえん…と思いながらもう一度乗ってみる事にした。そして何度も往復をかさねるうち、どのくらいスロットルを回せばどのくらいの力が出るのかが分かってきた。しかし、もし何かの拍子にスロットルを握りこんで全開にしてしまったら、自分はこの原付を制御しきれない…という思いがあり、常に恐怖と隣り合わせだった。速度メーターを見ると10kmという数字が出ており、一般的な自転車より速い速度、車以上の加速、今自分はものすごいものに乗っている…と感じた。
その時、少し強くスロットルをひねってしまい今まで以上の加速と音とともに、15kmというスピードが出てしまい、突然の事に驚き、必死にブレーキを引いた。あ…ああ…やっぱり危険だ…!!と思ったのだが、落ち着いてもう一度乗って、再度10kmの速度で走ると「あれ?」という感覚があった。
なんだか妙に安心感があるのだ。さっきの15kmという恐ろしい速度と音に比べたら、10kmはまるで仲のいい友達のような安心感。メーターも音もおだやかで、その時初めて、地面の方ではなく、前の方を向くことができた。すると、目の前に青い空とまっすぐ続く道路が見え、世界が一変したように感じた。その時一気にさっきの恐怖感を押しのけて、突然体じゅうから感じた事のないわくわくした気持ちが溢れてきて、胸の中がいっぱいになった。そして、ああ…原付で走るってこういう事なのか…と今まで感じていた不安感が一気に払拭された。そして、こいつとなら、どこまでいけるんだろうという期待に満ちた気持ちが心の底から妙に温かい液体と共に込み上げてきた。
と…ろずと原付の出会いはこんな感じだったのだが、まぁそれからもちろん色々あることにはあるが、また別の機会に書ければと思う。
とりあえず、原付に乗ったことのない人は、何かの機会があったら一度原付に乗ってみてほしい。免許はおおよそ四千円でしかも1日でとれるらしいし、車輛はレンタルだってある。ろずは1か月で2万円の原付レンタルをしていたし、1日のレンタルだけなら三千円くらいで試しに乗ってみることができるはずだ。でも、初めて乗るときは、原付に乗ったことのある人か、バイクによく乗っている友達などに付き添ってもらうのがいいだろう。「原付に乗ってみたいので教えてちょっと見ててくれない…?」と頼まれて、相手もきっと悪い気はしないはずである。もしろずがそう頼まれたら今からでもすっ飛んで付き添いに行く。(頼んできたのが女の子だったらろずはお金を払ってでも付き添う、しかし、バイク女子というのは架空の生き物なので読者の方々はちゃんと現実を見よう。)
きっと感じたことのない感動(個人差あり)を感じることができ、自分の行動範囲が一気に広がって日々のわくわくが増えるはずだ。
それではまた…よしなに~
ろず