ベッドの端で一息つき、肩で呼吸をする僕(見た目は茉莉)は、いつの間にかドアが開いていることに気づいて凍りついた。振り返ると、そこには姉にあたる深谷萌が、ほのかに微笑みを浮かべて立っている。
いつから?なんで?微笑んでいる?
様々な思いが一瞬で閃光のように僕の中を去来する。
先ほどまで僕が何をしていたか――恐らく最初から見られていたに違いない。心臓が一気に早鐘を打ち、頭が真っ白になる。
「……随分楽しそうじゃない、茉莉」
その声音はどこか落ち着きすぎていて、普段の深谷萌よりも低いトーンに聞こえる気がする。僕は思わず「え、えっと……」と動揺しながら、めくれ上がってショーツが丸見えになっているスカートを慌てて戻そうとしたが、焦った拍子に手元がもつれて上手くいかない。
深谷さんは微妙に上から目線な視線を僕に注ぎ、ゆっくり部屋へ入ってくる。少しSっ気を帯びたような目線になっているような気もするが、僕は身体の火照りが抜けきらず、そこまで深く考えている余裕がない。
見られてしまったことに対する焦りで思考がまとまらない。
「まさか、茉莉が……そんなふうに自分の身体で遊ぶなんて、ちょっと意外だな」
そんな言葉と同時に、姉はベッドへ腰掛ける僕の横に立ち、やや乱れているシャツやブラの紐を覗き込むように見る。僕は跳び上がりそうになりながら、小さく息を吞む。恥ずかしいし、そもそも僕は男のはずなのに、いまは妹の茉莉として姉に見られている――それが奇妙な昂揚を呼んでしまっている。
「そ、そんな……ちが……」
言葉にならないままモゴモゴしていると、姉が薄く笑って「ま、大丈夫だって。見てたけど、気持ちよさそうだったし? 茉莉のオナニー」と、あっさり僕……「茉莉」のオナニーを見ていたことを暴露し、肯定するようなニュアンスを投げかけてくる。
それが逆に衝撃で、耳まで熱くなる。僕はどうにか言い訳を探そうとするが、そもそも言葉が出てこない。なにしろ、姉の深谷萌への強い憧れからこの妹の身体を手に入れたのに、その憧れの本人がこんな近い距離で僕の耳元で卑猥な言葉を投げかけてくるのだ。
「ひゃあん……っ」
耳元に息を吹きかけられる。ちょっと甘えたような声が自分の口から出て、ゾクッとする。彼女に手を伸ばされ、シャツの胸元を指先で遊ばれると、先ほどまで高ぶらせた熱が再び盛り上がりそうになる。「男として興奮している」はずなのに、身体が完全に茉莉のものだという事実が追い打ちをかける。今これはどういう状況になっているのか頭が追いつかない。
急に深谷さんがベッドへ腰を下ろし、僕の太ももに触れる。あまりにも自然に触れられたので、思わずビクッと脚を震わせ、「んっ…」と甘い声がこぼれた。オナニー後でこの身体が昂っているのもあるのか、憧れの深谷萌から触られているという興奮なのか、今の自分の姉が何故か妹の自分を触ってきているという背徳感からなのか、太ももを触られただけでものすごく感じてしまっている。
「お姉ちゃん……好きっ……んっ!」
唐突にそう漏らしてしまったのは、心の奥に抱え込んでいた渇望が一気に顔を出したからかもしれない。茉莉の甘い声帯で“好き”と叫ぶ自分が、男としての意識を持ちながら「姉」を求めている。しかもこの身体には萌と血が繋がってるわけで、それがいっそう身体をドキドキさせる。
姉は、「なあに? もっとはっきり言ってみ?」とでも言うように、口元に少し笑みを浮かべて僕を見下ろす。その仕草はどこか、いつも教室で遠目から眺めている時とは違う妖艶な魅力が混ざっているような気がして、僕の心を妙にザワつかせる。
「もしかして茉莉、もっと触ってほしいわけ?」
彼女の言葉がささやくように、でもはっきり、少し低く、面白がっているように響く。僕としては息も絶え絶えとなりながら頷くしかない。行き場を失った熱がずっと下腹部に滞留しているようで呼吸が苦しい。イッたあとは性欲のおさまる男とは、今の僕の身体は全然違う。
この身体になったせいで完全に無くなってしまった突起物の代わりに、身体の奥がじんわり火照っている。姉であり憧れのクラスメイトに触られながら、口を閉じられないくらいに興奮している自分がいるのだ。
すると姉は微妙に目を細めて、やや顔を近づけてきた。その瞬間、甘い香りのする息が僕の耳元をかすめ、「わぁ、茉莉すごい興奮してるよ?なんで?今日すごくエッチじゃん」と、色気のある声音で囁く。
とにかく理性を保とうとしても、視界が深谷さんの艶めいた表情で埋まってしまい、ドキドキを止められない。
「あっ…あん…」
再び身体を優しく触れられる。先ほどの余韻が完全に抜けきっていないせいで、深谷萌が肩や太ももを軽く撫でるだけでも声が勝手に上がってしまう。そもそも僕の声が甘いトーンだから、ますますいやらしく響く。
姉はちょっと笑い、「へえ、そんな可愛い声も出せるんだ?」と耳元で囁くと、さらに僕の身体を手でなぞる。いつも茉莉と萌の姉妹はこんなことをしているのだろうか?
もう何が何だかわからないが、僕としては大好きな深谷萌が目の前にいて、身体を触られている現状に昂ぶりが止まらない。頭が興奮で全部吹き飛んでしまいそうな甘い誘惑が、脳をとろけさせる。
顔を赤らめながら、「お姉ちゃん……こんなの……おかしくない?」と弱々しく漏らしてみると、彼女はさらに顔を近づけてきて、鼻先が触れそうな距離で含み笑う。
「何もおかしくないよ。 だって、こんなにエッチな顔して、茉莉もこうされるのを望んでるんでしょ?」
僕はそれ以上言い返せない。今のこの身体で、「姉」の萌に触れられる快感は確かにここに存在する。僕は今、深谷萌と血の繋がった妹として存在していて、でも萌は血の繋がった姉妹同士ではするはずのないことをしようとしている……
自分がどこに向かっているのか分からないまま、触られ続け、その度に自分が女として感じて吐息を洩らす。男として深谷萌に抱いていた憧れがこの身体になり、一気に暴走しているのかもしれない――それが、茉莉の身体を使って最悪の(あるいは最高の)形で実を結ぼうとしている、そんな予感に背中が震えるのを止められない。
そのまま僕のショーツの中に手が伸びて、僕の女の蜜が溜まって潤んだ秘所をクチュクチュとかき回してくる。
「ひぅっ……⁉」
未知の快感で僕は何もわからなくなる。指は、深谷さんの指はどんどん奥まで、そして激しくなっていく。「同じ女」だからか、「姉妹だから同じところが気持ちいいのか」わからないが、女の子の大切なところの扱い方に慣れている手つきで、僕を快感の罠に陥れてくるのだ。
渇いた空気の部屋に、僕の、茉莉の身体の秘部から出るいやらしい水音だけが響く。
「だ、だめっ……」
「何がだめなの?茉莉、とっても気持ちよさそう」
「だめっ……いっ、イっちゃうからっ……」
これ以上は何かいけないような気がしていて、必死に懇願する僕。しかし、深谷さん――今の僕の「お姉ちゃん」はこう耳元で囁いた。
「いいんだよ、イっちゃって」
「深谷さ……お姉ちゃん……っ」
「実の姉に、えっちに撫でまわされて、くちゅくちゅいやらしい音たてられて、イっちゃっていいんだよ♡」
その"許可"が合図になったかのよう。
「…………っ!!!っ……‼いっ………うぅ………っ♡♡」
僕は声にならない声をあげ、痙攣をくりかえしながら、女として初めての絶頂を深谷萌に捧げたのだった。
(つづく)
皆月ななな
2025-03-17 23:39:28 +0000 UTCsakrano30
2025-03-17 08:30:16 +0000 UTCKawaii Tsun'aho
2025-03-15 22:44:03 +0000 UTC皆月ななな
2025-03-15 00:23:15 +0000 UTCKawaii Tsun'aho
2025-03-14 23:45:36 +0000 UTC