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揺れる糸 【第六章】 性の在処

「恥ずかしい気持ちはわかるけど…」 「絶対イヤ!」 毛布以外何も身に着けていない羽奈ちゃんのために、綾に洋服を用意してもらったものの、下半身を見られることに強い抵抗があるためか、なかなか毛布を脱がせてもらえない。 裸を見られることは同性であっても恥ずかしいことを由美自身がよくわかっている。けれど、この先、綾に面倒を見てもらうにはそれはどうしても避けられない。 「先に私の着替えを手伝ってくれる?」 「え?」 由美は、羽奈に着替える姿を見てもらって、裸を見られることに対する抵抗を和らげることを考えた。 「うん、わかった」 由美の意図を察した綾は由美の洋服を持ってくると、由美のパジャマの上着のボタンを上から順に一つずつ外していく。上着をはだけると、両腕の無い肩と布の下に隠れていたふくよかな乳房が露になった。寝るときはブラジャーを付けていないため、乳首までもが羽奈や綾の目に晒された。綾はブラジャーで由美の胸を覆い、背中側のフックをかける。Tシャツを着せると、今度はズボンを脱がせた。 「羽奈ちゃん、どうしたの?」 由美の着替えてる様子を見てると思いきや、羽奈はうつ伏せになって顔をソファーの背に向けていた。背中が大きく上下に揺れている様子から息を荒くしていることがわかる。 「な、何でもない」 何かの症状ではないかと心配に思った綾は、一旦、由美のズボンを戻すと羽奈を仰向けにした。羽奈は顔を赤く染めて、視線を合わせまいと目を泳がせる。 「大丈…夫?」 羽奈の股間の辺りが不自然に盛り上がっている。綾は画像や動画でしか見たことがない男のソレが頭をよぎった。 「羽奈ちゃん、これ…」 羽奈は脚でソレを隠そうとしたのか、とっさに太ももをお腹の方に持ち上げた。下半身を覆っていた毛布がはらりと落ちてしまう。 太腿の半ばから先が失われた脚と女性には生えていないはずのソレが露になり、由美と綾は言葉を詰まらせた。 羽奈はさっきよりも顔を赤く染めて、口を堅く閉じる。 「男の子だったの?」 「ううん、“ふたなり”って看護婦さんが言ってた。女だけど男の性器も持ってるの」 軽く触れただけでも壊れてしまう繊細な陶磁器を思わせる体つきをしているのに対し、股間に生えている肉の棒はまさしく凶器のようだった。皮が完全にかぶったままで、先端から透明な粘液が糸を引いている。 「痛くないの?」 「うん…」 「ほんとだ、割れ目もある」 二人に股間をまじまじと見られて、恥ずかしさがこみ上げてくる。 「ね、ねぇ、もう…」 「あ、ごめんね」 綾が慌てて毛布で股間を覆い隠す。 (お姉ちゃん) 綾が由美に小声で耳打ちする。 (何?) (はなちゃんの…その…アレがあーなったのって、お姉ちゃんの裸を見たから…よね) (え、そうなの?) (うん…多分) (あのままだと、パンツに入らないんじゃない?) (きっとはみ出ちゃうね。はなちゃんのアレが落ち着いてからがいいかな) (…そうね、でもどうしたら落ち着くの?) (多分、時間がたてばそのうち…) (わかった) 男性器の知識がほとんどない二人は、とりあえず放置することしか考えられなかった。 朝の支度もあるので、一旦、羽奈を由美の部屋のベッドに寝かせる。 「何かあったら、いつでも呼んでね」 「うん」 パタリとドアが閉じると、途端に静寂が訪れた。 毛布の下で、窮屈にしているソレを落ち着かせようと目を閉じて深呼吸をする。しかし、由美の胸が頭から離れず、固さが増すばかりだった。 手足を失ってからは、時々看護婦に慰めてもらっていた。意地悪な彼女は亀頭を手のひらでゆっくりなでて、イキそうでイケない刺激を何時間もかけて与えてくることもあった。理由もなくお預けにされたこともあったが、いつも最後はイかせてくれた。でも、もうあの人は近くにいない。 「おはよう、はなちゃん」 看護婦さんがカーテンを開けて中に入ってきた。 「身体は痛む?」 私は顔を左右に振った。 痛みはもうほとんどなくなったけれど、まだ、手足があるような感覚がする。 「よかった。きっと、もう少ししたら、退院できるよ」 頭を優しくなでる。 「汗拭くね」 看護婦さんが毛布とめくると、笑顔で私の股間を指さした。 「はなちゃん、ここが元気になってるよ」 顔を持ち上げてみると股間のあたりがテントを張っていた。 恥ずかしくてどうにか隠そうとするけれど、手足の無い身体ではどうすることもできなかった。 看護婦さんはテントの先端を指先でくすぐる。 「起きたばっかりなのに、厭らしい子ね」 「ち、違うの、生理現象で…」 「じゃあ、この染みも生理現象なの?」 先端の部分に染みができていた。指を少し離すとその間に透明な糸を引いた。 看護婦さんはその粘液を指に絡めると、私の目の前で糸を引いて見せた。 「ほら、はなちゃんがエッチにならないと出ないよ」 私はそれを見せつけられて、逃げるようにして顔を背ける。 「後で気持ちよくしてあげるから、少し我慢してね」 こうして、私の憂鬱な一日が始まった。

揺れる糸 【第六章】 性の在処

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