仕事の裏側の話
Added 2019-09-18 13:11:24 +0000 UTC体調を崩した最大の原因が仕事から起因するストレス過多だと確信していますが、それは何故かというと今回は3作品同時の単行本作業のバッティングによって「監修」が普段の3倍はあり、そして上がってくる他のデザイナーが手がけた私の作品の「監修」も3倍あったからで、さらに付け加えると扱い方がかなり酷い状況があったからです。
まずお金の問題です。
単行本には書店特典が毎回恒例のようにつきますね。しかしこれにはお金が出ません。一部、有償特典として書店側が原稿料を作者に支払って制作依頼をするケースがありますがそれは限られたもので、出版社が自社コンテンツを売るための宣材として書店特典を希望する書店を募り、希望があった書店に対しては作者に書店特典を作らせて提出します。
次に単行本には「カバー」「表紙」「おまけページ」と言った内容がパッケージされますね。カバーはフルカラーで表裏と合計2枚のフルカラーイラスト、しかも商品の顔である看板も担う重要なものです。カバーの下の表紙も書き下ろしで遊びを入れるのも最近では当たり前ですね。もちろんやらない所も多いですけどね。おまけページも本来なら設定資料とか、ささっと殴り書きしたものをとりあえずページ調整として埋めるだけではなく、しっかり描き下ろしてWebでは読めない特別なページとしての扱い方が顕著ですね。
このように、単行本を作る際に「カバー」「表紙」「おまけページ」「書店特典」時には「サイン本」などの「仕事」が発生します。またそれらの「監修」の仕事も入ります。
基本的に、全て0円です。
本当にこの業界はおかしいのです。例えば単行本のカバーはフルカラーですが原稿料が基本的に発生しません。しかし、デザイン会社への費用は発生しています。おかしいですよね。100万歩譲って、第1巻目はそれでもいいかもしれません。売れるかどうかがわかりませんし、デザインも0ベースからのデザインになります。イメージとかも構築しなければなりませんからね。しかし2巻目以降はどうでしょう。毎巻ロゴのデザインが変わるとか、イメージが変わるとかの特殊な作りであれば話が別ですが大抵は1巻の時に決まったデザインをベースに流用しつつデザインされていきます。しかし、カバーイラストは毎巻新規で描き下ろされます。でも0円です。全く理解できない構造ですね。デザイン会社は作られた漫画の本文はもちろん、カバーイラストも素材が全てなければレイアウトを組むことができません。素材ありきで動いている会社がほとんどだからです(私は過去にIT
企業のデザイン部署に8年ほど所属していましたのでよく知っています)。少なくとも2巻以降はレイアウトの流用が聞いたり、世帯構成やその他諸々フォーマットが出来上がるのでコスト削減できます。つまり割引が可能なはずです。ところが毎巻一律で支払っているのがほとんどだと思います。作者には鐚一文払う気もない癖にです。
しかし、書店特典に対してちゃんと原稿料を支払う体制改革を行なった出版社もいます。そういう編集部はまだマシです。そもそもこれは当たり前のことなので「マシ」なだけなのです。それ未満のところばかりの業界だからです。私は結構口うるさく言っている方で、掛けるべきコストの部分をケチって節約できるところを節約しない編集部の姿勢はいかがなものですかと散々伝えてきました。そのおかげもあって、また他の作家さんの声も大きくなったというのもあって、一部では変化が起こり始めているのだと思います。
今後は全ての出版社が、作家が描き下ろす作業には全て原稿料を発生させていただきたいですね。そうすれば作家のモチベーションはより向上し、クオリティも保障され、売り上げも底上げされる可能性はあります。体調も崩しにくいでしょうね。少なくとも精神的安定がもたらされるでしょう。金が出ない作業は仕事ではないのでやる必要は一切ないと考えていますし、今後もその方針です。だから突然おまけページや書店特典が出なくなったら、その出版社は作家に金を出さないんだなと思って差し支えありません。
次に、本日マチマホのPR動画が公開されました。いかがだったでしょうか?佐倉綾音さんの素晴らしい声と、スピーディーな映像、BGMは私の友人が作曲編曲ミックスをし、ギターパートは私自身が演奏しました。そのうち演奏してみた動画も撮影して公開する予定です。体調回復したらですけどね。
この動画、最初は物凄く酷いものでした。ラフの段階からまずbgmがかなりクオリティの低い音質のフリー音源で、アニメーションも相当酷いものでございました。ものを見せることはできませんが、言葉で説明するとひと昔の素人が作ったフラッシュアニメーションのような酷さがありました。無理くりに動かそうとするあまりに稚拙なアニメーションになり、ドリルヘアーが別の生き物のように舞い踊り、華代の首が操り人形のように不自然なカタカタとした動きをつけられ、スピード感0の間延びした戦闘シーンのアニメーション、今の状態からは想像がつかないものでした。ラフだから、というには無理があるラフです。
実はPR動画は過去にフランス版のマチマホ「Magical Girl HolyShit」が出版されるときに、海外の出版社さんが勝手にPR動画を作ってくださったことがありましてね。それが驚きの高クオリティーだったので、今回の声優付きPR動画を作る話が出た時にフランス版のを超えるものを作らないと意味がないと担当編集に伝えておきました。
ところが、このフランス版の動画を事前に動画を制作する会社さんにお見せしていなかったようです。こんな基本的なところで情報共有がなされていないことを知ってさらに私は叱責してしまいましたし、こんな酷いものでは出してもマイナスイメージにしかならないということで、私の友人に急遽30秒のBGMを作ってもらえないかと仕事を投げました。たまたま時間が空いていた友人は快諾してくれて、その日のうちに曲の原型が完成して自分のギター演奏を含めて4日くらいで完成させてくれました。その後、映像に関して先方と直接打ち合わせをして監修、というより「アートディレクション」をしました。昔を思い出す作業です。マチマホはこういう世界観だからこうして!っていうわけのわからない伝え方ではなく、物理法則に従って動かすとか、間延びしている原因はこれこれこうでとか、動きに意図を持たせないと途端に陳腐なものになりますよと結構きつめに伝えました。
その後上がってきた修正動画はかなり改善されていました。ようやく「ラフ」として出来上がったものが来ました。ただ、誤字脱字があったり、まだ詰めの甘い動きの箇所が多かったので修正指示書を作成してその通りに直させて、今回のようになりました。
この動画の監修が一番こたえたかもしれません。しかし、そのおかげで私がギターを演奏したり、友人の才能を借りてコラボすることができたというのも嬉しい巡り合わせだと思いましたし、結果的には良かったと思います。
そんな中でも通常連載の執筆が重なったり、色々と限界でした。それによって精神的に疲れた部分が出てきたことで病気をもらったみたいなところがあると思います。ちなみにまだはっきりしてませんが何らかの感染症の高熱のようで、私がいつもお世話になっている町医者がいうには一言、「しつこい謎の高熱とかが続くものは確かにある、でも全然治るからww大丈夫ww」って感じで安心させてくれました。そして今はその町医者から処方してもらった解熱剤と整腸剤と抗ヒスタミン剤の組み合わせを飲んでますが、熱が平熱まで下がってます。喉が痛いけど・・・。
ものすごい長文で申し訳ない。とにかくこういった具合で積み重なったことが多かったです。思い通りにいかない世の中なのはよくわかっていますが、それにしたって理不尽なことしてるよなと思う今日この頃です。
それではまた。