山奥でモンスターに襲われた私は命からがら宿屋に逃げ込んだ。
私が寝支度をしていると、女店主が部屋に入って来る。
どうしたのかと尋ねると、店主は妖しい笑みを湛えながら服を脱ぎ始める。
「ほらほら、私が癒してあげますよぉ?」
まんざらでもなかった私だが、ふと気が付いた。
ここはモンスターだらけの山奥。華奢な人間の女性がこんなところで宿屋を…?いや、おかしい!この女店主は…!
私はとっさにまやかしを解く呪文・ペルヴィデレを唱えると、
女店主の側頭部にはぴょこんと猫の耳が現れ、長いしっぽも露わにした!
(やはりモンスターか!)
女店主はそのことに気づかずにいやらしい顔つきで下着姿になっていた。
(こうして瀕死で無抵抗な人間を誘惑し、生気を奪ってきたのだな…!だがこれまでだ!ネコ店主!)
「アウルム・フラクタス!!!」
そう唱えると、ネコ店主はにやけた表情のままざらざらした黄金像になり
ガシャン!と音を立てて粉々に砕け散った。
――私は知らなかった。
このネコ店主が、瀕死の人間たちを本当に癒し、救い続けていたことを…
でも壊れてアバターがロストしたので再ログインすれば復活するみたいです。よかったね!
……この世界に戻って来てくれるかな?
「フラクタス!!!」
…あっ、壊すほうの呪文だけ唱えちゃった。
パリーン!!生身のまま粉々になるネコ店主。気の毒である。
(じつは結構気持ちいいらしい)