去年の末に軽いリクエストもありましたので、今回から漫画背景の描き方について解説…もとい漫画背景について考えていきたいと思います。ちょうど背景のみにフォーカスして詳しくまとめておきたい点もありましたので、自分がどういった点を意識しながら背景を描いているかを、また数回にわけてまとめていこうと思います。
というわけで今回は描いていくにあたって「どんなことを意識しているか」その前提知識回という感じになります。
友人からいい言葉と頂いたのでそれをそのまま使ってます。通常のイラストなどとは違った「漫画での背景、漫画ならではの背景表現」という意味合いで捉えてください。なので通常の景色や建物、室内ともの以外にも「トーンなどによる感情表現」もこの中に含まれます。
漫画は1ページに何個も絵を描く必要があり、個人製作で時間がいくらでも使えるなら別ですが、商業や完成までに期間が決められている状態で、一つ一つ丁寧にパースや位置関係を正確にとって描くのは相当キツイです。特に最近は画面全体の密度、クオリティの要求が高いので、写真加工や背景素材といったものが主流になってきているように感じます。そういった写真やCGなどの素材を使った背景の描き方を説明できればいいのですが、それに関しては全くわかりませんので普通に「手描きによる背景解説」になります。しかも私の場合ですが背景に関しては「結構適当」です。誤魔化しも結構あります。なので技術的な部分は正直参考にならないと思うので、いつも通りメインは考え方など理屈の部分になると思います。それではまず大前提と「漫画における背景の役割」について解説していきます。
まず漫画背景を描く上で、漫画における背景の役割についてしっかりと把握しておく必要があると思います。特に手描き背景の場合は「どのくらいまで描けばいいのか?」の線引きをする助けにもなるので、しっかりと把握しておいた方がいいと思います。
やはり一番重要な役割は「状況説明」です。極端なことを言えば、最初の一コマでどんな場所にいるのか描けばあとは描かなくていいです。さすがに極端すぎますが、やはり背景というように、どこまで行っても背景は背景です。漫画におけるメインはキャラです。なので背景がキャラを食ってしまうような配置や密度で描くのは避け、状況説明のみに徹底した方がいいでしょう。もちろんジャンルによって漫画のメインは変わります。特に昨今「ご飯」や「景色」といったものが題材となる漫画も多く見受けられます。その場合はそれらがキャラ化していると考えてください。今回も前提はエロ漫画です。
では実際にどのように背景をおいているのか実際に漫画を見ていきましょう。
エロ漫画においてしっかりと背景を描かなければならないシーンは限定的です。主に「導入」と「オチ」ぐらいでしょう。今回は「ロリ巨乳妹」の導入の3ページを参考にもってきました。かなりわかりやすいと思います。絵だけみても、大体どんな場所で話が展開されているかわかると思います。家の廊下前→玄関、ページが変わって部屋、またページが変わり風呂。そして見ての通り背景を描きこむ場所は、比較的小さなコマが多いです。その理由を説明していきます。ポイントとしては以下の3つですね。
・読みやすさ
・メリハリ
・誤魔化しがきく
はい出ました。いつものやつです。結果的に読みやすさこれに尽きます。今回の場合ですと、基本的に見せゴマ(一番大きくなるコマ)は女の子を見せるために使っています。そういう点でも必然的に状況を説明するコマは小さいものとなります。仮に大きいコマで背景の密度描きこみを増やしてしまった場合、女の子を見せたいという目的がボケてきます。そういう点で今見ると明らかに失敗しているページがあります。3ページ目の見せゴマです。頭の横に「風呂掃除用の道具」がかかっていますが、正直邪魔です。背景的にそこにあるは正しいのですが、しっかりと描いた上に、風呂の壁が白なせいで悪目立ちして視線が持っていかれます。こうした結果を避けるためにも、目的ごとにコマの役割をはっきりさせ、その状況説明の役割を持ったコマにのみ密度の高い背景を描きこんでいく。そういった点から結果的に小さいコマに背景を描きこむという形になります。
次にメリハリですね。キャラのバストアップ、顔がアップのコマは背景をほとんど描いてません。アップにすると、後ろの背景もアップになります。正直「切り取られた背景」まで丁寧に描くと画面としてかなりうるさいです。参考としては以下の部分です。
本来ならクローゼットの扉が男の後ろに来る位置取りではありますが、真っ白にしています。仮に描いた場合、この3つのコマが同様の密度になりメリハリがなくなります。そして次のコマが見せゴマとなるので、リズムもなく淡々とした印象になります。ここも最初は背景をいれようとした記憶がありますが、なんとか堪え切れた所です。そういった点では以下のページは逆パターンになりますね。
このページです。見せゴマの妹はドアの前に立っているので、最初はドアノブやドアの一部を描いていました。最終的に邪魔と思い消しましたが、その右の兄のコマでは、クローゼットのドアを描いています。ここは逆に右のコマの密度をできるだけあげないと、全体的にあっさりした感じになってしまったのではないかと思います。こういう感じでメリハリによって、描くケースと描かないケースもあったりします。ついでにクローゼットのトーンを貼っていないのは、逆にうるさくなりすぎるからです。このようにして一つ一つピックアップして説明するまで、位置関係や、トーンをはってないというのはあまり気にならなかったと思います。そういう点からも背景は正確に認識できるかできないかぐらいの微妙な範囲のものだと考えます。
そして最後に誤魔化しが効くです。前述した通り、背景は認識できるかできないかの微妙なものな上に、小さいコマそんなに目立ちません。そして描きこめば描きこむほど「適当なのがバレにくい」です。この辺は技術的な部分もあるので、また後の回で説明しましょう。ごちゃごちゃしている場合はわかりやすい、大きくわかりやすい部分だけ拾って認識したり結構色々あるらしいです。参考までに過去一番めちゃくちゃ適当に描いた背景をご覧ください。
これは永遠娘で描いた「おしかけサンシャワー1話」の狐ちゃんと日光を観光するシーンです。1コマ目の神橋から始まり、東照宮、眠り猫です。どうですか?特に東照宮…よく見るとめっちゃ適当でしょう。ただパッと見だとあーなんかそれっぽく描いてるなーと思うと思います。小さいコマ、そしてこれだけセリフやフキダシで隠れているとそこまで気にならないと思います。メリハリもあっていいですね。にしてもこの漫画はよく描けてますね…この時が一番才気煥発してたきがしますね…つら。
今回は漫画背景の役割、その「状況説明」特に具体的な背景部分にフォーカスして説明をしました。軽くのつもりが思いのほか長くなりましたね……。次は抽象的な感情表現の方にフォーカスして説明していきたいと思います。正直かなり苦手分野ではあるので、今後のためにも考えもまとめるという意味合いが強くなりそうです。次回はまた間があいて来月になるかもしれません。これに関してはゆっくりと更新していく予定です。できればまたお付き合いください。
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