シニンノカゲ:7章part6
6. 雪の中で 雪がかなり積もってきた。風もきつい。 旧校舎の調査のため、校内に人はいない。 また、大雪警報が発令されたこともあり、旧校舎の調査に寒川もいない。 今日しかない。 寒川に頼るのも手かも知れないけれど、自分が蒔いた種は自分で始末するのが筋だ。 鉢上乃恵は固く閉ざされた校門を開けた。鉄の校門に触れたせいで指が冷えたので、ダウンのポ...
2025-09-08 13:35:17 +0000 UTC View Post
6. 雪の中で 雪がかなり積もってきた。風もきつい。 旧校舎の調査のため、校内に人はいない。 また、大雪警報が発令されたこともあり、旧校舎の調査に寒川もいない。 今日しかない。 寒川に頼るのも手かも知れないけれど、自分が蒔いた種は自分で始末するのが筋だ。 鉢上乃恵は固く閉ざされた校門を開けた。鉄の校門に触れたせいで指が冷えたので、ダウンのポ...
2025-09-08 13:35:17 +0000 UTC View Post5. 西原叶夢 予言獣はいた。 予言獣"くだん"は、確かに旧校舎にいた。 私はあの日、くだんからの招待状通りに旧校舎に忍び込んだ。 昇降口へ通じるドアは施錠されているはずだから、もし入れなかったら諦めようと思った。でも、鍵は開いていた。 やっぱりくだんが私を呼んでいるんだ。そう思った。 きっと、最初に旧校舎に入ったときはくだんは私のことを知ら...
2025-09-07 12:56:59 +0000 UTC View Post4. 七不思議のおわり (微F/F) 西原叶夢は闇の校舎を駆けていた。この世界から出入りできる"扉"を探すために。 この世界が鏡から出入り出来るのは確定している。 ただし、この世界の主である藤島小百合はその力を使って対象者が鏡の前にいない場合でもこの死の巣に引き摺り込むことを可能にしている。恐らく条件は、対象者が旧校舎内にいること。 では、対象者は...
2025-09-06 14:01:01 +0000 UTC View Post3. 西倉山ダークネス (F/F) ─2022年12月22日木曜日─ "あれ"はもう袋にきっちり入れて、それぞれの鞄の中に忍ばせた。 叶夢の持っていたクーポンのお陰でちょっぴりお得な値段で調達できた。 「いい?絶対…"彼女"の名前は口にしないこと。彼女のことなんて知らないって自分にそう言い聞かせて」 羅那は、夕闇を背に並ぶ仲間たちに向けて念を押すようにそう言った...
2025-09-06 13:59:58 +0000 UTC View Post2. 藤島邸 羅那たちは律儀に湯呑みの洗い物までして帰って行った。 帰り際、羅那は真冬に何か頼み事をしていた。 どうやら藤島小百合を救済出来る可能性に賭けた調査に関するものらしい。 水羽はため息をついた。 勢いで協力するとは言ったものの──。 結局、一番頼りないのは自分だ。 非力な女子高生が怪異に挑む方がよっぽど恐ろしいだろうに、退魔の力を...
2025-09-06 13:59:14 +0000 UTC View Post1. 救いようの無い魂 ──2022年12月22日木曜日── 現実を映し出すはずの鏡の向こうは、闇に包まれた死霊の巣であった。 多くの少女たちが姿を消したその闇の中に、虎谷羅那はいる。 外を照らしているはずの夕陽が存在しないかのように、廊下の窓は黒い。 否。この世界には最初から太陽など存在しないのだ。 光のない闇の世界。 校舎の姿をした死者の世界。 ...
2025-09-06 13:58:26 +0000 UTC View Post9月のご挨拶と投稿予定! いつもお世話になっております。 また酷い暑さが戻って来たり、台風が接近したり…気候は相変わらず体調には優しくありませんが皆様いかがお過ごしでしょうか! もうすぐ?秋がやってきますが、過ごしやすい日が一日でも多いと良いなとひっそり願っております。 天気って本当に…大切ですね! 【変わりゆく時代、変わりゆくお菓子】 ...
2025-09-05 12:15:57 +0000 UTC View Postくすぐりの限界に挑んだら (F/M) あの女たちは集団による一斉くすぐりを武器とするらしい。 その情報が転がり込んできた時、アツキは居ても立っても居られなくなった。 アツキと敵対している他校の不良グループがいる。 それは女どもで構成されたグループなのだが近頃、どういうわけか勢力を拡大しているというのだ。 その秘密が、くすぐりだという。 女たちは...
2025-08-31 12:57:33 +0000 UTC View Post黒い尋問室 (F/F) その部屋に入ってすぐ、マスクを渡された意味が分かった。 汗。尿。唾液。ミルク。そして人間が絶望し、生命の危機を感じた際に発する独特の香りが入り混じった混沌の悪臭。 この臭いは、一生、鼻の粘膜にこびりついて剥がれないだろう。 現に、この尋問室にはこの臭いがべっとりとこびりついている。 この臭いは、部屋の中央に拘束されてい...
2025-08-31 03:15:55 +0000 UTC View Post人間牧場1.0 (F/M, FFFFFF/M) 奴らは、地球人の女とまるで見分けがつかない容姿をしている。 だから、ひっそりと侵略を進めることが出来たのだ。 そして、地球上の若い男たちを次々に攫い、母星の繁栄の材料とした。 (※スクイーズ星人についての研究より一部抜粋) 行方不明事件というのはほとんど毎日起こっている。 年間の行方不明者の数なんてかなりのものだ。 ...
2025-08-22 12:36:24 +0000 UTC View Post4. 姫咲ダークネス (F/F) 誰もが息を殺し、誰もが固まり、物音が消えた。 私は、ヒヨコを見た。 無闇に物音を立てまいと 息を止めている。 眼鏡の奥の瞳は、震えていた。 ヒヨコが私の視線に気がついて、私の目を見た時。 ヒヨコの背後に溜まっていた闇の中から、生白い手がぬうっと伸びて── ──ヒヨコの鼻と口を静かに覆った。 んむぅっ。 ヒヨコの小さな...
2025-08-15 11:48:27 +0000 UTC View Post3. 姫咲トワイライト③ 次の失踪者が出たら即座に梨緒が"彼女"を殺す。 また、私たちが彼女の救済に向かう際は梨緒も同行し、その場で救済不可能と判断した場合も梨緒が彼女を殺す。 それが私たちが梨緒と交わした約束だった。 失踪者は増え続け、現時点で12人もいなくなっている。 流石に大事だ。つい昨日、地元新聞でも取り上げられていた。 それなのに、学...
2025-08-15 11:47:46 +0000 UTC View Post2. 姫咲トワイライト② 「美愛の鼻をくれ」 背後から白い手がにゅうと伸びてきて、私の鼻をちょんと触った。 「ちょっと、春香」 私は横目で、鏡に映る春香のニヤけ面を睨んだ。 春香はよく私の鼻を触ってくる。 何度注意してもやめない。 曰く、私の高い鼻が羨ましいという。 別に春香の鼻だって特別低いわけではないと思うのだけれど、本人は鼻が低いのが...
2025-08-15 11:46:49 +0000 UTC View Post1. 姫咲トワイライト① ──1998年7月── おーい。 アブラゼミとヒグラシの声が重なり合った合唱の中、"須崎 伽耶(すざきかや)"の声がとても遠くから聞こえたような気がして、私ははっと目を覚ました。 伽耶の不機嫌そうな目が私の視界に飛び込んで来た。 「ねぇ。聞いてんの?珍しいなうとうとしちゃってさ。みんな集まったから作戦会議するよ。どうやってこの...
2025-08-15 11:45:25 +0000 UTC View Postリアルこちょこちょ鬼ごっこ (F/F, FFFFFF/F) 足黒女子高等学校というのは、地元では有名な不良高校だった。 校内を覗いてみれば、名前を書けば入学出来るという都市伝説さえ真実であるかのように思えるだろう。 だが、それは過去の話なのだ。 足黒女子高校は今や進学校である。 なぜ、足黒女子高校は浄化できたのか。 それは、恐怖の鬼ごっこが開催されたからに...
2025-08-08 12:39:51 +0000 UTC View Post8月のご挨拶と投稿予定! 投稿が遅れて申し訳ありません… 皆様いつもお世話になっております。 蝉の声が例年よりも大人しくて少しばかり寂しさを感じたりしている今日この頃です。 最近、自分の絵を見つめ直す機会があり、もっともっと画力向上しないとなぁと改めて思い知らされました。 漫画作品だと一作品に費やす時間が膨大であり、かつ時間の制限もある...
2025-08-08 12:39:05 +0000 UTC View Post4. 用務員室前の攻防 (F/F) ──2022年12月19日月曜日── その小さな部屋で、虎谷羅那は息を殺していた。 鍵は。鍵はどれだ。 小部屋──用務員室には想像を遥かに絶する無数の鍵が存在していた。 この中のどれが、旧校舎の鍵なのか。分からない。 外では乃恵が、何やら揉めている。相手はどうやら警察だ。 叶夢はまだ、用務員を他所へ引きつけてくれているのだ...
2025-08-02 15:35:09 +0000 UTC View Post3. 古井戸村五十人殺し ※ 彼女はきっと誰よりも小心者だ。 彼女の放つ強い言葉も、傲慢な振る舞いも、何もかも臆病な心の裏返しなのだと思う。 そんなことは、最初から分かっていた。 それでも一緒にいたのは、この学校では彼女といることが最も安全だと思ったからだ。 高校に入るまで、私は荒野を生きてきた。 周りのほとんどが、敵に見えて、周りを見るの...
2025-08-02 15:34:09 +0000 UTC View Post2. 殺意 天気予報も見ずに外に出たものだから、今日が12月にしては温かい日であるということに気づかなかった。 寒川 真冬はマンション自室を出てすぐ、マフラーを取った。 12月にこんなに温かい日が訪れると、思い出す。 五年前のあの、事件のことを。 あの事件が起きた日もちょうどこんなふうな温かい日だったのだ。 ずっと浴びていたくなる春のような日差し...
2025-08-02 15:33:26 +0000 UTC View Post1. ぬるいサイダー ─2022年9月9日金曜日─ 体育館の方からはまだ、胸をどんどんと打つような賑やかな音が響いて来る。 羅那は少し疲れていた。 夏休みの後半から始まった文化祭準備も、羅那が中心になって進められ、文化祭二日目の昨日ようやくひと段落したのだが…今日は生徒会としての運営の仕事に校内を奔走していた。 さらについさっきまで、新しい友人の...
2025-08-02 15:32:40 +0000 UTC View Postタバコ盗んだからコショコショ地獄の刑 (F/M, FFFFFFF/M) 「ちっ。ヤニ切れた」 「こっちもだ」 風馬はグリグリと吸殻を靴で擦り潰す。 茶色く染めた髪、ピアス、派手なTシャツ。その服装の全てが校則違反である。 「おまけに金欠だ。まぁ買えないことないけど…ほら、近くのたばこ屋いちいち年確してくっからさぁ」 風馬の悪友はまた舌打ちをした。 風馬は悪友と...
2025-07-30 12:00:00 +0000 UTC View Postサディスティック・パーティ (F/M, FFFFF/M) ブラッドクリスタルホテルといえば、知らぬものはいない一流のホテルである。 だがその上層階にて夜な夜な富裕層による"パーティ"が執り行われていることはあまり知られていない。 一般人ならばそのボトルを見ることさえ叶わない酒瓶の栓が毎日のように開けられ、それを高級車何台分もの価値を持つ衣装を身につけた女た...
2025-07-18 14:45:53 +0000 UTC View Post4. やみいろかがみ (F/F) 旧校舎の玄関ドアは問題なく開いた。解錠された痕跡もなかった。 ──昨日から帰っていないっていう例の女子高生…どうやって侵入したのやら…。 結依は首を捻りながらドアを開け、旧校舎の闇の中へと足を踏み入れた。 "白崎 結依(しろさきゆい)"は此度の西倉山高校連続失踪事件の捜査本部長である。 白崎家は名家であり、家業は製紙業...
2025-07-13 13:16:08 +0000 UTC View Post3. 藤島小百合 ※ 困難を乗り越えてこそ幸福を感じるんだとか、人生は山あり谷ありで、その困難もあとから思い返すと良い思い出になるのだとか、人は苦しみを経験してこそ強くなるのだとか。 そういった言葉を何度も聞いてきた。 でも。 私の未来に危機は必要ない。 山があるのも、谷があるのも、それは今だけで良い。 私の見据える未来は、平坦であって欲し...
2025-07-13 13:15:28 +0000 UTC View Post2. 私は人を… ─2022年12月13日火曜日─ 「それじゃあ指定された場所に張り紙よろしくお願いします」 三年で生徒会長の"東院 京香(とういんきょうか)"が羅那にチラシの束を渡した。 チラシには、冬休みに行われる受験進学対策特別教室の案内が書かれている。 長ったらしくていかにも堅苦しそうな名前は、会長である京香の案だ。 特別教室の企画もそもそも京香が言...
2025-07-13 13:14:54 +0000 UTC View Post1. 贖う者 ─2022年12月12日月曜日─ 昨日は丸一日、水羽とは連絡がつかなかった。 一昨日の夜、水羽の助けにより旧校舎から脱出した羅那はその後、女性に引き摺られるようにして旧校舎から出てきた水羽を目撃している。 だから、ひとまず無事だったのだろうと安心はしていた。 だが、水羽も彼女を引き摺っていた女性もただならぬ様子だった。 まるで、逃げて来...
2025-07-13 13:13:50 +0000 UTC View Post2. 澄川拷問編/折島崩壊編 (F/F, FFFFFFF/F) 党首の折島の居場所は? その質問がもう、何度目かも分からない。 澄川は、口と鼻を覆う透明のマスクに熱い息を吐き出す。 マスクが曇る。 マスクは長い管を通じて忌まわしき機械に繋がっている。 全裸に剥かれた澄川は鉄の椅子に座らされ、後ろに回され両手首に手錠をはめられている。 両足は、膝を曲げた状態で足首を...
2025-07-12 14:28:40 +0000 UTC View Post