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「ハレのち猥褻」単行本収録話解説


(※エッチ漫画ではなくてすみません 9月中に支援者様向けの漫画を更新予定です)


どうも、アサオミ志群(しむら)です。

この度2025年8月29日に、ワニマガジンさんからは初めての単行本を出させていただきました。

電子版は10月予定です。


■リンク■

ワニマガジン公式: https://wani.com/product/9784868120629/

メロンブックス(特典:キャラプロフ4pリーフレット): https://melonbooks.co.jp/detail/detail.php?product_id=3028222&srsltid=AfmBOor-ab5_DA4Hvf8uZcb7WrpHsywz5rLS4Kos7DKguYJL-QolzL9p&adult_view=1&nrdp=1

とらのあな(特典:イラストカード): https://ec.toranoana.jp/tora_r/ec/item/200012719476/

アニメイト: https://animate-onlineshop.jp/sphone/pn/%E3%80%90%E3%82%B3%E3%83%9F%E3%83%83%E3%82%AF%E3%80%91%E3%83%8F%E3%83%AC%E3%81%AE%E3%81%A1%E7%8C%A5%E8%A4%BB/pd/3171263/?srsltid=AfmBOoq03ElIEf5PYVu5ItJvbhY_8C_Ua5QjNl9VX40llOrSyj6jo5WX&man_view=1&adult_view=1

FANZA: https://dmm.co.jp/mono/book/-/detail/=/cid=229book97848681206292025/

げっちゅ: https://getchu.com/soft.phtml?id=1338196&gc=gc

楽天: https://books.rakuten.co.jp/rb/18238637/?l-id=search-c-item-text-03


単行本のサンプルです。

https://www.pixiv.net/artworks/134397116



遅筆ゆえ3年ほどトロトロと描かせていただいてた…のが単行本としてまとまるほどになったのかーと非常に感慨深いです。

予約などしてくださった皆様、誠にありがとうございます!


さてここから先は「エロ漫画は作品や作者のバックボーンを知ってるほうが抜けるぜ」って方向けの記事になります。

自分はバックボーンを知りたい時と知らなくていい時が半々くらいなので、読むかどうかはお好みで…。


まずは収録順に解説をしていきますが、その前に自分の商業作品について軽く整理しておきます。


自分の作品は同人・快楽天さん・それと以前はアンスリウムさんに掲載頂いてたので三か所で見る事ができます。(アンスリウムさん掲載話は単行本「びっくり!常識?パラサイト♡」で見る事ができます

リンク:https://book.dmm.co.jp/product/4493598/k568agotp05854/)

ざっくり分けると、自分の作風は二つあります。

①肉体としての「雄」「雌」をこねくり回す系

 異常常識ものや調教系はだいたいこっち あまりハッピーエンドない

②愛とか恋(ただし悲恋ではなくハッピー寄り)を描く系

 幸せに着地するタイプ


で、これを自作で分類すると、

①はアンスリウムさんで出した単行本の全話、

それから快楽天掲載の「ごめんなさいの世界から」「よそのうち」「田舎の馬鹿女ちゃんとおじさん」

②は快楽天でのその他の作品

…といった感じになります。

なので今回の単行本「ハレのち猥褻」は自分の同人誌とかの作風が好きな方へのおすすめ度合いはそんなに高くはないです。ストライクゾーン広かったらよければ…といった感じでしょうか。そんなこと言いつつ全力は込めてるので、いけるなら是非…。

同人誌で描くにしても、商業誌で描かせてもらうにしても、「そこで描く意味」をできるだけ見出せたらな、と思っています。なかなか難しいですが。

そして自分は「自分が快楽天さんで描くなら人と人との関係性に根ざしたエロスを描きたいな」と思い、割と長いこと苦戦することとなりました。


それでは各話の解説や制作の小話をしていけたらと思います。


①「田舎の馬鹿女ちゃんとおじさん」

快楽天さんでの一作目です。

あらすじは田舎で個人塾を営む“先生”と、そこの塾生である少し浮世離れした女の子・雛姫(ひなき)。

彼女が両親に内緒で先生に保健体育 セックスを教えてもらう…という話です。

この作品は、

・人と人との関係性の物語であり

・かつエロい

という両面を意識した結果、メリーバッドエンドになりました。

追い込まれた人間ほどエロくなる…と自分は常々思っていて、舞台となる田舎で一番追い込まれている人たちを描いたつもりです。

作中の「先生」はいつ捕まってもおかしくない立場です。雛姫がだからこそ腹を括り、物語の終盤で大胆な行動に出ます。

彼が住んでいる田舎は出身地ではなく、何十年も「人当たりのいい顔」を続けながらも馴染めず、もううんざりしている。

さらに、田舎を毛嫌いするヒロインの親の醜悪な態度に共感してしまい、そんな自分にも嫌気がさしている。


物語では、先生は雛姫を連れてその田舎を飛び出します。

ただし「田舎そのものが悪い」という話ではなく、この共同体でうまくやれなかった自分をリセットしたい。自分にとっての人生のヒロインをつれて、どこかで最初からやり直したい。という動機です。

だから結末としてはまた別の田舎に行ったのかもしれないし、都会の片隅でひっそり暮らしているのかもしれない。そんな余地を持たせて描いたつもりです。

(個人的なイメージとしては、都会から少し外れた古びたアパートで二人暮らししている、くらいがしっくりきます。)

「先生」と呼ばれるような、年上で何でも知っていて何でもできるように見える人たち。

残酷なことに、一般的な感覚としてはそういう人もまた自分たちと同じ「人間」であることを忘れている時間の方が長いんじゃないかなと思います。役割をラベリングされると急に「そういう役割の何か」みたいな…ちょっとドライな感覚になりますよね。

だからこそ彼ら彼女らが垣間見せる少年や青年の頃に抱え、消化しきれなかった未練のようなもの それに触れたとき「ああ人なんだ」と急に人間の匂いを感じるし強い情欲がにじみ出るようで好きなんですよね。

ヒロインの「雛姫」は頭は足りないけれど、何も分からないほど幼いわけではありません。

周囲から疎まれていることも奇異の目で見られていることも、落ち着かない家庭環境も全部わかっています。

学校で一番勉強ができず、吊し上げられている自分を恥じてもいます。

「どうにかしなきゃ」とは分かるけれど、打開策は見つからない。

そして愛嬌を失ったら自分がどうなるかを直感的に知っているからこそ、笑顔を絶やすことができない。

籠の鳥のままこの土地で生きて死ぬのだろう そう思っていた雛姫にとって、「先生」は外界への唯一の希望です。

先生が苦しみ葛藤していることも、この関係が世間でどう見られるかも頭の奥底では理解しています。

それでも人生で初めて自分を見てくれていると感じた。自分を諦めずに何かを教えてくれる。そんな先生を愛している。

全てをなげうって一緒に来てくれた先生を裏切ることなど、彼女には考えられません。

雛姫の家族が雛姫と会話をしようと思っていたなら起こらなかった話だと思っています。


②ごめんなさいの世界から

「田舎の〜」を描いたあと、この方向性で行くか?と思ったのですが、案出しをしているとかなりハードな内容ばかりになってしまい、「いや、こうじゃないかもな…」と。

そこで試しに自分がもともと描いていた作風でやってみよう!と思い執筆したのが本作。

あらすじは、熱血系会社員・香取基子(もとこ)の住む世界の常識が人知を超えた力でバグってしまいます。それは謝罪をするたびに基子がエロい出来事に巻き込まれてしまう…という常識改変もの。仕事柄謝罪をしないわけにはいかない基子はどうするのか?!みたいな感じです。

物語の大筋はそれに尽きるので、ここでは基子というキャラクターを少し掘り下げます。


自分は「無知」とか「強引に騙される」みたいなんが好きで、そういう役回りをするのは“頑張り屋で純朴な元気っ子”がいい。とおもっています そういう好みから生まれた話でした。

基子は真面目で不正は許さない。熱血で融通が利かない女の子。

そばにいたら、まあちょっとウザいかもしれません。

でも抑えるべきところはちゃんと抑えていて、人当たりも穏やか。何よりまず自分が体を張るタイプなので、一定の支持はあるでしょう。

そしてそんな潔癖気質のバリバリ仕事人がムチムチのボディを持っていたら…。

自分の体の価値に気づかず、セックスに適した身体を見せびらかしながら素知らぬ顔で生きていたら…20うん年無知無知で生きてきた成熟しきった身体が突如一方的に性の快楽を叩き込まれたら?最高だねえ~と思って生まれたのが彼女です。

いわば疑似的な無知セックスとでもいうべきでしょうか。無知な頭に成熟した身体 このテーマは何度も擦ることになります。

ちなみにこの話のきっかけというかアイデア自体は、好きな芸人さんのギャグから着想を得たものでした。


③やおやのおねえさん

人と人の関係性を描こうと戻ってきたのがこの作品です。

あらすじは学生(!)である竿君が、八百屋の店番をしている大人のお姉さんに惚れて、身分を偽ってバイトを始め、お姉さんと結ばれるためによっしゃーと頑張る…ちゅう話。

ここでもやっぱ自分の「疑似無知好き」が出てますね。

ちょっと作中では伝わりにくかったのでネタバレになりますが、二人の年齢は「おねえさん > 竿君」で合っています。

ただ、思っていたよりおねえさんが“おねえさん”ではなかった。えーマジ?みたいなオチです。

そこが分かりづらくて当時困惑させてしまった読者の方もいたので、改めてここで説明させていただきます。すみません~

自分はアホの娘が好きなので、今回は“めちゃくちゃ賢そうな顔なのに実はとんでもなくアホというキャラを描きました。

メロンブックスのリーフレットにもアホ可愛いエピソードを添えています。

ヒロインのお姉さん(くるみさん)は、本来なら高嶺の花でいられるはずの人。

でも、実際には学校の成績もパッとせず、演劇をやれば演技が棒で裏方に回され、裏方に回っても特別に仕事ができるわけでもない。

そんな微妙な立ち位置のまま「ん…?」と思われつつ卒業していくタイプです。

それでも、一番親しい少数の友達にはちゃんと理解されていてその小さな平和を大事にしている。

男の子と遊ぶことはほとんどありません。でも年頃らしくエロいことには普通に興味がある。

ちょっとアホで、年齢相応の女の子です。ただデフォルトの仕草がやたら妖艶なだけで。

だから、年ごろが近い(と思いこんだ)竿君の距離の縮め方は丁度良かったのかなと思います きっかけがないとかビビリなだけで、性に対して全然臨戦態勢の女の子、好きです。

④よそのうち

なかなかエロをエロく描けない事に悩んでおりましたので、滅茶苦茶エロを描くぞ。と気合を入れたものでした

作風としては、もともと自分が持っていたスタイル…異常常識系に全振りしました。エロ一点集中です。

そこに加えて人間関係も描こうと思ったのですが、この作品は以前少し触れたこともあるんですがインスピレーション元が好きなホラー映画だったため、ちょっとホラー味が強めになっています。

(「ホラーを描いてびっくりさせるぞ!」という意図ではなく、「これエロにしたらアツ。」と思い設定を輸入させてもらった感じです。)

映画のあらすじは、家族や一族ぐるみで外部の人間を呼び込み 連れてきた人間の「体」を奪って一族は脈々と生き延びていている…みたいな話。

その一族にとってはそれが当たり前で「この私たちが体を使ってあげてるのよ…?幸せでしょ…?」という感覚になっているところが自分はすごく好きでした。

※少しだけ映画の設定はぼかし・脚色してあります。

昔存在したという食人一家も参考元の一つです。

異質な常識や幸福感を共同体で共有している……そういう世界観が自分はすごく好きなんですよね。


ただ、この作品の異常常識は世界全体ではなくあくまで家族規模の話でした。そのため構図がNTRっぽくなっておりまして…個人的には掲載時までNTRなことにも自覚がなかったくらいで びっくりさせてしまってすみません。(今も正式にNTRとは呼べないかなと思っているので自分の中のラベリングは保留しています。

が、そういう構図ではあるので「NTRじゃないぜ」というつもりはございません。

NTRと名乗るには、NTRのいい部分削りまくってないか?と思うのでなんか…フワッとさせといたほうがいい気がしています。)

ヒロインである天子は、家族が大好きです。セックスも楽しんでいますが、それ以上に家族や共同体を維持すること自体に喜びを感じて生きています。その気持ちはメロンブックスのリーフレットに反映されとります。

その幸せを、大好きな彼氏にも分けてあげたいと思っています。ただし無垢で誰にでも秘密を見せるわけではなく、ちゃんと匂いをかぎ分けターゲットを見定めています。秘密を漏らさずに、こちら側に来てくれそうな人間かどうか…それが彼氏君でした。

現在の単行本の中で彼女は生物として最も強い存在かもしれません。

ちなみに彼氏のことは本当に好きで、そんな彼氏が自分の大好きな家族の一員になってくれそうなことに普通に喜んでいます。喜びの純度だけで言えばかなり高いのではないでしょうか。


話は変わりますが「お母さんとはセックスしないんですね」といった感じのコメントや感想もいただきまして、

ここは悩んだのですが意図があってマッマをセックスメンバーから外しました。裏では父と母は普通にセックスしております。

姉である天子が家にいないときに母がセックス要員になる。ということもめったになく(家族内で取り決められたセックス行事などがあればしぶしぶ弟は事に及びます。母も大歓迎というわけではなく、仕方ないでしょ~というテンションです。でもセックスするとなれば前戯からねっとりキス・妊確中出しまできっちり行います)普通の「仲良し家族」って感じです。

家の中で一番若く、繁殖期の身体を持つ雌(娘)が帰ってきたときに群がる雄達 家族間セックスは普通なのに自分を生んだ母親とセックスするのはキモいと思う価値観を持っている弟

そんな弟が姉をむさぼっている方が異常エロに拍車をかけるんじゃないかな。と思ったのでした。

不気味で奇妙な方がエロいという価値観です。


⑤エロ因習村から上京してきました

初めてちゃんと(?)恋愛を描いたエロかもしれません。

「これか?!これがずっと…描きたかったのかい?」とこれからの作風が定まった作品でした。

話もキャラクターも思い入れの深さで言えばかなり濃いです。

最初に述べた作風の話ですが、①と②を合わせた作品は無理だろう…と思い込んでいました。

しかし、前提が滅茶苦茶変な世界や変な人間同士の恋愛であれば、どちらのこだわりも完全に捨てずに…いや、お互いの特徴が互いを高め合うように描けるんじゃ?という挑戦の気持ちを以って挑んでおりました。

破れ鍋に綴じ蓋の恋愛。変な恋愛ドエロ。ギャグエロでも抜ける…。

これがいい、これが良いです僕。

多分2冊目の単行本は「変な恋愛ドエロ」の方向性で進めることになります。


前提が長くなってしまいましたが、あらすじに移ります。

話の舞台はどこかの山中。隣り合った男だけの村と女だけの村があり、両村の仲は非常に悪い。

何か揉め事が起きると「性技決闘(セックスバトル)」で勝敗を決めるという習わしがありました。

男だけの村から上京してきた八右衛門(はちえもん)は大学三年生。作中では詳しく触れていませんが、上京して自分の村の異質さに気づき「普通の人になりたい」と少し昔のオタク風ルックで密かにサークル活動に励み、学生生活を楽しんでいます。

学費や生活費を稼ぎながら大学に通っているため、学業とサークル活動以外はほぼバイト漬けです。

そんな中隣村の幼馴染・桃子が上京してきて、同じ大学、同じサークルに入ってきてしまいます。


盛大なネタバレになってしまいますが、桃子は幼少期から八右衛門のことを憎からず思っていました(無自覚です)

しかし村同士の掟により、ある程度成長すると個人的な交流は禁止されてしまいます。

そのため桃子は「八右衛門と同じ大学に行くぞ」と虎視眈々と狙っていたのです。表向きの感情としては「隣村の憎たらしい男の鼻を明かしてやろう」という感じかな。

八右衛門も桃子も村の中で非常に優秀でした。

卓越した性技を持ち、異性を惹きつける能力も高く村内では噂になるほど。

そんな鼻持ちならない奴を叩き潰すために、桃子は入学直後八右衛門が部長を務めるサークルをクラッシュ直前まで追い込み得意げに振る舞います。


少し脱線しますが、彼らの出身村(エロ因習村)はフィクションにあるエロ因習村のあるあるの塊と捉えていただくとわかりやすいです。

近隣の村同士で繁殖を続けると血が濃くなるとかいう理由で外部から人間を連れてきて乱交祭りを行ったり子どもを産ませたりする…みたいな。

そしてその外部の人間を調達する役割を担っているのが上京してくる八右衛門や桃子です。

※ちなみに八右衛門は常識を知ってしまったため今後村に戻るつもりはありません。たまに手紙を出しているようです。

この設定には、スリラーやサスペンス映画のお約束も盛り込んでいます。村の人間が善良なふりをして外部の人間を村に引き込もうとするところとか…。

外部の人間を取り込むにはその地域の人間に擬態しなければいけないので、村は総出を上げて子供たちを仕込みます。標準語や身だしなみ、流行りのメイク 身体の育成など…なので八右衛門は作中使いませんが標準語を喋りますし、服装もちゃんとすれば異性を引き寄せるような見た目です。

あえて人が寄り付かないように過度に鍛え、髪を切らず、同じポロシャツを何枚も買って便底眼鏡をかけています。そしてサークルという同好の輪で密やかに青春を謳歌していたのに…


話を戻します。

桃子はいきなり現れ八右衛門が大切にしていた場所…サークルを壊しにかかります。

八右衛門にとっては到底看過できません。

そこで彼は村同士の掟に基づく「性技決闘」を駆使して桃子を黙らせようと考えます。

結果については読んでいただければと思いますが、この話でも自分の「疑似無知セックス好き」が出ているな~と読み返しながら感じました。

二人の性技は卓越していますが、愛や恋については全く理解していません。

「決闘をしてなぜこんな気持ちになるのか?」そもそも存在を知らないから考えたことがないのです。無知を知れ。

その不明瞭な感情のまま行われる行為はめちゃくちゃエロなるんじゃないかなと思って描いてました。

続編をずっと描きたいと思っているのですが、なかなか難しく、出すなら同人誌での発表になると思います。


⑥スーベニアガール

恐らく、今回の単行本収録作品の中で一番手間と時間をかけたものになります。

台詞については伝手をたどってうちなーぐちをご利用される方に監修していただきました。本当にありがとうございます。

あらすじは、南の島(まあ沖縄です。もっと言えば、沖縄で一番大きい村をモチーフにする予定でしたが本編には不要な設定だったため削除しました。マングローブ見せたかったな~)に、手垢のついた「自分探し」に来た東京の大学三年生 空央(あお)が登場します。

現地の超タイプなお姉さん、名嘉真(なかま)さんに声をかけられ彼女の家が営む民宿で夢のような日々を過ごす、という感じです。


旅先でド好みの異性に声をかけられ、まるで恋人のように過ごす長期休み。

「こんな夏がほしいよ~」と思いながらネームを切っていました。

まさに「こんなんあったらええよな」という気持ちと理想だけを込めた話です。

空央が南国へ逃亡した理由はいろいろありますが、トリガーとなるものもあるとはいえ大人の自分からすると「なんでもない」理由が大半を占めています。

(ちなみに地味につながっている「どうでもいいこ」のヒロインが原因では…というご感想も拝見しましたが、ご推察の通りそれも一つの大きい理由です。空央は女性にはモテますが彼女を作る気はなく(作りたいけど付き合いたい子がおらず)フラフラしていたタイプでした。優柔不断で押しに弱く、人をうまくかわすことができず、アプローチを受けるたびLINEをミュートにしようかなとか返信明日にまわしていいかなとかいらんフラストレーションを溜めていました。)

彼にとって好きな女性が一人でもいればこの旅には出なかったでしょう。

理由から結果まで含めてこういう時期にこそ経験できることなんだなと思います。突発旅。

すべてひっくるめて羨ましいですね。

自分(アサオミ)は自営業なので、休みも自由に取れます。やろうと思えばワーケーションもできますし、完璧に楽しむことも可能です。

でも、そういうことじゃないんだよな~という感覚があります。

学生時分には少し無理してでも色々な経験をしてほしい。月並みな言葉ですが本当にそう思いますね

そして大人になった今「あのとき得られなかったもの」についてもクゥ~wいいですのうw欲しかったのうwという気持ちは抱えつつ、こういう感情は財産なのでしっかり抱えておきたいですね。


この話はとにかく誰かや自分を癒したい気持ちで描いたので、都合よく、優しく、甘く進みます。

針の穴を通すようなクイズに正解する場面も含めて都合よく。

名嘉真は「誰かにとって都合よく優しい」ことが得意です。自分の手で誰かが喜ぶのを見るのが大好きだからです。

結果として「良い人」に見える…というか出力される結果は「良い人」なんですが、本人は単純にそうするのが好きなだけで自分本位に過ごしているに過ぎません。名嘉真自身も、自分を特別「良い人」とは思っていません。なので自分が望まないことについては驚くほどあっさりと拒否をする。

空央からの告白を遮る件でもその性格は表れています。

他人に喜んでもらうのは気持ちがいい。

他人に好意を持たれ、恋人のように過ごすのも気持ちがいい。

セックスももちろん構わない…というか名嘉真本人も好きでやっています。

しかし恋人関係や長期的な人間関係を求められるのは、面倒でうっとうしいと感じます。

彼女の若い部分ではありますが、人と人がわかり合おうと努力している姿をどこか冷めた目で見ています。

また、旅先という状況やロケーションの影響を除けば、自分はさほど特別な女の子ではない。という自己分析もしています。

彼女は旅行者(ひと夏のパートナー)を毎年選びますがいつも後腐れのなさそうな人間を見極めていました。


ではなぜ空央に心を動かされたのか。

それはいつもの「都合のいい関係でいましょう」というスタンスを崩すほど、空央が実直にかっこ悪い姿を見せたからです。

もし空央がへらへらと物わかりの良いことを言っていたら、名嘉真の心は動かなかったでしょう。

「なんやこいつwカワイイなー」という小さな感情の穴が徐々に広がっていったのです。

結局書き手である自分が、実直で頑張っている人間に報われてほしいという気持ちが強くこうなりました。頑張れ~!

本編後、空央はこまめに連絡を取り名嘉真を東京に呼び寄せることに成功します。

よかったね。粘り強い男だと思います。

タイトルの由来はそのまま、名嘉真自身がひと夏の思い出の女の子だという話です。

本人はそうでありたいと願い、そのままが美しいと思っています。

場所や時、「その時だけの煌めき」が思い出であるからほしいと思って強欲にどこかへ持っていこうとする必要はない。みたいなことやらいろいろ…ね~


⑦どうでもいいこ

前作『スーベニアガール』の竿である空央に惚れていた女の子が今回のヒロインです。

物語は、空央と名嘉真のデート写真を舞亜(まいあ)が目にし失恋を知るところから始まります。

舞亜は苛立ちを胸に、近所に住む一つ年下の幼馴染・理玖(りく)の家に押しかけて管を巻きます。しかし、受験生である理玖はが鬱陶しそうに問答をするのが冒頭です。


名嘉真が空央にとって譲れない唯一の存在だとすれば、舞亜は選ばれなかった…空央にとって「どうでもいいこ」でした。

空央は舞亜を邪険にしていたわけではありませんが、そのあいまいな態度で舞亜のアタックを止めることができず感情の延焼を招いています。

さらに名嘉真と舞亜は同い年で、舞亜は振られた言い訳をうまく飲み込みづらい状況でもあります。誰が悪いかつったら自分の顔しか思い浮かばないね!のあれです。

苛立ちを時には空央のせいにしつつ、舞亜は何でも話せる幼馴染・理玖に対して自分の感情を吐き出していきます。

しかし理玖も舞亜のことが好きなので、舞亜にとって「どうでもいいこ」である…理玖はサンドバッグのように振る舞うことになります。

舞亜は堪忍袋の緒が切れた理玖の怒りに苛立ちつつも大人しく従います。それは心の奥底で他人を踏みつけにしたことを自覚しており、強く出られないからです。


理玖は舞亜と同じ大学に進むために勉強している状態です。恋愛のために進路を決めるような人間を浮ついてると感じ元々好ましく思わないタイプであり、自分の大学進学や勉強の理由に対しても多少の嫌悪感を抱いています。

ただ舞亜が通う大学は上位校であるため、理玖なりに屁理屈をこねて納得している…そんな状態です。しかし葛藤は残ります。

(余談ですが、空央も舞亜も本来は勤勉な性格です。)

自分嫌だなあ…と思いつつも頑張ってるところにモヤモヤの根源がちょっかいかけてきたら張り倒したくなってしまうかも。

理玖が舞亜のことを好きな理由については、「好きってそういうもんだから…」という感じです。

たとえ99個むかつくことがあったとしても1個どうしても好きな部分があれば、気持ちの波はあれどうまく割り切れない…そんなもんですから。

言語化できない感情も多く、理玖自身も説明できない部分があるでしょう。

舞亜はライン越え発言も多いですが全体で見ると割と世話焼きで優しいです。わがままな面もありますが、それも含めて魅力になっています。


キャラクター説明が続きますが、このあたりの二作に関しては、かなりスタンダードに恋愛漫画として描いてます。

「この二人のセックスなら見たい」という読んでくれた方の気持ちを人間性の魅力やお話で引っ張る構造になっているため(漫画として当たり前すぎること言ってるか今)行為自体についてはもう「見てください、漫画」とお伝えするしか…



このような感じでしょうか

解説というかほとんどネタバレ要約という感じですが…

話の中でわからない事や、この後知りたーいとかあれば基本的に直接お聞きいただいたものには答えておりますのでどうぞ。


「ハレのち猥褻」単行本収録話解説

Comments

>エロ一点集中 自分が『よそのうち』を好きな理由が分かった気がする…

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