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高級M性感 鹿島 後半 《5,000文字弱》

 自己肯定感の低さとマゾヒズムの相関性については、多くが論じられている。何かを為すことが自認の起点になっていた幼少期の自意識は、後の人格形成に影響を及ぼすのだという。『皆ができないことをできるから、自分はすごい。』誰に刷り込まれたか、はたまた内から生じたか。能力こそが存在証明を担保しているとする価値観の芽。裏を返してその危うさを明らかにするならば。『何もできなければ、そんな自分に価値はない。』自らの存在価値を無条件に肯定できない脅迫めいた潜在意識が、心身の成長に伴って水面下で形成されていくのである。 となれば、必然なのかもしれない。快楽、苦痛、あるいは恥辱。形はどうあれ、自らを認知するために、得難い機会を与えてくれる存在に惹かれてしまうのは。マゾヒズムはサディズムに呼び寄せられるばかりではない。至高のサディズムの中で自らを愛し、愛される感覚を味わううちに、自己実現的にマゾヒズムを開花させる事例も確かに存在するのだ。 「もう、先輩ったらせっかちさんですね♡せっかくのお散歩なんですから、もっとゆっくり楽しみましょう♡ご主人様を引っ張っちゃだぁめ♡です♡それに、心配しなくても女の子が来たらまた教えてあげますよ♡」  廊下を生まれたままの姿、それも四つん這いになって歩かされている男。目隠しと口腔に意思表示の手段を奪うボールギャングが。怒張したペニスのカリ首を締めあげるようにして、亀頭には首輪がつけられている。無論、首輪からは飼い主が握るリードが伸びており、数歩後ろに立つ鹿島がそのリードの持ち手を何の前触れもなく、くいくい♡と引いた。拙いお散歩で妙に足取りだけを急いた駄犬を制すために。  プレイルーム内で行われているとすれば、特段珍しくもないやり取りだが、ここは廊下。在籍するドミナに加え、従業員の目に晒される、いわばプレイ外の場所だ。けれど、そんなことは鹿島に関係ない。自らのフェロモンで陶酔させたオスを今度は、人目も憚らないところで瞬殺射精させる。それが此度の目的なのだから。 「また来ましたよ、女の子が♡あ、受付のまゆちゃんですよ♡ほら、黒髪ウェーブがかわいらしい大学生の♡上手にご挨拶してくださいね♡ふふっ♡」  耳をすませば、かつかつと近づいてくるヒールの音。条件反射に加え、ご主人様のお言葉により男の肌が粟立つ。向こうから歩いてくるのは普通のノーマルな女の子だ。あぁかわいらしいな、と感じるような整った顔立ちの受付の子。ここがそういう店でありつつも、軽い談笑程度なら数回交えたこともある女性だ。さきほどはまだ知らぬ相手だったからよかったもののと、強い倒錯感と羞恥心が男を襲う。けれど、逃げられない、身を隠せない。鹿島の匂いによってひとたびトランス状態に堕ちれば、自らの身体は鹿島の命令しか聞かなくなる。 「まゆちゃん、お疲れ様です。……ほら、『ちんちん』」  キーワードを信号だと捉え、男の身体が適切な体勢を取る。ペニスをさらけ出すように足を畳んで上体を起こし、両手を顔の横で握った。まさしく芸を仕込まれた犬さながらで、女の子様に躾けられた無様雄かくやというありさまである。他のドミナは尊厳など男に不必要なものとして完全に配してしまうから、心の底から服従させる芸を仕込むが何分鹿島は違う。メスの芳香を用いて条件付けを行うことで、オスの常識や自我を残しながら無様を強いるお人形さんにしてしまうことが可能なのだ。  鹿島が口腔拘束具を緩め、ちんちんポーズのまま宣言を促す。補足しておくと、何も催眠というほど強い強制力を伴ってはいない。だから今、確固たる自我を持てば、目の前でどんな顔をしているかわからない彼女に弁解を解くことはできる、さらなる無様を晒さずに済ますこともできる。払いのけられなくはない。けれど、それでは。それでは、と男の心が叫ぶのだ。鹿島様のご期待を裏切ってしまう。であるからして、さらなる恥辱を見せる羽目になると知れども、社会的な死を疑似的に味わいながらすらすらと言葉がでる。  降参の証の無様射精させていただきますっ…♡ 「よく言えました♡ くいくいくい~♡ふふっ♡ちゃんと『ちんちん』♡ですからねー♡くいっ♡ぐい~♡♡ ちんちんぶるんぶるんー♡ぎゅぅ~♡えいえいっ♡」  小気味のいい鹿島の掛け声とともにリードが、ペニスを右へ左へ引っ張りまわす。自らの腹や腿にぺちぺちと叩きつけられ、我慢汁を飛ばして悦ぶ男性器。男の弱点を完全に掌握され見世物にされているというのに、男は体勢を変えないままひたすらに鳴き声を抑えんとするのみ。尻の下からくぐっているから、ついでに睾丸もばちんばちんと振り乱されているさまが滑稽さにさらなる拍車をかけている。ちなみに、彼はもともと、会社の先輩社員で鹿島の教育係だった。それがいつの間にやら誰にも言えないただならぬ関係となり、会社では先輩後輩。ここではご主人様とその忠実な犬の関係が板についた。数か月前まで自分の発言にメモを取って目を輝かせていた新入社員の女の子にちんぽを手玉に取られ、性癖を蹂躙され、笑いものにされ、飼われ、躾けられ、そして、愛される情けなさと心地よさ。 「まゆちゃんもやってみますか?♡はい、どうぞ♡」  冷や汗。反抗することもできず、ややあって控えめに、おっかなびっくりペニスが振り回され始める。けれどままに素人の手つき。それがまた一層、男の被虐心、劣等感を掻き立てる。ドミナではない、年下の見目麗しい女の子様に適当に扱われている現実。見たいけど見たくない。妄想しただけで、精液がこみ上げてしまって。もっと強く引いても大丈夫ですよ♡などという鹿島のアドバイスを経て、手綱の徐々に扱いが雑になる。やがて、ぎゅぅ~♡っと根元を絞るように引かれ、とうとう白濁が漏れ出してしまう。射精というにはあまりに情けない、おもらしのようなそれ。いじめられたペニスが許しを請うように白い涙をぷくぅ♡っと垂らした。同時に聞こえてくるふたりぶんの嘲笑、くすくす笑い。 「ぷっ…♡ふふっ…♡まゆちゃんにおちんちん、くいくい引っ張ってもらえてよかったですね♡嬉しくて泣いちゃったのかな♡よくできました♡えらいえらい♡こんなに惨めな射精、そうそうできませんよ♡わんちゃんとして生まれたほうがよかったかもしれませんね♡」  遠のく足音。真っ暗な世界で自らのありかを教えてくださる鹿島様の優しさに目尻が潤む。頭に手をのせてなでなで。いいこいいこ、と繰り返してくださる慈悲深さ。期待してしまって額を床につけると、しょうがない子ですね♡と一声。おねだりを強いてしまった駄犬を咎めることはしないで、すぐさま靴底が後頭部に降ってきた。ずりずり♡ぐりぐり♡と撫でるように踏みしめるヒールを感じながら、男は多幸感に浮かされながら謝辞を繰り返した。 ※※※※※   「それでは、お仕置きです。しっかり反省してくださいね♡」  声色は先ほどよりむしろ甘さが増しているように思える。けれど、その装いは彼女の慈悲深さに内包されるサディズムの現れ、あるいは彼女にとってのけじめである。豊満な体躯をを飾り立てるレザー質の黒。出るところは出て、引き締まるべき部分は引き締まった女性らしい見事な体つき。重厚な鉄の扉、コンクリートの壁面が、無機質さを呼び込み、懲罰房さながらのプレイルーム。否、ここはまさしくそういう用途でしか利用されることのない地下室だ。窓はなく、燭台の明かりも最小限に絞られているため、ほの暗い室内で唯一しかと視認できるのが自らのご主人様たるドミナ鹿島様。外界から切り離された閉鎖空間は、まるで世界にふたりきりのような気さえ思わせる。  罰される立場でありながら、男は心底自分は幸福な人間だと思った。鹿島ほどのドミナさまが今自分だけを見てくれている。あるべき姿からの逸脱に折檻を与え、矯正してくださろうとしている。不敬なのは重々承知しているものの、己が身を顧み、安堵する。彼にとって怖いのは鹿島に見向きもされなくなることだけだ。確かに鹿島様がおっしゃる通り、他の女の子様へ射精を捧げてしまうのは、大変な失態である。償わなければならない。身体には既に二十を数える鞭の痕。音は激しく、ぴしゃりという音が肉を打つたびに鹿島様を呼ぶたび、彼女は頭を撫で、身体を撫でて、哀れみ、慈しみくださった。そのひとつひとつが愛おしい。けれども、射精の裏切りは射精で返さなければならない。 「強烈な刺激によって非勃起状態での射精するのに慣れてしまうと、まず間違いなく膣内射精障害を患ってしまいますが…あぁ、関係ありませんでしたね。あなたにとってのセックスは私の足にへこへことそのかわいそうなペニスを擦りつけて、精液を漏らすことですもんね。…そうですよね、私のわんちゃん」  瞳を覗き込まれ、動悸が激しい。わかっているはずだ。男にだって社会的な立場がある。今はわからないが、もしかしたらいつか結婚したいと思う女性ができるかもしれない。そんな将来の可能性をすべて捨てて、鹿島に操を立てることができるのか。凄まじいまでの性的倒錯感だ。会社に勤める自分を現実世界と呼ぶなら、ここは虚構だったはずなのに。気付かぬうちにじわじわと現実を侵食し、つい先週などは会社の廊下で鹿島に股間を握られ、耳元に一言囁かれただけで着衣射精を強いられてしまった。ここで誓ってしまえば、どちらも鹿島によって壊されてしまう。ずっと鹿島に、後輩の女の子様に依存しなければ生きていけなくさせられてしまう。そんなことって、あまりにも惨く、なんと胸が高鳴ってしまうのだろう。 「ふふ、お目目の奥までとろんととろけて…♡あーぁ、あんなに真面目でかっこよかった『せんぱい』はとうとう、ここで私の足にとどめをさされて死んじゃうんですね…♡ふふっ♡もうこの呼び方も今日でおしまいにしますね…♡」  男の足が鹿島の両脇に抱えられ、ブーツ底が男性器の芯を、ヒールが会陰部をしっくと捉える。誰もがこの体勢を取られれば、本能的に逃れようとするだろう。もっとも、もはや逃れる手段などないのだが。 「いきますよ、はーい♡ぶるぶるぶるー♡ご主人様からの踏まれ心地、しっかり覚えてください♡ふふっ♡えーい♡ほぉら♡腰持ち上がってますよー♡犬らしく、媚びてみたらどうですか♡ぷくくっ…♡上手上手♡ご褒美のずどどどどー♡」  情けない射精の中でも1、2を争う電気あんま。女の子の遠慮ない踏み揺らしで弱点を刺激されるという構図は、性的刺激はもちろん多大な羞恥心も呼び起こす。許してください、鹿島様、鹿島様っ。くぅーん、くぅーん♡と必死に許しを請いて鳴く馬鹿なオスマゾ。いくら平静では上位存在に媚びへつらい、忠誠を誓ったところで、追い詰められると命乞い。無論、あんまの足は止めないで、睾丸を蹴りまわし、竿を擦り、踏み。会陰部を踵で掘ってやりながら。あぁ、なんてかわいそうで、惨めで情けなくて、かわいいのだろう。まごうことなく、これは動物だ。だから私が飼ってあげないと、幸せに躾けてあげないと。そんなことを考えているときの鹿島はぞっとするほど美しい。それを知っているのは躾けられたオスマゾだけなのだ。 「え?射精したからやめてほしい?もう、何を言っているんですか。浮気したおちんちんは精液が一滴も出なくなるまで吐精していただきます♡はい、命乞いだけは上手ですね♡でもだーめ♡精液ぜーんぶしんでください♡」 《終》

Comments

鹿島様の足で躾けていただけるオスマゾくん羨ましい…… 本当に鹿島様に一生を弄ばれちゃうんですね。 オスマゾにしか見せない加虐で染まった鹿島様のお美しい姿を見られて本当に幸せです……。 以前より内容のハードさが上がって更に大興奮でした。

プッチャン


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