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fanbox限定イラスト|2019年6月号

もうすっかり季節は初夏から梅雨に入った。

数日はまるで真夏日のような暑さがつづいていたが、もう天気予報は雨マークだらけだ。

「あら?雨降ってるのに遊びに行くの?」

遠くから姉ののんきな声が聞こえる。

急いでいるっていうのに。

「うん、ちょっと友達と用事」

「ちゃんと宿題もやりなさいよ、もうじき受験でしょ。今の順位じゃトップ取れないわよ」

「うっさいなあ、母さんみたいなこと言わないでよ。じゃ。俺。行ってくるから」

いそいそと話を切り上げ、玄関で傘を乱暴に取り上げると俺は外へ駆け出した。

雨は昨日からずっと降っていたせいか、まだ小雨だというのに先日の暑さはまるで嘘のように空気を冷やす。

傘を持ち出しておきながらそれを使うこともなく駆ける。

路地を抜け、川辺の土手をヤオハソ方面に下っていく。

土手とバイパスがぶつかる場所は、トンネルのようになっているので「けた」が先の道を目を隠す。

それを目印に土手からくだり、バイパスの高架下を藪沿いに歩いていると、俺の身長くらいはあるだろう雑木の傍らに、草に囲まれているこぢんまりとした青いビニールシートのテント小屋が見える。

貧相に見えて以外にしっかりしたように見えるその小屋を、来た方向から逆手に回り、みかんのダンボールと壊れたベニヤを組み合わせた、鶏小屋の扉のようなものを開き中を覗く。

「ぷ……おっちゃ居る?」

扉を開けて顔を突っ込んだ瞬間に、乾かすのを忘れて放置してしまった服のような、おがくずを湿らせたニオイが鼻につく。一瞬ひるんでしまったが、俺はこのニオイが好きなのだ。

そのニオイの発生源なのか、それともこのニオイが染み付いてしまったのかわからない、横たわった汚い大きな毛玉がこちらに寝返りをうつ。

「おー、ボウズ、マジできたのかあ」

「約束でしょ!」

この臭い毛玉の大男とあったのは半年以上前、まだ学年がいっこ下だったときだ。

俺が作った誰にも邪魔されない自分専用の秘密基地、と言ってもカードとかプラスチック人形を置いておく倉庫のようなものだったが、とにかくその秘密基地にいつのまにか居着いていた。汚いクッションやよくわからないゴミを持ち込んで俺が試験シーズンで忙しい間にすっかり馴染んでしまったようだ。

今日もこんな日中から酒を飲んでいたのか、この部屋の悪臭の中に少しアルコールのニオイが追加されている。

「で、約束なあ、まあ、おっちゃはいいけどよお、じゃ、ボウズに大人の遊びを教えてやるかあ」

「やた!」

そう、俺はこのおっちゃにこの秘密基地を間借りさせてやる代わりに、俺が遊びに来たとき大人の遊びを毎回ひとつ教えるように約束したのだ。前回からずいぶん時間が経ってしまったが、これが結構面白い。

親にバレないようにお酒を少し飲ませてもらったり、タバコは大人の味だと聞いていたのに、そんなに美味しくなかったけど新鮮な感覚だった。教育ママパパな我が家ではそういった少しワルなことはご法度なのだが、この見るからにワルの塊のおっちゃは、牙と同じくらいありそうなでかい鼻をけだるげにポリポリかきながらも俺に大人の遊びを教えてくれるのだ。

俺は秘密基地を、おっちゃは大人の遊びとワルな俺の秘密を。ちょっと不思議な共犯関係だ。

「つってもなあ、今日はこのとーり外は雨。おっちゃこういうときお外出たくねんだわ。だから買い物が必要系はパス。ボウズからもらったよそ行きの服ももうこのとーり。」

おっちゃは脇をバリバリかきながらグシャグシャになった僕があげた服だったものを見せてくる。

「ええ〜!まあそれ安いからまた買っておくけど、じゃあなんかここでできることしようよ」

「うーん…………酒まだあるかねえ」

「あ!おっちゃ!俺、セックスしたい!」

「はァ?!」

秘密基地の壁に使っている、ヤオハソのゴミ捨て場から拾ったベニヤ板が一瞬きしんだ気がした。

「いいじゃん、セックスも大人の遊びでしょ。俺だってエロ本くらいは読んだことあるんだぜ」

「ボウズ、マジにおっちゃとセックスしたいわけ?」

「来年からガッコも上に行くのにセックスも知らないなんてほら、俺だってねえ」

若干押し気味に詰め寄るとおっちゃは少し情けない顔になり考え込む。

太い眉がハの字を書き、毛むくじゃらの耳が小さく折り畳まれてしまった。

「あー……いいかあ?ボウズ、セックスはな、大人の遊びだが好きなやつとするもんなんだ」

「え?俺おっちゃのこと好きだよ?」

「…………」

多分こいつわかってねんだよなあとか、しかし俺も他人とはもうさっぱりだしなあとか、据え膳がなんとかとかブツブツ言いながら、おっちゃはまた考え込んでしまう。

俺はおっちゃがビニール袋の下に隠しているショートホープをひとつ奪い火をつけ、一息吸う。

うげえ、ヤッパリ煙草の味には慣れない。

そのタバコ一本の最後の灰を落としたところで、おっちゃが俺に向き直った。

「わかった!じゃあこうしようぜボウズ、いきなりセックスはだめだ」

えっと言いかけた瞬間追っちゃが俺の口にいつから洗ってないかわからない汚い人差し指を当ててくる。

おっちゃの皮脂のニオイがついているのか、部屋の悪臭を濃くしたようなニオイがする。

こういうとき犬科獣人って敏感だよなあ。

「まあ聞けって。全くガキはせっかちなんだよ。これからはおっちゃが大人のエッチな遊びをちょっとずつ教えてやろう。だから、それを全部覚えて、お前がエロマスターになったらおっちゃがちゃんとしたセックスしてやるよ」

まあ。そういうことならいいか。

俺は渋々承諾すると、またおっちゃは少し考え込む。ブツブツを聞いていると確かにオナニーなんて俺でも知っている。

「おっちゃ考え込んでるならさ」

「あ〜?」

「ちんちんしゃぶらせてよ」

またベニヤがきしんだ。

「ボウズな、あのな」

「大丈夫だって、セックスって確か本番がなんとかとかそんな感じでしょ。それにタバコは美味しくないからさ。俺おっちゃのニオイ好きだしちんちんのほうがうまそうだよ」

数分問答をしたら、流石に疲れたのかしゃあねえと言いながら、もともとはスカイブルーのストライプだったはずの茶色いパンツを脱ぐと俺の頭にかぶせてきた。

「なにこれ」

「目隠しだよ。顔見られると恥ずかしいからよお」

「おっちゃって、ワルなのになんか弱いよね」

「うっせ、力はぜってえボウズに負けねえぞ」

「コドモとパワーで競うなよ…」

おそらくおっちゃの股汗のせいで、異常にツンとしたニオイのするパンツをかぶった俺は、今相当バカっぽい姿なんだろうなと思いながらおっちゃのちんちんを手探りで探す。

見当違いのところを探していたからだろうか、おっちゃが俺の手を掴みちんちんの位置を教えてくれた。ちょっと湿っていてグニグニしている。それに汗っかきなおっちゃのせいだろう、ちんちんもタマも湿っているというより、濡れている。手だけでそのヌルヌルした感覚を受けていると、なんだかクイズ番組のびっくりボックスをやっている芸能人の気分がわかる気がする。

しばらく触っていると、はじめから少し弾力のあったちんちんがどんどん大きくなっていくのがわかる。

はじめはわからなかったが、大きくなったとわかってからは手にドクドクと脈打つ感触が届いていた。

「あ、でっかくなった」

「いちいち言わんでいい……」

照れている。

人肌にしては少し温かくなりすぎな、そのちんちんをしばらく触ったあとに、俺は本題に戻ることにした。

「じゃあ、しゃぶります!」

「いちいち言わんでいいわい!」

これは照れているというより、からかうなという意思表示に感じるな。

ちんちんをさわりはじめた頃からわかっていたが、おっちゃがパンツを脱いでから明らかに秘密基地の湿度と臭さが上がった気がする。おっちゃの汗とちんちんの酸っぱいニオイが充満した部屋は雨の湿気も手伝い、少し息苦しい。

俺は舌を出して手で捕まえている、ちんちんを舐める。多分先っぽ?なんだろうか。

舌にマーガリンのような感触と、この部屋の生臭さの結晶のような悪臭が突き抜ける。

「〜〜〜〜〜ッッ」

「ほっほらな、やっぱお前さんにゃまだはや……」

俺は中断しようとするおっちゃを、見えないながら声の方向へ手を伸ばし静止させる。

ちょっとなれない感覚だったからびっくりしただけだし。ていうかおっちゃが目隠ししてなかったら全然びっくりしなかったし。

もう一度俺は舌を出しちんちんを舐める、少し口の不快感に慣れてきたぞ。

せっかくなら口全体で慣れてしまおうと思った俺はおっちゃの咥え込んだ。おっちゃのちんちんは見た目に反して、おもったより全然でかい。口の中がいっぱいになってしまった。

このしょっぱい味は、おっちゃのタバコよりは、うまいのかもしれない。

ちんちんを口に入れた一瞬、おっちゃの腰がビクッと動いた気がする。

咥えてるだけじゃ身動きがとれない、と思い位置を整えるために舌を動かすたびにおっちゃが息を荒げながら小刻みに揺れている。これが感じてるってやつなんだろうか?

ちょっとでもこのままじゃ位置が悪いな、一回口からはなそう。と口を大きく開け頭を後ろに引こうとしたとき、突然おっちゃが俺の後頭部を押さえ、口が離せなくなってしまった。

強烈な酸味とニオイで唾液まみれの口がヌルヌルとして抜け出しない。

少しびっくりして体を身じろぎさせる。

秘密基地の中は雨の音なのか、この行為の音なのかわからない音が響く。

ニチャ。ニチャ。ニチャ。ニチャ。

おっちゃの息がどんどん荒くなる。口が塞がれ、鼻でしか息ができない俺は窒息気味で頭がクラクラしてきた。おっちゃの太い指の生えた大きな手は俺の頭を掴み前後に動かす。口の中のちんちんもそれに合わせ俺の口の中で動き回る。舌の位置がまた悪くなると思い、俺はおっちゃのちんちんを口の中で舐め回すように舌のポジショニングを探る。

ジュッチャ。ジュッチャ。ジュッチャ。ジュッチャ。

口の中にしょっぱい味が広がっていく。おっちゃが大きく息を荒げながら叫ぶように声を出す。

「ああ。はあ。はあ。あーっ。はあ」

窒息気味の俺を全く気にもとめていない。これはエロ漫画で見た快感でトリップしてるってやつなんだろうか?口の中に広がるしょっぱい味を嚥下するために口に力が入った瞬間。

「ああああああああっでる!いいか!だすぞ!」

何がいいのかはわからないが、コクコクうなずくしかない俺の口の中に突然濁流のようにネバネバした液体が大量に注ぎ込まれる。蛇口を全開に開いたような射精の勢いに少しえづき、ぼたぼたと口の外にこぼれ落ちる。

「はあ。はあ。」

というおっちゃの少し満足げな荒い息遣いが聞こえてくる。



「じゃあまあ今日はこのくらいかな」

「ボウズ、お前さんよくそんなヘーキそうにできるなあ」

雨脚が少し落ち着き、途中我を忘れてしまったことを平謝りするおっちゃをからかうことに満足した俺は帰り支度をはじめながら話す。

「片付けといっても今日のこの状態じゃ一回川に入っていったほうがいいかもね」

おっちゃはバツの悪そうな顔をしている。

「じゃあ次の訪問までしっかり留守を頼むよ秘密基地の番人クン!」

「ああ……な、なあ……それよりまだ大人のエッチな遊びは教わりたいのか?」

おっちゃのよくわからない複雑な表情に、どう返したらいいのかわからなかったが「もちろん」というと、少し表情が柔らかくなった気がする。

俺はまだまだおっちゃにいろんなことを教わりたいのだ!

-おわり-

■あとがき

(画像は高解像度です。)

久々にSS書きました。読み返すと恥ずか死してしまいそうなのでノー推敲です。

夏コミの原稿が優先になるので次回の更新は…もうちょっと先かな〜どうかな〜。

※このSSは続きものじゃないです。思いつきのぽっと出です。

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