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星を“手当て”をする者

10年以上前のこと。突如、4足歩行の巨大生物が星に飛来し、そのあまりの恐怖に世界中が震え上がった。


大きくてふわふわの前足にまん丸の胴体、大きな顔。その姿形だけ見れば、可愛らしい生命体と言えなくもないのだが、しかし、サイズがとんでもなかったのだ。


体高はゆうに数㎞を超え、“彼”が飛来した際の地震だけでも死者は数百万を数えた。


当然そんな大怪獣相手に通用する兵器など、人類はまだこの時持ち合わせてはいなかった。もし怪獣に明確な敵意があれば、世界中の都市は瞬く間に蹂躙され、人類は滅亡していたことだろう。


しかし……


怪獣は都市の目の前までくると、ジッと町の様子を見つめるだけで、その巨大な足を町に振り下ろすことはなかった。

何を考えているのかわからない無表情でただただずっと町を眺めていたのだ。


しばらくして怪獣はそのまま町に何もせず、別の場所に移動したが、やはりそこでも別の町をその大きな眼で眺めているだけだった。


ただ、仮に怪獣に敵意がなくても、この大きさともなると歩くだけでも天災となりうるから厄介だ。怪獣が視認できないほどの小さな村はいくつも惨たらしく踏み潰されてしまっていたし、結局、彼が星を去るまでに奪われた命の数は1000万を超えている。


この凄惨な出来事が人類に与えた影響は、その被害者数、経済損失以上に大きかった。その中でも特に大きな変化が世界から戦争が消えたことだ。


この広い宇宙には人類共通の敵が確かに存在しており、すべての人々の安寧もすべての国々の国益も、宇宙怪獣の前では簡単に崩れ去ることを彼らは知ったからだ。


怪獣災害以降、世界中の国々で対怪獣兵器の開発が競うように行われ、もし、また怪獣が飛来した時に備えて、各国は莫大な国防費を投じていった。それによって貧困層は更なる貧しさに苦しみ、沢山の人々が飢餓で命を落としていったが、恐怖を原動力にした世界変遷の波は簡単には止まるものではなかった。


—そして、今ここに再び巨大怪獣が飛来しようとしていた。沢山の命を犠牲にして完成させた対怪獣兵器の数々がついに活躍する時がきたのだ。

ズドオオオオオオオオオオオオオオオン!!!


10年前と同じく、隕石のように飛来した大怪獣。

しかし、その着地の地震の規模で人々は致命的に何かがおかしいことに気付く。


地震の死者は前回の数百万どころか、桁が一つ違う5000万人。砂塵が晴れ、人々の前に曝け出されたその姿を見て、世界中の人々が顔面蒼白となる。


そこに現れたのは、まん丸でふわふわの可愛い大怪獣などではなかった。人間と同じように2本足で立ち上がり、雲を突き抜けるその背丈は10㎞をゆうに超える。

四肢は雄々しく筋肉が隆起して陰影が深く刻まれ、股間には立派な陰茎が聳え立っている。


なぜかフル勃起しており、その男根の大きさと言ったら、まるで足が3本あると言ってもいいくらいに太く長い。

その表情は明らかな敵意を孕んでおり、獲物を前にした肉食獣のように舌を舐め回し、悪い笑顔を浮かべている。


そして、さらに驚くべきことは彼が言葉を発したということだろう。


「前回ここにきたのいつぐらいだったかな……まだ子供だったけど、人間の町がもの珍しくて、とにかく夢中になって観察してたのをよく覚えてるな~」

大怪獣が発する言葉は、人間達からするとただの爆音波でしかなく、彼と人間の間での意思疎通を可能にするどころか、それ自体が一つの大量殺戮兵器として機能していた。

彼が言葉を口にするたびに大地は震え、人間達は音圧で身体がバラバラになりそうになる。


すべてが規格外の彼を前にして、人々が絶望するのは無理もない。


それもその筈、彼らが想定していたのは、あくまで10年以上前に現れた怪獣のサイズ感だ。それですら今までに開発した兵器が本当に通用するか疑問が残るくらいなのに、まさかその何倍の背丈を持つ巨神が降臨するだなんて夢にも思わない。


そして、当然ながらこんなバキバキで筋肉隆々の逞しい身体に傷を付けられるほどの力はまだ人類にはないだろう。彼らとしては、せめて1,2発だけでも試しに怪獣兵器をぶち込みたい気持ちはあっただろうが、“降臨地震”が想定を遥か上回っていたこともあり、世界中の軍事施設が半壊し機能不全に陥ってしまっていた。


あとはもう祈るしかない。今回も彼がただ町を観察するだけで去ってくれることを。


—しかし、彼の左手が怒張陰茎に添えられた時、その淡い希望が脆くも消え去ったことを人々は理解する。


「さぁ、ちょっと可哀想だけど、残念ながら君たち人間は星の“汚れ”として見られていてね。今回、星を“手当て”する為にこの俺が派遣されたんだよね。」

町の目の前にクソデカペニスを突き出し、優しく語り掛ける巨獣。超級の固定伝搬音に町中のガラスが砕け散り、屋外にいた人々の鼓膜を次々と破壊していく。


どうやらこの宇宙は既に彼のような巨大生物の手中にあり、星々はすべて彼らによって管理されているらしい。


そして、人類は星を穢す“癌”として認識されてしまっているのだろう。

その治療法として一番有効なのは粛正。そう、大量虐殺だ。


「俺も無益な殺生は好まないからさ。ちゃんと君たちを使ってあげるよ、オカズとしてね…!冥途の土産に俺のクソデカチンコを目に焼き付けろ…!!」

ゴシュ!!ゴシュ!!ゴシュ!!


大都市のすぐ真上で行われる白昼堂々の直下型大自慰!その衝撃は凄まじく、ピストン運動だけで高層ビル群が砂上の如く崩れ去らんばかりに大地が震える!


人知を超えた衝撃によって大地が砕け、まるで下手なドミノ倒しように乱雑に建物が倒壊していく。


「あぁ~喜怒哀楽のある知的生命体達の前で見せつけ虐殺オナニーするの最高に気持ち~!!おい、人間共!!星の全生命搔き集めても足りないくらいデカい大質量の俺のチンコはどうだ?神に祈っても無駄だぞ…?俺様が神様だからな…!!」

イキり散らして、気分を高揚させていく。


神様という割には舌を垂らして野生動物のようにだらしないが、しかし、性欲に素直になることが、何より気持ち良いものだと彼は知っている。

ゴシュ!!ゴシュ!!ゴシュ!!ゴシュ!!


ピストン運動がその激しさを増し、上下する腕が巻き起こす突風がビル群を大地ごとひっくり返して、まだ生き残っていた人たちが何千人、何万人と生き埋めにしてしまう。

「あぁ…俺様のチンコがでかすぎるせいでみんな死んでいく……オナニーが激しすぎるせいで世界が滅茶苦茶になっていく……!」


命が急速にオカズとして消費されていく。そして、その終わりにはしっかりとフィナーレに相応しい噴水ショーが執り行われる。


「で、射精る……!!あ、イく……!!!」

ビュルルッルルルルッルルルル!!!


途轍もない量の白濁液が鈴口から空高く噴き出し、そして、無情にも町に降り注いだ。

粘性のある大質量の愛液の前では、人間如き矮小な文明は塵芥同然。圧倒的な水圧に一瞬でビル群は粉々になり、そこに住むすべての命も押し潰されて儚く消えていった。

灰色の大地は瞬く間に白い湖を変わり、星の癌細胞たちの代わりに周囲は神の遺伝子で溢れかえる。


これが彼の言う“手当て”なのだろう。


一見、猟奇的な酷い行いのようにも見えるが、それは結局のところ人間目線での物言いである。彼ら神からしたらただ星を延命させるための治療を施したに過ぎないのだろう。


こんな悲劇が起きない為にも、生命は謙虚でなくてはならない。神様の手を煩わせないよう慎ましく生きることが我ら下等生物に課せられた使命なのだ。

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