20XX年、世界は震撼した。
なんと隕石群が地球に向けて飛来していることが観測されたのだ。
中には恐竜絶滅級の大きさの隕石も含まれており、地球に住むすべての生命体
が死滅することは確定的だった。
人々は混乱し、恐怖し、絶望した。
しかし、そんな中、一柱の巨神が彼らの前に姿を現す。
神の名は“ガイア”。
彼は地球という星そのものを具現化したような存在であり、人間のように二足歩行
しているが、しかし、全身は毛で覆われており、肉食獣に近い頭部を持っている。
神に性別も何もないのかもしれないが、“彼”と記したのは、股間から第三の足でも
生やしているような途轍もないサイズの男根をぶら下げていたからだ。
彼は地平線の先どこからでもその姿を確認できるほどに巨大で、どんな高い雲よりも
上から地面を見下ろしている。
彼が姿を現したのは、地球に住む尊い命を守る為だった。彼は地球の守護神だったのである。
(全員の命を守ってあげたい…)
慈悲深きガイアはそう思ったが、しかし、これだけの巨体であっても、降り注ぐ隕石群すべてを迎撃するのは難しい。
2,3個逃した隕石が地球と衝突するだけでも、脆弱な命達は簡単に散ってしまうだろう。しかも、迎撃の為に彼が激しく身体を動かせば、それこそ彼自身が隕石衝突級の被害を出しかねない。
実際、彼が地球に降臨した際も、着地した衝撃で大地震が巻き起こり、1億人程度の死者を出している。
それほどにガイアは巨大で脅威的なのだ。
「う〜む…いったいどうしたものか…」
彼は座り込んで悩んでしまった。
いっそ隕石の衝突を防ぐのは諦め、代わりに出来る限り命を一か所に集めて、自分の全身で覆ってやって、爆風や衝撃波から守るのがいいのではないか、という結論に至ったが、しかし、少しでも隙間があるとそこから熱風が入り込んで皆死んでしまうかもしれない。
それほどに命は脆いのだ。
どのような体勢なら隙間なく密閉した空間を作り出せるのか、色々試してみようと立ち上がったガイアだが、ふと足元の自分の座っていた“跡”を見て面白いことに気付いた。
ガイアは途轍もなく巨大が故に彼が座っていた場所は大きく陥没し、クレーターが生じる。しかし、尻と金玉のクレーターに間に一部地表が残っている空間があった。
彼の睾丸は座ると地面にべったり付くほどに大きく、それ故に恥骨の真下あたりに臀部に挟まれた謎の空間ができるようだ。
ちょっと恥ずかしい場所ではあるが、しかし、尻と骨盤底筋、金玉でしっかり覆われているこの空間は命を守るうえでは最適だ。面積もゆうに100㎢はある。
しかも、ハートのような形をしており、まるでこの空間で命を守ってやれとでも言わんばかりだ。
ガイアはさっそく人類に呼びかける。
地球でも有数の大都市を一つ指定し、すべての人類にそこに集結するように指示した。併せてできる限り野生生物を捕獲し、それらも大都市に集めるように言った。鳥も虫も植物も、1種でも多く生存させ、絶滅する種を限りなくゼロにせよ、との神のお達しだ。
それは決して簡単なことではないが、身長数百㎞の巨神の命令だ。人間達はただ従うしかなかった。
—そして、隕石衝突の日。
ガイアの指示した大都市には人間達100億人と、それ以外の生命体数百億が集合した。彼はその大都市の真上に細心の注意を払いながらゆっくりと座った。
しかし、それでもそこそこの規模の地震が生じ、残念ながら集まった命の1/10は失われた。
ガイアは恥骨の下にあるこの空間を“聖域”と呼び、隕石の衝突に備えたが、しかし、聖域の中は想像以上に地獄のような状況になっていた。
しっかり密閉されたその空間は光が完全に遮断され、暗黒に包まれており、また、巨神の体温により、急激に気温は上昇。秘部付近とあって湿度や匂いもなかなかのものだ。
金玉に蒸され、それだけでも死者が出るレベルだというのに、更に彼の拍動までが命達に追い打ちを掛ける。
ドクン、ドクンという巨神の鼓動は、それだけで震度3を計測するほどのインパクトがあり、その爆音は地震被害だけでなく、音圧で窓ガラスを割る被害まで発生させている。
それが10億の命を奪い大都市を滅茶苦茶に破壊し尽くした先ほどの大地震のあとに立て続けに発生しているのだから、状況は最悪だ。
しかも、巨神の金玉からはドドドドドドドという何か濁流のような音も聞こえており、その振動だけでも地面は絶えず揺れていた。
この振動の正体は、精子。
睾丸で生成される彼の精子はその一つ一つが数十メートルはある。
人間達からすれば、ガイアの金玉は億を超える数の怪獣が封じ込められた器だ。怪獣達が器の中で暴れ回ってこの振動が起きているのだ。
そんなこと露知らず、命を守っている満足感で悦に浸るガイア。ついに地球に隕石群が降り注ぎ始めたが、彼にとっては小隕石など雨粒のようなもの。いくつか身体にぶつかったが全く動じてもいない。
しかし…
「あ、そんなところに…ッ!」
よりにもよって隕石が立て続けに彼のちんこに衝突する。慌てて手でちんこをカバーしようとするも、デカすぎて手では覆いきれず、次々とペニスに隕石がぶつかる。
(どうしよう…変なとこ刺激されてムズムズしてきちゃった…)
股間の怪物が目覚めようとしていた。
(だめだ…今勃起なんてしたら…!)
必死に自分を制しようとするが、しかし、一度意識してしまうと中々興奮を抑えるのは難しい。
―ほどなく100kmを超える巨塔が地球に打ち建てられた。
巨塔に血を送る過程で、より激しくなった拍動で、聖域下は震度5の地震に晒され続けており、すでの大都市は瓦礫の山になりつつあった。死者は50億を超え、もはや聖域の内と外でどちらのほうが危険なのかわからないくらい酷い有様だ。
(抑えろ‥抑えろ…!!)
勃起こそ防げなかったが、しかし、ガイアはその先にあるもう一つの危険を察知し、必死に抑えようとする。
その危険とは、“ヒクつき”。
即ち骨盤底筋の伸縮だ。
大都市の数倍はあろうかという恥骨周辺に広がる骨盤底筋。主に排泄時に使われるこの筋肉は性的興奮時にふいにビクンと脈動し、チンコを揺らす。
それがもしこの聖域下で発生したら…?
その衝撃は彼が守ろうとしているはずの尊い命を逆に滅茶苦茶に虐殺してしまうだろう。
それくらいはガイアでも想像ができた。
(しまった…こんなことになるなんて…ケツ穴付近の骨盤底筋は地面と接してる…この状態で筋肉が動いたら地面が大きく押されて、みんなが…!)
まさか自分の生理現象がここまで致命的になるとは思っていなかったガイア。
必死にちんこをビクつかせないように堪えるが…
―その時、ちょっと大きめサイズの隕石(といっても彼にとっては小石程度だが)がこれまた運悪く彼のちんこの先に当たってしまった。
敏感な亀頭を刺激され、抗うこともできずヒクついたガイア。と同時、
“聖域”は“逝イキ”と化した。
(“聖域”Seiiki=“sanctuary” “逝イキ”Seiiki=“Died by ejaculation”)
それは隕石の衝突すら凌駕するほどのエネルギーを孕んでおり、一瞬大きく膨らんだ恥骨部分の筋肉によって、大都市は地盤ごと押し上げられ、睾丸の壁に押し付けられて、粉々に粉砕された。
大都市に集められた世界中の命は、ガイアのたかが一回のヒクつきであまりにも呆気なく消滅した。
ノアの箱舟のように次代に種を繋ぐべく、必死に掻き集めた命たちは、皮肉なことに慈悲深き地球の守護神によって皆殺しにされてしまったのだった。
(あぁ…ごめん…みんな殺しちゃった…)
ガイアはただただ謝った。
そしてひとまず勃起を治める為にチンコを扱き始めるのであった。
おわり
Glacario
2025-06-20 11:54:18 +0000 UTC