—2024年9月
その日、日本では異変が起きていた。
水面が埋め尽くされるほどの大量の魚の死体。それが太平洋側の海岸広い地域でどこまでも広がっており、その数は数10億匹にも及ぶと試算された。
魚の体内からは許容基準の約10万倍の放射線量が検出され、太平洋全域が死の海になっていることが推察された。
地球規模の異変に世界中が焦燥する中、一人の歴史研究家が過去の文献を引き合いに一つの仮説を立てる。
“ゴジラ再臨”
過去に東京に襲来し、銀座を消滅させ、3万人もの死者を出した破壊神の復活の仮説を・・・。
そして、その仮説は当たった。
“異変”が始まってから3日経ったその日、再びゴジラが日本に現れたのだ。しかし、その姿は過去に人類が対峙したものとは比べ物にならない凶悪な体躯をしていた。
というのもそもそも単純にその背丈が、過去の文献に記されたものより一回り二回りどころではないほどに巨大だったのだ。
ゴジラが上陸し、たった一歩町に足を踏み下ろしただけで、列島全体が揺れる程の衝撃が巻き起こる。それもその筈、その全長はなんと20㎞をゆうに超えていた。
上陸に伴う津波は湾岸部の都市を纏めて海に沈め、それだけでも死者は200万人に及んだ。ゴジラのたった一歩が発生させた地震は、日本の国土の1/4という超広範囲に震度7クラスの揺れを巻き起こし、南端北端でも震度5弱を記録するほどの大きなものだった。
地球史史上最大となったこの大地震による死者は800万人超。何が起きたかもわからず大パニックに陥った人類をよそにゴジラはというと極めて鮮明な思考で命を奪う感覚に感じ入っていた。
20世紀中頃。初めてゴジラが日本に上陸した時は、まだ彼の知能レベルは野生動物と同等だった。ビキニ環礁で行われた核実験「クロスロード作戦」に巻き込まれて被曝した直後だったこともあり、巨大化こそすれど、まだ脳の発達が追い付いていなかったのだ。
そもそも小笠原諸島大戸島で初めて人間と相対した際、まだ彼は幼獣だった。そこから僅か1年で超巨大化したのは単純な成長だけでなく、放射能によって全身の細胞がエラーを起こしたことが原因だろう。
動物には古い骨を破壊する“破骨細胞”と新しい骨を作る“骨芽細胞”があるが、成長期は骨芽細胞が優位になることで身長が伸び、やがて両者のバランスが均衡して成長が止まる。
しかし、彼の場合は莫大なエネルギーが常に体中を駆け巡っており、骨芽細胞が異常に活性化され、いつまでも成長が止まることがない。
まだ「呉爾羅」と呼ばれていた15mの爬虫類が、被曝後たった一年で50mまで急成長したのだ。そのペースのまま80年もの間成長し続ければ20㎞もの巨神と化すのも頷ける。
勿論巨大化したのは筋肉や骨だけではなく、脳も人類のソレとは比較にならない程に肥大化していた。ずっと海底にいたこともあり学習する機会がなかったので、人間の言葉も世の機微も全く判らないが、しかし思考は極めて鮮明で、自分が大量の命を奪っているという事実はしっかり理解していた。
そして、なによりこの80年、ずっと人間への憎悪を抱き続けて発達した脳だ。その殺意は尋常ではない。
ゴジラは空に向かって吼えた。
その強烈な爆音が半壊した町に追い打ちを与えるように伝播し、町を一層平らなものに変えていく。
人間の科学実験の巻き添えにされた怒り、“海神作戦”で全身に受けた大きな痛み…
今まで人間から受けた苦しみを考えれば、彼のこの底知れない憤怒は当然と言えば当然だ。初めて人間と遭遇した時、彼らはゴジラに銃を向けた。彼としては人間たちが戦争によって自分のテリトリーを荒らしたことへの警告程度の襲撃のつもりだったが、機関銃を向けられたことで自分の身を守る為にも整備兵たちを皆殺しにしざるを得なかった。実際、直接的に攻撃してこなかった敷島や橘、他の島民は虐殺せず、生かしてやるくらいには幼少期の彼にも慈悲や分別があった。
しかし、よりにもよってその生かした二人が2年後恩を返すどころか仇で返してきたのだ。彼にとって人間という生き物はもう醜悪で卑怯なゴミクズという認識しか持ち合わせていない。
例え今地球に蔓延っている人間達が直接的には無関係の罪なき子孫と言えど、彼からすれば等しく害虫でしかないのだ。
ゴジラは無意識に人の一番集中する東京のほうへと顔を向けた。
彼が上陸したのは愛知県だったが、既に県民の大半が津波と地震で死傷していた為、もはや眼中にない。
それにこれ以上ゴジラがわざわざ手を下さずとも既に愛知県民の全住人が致死量の放射線を浴びていた。
放射性物質の塊である彼の肉体の放射能は凄まじく、100㎞離れた時点でも10000ミリシーベルトを超える。これは被曝後1,2週間でほとんどの生物が死滅するレベルの放射線量であり、それこそ彼の“死の間合い”である50㎞圏内に接近しようものなら一瞬で全身の細胞が破壊され即死することになる。
太平洋にいた海洋生物が壊滅したのもこれが原因であり、ゴジラは既にこの星の生命とは共存不可能な死の化身と化したと言える。
ゴジラが死の行進を始める…
一歩一歩が人類史上最大クラスの大地震を巻き起こす天災。日本全土で緊急地震速報が鳴り響き続け、止まらない激震は急速に日本の人口を減らしていた。
一踏みで富士山を平らにしてしまう程の巨大な足に踏みつぶされれば、一瞬で形あるすべての物が粉々に消滅し、逃げ場を失って周囲に拡散された空気は、ビルも木々も地盤でさえも吹き飛ぶような爆風を生み、地震と共に周囲を滅茶苦茶に蹂躙していく。
それだけでも彼を中心とした半径数十キロメートルの致死率は99%を超えるのだろうが、残りの1%の命もしっかり放射線で刈り取っていくのだ。
彼の歩んだ道はただ瓦礫の山になるだけでなく、今後数百年草も生えないような死の大地と化す。
そして、彼自身自分が犯している惨劇がどれほど凄まじいものなのか、その高い知能でしっかり認識しているようで、その証拠か彼の股間にボロンとぶら下がっている巨大なオスのシンボルに急速に血が流れ始めていた。
底知れぬ憎しみが破壊と殺戮によって晴れていく感覚。性成熟を迎えたばかりの言わば思春期のゴジラにとって、心満たされる虐殺の爽快感は性的興奮を誘引するには十分なご褒美だったのだ。
80年前、東京に上陸した際は雌雄も判別できない程に未成熟だった彼も、今や大人のゴジラとして、雄々しい男根を生やしている。
一歩また一歩踏み出し、死体の山を重ねるにつれ、ドクン、ドクンと勃ち上がっていくゴジラの男根部。そのペニスサイズは彼のその逞しい尻尾と同等かそれ以上の存在感を放つ程の上物で勃起時にはゆうに5㎞を超えていた。
そんな富士山の標高すら超えるクソデカチンコが歩みと共にぶおんと左右に空気を薙ぐ度に、暴風とソニックブームが前方広範囲を大地ごとひっくり返し壊滅させてしまう。
それはもはや子孫を残す為の器官ではなく、この星に住むすべての種族を絶やす為の器官のようで、単純な性行為の為に発達したというよりは、人類を抹殺する為の大量虐殺兵器として異常発達したと言われても十分納得できる程に凶悪なちんこだ。
彼は本能からか、この股間の化け物をどう扱えばいいのか判っていた。しかし、なぜか今すぐにでも扱きたい筈のその手をグッと握りしめ、東京に向かうことを優先した。
これも彼の高い知能から紡ぎだされた一種の勘か何かなのだろう。おそらくシコった先にこの星に何が起きるのかまで予想できているのだ。
ボタボタと高濃度の放射性物質を含む我慢汁を垂れ流しながら、首都東京への虐殺の歩みを続けるゴジラ。しかし、それも20㎞の彼の歩幅では大した距離ではない。
彼自身ただ歩くだけで自分の周囲広範囲の生命体が消滅していることはよく判っており、特に勃起ペニスが左右に触れる度に前方が扇状に更地になってしまうこともあって、踏みつぶす感触、快感は大幅に低減していた。
幼少期の記憶ではあるが、銀座で人間達を踏み殺し、骨を砕いた感触が今でも脳裏に染みついており、あのスカッとする感覚をもう一度再現したいと彼は思っていた。
天災のような暴力的な一歩は次第に優しく静かになり、一振りで数十万を死に至らす“虐殺棒”も暴れぬように両手でがっしりと抱え込む。
そうすることで漸く彼は“直接的な踏みつぶし”によって人を殺めることができた。
銀座の地で足元を逃げ惑う人間どもを踏み殺した時は一歩あたり多くても10数人程度の殺害だったが、今やその一歩は10数の村を一度に平らに成すほどの途方もない規模に達している。
血袋が破裂し、骨がバキバキに砕けるようなあの時の感触はもう味わえないが、代わりに何十棟何百棟のビルと、そして数十万の命を纏めて踏み潰す感触も涎が垂れる程に気持ちの良いものだった。
あまりの爽快感に思わず咆哮を上げるゴジラ。肛門括約筋がビクンと大きく脈動し、まるで射精でもしたかのような凄まじい量の我慢汁が噴き出し、カウパーメテオが地を穿つ。
運よく彼の巨大な足に踏みつぶされず、なんとか形を残していた町並みもあるにはあったが、これだけ接近していることもあって、外を歩いていた者や車で避難していた者達はそのほとんどが被曝し即死していた。
屋内にいた人間は多少なり生き残っていたようだが、それも我慢汁の絨毯爆撃の前では一溜まりもなかった。
即死級の放射能を持つ我慢汁が湖丸々一つ分の規模で落ちてくるのだ。もはやどこに逃げても助かる道などあろう筈もない。
愛知県を消滅させ、そこから静岡のほぼ全域を死の大地に変え、既に死者は1000万人を超えていたが、この間たった10分の出来事である。富士山を悠々と跨いだその先には新たな1000万人の犠牲者候補が蠢いているものの、この短い時間で避難できたものなどただの一人いないことだろう。
ゴジラができる限り歩行地震による被害を抑えようと努力しても、それでも一歩あたりの地震の規模はマグニチュード6を計測するほどである。
連続的な地震の中での避難など不可能などころか、古い家屋などは既に倒壊しているものも多く、道は滅茶苦茶に寸断され、東京都丸々陸の孤島と化していると言ってもよいくらいだ。
ゴジラは人口密集地域の踏み心地をできうる限り新鮮なものにしようと、更にゆっくり慎重に歩を進める。
その甲斐あってか彼の巨大なちんこが町に影を落とす距離まで接近しても大半のビル群は辛うじて倒壊せずに残っていた。
残念ながら避難する為に屋外に出ていたものは全員被曝し、全身の細胞が滅茶苦茶に破壊されて崩れていったし、屋内にいた者もほぼ瀕死で、真面に意識があるのは地下に避難した者や分厚いコンクリートに遮蔽された建物の中にいる者だけとなっていた。
そんな“死の町”にトドメをさすかの如く、彼は町のど真ん中にその巨大なプレス機のような逞しい脚を振り下ろした。
高層ビルだろうが地下街だろうが関係なく等しくすべてを無に帰す巨槌。
富士山の面積にも匹敵する巨大な足裏は一瞬で東京の特別区一つを丸々スクラップにするほどのスケールがあり、人も動物も虫も鳥も植物でさえもその無慈悲な蹂躙から逃れる術はなかった。
立て続けにもう一方の足も別の特別区に踏み入れると、ゴジラはふと目を瞑る。
両の足で一瞬で200万人近くの命が消滅したその感触にゴジラは全身が震える程の快感を感じていたのだ。
再びゴジラが目を開けた時、彼の股間の化け物は更に太く大きく天を衝いていた。
フル勃起。
奥多摩湖の10倍はあろうかという水量の我慢汁を垂れ流し、余計にもう一つ区が消滅する様子を見た彼はついにここ、日本の首都のど真ん中で抜くことを決めた。
5㎞もの超巨大な主砲がついに火を噴くときがきたのだ。
海底で巨大化し続けた80年間、彼の中に蓄積され続けていたのは憎悪だけではない。精嚢に溜まり続けた放射性物質の塊のような超濃厚な精液。それをこれからぶちまける!
あまりに巨大なそのご尊根。ただ包皮が海綿体を滑るだけで凄まじい轟音と地鳴りが発生し、彼を中心に蜘蛛の巣のように周囲に地割れが広がっていく。
その凄まじさたるや、もはやどんな強い言葉を使っても表現しきれるようなものではなかった。代わりにただ事実を示すとすれば、“たった数往復のピストン運動で東京23区が壊滅した”だ。
富士山の標高より高く、富士山の質量より重いのだから、当然、富士山の大噴火より被害は大きくなる。
当然と言えば当然のことなのだが、しかし、巨大生物のたかがオナニーだけで一瞬で1000万人が消滅するだなんて誰一人想像もしたことがなかっただろう。
ちんこを扱く手が更に激しくなり、気付けば首都直下型大自慰が発生させる地震のエネルギーはマグニチュード10を遥か超え、ゴジラの周囲はもはや町があったことさえ信じられない程にシェイクされ、山も川も湖もごちゃ混ぜになってただの泥のようになっていた。
そして、北海道、沖縄両方で震度7が計測され、日本の全人口が半分を切った頃、ついに人類史を終焉に導く究極の一撃が放たれた…
それは-
80年前に国会議事堂を中心に半径6㎞を灰燼に帰し、瞬時に3万人を虐殺したあの恐怖の熱線すら児戯に思えるほどの超極大の射精熱線だった!
彼が絶頂し、陰茎が青光りしたと同時に鈴口が眩く輝いた矢先、高圧水銃のように勢いよく放たれた“炎の精液”。
その飛距離は到底日本の国土に納まるようなものではなかった。巨大な精液の塊は隣国どころか遥か遠く地球の裏側に着弾し、未曽有の大被害を齎す。
射精爆心地となった日本は完全に消滅し、巨大なクレーターだけが広がる不毛の大地となり、それと同じように地球の反対側の地域にも日本のそれと同じサイズの精液メテオクレーターが出来上がりクレーター内はマグマのような精液で満たされている。
精液着弾地点の死者数は数億に上ったが、しかし、それすら可愛い数字と思えるほどの被害がこの射精にはあった。
その一つが気温上昇である。超高温の精液が地球全土に広く拡散したことにより、全世界の平均気温が20度近く上昇し、南極の氷が一瞬で溶けて海面が60m近くも上昇してしまったのである。
これにより世界中の沿岸地域の都市ほぼすべてが水没し、海抜の低い国がいくつも消滅することとなった。
もう一つは精子の脅威である。放射性物質の塊のような極めて強いエネルギーを持つ精子が世界中の海を蠢き拡散し、一瞬で地球全土が汚染され、全生命が被曝するに至った。
海に近付くだけで致死量の放射線を浴び、雨も当然汚染されている。もはやどこに隠れようと放射能汚染から逃れる術はなかった。
更に恐ろしいのは精子がすべての生命体を卵子と見立てて襲ってくることだ。
億どころか兆単位でぶちまけられた地獄の兵隊達が地球に生きとし生ける者すべての尊厳を奪おうとしているのだ。
そう地球はゴジラのたった一回の射精で“死の星”となってしまった。
射精から三日経った頃には死者は79.9億人を数え、95%の種が絶滅した。これは2億5000万年前に起きたと言われる地球生命史史上最大の絶滅である“ペルム紀末大量絶滅”すら超える大絶滅だ。
僅かに残った人間もそのほとんどがもう数日で死に絶えることになるだろうし、それは残り5%の種も同じことである。
放射能汚染と遺伝子汚染の2重苦。この世紀の大地獄に耐え命を繋いだものが、この死の星の次の支配者になることだろう。
なんにせよ地球はもうゴジラに孕まされた。ゴジラがそうだったように、ゴジラの精液で被曝した何かが新たな怪獣として姿を現すかもしれないし、放射能汚染に耐え得る新たな生命体が誕生するかもしれない。
そのすべての命の父がゴジラになるのだ。
おわり
深淵ネコジャラス
2024-10-17 11:59:06 +0000 UTC深淵ネコジャラス
2024-10-17 11:56:55 +0000 UTC深淵ネコジャラス
2024-10-17 11:56:15 +0000 UTCあかいろ
2024-10-17 11:36:58 +0000 UTCとんこつ
2024-09-28 06:06:36 +0000 UTCShaykey
2024-09-27 19:56:21 +0000 UTC