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スーパーノヴァ

ある日、一匹のメスの宇宙生物が眠りについた。


彼女は途轍もない質量を持った生物だった為、万有引力によって周囲のスペースデブリ、小隕石を飲み込みながら、また幾度と小隕石と衝突しながら、彼女の皮膚は岩石に覆われていき、やがて丸い岩石の塊となった。

それから何十億という年月が経ち、彼女を覆う岩石の表層には生命が誕生した。

生命は進化を重ねる中で、より高度な知能を有するようになり、いつしか“人間”という生物がその高い知能を武器に彼女の表層を支配するようになった。


そして、人間達の個体数が80億を数えた頃、突如、表層に大きな罅が入った。

“大爆発”。スーパーノヴァ—超新星爆発である。


人間達が地球と呼んだ彼女の殻は内から破裂するように粉々に砕け散り、一瞬で80億の命も文明も自然も46億年間もの間積み上げてきた地球の歴史も何もかもを破壊した。

「ふぁぁ~ 良く寝た。さて今日は何をしようかしら」

46億年は彼女にとってたった一日の睡眠に過ぎなかった。


80億の命は彼女という星の見た夢だったのかもしれない。粉々に砕け宇宙ゴミと化した人間達はそのまま彼女の引力に引っ張られ、彼女の肌のシミとなった。


その豊満な乳のシミになったのか、陰部のシミになったのか、誰もそれを知る由はないが、しかししっかりと生きた痕跡は彼女の身体に刻まれている。


そして80億の命の化粧水は少なからず彼女の美貌に貢献していた。


彼女の考案したこの“岩盤浴”は微生物を皮膚に塗り込み、細胞を活性化し、皮膚を若返らせる斬新な睡眠方法だったのだ。


まるで卵から不死鳥が孵化するように、たった一匹の宇宙生物の若返りの為だけに80億の命が消費されるスケール。


銀河クラスの大事件も彼女にとっては何でもない日常なのだ。

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