毎年夏になると、この海岸には大勢の海水浴客が詰めかける。
南北にかけてゆうに1㎞はあろうかという海水浴場を10万人もの人々が埋め尽くし、砂浜はカラフルなビーチパラソルで彩られる。
海岸線に沿ってズラッと海の家が立ち並び、近郊には観光業で栄えた町並みが広がっている。少なくともこの繁忙期において、ここは地球上のどこよりも人口が密集している地域と言って間違いはないだろう。
しかし、そんな彼らに水を差すように、突如、海岸に姿を現した者がいた!
ズーン・・・ズーン・・・
浴場に響く謎の鈍い音。何かのイベントでも始まるのかと、海水浴客達は辺りを見回す。
「な、なんだあれ!?」
一人が声をあげると一斉に皆が町の方角を見る。そこには繁華街の町並みより遥かにデカい一匹の白い巨大生物がいた。
浴場はどよどよとざわつき、これから何が始まるのかと各々顔を見合わせている。しかし、巨獣のシルエットがみるみるうちに大きくなっていくのが見えると、人々はようやく自分たちに危機が迫っていることに気付く。
「こ、こっちにくる・・・!逃げろおおおおおおおおおおおおお!!!」
一人が絶叫したのを皮切りに海水浴場は一気に大パニックに陥った。
そう、今から始まるのはイベントでもエンターテインメントでもない。大量虐殺ショーだ。
バカンスの最中にあって、気が抜けていたのか、あまりにも気付くのが遅すぎた人間達。町をなぎ倒しながら一直線で進む巨獣の足は既に海の家を踏みつぶすところまできていた。
「へぇ~なかなかいいロケーションじゃん」
巨獣は掛けていたサングラスをずらし、辺りを見渡すとそう言った。
ルビーのような紅蓮の瞳、砂浜より白く美しい毛。そして、その毛並みの中から覗く黒光りする肌。アロハシャツを身に纏うその姿は海水浴客達と何も変わらない。しかし、致命的に異なるのがその大きさだった。
繁華街の町並みをただ歩くだけでなぎ倒してしまうほどの巨体。彼もおそらくただ海を楽しむために来たのだろうが、スケールの違い過ぎる彼がここでバカンスするということは、同時にすべての海水浴客達や日銭を稼ぎに来た海の家のスタッフ達、そして海岸の町の住人達を犠牲にすることに他ならない。
彼が友好的でないことは左手に戯れに鷲掴みにされている電車を見れば火を見るより明らかで、また彼の股から堂々とせり上がる極太の怒張陰茎から察するに、既に手のつけられないほどの興奮状態にあることは確実だ。
もはや冷静に話し合うなど不可能だろう。
「よし、気に入った。ここを俺のプライベートビーチにしよう。」
無情にも下されるプライベートビーチ宣言。それは、即ち人間達全員をここから消すということである。
砂浜に振り下ろされる両の足。一瞬で数千人単位の海水浴客が彼の逞しい足裏を前にスクラップになる。
「邪魔だ。糞虫共。早く逃げないと踏みつぶすぞ!」
と言いつつも、彼は一切人間達に逃げる猶予を与えることなく海岸に沿って砂浜を歩いていく。
皆必死に逃げようとするのだが、あまりにも人が多くておしくらまんじゅう状態だ。結局、ほとんどが巨獣に踏みつぶされてしまった。
白く美しい砂浜が一瞬で赤く穢されていく…
その様子を見て巨獣は鼻息を荒くし、股間をビクンビクンと震わせる。
猟奇的興奮…というよりは圧倒的征服感からくる興奮だろうか。自身のジャイアニズムに酔っていると言っても良い。
巨獣は血で汚れないようシャツを高層ビルの一角に掛けると、腰を降ろし、砂浜一杯に仰向けになる。
「おい、人間ども。日焼け止めクリームを搔き集めて、全員俺の股に集まれ!・・・早くしろっ!いうことを聞かないと町を破壊し尽くすぞ!」
このまま皆殺しにするのかと思いつつ、巨獣は気まぐれなのか人間達に命令を下す。
このパワーバランスの前では、どんな命令であっても逆らうことは許されない。歩幅100mを超す巨体から逃げるのは不可能に近く、既に足元にいる人間達全員が死の間合いに入っていると言って良い。もはや死を免れる為には、彼の気まぐれに縋るしかなかった。
最初こそパニックのあまり状況が理解できていなかった人間達だが、冷静な何人かが声を掛け指揮を執り始めたことで、今度は逃げるのを止めて代わりに必死に日焼け止めクリームを搔き集ようとする。
それを見て巨獣も自分の股あたりに手で砂をかき寄せ山を作り、ペニスに人間達がアクセスできるようにした。
「さぁ、全員で俺のちんこにクリームを塗れ。俺のチンコは敏感なんだ。しっかり全体に塗り込めよ」
人間達の目の前に立ちふさがる巨大な肉の壁。性器だけでもちょっとした高層ビルくらいのサイズがある。
人間達は彼のチンコの根元に集まると一生懸命クリームを塗り始めた。
ちっちゃな人間達の無数の手がペニスを弄る感触が伝わってくる。
健気に尽くす人間達に気分を良くしたのか、巨獣はサングラスを掛けるとそのまま日光浴を始めた。
…5時間後。日暮れ時。
「ふわぁああ、良く寝た。・・・ん?」
巨獣の視界にピカピカに磨かれた自分の性器が入ってきた。ふと股付近を見ると、クレーン車がたくさん並んでいる。
どうやら人間達は巨獣の命令を忠実に守ろうと、持てる限りの方法で亀頭の先まで磨き上げたようだ。
(ふぅん・・・可愛いじゃないの。)
正直なところ彼は人間達には一切期待していなかったようで、適当に遊んだ挙句、結局オナニーに巻き込んで皆殺しにしようと考えていた。
しかし、その献身性からもう少し役に勃たせてやろうという気分が沸いてきた。人間達が生きようが死のうが何の興味もなかった彼の中で人間という存在が“何の価値もないゴミ”から“奴隷”に変わったのだ。
「頑張った代わりに生かしてやろう。褒美に俺様の精液をくれてやる!」
巨獣は人間達の目の前で堂々オナニーを開始した。
ふんだんにクリームが塗りたくられて滑りの良いペニスをゴシゴシと扱いていく。
50mはあろうかという巨根の包皮がズリズリと海綿体上を移動する様は圧巻で、思わず人間達は彼のオナニーに釘付けになった。
そして・・・
ビュルルルルルッルルル!!!
50万リットル。25mプール並々一杯に匹敵する大量の精液が人間達目掛けてぶちまけられた。
運悪く直撃してしまった数十人は圧倒的精液圧の前に圧死してしまったが、幸い精液による皆殺しは起きなかった。
巨獣のほうも別に意図的に殺そうとは思っていないようだ。
精液に絡めとられて阿鼻叫喚に陥っている人間達を見てニヤリと口を歪ませた後、彼は徐に口を開いた。
「来年またこの時期に日光浴にくる。それまでにしっかり砂浜を綺麗にしておけ。本来であれば俺の視界に入っておきながら生きていることのほうが不思議なくらいだ。にもかかわらず、わざわざこうして生かしてやってるんだ。これからもちゃんと奉仕しろよ?少しでも手を抜いたらこの地域の人間全員皆殺しにするからな!」
そう言うと巨獣は再び町をなぎ倒しながら、来た道を戻っていった。
巨獣は相当この砂浜と人間達が気に入ったようだ。彼が人間達に生きる選択肢を与えていること自体奇跡と言ってよい。
・・その後、精液の除去作業と破壊された町の行方不明者の捜索、そして、踏みつぶされた大量の遺体の回収作業。これらを迅速に完了させるため5万人を動員したが、“後始末”が終わるまで3カ月を費やした。
以降、この海岸には誰一人として観光客は訪れなくなったが、巨獣の怒りを恐れた政府は代わりに巨獣専用の奉仕施設を建設した。
大量の日よけ止めクリームと高所作業車を何十台と配備し、毎年シーズンになると万単位のスタッフが常駐して、ビーチの所有者様が訪れるのをジッと待つのだった。
ただ健気に奴隷然として巨獣のちんこに全力で尽くす。それだけが人間という種が存続を許される唯一の選択肢なのだ。
おわり